もしアイドル達にオリ兄弟がいたら?   作:雨乃谷 飴人

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お久しぶりです。雨乃谷です。
本当申し訳ありません。お待たせしました。
反省しています。

ではどうぞ。


読書家の女の子に弟がいたら?

…………………。

 

 

…………………。

 

 

…………。

 

 

……。

 

 

…ん?

……ああ、どうも。気づかなくてすみません、少し待っててください、キリのいいところでやめますから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……奏汰くん。」

 

「……。」

 

「あ、あの……」

 

「……。」

 

ふー……。お待たせしました、キリがいいとこまで来たので始めましょうか。

僕は鷺沢奏汰。大学生の姉を持つ18歳です。姉同様、読者が好きで本の虫、むしろ本が本体では?と言われるほどです。

まあ、僕のことはいいでしょう。みなさんが聞きたいのは姉のことですよね。

僕の姉は……

 

 

 

「奏汰くん!」

 

「うっ!?」

 

 

!?……驚きました。目の前に姉の顔があります。……なぜ?

 

 

 

「なんです?いきなり大声出さないでください。」

 

「……大声ではありませんよ」

 

「しかし耳に響きました。」

 

「それは私が耳元で囁いたからです。」

 

「なるほど。」

 

 

だから、吐息が聞こえたんですね……。

随分近くにいたようですね、いつからでしょう?

 

 

「いつからいたんです?」

 

「奏汰くんが113ページをめくったあたりからです。」

 

「そうですか……」

 

 

いつの事か分かりませんね。なんせ今は456ですし。

しかし、姉がこうして近くにいて、しかも読書を遮ったとなると何用でしょうか?

 

 

「何用で?」

 

「もうすぐ夕飯ですよ。」

 

「おや」

 

本当ですねもう5時をまわっています。

急いて準備をしなくてはいけませんね。今日は何を……おや?

 

「文香姉さん、今日夕飯はいらないはずでは?」

 

「その予定だったのですが……」

 

なるほど。一緒に夕飯を食べる予定だった方が急な撮影が入ってしまったと。

ならばまた別の機会にということになり急遽、夕飯が必要なったということですか。

 

「事情は理解しました。」

 

「……良かったです」

 

「しかし困ったことになりましたね……」

 

「困ったこと?」

 

「今日は文香姉さんがいない予定だったので」

 

「……?つまり?」

 

「文香姉さんの分の夕飯がありません。」

 

「……」

 

 

固まりましたね。

おお、目が理解出来ませんって感じになってます。大きな瞳ですねえ……。

 

「大丈夫ですか?」

 

「……っ!困ります!」

 

帰って来ましたね。

 

「ええ、困りました。」

 

「わ、私は奏汰くんの夕飯が食べられないということですか!?」

 

「いえ、今から買い物に行けばいいだけですので、問題ありません。と、いうか今週一の大声ですね?」

 

「す、すみません……し、しかし私にとって奏汰くんの夕飯が食べられないというのは大問題なのです。大声も出ます。」

 

ありがたい話です。

ありがたいですが文香姉さんは将来大丈夫なのでしょうか。

古い考えかも知れませんが女性はやはり料理はできていた方がいいかと思うのですが……。

 

「大丈夫です。」

 

「はい?何がです?」

 

「私が料理しなくても奏汰くんがいます。」

 

「……」

 

思考を読まれましたね。驚きです。やはり女性はエスパーなのでしょうか?

 

「それでいいのですか?貰い手がなくなりますよ?」

 

「も、貰い手などいりません……!奏汰くんが入れはそれで……」

 

「しかし、いつまでも僕がそばにいるわけではないのですよ?いつか僕も結婚するかもしれませんし。」

 

そうです。もう18歳ですからね。

……まあ、脈など欠片もなさそうですが。

そこの貴方、いい人がいれば紹介してください。

 

「……けっ!?い、いけません!まだ早いですよ!」

 

「早いと言われてももう18ですよ?」

 

「ダメです!いいですか?世の中の女性は怖いんです。奏汰くんのような子はすぐに捕まってしまいます。」

 

「……女性を見る目くらいはあるつもなのですが。」

 

「ダメったらダメです!奏汰くんは本か私と結婚すればいいんです!」

 

「え〜……」

 

なんということでしょう。選択肢がありません。本は人ではありませんし、文香姉さんは実の姉ですし。

……と、いうかプロポーズされましたね。それだけの大胆さをお仕事で生かせればいいのですが。

 

「文香姉さん。プロポーズ紛いなことしてますよ?」

 

「プロポっ!?プロポ……」

 

「あら」

 

顔が熟れたトマトのようになりましたね。黒い髪からは煙が出ているような気もしますね……。

 

 

 

ボーンボーンボーンボーンボーンボーン……

 

 

 

もう6時ですか……先程から1時間?そんなに経ってますか?と、いうか買い出しに行かないといけません。

 

「文香姉さん、起きてください。早くしないと本当に夕飯が食べられなくなりますよ?」

 

「ぷぷぷ……え?」

 

「早く買い出し行きましょう。」

 

「そ、そうですね……まずは夕飯です!」

 

「文香姉さんキャラがおかしいです。まるで腹ぺこキャラですよ?」

 

「は、腹ぺこ……お、お腹が空いているのは事実ですから……!」

 

「まあ、いいです。行きましょう」

 

「あ、は、はい……」

 

 

それでは行ってくるとしましょう。

そこの貴方、申し訳ありません。本当は姉のことを話すべきなのですが、今から予定が入ってしまったのでこの当たりで失礼致します。

また、お会い出来る日を楽しみにしています。

では、また。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……本は買わないでくださいね。」

 

「!?」

 

そ、そんな……

 

「ほら早く行きますよ」

 

「あ、待ってください」

 

私は奏汰くんあとを追いかけます。

相変わらずいい弟です。私は恵まれていますね。

やはり、奏汰くんにはずっとそばにいて欲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ですので

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこの貴方。

 

 

 

 

 

 

 

 

女性など彼に会わせようとするなら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本のサビにしますよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おしまい?

 

 

 

 




ありがとうございます。
改めて待ってくださっていた方々本当にお待たせしました。ライブが近くなり、また熱が湧いてきたので書きました。なるべく次も早く出せたらいいなと思います。

それではまた。

埼玉メットライフ両日現地参加します。やりました。

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