死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件 作:くいあらためよ
二日遅れていますが気にせず話をどうぞ!
「船にのってって一体………てか、お前は本当に何者なんだ?」
「話せば長くなるというか………なんというか………」
自身で掘ってしまった墓穴に右往左往しているとき、ふと、聞き慣れない機械音がした。
この地下部屋自体、機械に溢れているため気のせいかと思ったがどうにも耳につく不快音がする。
「ねぇ、なにか聞こえない?不快音かなにか…………」
「話をそらすなよ…………ん?」
音に気づいたのか辺りを見回す。
ピピ………ピピ………ピピピ……
「この部屋にある機械の音とは違うななんだろう…」
男がたって、振り返った時床に軽い音をならしなが、何かが落ちた。
「なにかしら、これ。」
つまみ上げると確かにソレからは音がしていた。
ちょうど、瓶ビールの栓ぐらいのサイズだ。
「これは何かわかる?」
「どれ…………………」
男が、ソレを眺めているとみるみるうちに顔が青ざめた。
「?」
「奥に……奥に走れヒビキ!」
言うが早いか、ミカサたちが入ってきた入り口が突然爆発した。
「発信器だ、クソッ!」
男に引っ張られながら奥へ走り出す。
「なんでまた走らないといけないのよ!」
「そこを左に走れ!出口があるはずだ!」
もたつくミカサについてこいと言わんばかりに手を引いた。
「いいか、次の基地へ向かう!それまで決して手を離すなよ!」
「え、えぇ……」
すぐにはしごが見えてきた。
「登るぞ、遅れるなよ!」
はしごを登り、男が天板をはずすと日の光が射し込んだ。
そして、男に手を引かれ身を外に出した。
「よし、まだ敵は追い付いていない!いく…………」
そのとき、銃声が鳴り響いた。
目の前で血飛沫が飛び、ミカサの顔や服に付く。
「くっ………そぉぉ、油断しぜ………」
肩を撃ち抜かれていた。
男は傷口を、手で押さえながら呻き声をあげていた。
「し、しっかり!」
「いいか、お前だけでも………」
「そこまでだ、少佐。」
振り返ると、防弾装備で身を固めた男がたっていた。
「貴様はもう逃げられん。おとなしくデータを渡すんだ。」
「けっ、やなこった。」
なんことだか、ミカサにはわからないがひとまず逃げた方がいいと思い、後退りをする。
しかし……
「この女がどうなってもいいのか?」
「カッ……!?」
突然首もとを絞められ、拘束される。
「おい!ヒビキは関係ない!はなせ!」
「お前がデータを渡せばいい。」
「クッ………ん?」
あれ、苦しくない。
首辺りに違和感はあるも、痛みも苦しくも無かった。
あ、そうか、私、メンタルモデルだった。
自分自身が何者か、思い出したミカサは反撃に出ることにした。
「あんたねぇ……」
「!?」
「な!」
「いい加減にしなさいよ!」
思いっきり肘を男の胸に叩きつけた。
防弾プレートが割れ、男が血ヘドを吐き倒れる。
「す、すげぇ………」
「まったく、女性の扱いがなってないわねぇ……ん?」
感心する男をよそに、大勢の人とヘリコプターが接近していた。
倒れている男の仲間が追い付き、ミカサと男に銃を向けた。
『武器を捨て、両手をあげろ!』
「チッ……ここまでか。」
「いいえ、まだまだよ。」
ミカサはニヤリと笑い、意識を集中させた。
「貴様らに、我々の力を見せてやる………」