ありきたりな脳髄よ、今宵の月と踊れ   作:フロワ

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視えないけど見える。


閑話
〜考〜


身支度をして外に出てきた。

朝ごはんはオーソドックスに目玉焼き。

美味しかったです。

白目の真ん中にちょこんとある黄身が可愛いよね。

ちなみに私は半熟派。

服装はなんとなく、セーラー服。

いわゆるルーティーン?

太陽が明るい、眩しい、ちょっと鬱陶しい。

カーテンもずっと締め切っていたから、十日ちょっとぶりだ。

「傘が欲しいな。」

なんちゃって。

 

出がけに天気予報を見てくればよかった。

遠くに怪しい雲も見えるし、今からでも確認しよう。

そう思ってスマートフォンの電源を入れる。

「あら?」

真っ白。

アプリが何もない。

Wi-Fiもつながっていないみたいで、何もできない。

「何故?」

 

あ、そうだ。

「契約を私の名前でしたからだ。」

徹底的だな……。

心が折れかねない。

十日ちょっと前に一回折れてるからしばらく折れないけど。

定期的に折れるシステムです。

 

不便だなぁ。

行動範囲を広げづらくなっちゃった。

「まぁ、その必要があれば何とかして広げられるからいいけどね。」

昔にはスマホなんてなかったもんね。

電車やバスには路線図があるし、駅にはだいたい地図がある。

そもそも家にはパソコンがある。

「現代って便利なんだなぁ。」

 

さっきから誰にも視えないのをいいことに独り言しほうだいである。

いつもはこんなに話さないのに、話す相手がいなくなって饒舌になるなんて皮肉な話。

ここで一つ私の頭に疑問が浮かんだ。

私はカメラに映るのだろうか?

鏡に映ることは身支度の時に確認済みだ。

鏡は私が自分の目で視ているから視えるのだろうが、カメラは私が直接視ているわけではないから映らなさそうである。

それを言ったら、鏡も十分映らなさそうだよね。

「えーっと、カメラ機能は使えるのかなっと。

 ……あったあった。」

よし、使える。

でも……。

「内カメってどうやればいいの?」

思えば今まで自撮りなんてしたことないな。

写真だってほとんど撮らないし。

スマートフォン自体もそんなに使わない。

でもそんなにボタン(?)は多くないから勘で押しても当たりそうだ。

「年をとってるって言われてたのは、こういうところもあるのかな。」

 

「あ、あったこれだ。

 うわっ!!」

怖い怖い怖い怖い怖い。

カメラには何も映ってない。

いや、怖すぎるでしょこれ。

心霊番組もう見れないよ。

 

「つまり私の姿は私の眼球しか捉えてくれないってことかな。」

あと、お母さん。

 

と、ここで例の視えない友達の姿が見えた。

「あら、久しぶりじゃない。」

彼女の眼球も私の姿を捉えてくれるようだ。

「まあね。」

「可愛い顔にクマができてるよ。」

「最近よく寝られてなくてね。」

「そういうのはよくない。

 あちきなんて毎日9時間は寝てるもんね!」

「それはちょっと寝すぎじゃない?」

「別に大丈夫よ!」

私の視えない友達、多々良小傘はなぜか自信満々に言った。

 




毎度初めまして。フロワと申します。
ちょっとだけお久しぶりですね。
読んでいただいてありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。
不定期更新ですので、悪しからず。
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