ダンジョンに天パ侍がいるのは間違っているのだろうか 作:TouA(とーあ)
どれだけ君たち、エルフの王に夜這いさせたいの?
変態しかいねぇ・・・だが悪くない。
書いた人とはいい酒が呑めそうだ。
ではどうぞ!
《ダンジョン•37階層》
ダンジョン・37階層は『
その名の謂われは白濁色に染まった壁面と、あまりにも大きい迷宮構造だ。ところどころに
そんな城壁に近い階層を銀時、リヴェリア、アイズ、フィン、ティオナ、ティオネ、レフィーヤ、その他のサポーターは探索していた。
「それでアイズはあんな無茶な探索してんのか」
「あぁ。だがその理由を聞いても『何でもない』の一点張りで、何も話そうとしない」
銀時とリヴェリアは先頭で鬼神の如く剣を振るうアイズを見てそう呟いた。
銀時が歓楽街へ行ってから数日後、アイズ、リヴェリア、フィン、ティオナ、ティオネ、レフィーヤの六人は地上へ一度帰還していた。
理由は18階層で起こった、とある事件にある。
リヴィラの街で【ガネーシャ•ファミリア】の【Lv.4】であるハシャーナが殺害された事件である。
それを調査していた一行だったが、
どうやらその女が新種の
アイズが一人無双しているのは、赤髪の女に辛酸を舐めさせられただけだと思っている者もいるが、付き合いの長いフィンやリヴェリア、銀時はそれだけが理由でない事を見抜いていた。
「しッかし、ちょっとでも苦戦すりゃァ可愛げがあるってのに。止まる気配ねェな」
「ヒヤヒヤするが仕方ない。どうせ空腹になったら治まるだろう。ティオナかレフィーヤにアイズは任せよう」
リヴェリアの言葉通りに小腹が空いたアイズは止まった。ティオナやレフィーヤがすかさず駆け寄り、あれよこれよと食べ物や
「おらよッ!」
勿論、銀時も戦闘に時折参加している。
この階層は
ミノタウロス級の体格を誇る『バーバリアン』、
サポーターも含め、リヴェリア、レフィーヤと魔道士のいるこのパーティーは自然と戦闘を行わなければならなくなる訳だ。
そろそろ、折ってしまった剣の借金分のヴァリスが溜まり、地上に帰還しようかとなってきた矢先、アイズがとんでも発言をした。
「フィン、リヴェリア、私だけまだ残らせて欲しい」
その言葉にパーティーの全員がアイズに振り向く。
アイズの視線は確かな意志を漂わせており、驚いたフィンも軽く瞠目した。
「フィン、私からも頼もう。アイズの意思を尊重してやってくれ。私が残るから、滅多に言わないこの子の我が儘を聞き入れてやって欲しい。」
「「「「リヴェリア!?」」」」
「・・・わかった。許可するよ。但し、安全面を考慮してもう一人残ってもらう。それが条件だ」
リヴェリアが残るという事もあり、フィンは首肯した。
他の面々は危ないからとかなり反対している。
「銀時、残れ」
「やなこった」
リヴェリアから振られた提案を銀時は間髪入れずに一蹴した。さすがのリヴェリアも顔をしかめ、アイズは寂しそうに目をウルウルさせる。
「銀ちゃん・・・」
「そんな目しても嫌だっつうの。俺ァ早く帰りたいんだよ」
「銀時、本当にそれが理由かい?」
アイズの呟きに反論した銀時だが、フィンが疑問を呈した。フィンの問いに銀時は目を泳がす。
「ほ、他に何の理由があるってんだよ」
「ここには『スパルトイ』という
「まさか銀時、貴様・・・」
「ちッ違ェし!平気だし!苦手じゃなェし!別に『スパルトイ』の姿が怖いとかじゃねェし!」
(((怖いんだ・・・)))
銀時以外のパーティーメンバーの意見が一致した瞬間だった。
銀時は言い訳を並べているが、誰もそれに耳を貸していない。他は帰還の準備を着々と進めていた。
「じゃあアイズを頼むよ。リヴェリア、銀時」
「フィンさんちょっと待って!!置いていかないでェェェェ!!」
銀時の叫び虚しく他の面々は帰還した。
銀時もそれに乗っかろうとしたが、リヴェリアの笑顔で仁王立ち、加えてアイズのジト目がそれを阻んだ。
「ありがとうリヴェリア、銀ちゃん」
「今更だな。これっきりにしてほしいところだ」
「ごめん・・・来るよ。」
アイズの呟きと同時に地面が隆起した。
岩の悲鳴とともに夥しい亀裂が生じ、地割れの如く大地が割れる。
『────ォォォォォォォォォォオッッ!!』
他ならぬ階層主。
37階層に君臨する『
────ウダイオス。
『スパルトイ』をそのまま巨大化させたような骸骨のモンスター『ウダイオス』は全身を漆黒に纏っている。
下半身こそ地中に埋められたままであるが、上半身だけでも高さは十
巨躯の中心には規格外の大きさの魔石が分厚い胸骨と助骨に守られているように存在している。それはさながら心臓のようであった。
「『ウダイオス』・・・もう三ヶ月経ったか」
「もう・・・嫌。帰らせて」
三ヶ月前に【ロキ•ファミリア】の全戦力を投入して駆逐した存在に、リヴェリアは半ば呆然とこぼす。銀時は更に悲観したが。
「銀ちゃん、リヴェリア、手を出さないで」
アイズの予想通りに出現した階層主に対し、アイズは腰の鞘から《デスペレート》を抜き放つ。
神々さえも認める偉業を成し遂げ、限界を超克する為には丁度良いのであった。
「すぐに終わらせるから」
階層主の黒骨が震える。臨戦状態へと移行する最強の敵を前に。
アイズは地を蹴り、無謀な戦いへと身を投じた。
そこからは長くもあり、一刹那の様な時間が過ぎた。
アイズは超短文詠唱である『テンペスト』を使い、『ウダイオス』と衝突。力は拮抗しているものの、手数が多い『ウダイオス』が明らかに優勢だった。
だが何度も『
すると『ウダイオス』の切り札が出現。
集団で攻めた時には確認されなかった『ウダイオス』の隠し球。
体長六
だがアイズはそれに怯むこと無く、『ウダイオス』の攻撃を避けながら肉薄。逃走など頭の中に全くなかった。
銀時とリヴェリアはついでとばかり出現する無数の『スパルトイ』を駆逐。勿論、心はアイズの安否にあった。
全ての決着がついた時、立っていたのはアイズだった。
満身創痍のアイズにいち早く駆け付けたのはリヴェリアだった。じっとしてろ、と一言言うと回復魔法をかけ、血に汚れた顔を強く拭う。アイズは片目を瞑り、頬をぶにぶにと押されながらされるがままになった。
「ねぇリヴェリア。どうしてほっぺが赤いの?」
「・・・・・・・・・気のせいだろう」
あからさまに目を逸らすリヴェリアに、むぅとアイズは唸る。
「ねぇ銀ちゃん。どうしてまたほっぺに紅葉が出来てるの?」
「・・・・・・・・・気のせいだ」
リヴェリアと同じく、あからさまに目を逸らす銀時にアイズは目を細め、むぅと唸る。
何かが二人の間であったという事だけがアイズの中でわかったことだった。
+ + +回想+ + +
『ウオォォァァァァァア!』
『うるさい!黙って処理出来ないのかお前は!』
銀時は奇声をあげながら『スパルトイ』と交戦していた。
だが苦手であるので視界に入れないように
単純ではあるが、幾千の戦場を乗り越え、無数の戦闘を行ってきた銀時だからこそ行えた技だった。
『はぁはぁ落ち着いたか・・・ん?』
骨の音がなくなり、銀時は目をゆっくり開いた。
だがそれが間違いだった。
瀕死の『スパルトイ』の頭蓋骨にある空洞な目に見つめられていたのだ。
『スパルトイ』の上半身、下半身は銀時の木刀によって粉砕されていたのだが、頭蓋骨の陥没した目だけが銀時の顔に向いていた。
『イヤァァァァァアッッ!!』
もにゅん。
目の前の『スパルトイ』の頭蓋骨から送られる虚無の視線に心底驚いた銀時は、全速力で後方へ飛んだ。
もにゅん、と柔らかい感触に頭が包まれた銀時は一瞬だけ途轍もなく幸せを感じたが、頭の上から降り注がれる殺意の籠った視線に体がガクガク震えた。
『────お粗末』
『へ、へ、変態ッ!!』
エルフの王が思わず、そう叫んでしまうほど銀時の鼻は伸びていた。
バチンッッ!という音はアイズらの戦闘で周囲に響くことはなかった。
+ + +終了+ + +
アイズの問いにリヴェリアと銀時は、何故こうなってしまったのかを顧みていた。
((アイツが悪い))
結局、二人とも同じ答えに辿り着いていたのだが。
アイズは二人を交互に見やると少しだけ頬を膨らませて拗ねた。相手にされない事が気に食わなかったのだ。
銀時とリヴェリアはアイズを挟んで帰路についた。
三人の間には会話こそなかったものの、モンスターに遭遇した時は抜群の連携で駆逐して行った。
《ダンジョン・5階層》
「あ・・・あれ・・・?力が入らない」
いかにも初心者という体の一人の白髪の少年がフラフラした足取りでダンジョンを散策していた。
なぜフラフラなのかというと、人生初の魔法が出現し、主神に黙ってダンジョンへ赴き、超短文詠唱の魔法を連発した為だ。初心者によくある魔法の使いすぎによる
「あ・・・やばい、視界が歪みはじめ・・・て・・・・・・」
ドサッとダンジョンの中でぽつねんと少年は転がってしまった。力が入らず、起き上がれない。
────おいおい、大丈夫かよ。
そんな声が聞こえた。
重い瞼を頑張って開くと何匹かのモンスターに囲まれている自分を護るように剣を振るっている男の姿がぼんやりと見えた。
(なんて綺麗で・・・力強い剣舞なんだろう・・・・・・。)
ぼんやりとした視界であっても、圧倒的な剣舞は少年を興奮させた。
少年の最後の視界に映ったのは鼻をほじりながらモンスターをいとも簡単に屠っていく銀髪の男だった。
「うぅ・・・あ、あれ?ここは・・・・・・」
少年が目覚めたのは少し経ってからだった。
何か頭の柔らかい感覚に心地よさを覚えつつも、周囲を見渡すために体を起こした。
「幻覚?」
「幻覚じゃないよ」
少年の目と鼻の先にはさらりと流れた金髪の神をも羨む美少女がいた。そして少年の憧憬の人物でもある。
今起こっている現実を呑み込み始めた少年は首から上を赤く染めていき、あっという間に爛熟した林檎を作り出していた。加えて
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁブヘッ!」
「いってぇなぁ・・・前見ろ前」
無我夢中に逃げ出した少年はその方向にいる男に気付けなかった。
少年は衝撃で尻餅をつくと、ぶつかった男を徐々に見上げた。
「あ、あなたは・・・・・・」
「んん?」
鼻をほじる銀髪の男は少年からすれば命の恩人でもあった。そして自身に剣を魅せた男でもあった。
「ぼ、僕を弟子にしてください!!」
咄嗟に出た言葉に一番驚いたのは少年自身だった。だが引っ込める訳にもいかない。それに目の前にいる男の剣に魅せられたことは間違いなかったのだから。
「弟子になりてェんなら────焼きそばパン、買ってこいよ」
はい終わりました。いかがでしたか?
引越しがあって投稿がおくれてしまい申し訳ありません。どうにか調子を取り戻したいです。
では毎度恒例謝辞。
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これからも頑張っていきますので応援宜しくお願いします!!
私はこの話を書いている時はDOESの『曇天』を聞きながら書いてます。なんとなく銀魂の曲の中で好きなんですよね。
卒業とか別れの時には『Good Coming』の『仲間』を聞いてます。
みなさんは銀魂の曲ならどんなのが好きなんでしょうか。
銀魂実写化について。
かぶとがり篇をやるらしいですね。ということは金ピカの近藤を中村勘九郎さんがするのでしょうか。
そう思うと少しだけ楽しみになってきます。
ではまた次回。感想評価お待ちしてます!