もしアイドル達にオリ兄弟がいたら?   作:雨乃谷 飴人

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皆さんどうも。雨乃谷 飴人です。
連続投稿です。
前話のアンケートの締切はこのグループのメンバーの話を書き終えるまでとしたいと思います。
ご協力よろしくお願いします。
では、どうぞ。


働きたくないアイドルに弟がいたら?

姉貴が相変わらずなんですが。助けてくれませんか?

あ、どうも双葉胡桃です。はじめまして。突然ですがボクの話を聞いてもらっていいですか?姉貴がぐうたらで相変わらずなんです。最近になってアイドルとかを始めたので少しはマシなるかと期待していたんですが、その期待も虚しく、家でぐうたらしっぱなしです。

百歩譲ってだらけるのは構いません。ですが身の回りの世話までボクにやらせるのは花の女子高生としていかがなものかと。普通下着の洗濯を仮にも男のボクにやらせますか?いくら弟とは言え少しは恥じらいを持って欲しいものです。

そんなんでは嫁の貰い手がいなくなるぞ?と言ってみたことがあります。あれでも女の端くれ。それを聞けば少しは改善すると思いました。しかしそれに対し姉貴は

 

「ん〜いなかったら胡桃がもらって」

 

と言ったのです。さすがのボクも耳を疑いました。いくらぐうたらで仕事嫌いで恋愛なんて面倒臭いとか思う人でもまさかそんな返答で来るなんて思いもしませんから。

 

「胡桃〜」

 

姉貴が呼んでいますね。行くとしましょう。こういう時に無視をすればいいのでしょうが、素直に反応してしまうあたりボクも姉貴に対して甘いのでしょう。

 

「何?」

「テレビのリモコンとって」

「……はぁ。」

 

リモコンをとるためにボクはキッチンから呼び出されたようです。

 

「はい。」

「ありがとおー」

 

今の姉貴はソファに横になっています。頭には幼い時にボクがあげたうさぎをしいてリモコンを操作しています。

……しかし珍しいですね。姉貴がテレビを見たいとは。今は基本的にゲームかネットをしている時間帯ですし。

 

「お?」

「……」

 

どうやら自分の出ている番組をかけたようです。

たしか、珍しく疲れた顔をして帰ってきた日の収録のでしょう。しかしなんでまた……。

 

「……ああ、なるほど。」

「……」プイッ

 

その画面には姉貴が高難易度問題を次々と答え、自分達を勝利に導いている姿でした。

……ほーん?

 

「ふ〜ん……」

「……何さ?」

 

顔だけこちらに向けて少し不機嫌そうな目で見てきます。ですがボクの目は誤魔化せませんよ?

 

「三村さん、よく頑張ってるね。」

「むっ……」

 

いつもの仕返しです。

 

「おお!緒方さんもよく耐えるなぁ」

「むむっ……」

「あ、姫川さん落ちちゃった。結構問題答えられてたのに。」

「むむむっ……」

「幸子ちゃんって可愛いよね!」

「むっ!」

「十時さんおっきいなぁ(何がとは言わない。)」

「……ふんっ!」プイッ

 

おっと。やり過ぎたかな?すっかり怒ってしまったようですね。

このように、姉貴は時折自分の出ている番組をかけてはそれをボクに見せてきます。最初は全く意図が伝わってきませんでしたが、最近になって気がつきました。要するに彼女は褒めてもらいたいのです。自分はこんなに頑張ってるんだぞ、凄いんだぞ、と。けれど、それを姉貴は自分で口にしません。それでは自分の行動に矛盾が生じてしまうからです。だから、ごく自然にかつボクが自発的に褒める状況を作ろうとします。

……まったく。いじらしくて可愛いではありませんか。そのような態度をもっと普段から出していけば貰い手など腐るほどいるでしょうに。

 

「むー……」

「ふふっ」

「む?何笑ってるだよ。」

「何でもないよ?」

「嘘だね。胡桃がそうやって杏を見ながら笑う時はだいたい変なことを考えてるもん。杏の目は誤魔化せないよ?」

「いやー姉貴は可愛いなーって」

「かわっ!?なんだよ、いきなり!」

「何でもなーいよー」

「うー……ふんっ」プイッ

 

あらら、またそっぽを向いてしまいました。

そろそろからかうのもやめましょう。もしかしたら泣いてしまうかもしれませんし。

 

「泣かないよ!」

「……なぜわかったし」

「胡桃はわかりやすいんだ!」

「……ふむ。姉貴この放送よく頑張ってるじゃん。」

「……別に、杏は速く終わらせてぐうたらしたかっただけだもん。」

「その割には結構ガチで勝ちに行ってるよね?」

「……そ、それは他の二人が頑張りたいからって……」

「ふふっ、姉貴は偉いなー」ナデナデ

「うわぁ!?なんだよ!?」

「いやー?いつも頑張ってる優しい姉貴へのご褒美だよ。」

「や、やめろぉ!」

「ほれほれー」

「うーわー!」

 

ジタバタと姉貴がソファの上で暴れています。それでもそれは本気ではなく、せいぜい手と足を動かす程度です。やろうと思えばボクの手なんて一瞬で振りほどけるのにそれをしないあたりが可愛いですよね。

姉貴はいつもぐうたらしているのは褒められたい感情の裏返しなんじゃないかと時折思います。

姉貴は褒められるというかことがあまりありませんでした。出来て当然。それが姉貴に対して与えられてきた評価です。

もしかしたらそれが原因でこんなぐうたらな感じになったのかなって思います。それならせめて、ボクだけは素直に褒めてやることにします。まあ、日頃の鬱憤も込めて多少焦らしますがね。

 

「い、いいかげんにしろぉ!」

「ん?やめていいの?それならやめようかなー」

「あっ……」

「……」ニヤニヤ

「う、う〜」カー///

「冗談だよ」

「……胡桃のくせに」

 

やっぱり可愛いですね。

 

「ホント、よくやってるよ」

「……別に〜、杏は印税欲しいだけ〜」

「そか。」

「そ」

「なら、もう少し頑張ってアイドル活動しないとな〜」

「うっ……。働きたくない。」

 

 

まあ今でも頑張ってるのは事実ですし、これからは少しくらいのわがままは大目に見てあげるとしましょうかね。

 

「胡桃」

「ん?」

「飴なくなった。買ってきて〜。」

「……自分で行きなよ。」

「え〜……杏、アイドル活動で疲れてるから動きたくなーい。」

「……」

 

前言撤回。やっぱり大目に見てやらん。

そんなこんなで姉貴は相変わらずです。

 

おわり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

飴を買いに行った弟の事を考えてみる。

いつも杏に自分でやれ、ボクにやらせるな。とか言うけど最終的にはやってくれる弟。我が弟ながらなかなかにいい男だと思う。

……と言っても杏には恋愛経験なんてないしどこからがいい男かもわからないけどね。

 

「よっと……んー!はぁー……」

 

ソファに座り直して伸びをする。

こういう時弟がいたら飲み物を持って来てくれたりする。本当に気が利く弟だ。嫁の貰い手がどうとか言われた時に弟にもらって、と言ったことがあるけど割と本気で考えて見てもいいかもしれない。杏が稼いで胡桃が家事。

……なんてね。

 

ガチャ

 

「お?」

 

どうやら帰ってきたようだ。

飴を買いに行くにしては少し時間がかかっている気がする。

 

「ただいま〜」

「おかえり。遅かったね?」

「ん、飴のついでにシャンプーとトイレットペーパー、あと卵も買ってきたからね」

「……主婦だね」

「?なんか言った?」

「いや〜」

「あ、そうそう。明日布団干したいから早めに起きてね」

「……」

 

やっぱりもらってくれないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり?

 




ありがとうございました。
杏を膝にのせてのんびりしたい……。
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