ダンジョンに天パ侍がいるのは間違っているのだろうか 作:TouA(とーあ)
実写版銀魂について。
真撰組のビジュアルが公開されましたね。色んな意味でビックリしました。
近藤勇(中村勘九郎)→わかる。ピッタリ。
沖田総悟(吉沢亮)→まぁわかる。似合ってた。
土方十四郎(柳楽優弥)→う、うん・・・うーん。
中村勘九郎さんは主演の小栗旬之助さんが推したらしいですね。グッジョブ小栗旬之助。
皆さんはどう思いましたか?私はこう思いました。はい。
では七話どうぞ。
※二巻につなげる話なので短いです。
《黄昏の館》
「『
「・・・・・・・・・」
「それにしても銀時。どうしたんやそのケガ。まるで
「・・・・・・・・・転けました」
「ふぅ~~~ん」
黄昏の館。銀時の自室。
包帯を至るところに巻かれている銀時は布団から体を起こして、主神であるロキの与太話に付き合っていた。だが一度も目を合わそうとはしない。
そんな銀時にロキは明るい声で話し掛ける。だが目は笑っておらず、話という
「あーそうそう。フ•レ•イ•ヤからな、『今回の件は水に流してあげるから、また私の可愛い子供と遊んであげて』って言われたんよ。何でやろなぁ」
「・・・・・・・・・さ、さぁ」
「大体、
「すんませんッしたァァァァァ!!!」
銀時は布団から飛び上がり、ロキに対して極東特有の謝り方である土下座をする。
ロキは嘆息し、肩を竦める。その後にいつもの道化の笑顔を浮かべ、銀時の頭を叩いた。
「もうえぇよ。頭上げェや。銀時が皆の為に刀を振るってくれたのは分かっとる」
「ロキ・・・・・・・・・」
「ちょッッッとやり過ぎやけどな」
「もうホントすんませんでした」
再度、銀時は地に額を擦り付け謝罪した。
ロキは仕方ないなぁ、と呟くと銀時の頭を撫でた。天然パーマの髪をゆっくりじっくりと梳く。
「出逢った時から変わらんなぁ。自己犠牲、とはちゃうけど一人で突っ走るところはホンマに」
「・・・・・・すまねェ」
「えぇよ。こうして元気な顔を見れるんや。ウチはそれだけで十分。ただもうちょっと自分の体を大切にしてくれたらえぇなぁとは思うけどな。アイズたん達にもこってり絞られたんやろ?」
「あァ。骨何本か逝っちまってたからな。
あの日。
銀時は闘技場の地下で、フレイヤ•ファミリアのある男と一戦交えた。
お互いが己の信じるモノを糧にし、衝突した。
銀時は今まで培った
剣の腕は伯仲していた・・・が、地力が差を生んだ。Lv.という無慈悲な程に明確な差が勝敗を分けた。
────そこまでよ。お互いに矛を収めなさい。
決着が付く寸前、透き通る様な声が二人の耳に届いた。
発した声の主は紺色のローブを被っており、顔は見えなかったものの正体だけは感じ取れた。人物ならぬ神物。
────美の神•フレイヤ。
銀時は木刀を腰に携え直すとフレイヤと男を一瞥し、闘技場を後にした。フレイヤが目の前に現れた時点で、事の顛末が誰の仕業だったのか言わずとも理解したのだ。幾度の血が流れ、ふらついた足取りで黄昏の館まで着くと意識を失った。
翌日、目を覚ますと目を腫らしたアイズが自身の顔を覗き込んでいた。その横にはティオナがヨダレを垂らして眠っていた。
────心配・・・したんだよ。銀ちゃん。
────悪ィな。
「美少女に看病されるとか羨ましいわ。それもアイズたんなんて・・・ウチもケガしようかなぁ」
「やめとけやめとけ。色々問題になるから。それにアイツらに看病されてる間、外に行けねェんだよ。一回、試したらリヴェリアが笑顔で部屋の外で待機してたからなぁ」
「・・・・・・やっぱやめとく」
その光景を想像したのか、ロキは顔を青ざめ口を閉ざした。そんなロキに銀時は話しかける。
「アイツらはダンジョンに潜ってんだろ?」
「ん?そうそう。アイズたん達の借金の返済の為になぁ。ベートが誘われなくてヘコんでたけど」
「わんこはお留守番か・・・ハンッ」
「そうなんよ。それでな銀時、明日地下にベートと調査に行くんやけど一緒に着いてきてくれへん?アイズたん達が遭遇したっちゅうモンスターの居場所を探りに行くんやけど」
「はいよ、主神さま。明日な」
その答えに納得したのかロキはスキップしながら銀時の部屋を後にした。
銀時はロキの姿が見えなくなると、ゆっくり立ち上がり普段着の着物に着替えた。暫く体を動かしていなかったせいか、バキバキだったので一通り体をほぐし、外に出た。
《豊穣の女主人》
「うぃーす」
「あ、銀時さん!いらっしゃいませ!こちらへどうぞ!」
銀時は《豊穣の女主人》へ来ていた。既に夕方なので酒場モードである。
店員の一人であるシル・フローヴァに案内された席はカウンター席だった。カウンターに座り、いつものお酒とつまみを注文する。
「やぁ。また随分とヤンチャしたみたいだね銀さん」
「まぁな。お蔭で暫く呑めねェ状況に置かれちまった。今日はとことん呑むつもりだ」
「じゃあ俺も付き合おう。また暫く
銀時の隣に座る男・・・否、
「聞いてくれよォ~銀さん。アスフィが俺に冷たいんだ。反抗期ってやつかなぁ~俺は寂しい」
「わかる、わかるぞヘルメスさん。最近、リヴェリアだけじゃなく、アイズも俺に冷たい視線を送ってくるんだよ。銀さん寂しい」
「でも────」
「でも────」
「「可愛いんだよなァ・・・アッハッハッハッ!!」」
男神────ヘルメスは酒が入った銀時と一緒にファミリアの女子、または女性について語り始める。その会話の内容はダメ親父そのものでセクハラまがいだ。
「銀さんの所はプリップリの女の子ばかりじゃないか。羨ましいよ」
「あぁ~ボンキュッボンは多いが性格に難があるヤツばっかだ。もうちょっと可愛げがある方が俺は好きだね。そっちの姫さんだって上玉じゃねェか」
「アスフィはねぇ~可愛いけど甘やかしてくれないんだ・・・まだルルネの方が可愛げがあるよ」
「まぁ結局────」
「どっちみち────」
「「可愛んだよねェ・・・ガッハッハッハッ!!」」
店内に陽気な声が響く。
店員や女性客の殆どが二人に冷たい視線を送るが気にした様子も気付いた様子もない。
そんな二人に近付く、一人のウェイトレスの姿があった。そのウェイトレスは二人に怪訝な視線を送ると共に口を開いた。
「サカタさん」
「ん?」
「おや?リューちゃんじゃないか。珍しいね、君が声を掛けてくるなんて」
「アナタには話し掛けていません。神ヘルメス」
「釣れないなぁ・・・」
銀時に声を掛けたのは店員の一人であるエルフのリュー・リオンだった。
話し掛けてきたのがリューだと分かると、銀時の顔が一気に青ざめた。
「な、ななな何?」
「その・・・以前、訪れてくれた際に無礼を働いてしまった事を謝罪したく・・・」
以前とは、ロキ・ファミリアが遠征の帰りに《豊穣の女主人》で宴会を行った際に、銀時がリューにうっかり触れてしまい投げ飛ばしたことだ。
あれはリューの不可抗力であるし、銀時の不注意で起こってしまった事故であったので、謝る様な事では無い筈なのだが・・・。
「もぅリューちゃん!そんな顔してたら可愛くて綺麗な顔が台無しだぞぉ?」
「黙ってて下さい。神ヘルメス」
「はい。すみません。黙ります」
「それでサカタさん。私はアナタに謝罪したいのですが」
「そうだなァ・・・お酌してくれ。それで手打ちだ」
「そんな事で・・・いいのですか?」
「いいんだよ。美人を横に侍らせるだけで酒はなんぼでも美味くなるもんだ」
リューは渋々銀時の酌に付き合った。こんなのでいいのか、という疑問が終始頭の中に浮かんでいたが。
銀時はお猪口に入った酒を飲み干すとリューと向かい合って言った。
「なぁリューさんよ。シケた面してねェで笑おうや」
「笑う・・・ですか?」
「そうそ。ほれ、ニッ!」
「こう・・・ですか?」
「ちッがァァう!こうだこう!」
「こう・・・・・・ですか?」
リューは銀時のマネをしようと、指で頬を押し上げる。半強制的に剥き出しになった白い歯と今まで見た事のない困った表情のリューに男性冒険者は恍惚な表情を浮かべる。
不器用な笑顔に思わず、店内が優しい空気と笑い声に包まれる。勿論、店内の隅ではシルを含めた店員たちが笑いを堪えていた。
「あの・・・俺、神なのに空気なんだけど・・・」
ヘルメスの呟きは酔った銀時と頑張って笑顔を作ろうとするリューには聞こえることは無かった。
後に《豊穣の女主人》のエルフ店員の不器用な笑顔が可愛いとオラリオ中に広まるのはまた別の話である。
お久しぶりです。またせてしまって申し訳ありません。如何でしたか?
この場を借りて謝辞を。
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そして・・・
『しんと』さん、『MA@KInoco』さん最高評価ありがうございます!!
『コーコーや』さん、『Nm』さん、『六華』さん、『ミルクココア』さん、『ユキニティー』さん、『blank s』さん、『カクト』さん、『ライトニング葉桜』さん、『ドン吉』さん、『バルサ』さん、『ユーロ圏』さん、高評価有難う御座います!!
みなさんの評価は励みと共に身が引き締まります!
ではまた次回にお会いしましょう!感想評価お待ちしてます!!