ダンジョンに星の白金がいるのは間違っているだろうか   作:ふりすけ

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世界観が...





広大な地下迷宮、通称「ダンジョン」を中心に栄える迷宮都市オラリオ。

数多の冒険者たちが夢を追い求め躍動する都市。

そんな都市の端、廃墟と見間違えそうなほど荒廃した教会の中に彼はいた。

本来ならキチンと着こなせていたであろうこの都市では見ない不可思議な服、そして、顔が隠れてしまいそうなほどぶかぶかの帽子。

そんな、あまりにも体の大きさに合わない服を羽織るようにして彼は教会の祭壇前にたたずんでいた。

 

彼の名は「空条 承太郎」、スタンド使いである。

 

 

時間は遡る!

 

 

「それじゃあな!!しみったれたじいさん!長生きしろよ!

そして、そのケチな孫よ!俺のこと忘れるなよ」

 

「また会おうッ!わしのことが嫌いじゃあなけりゃあな!...マヌケ面ァ!」

 

「忘れたくてもそんなキャラクターしてねぇぜ...てめーはよ、

元気でな.....]

 

空港の一角、彼らは抱き合って別れを告げていた。

宿敵「DIO」を倒すための旅路がDIOと承太郎の決戦の末、承太郎の完全勝利という形で幕を下ろしたのだった、だが、それ故にDIOとの決戦では失うものが多すぎた。

アヴドゥル、イギー、花京院、旅の仲間であり、心の通じ合った仲間たちさえもその命を散らしていった。

そんな、旅の終わりだからだろうか、承太郎にも感じるものがあったらしく素直な言葉を別れの言葉として生き残った友、ポルナレフに告げていた。

 

「...あばよ」

 

三人は、その言葉を最後に別れた。

ポルナレフは故郷フランスへ、承太郎とジョセフはホリーの待つ日本へと。

   . . .

だが、承太郎の旅は終わらなかった。

 

長旅の疲れと、宿命からの解放からもあってか、承太郎は飛行機に乗ると一時間もしないうちに寝入ってしまった。そして不思議な夢を見た。

 

真っ白な空間にただ一人承太郎は椅子に座っていた、否、気が付いたら座らされていたのだ。

 

「やれやれだぜ、こいつはスタンド能力か?まさか、DIOの手下がのこっていやがったんじゃあないだろうな?」

 

「フフ、それは違うよ、空条 承太郎君」

 

「...てめー、新手のスタンド使いか?」

 

承太郎は、突如現れた目の前の男に警戒の色を見せすぐさま自分のスタンドである、スタープラチナを出現させる。

 

「だから、違うって承太郎君、僕は君の宿敵の手下でもなければスタンド使いでもないんだ、現に僕には君のスタンドは見えてないんだぜ?これ以上の保証はないんじゃないかな?少なくとも君たちスタンド使いの間では」

 

その言葉の真偽を図るためスタープラチナを目の前の男に叩き込もうとするが、男は本当に見えていないのか、承太郎をニヤニヤと見つめるだけだった。

そんな反応に一応の確認が済んだのかスタープラチナをひっこめた。

 

「ありがとう、敵でないということは一応分かってもらえたみたいだね、フフ、自己紹介がまだだった、僕に名前は特にないんだが、一応地球担当の神をやらせてもらっているんだ。

どうぞ、よろしく、承太郎君」

 

「神だと?ちょい待ちな、聞き間違いじゃあなけりゃあよ、てめー本気で神って言ったのか?」

 

「そうだよ、僕は神、あぁ勘違いはしないでほしんだが、神話に出てくるような偶像的神なんかじゃ無い、正真正銘この地球の創造主で神だよ」

 

「....やれやれだぜ、スタンドやら吸血鬼やら奇妙なものは見てきたつもりだが、ここまで来るとはな。

まぁ、いいぜ、それより神様とやらが俺に何の用だ?」

 

「おや、信じてくれたみたいだね」

 

「まぁな、もう奇妙なことには慣れたぜ」

 

「フフフ、嘘じゃないみたいだね確かに君のここ最近の旅路は奇妙なことがたくさんあったみたいだね」

 

確かに、承太郎が相手をしてきたスタンド使い達は皆様々な能力を持つものばかりだった。

シンプルにスピードだけならスタープラチナよりも素早い「タワー・オブ・グレー」や直接的なパワーは皆無だが魂を抜き取るスタンド「アトゥム」、果ては絶対の摂理である「時」さえ自身の支配下に置く「ザ・ワールド」のど、それらはみな一筋縄ではいかないものばかりだった。

 

「君には感謝しているんだよ?承太郎君。

本来絶対であるはずの[時間]それさえも支配下に置いてしまうスタンド、ザ・ワールドとその本体であるDIO。

彼の存在は非常にまずかった、君がもし打ち勝てなかったら僕が介入しなければいけないほどにね」

 

「そんなことより、目的を話したらどうなんだ?

かったるいのは嫌いなたちなんでな」

 

「おお、怖い、そんなに威圧しないでくれよ承太郎君。

さっきも、言ったが[時間]の管理は本来一人間なんかが介入しちゃいけないんだ、たとえそれが百年生き続けた吸血鬼だとしてもね、つまり、君のスタンド、スタープラチナは時間を止められる能力を得てしまった。

たとえ、それが人類と母のためだとしてもね」

 

「なにが言いてぇんだ....」

 

神はそれまでのニヤニヤをやめて真面目な表情で承太郎に提案してきた。

 

「君の性格から考えて悪用はしないと確信はしているんだ、それに、恐らくだがこの先のそお遠くない未来で必ず必要になる能力だ、だから時間をくれないだろうか?承太郎君。

君たちスタンド使いの能力はさらに枝分かれのように広くそして、大きくなっていくだろう。

これは確かな確信なんだ、僕の制御を軽く超えてゆくような能力がきっと出てきてしまう、そうなる前に手を打ちたいんだ」

 

「どんな手なんだ?」

 

「簡単に言うと世界の[時間]に関する一切の制御を切り離す。

その作業のためにも君個人のスタープラチナを一時的に封印したいんだ。

勿論、スタンドは精神とは切り離せない者なのは分かってる、だから、君の精神自体を一時的にこの世界から切り離したいんだ」

 

「それは、死ぬってことか...だったらごめんだぜ神様よ」

 

「その点は平気だ、君の精神自体をほかの世界に移すことにはなるが本来の体と君の精神との間でちょうどいい具合にズレを起こさせる、だから、君が本来の体で目を覚ました時はちょうど日本に今の飛行機が着陸するころだと思う」

 

「...やれやれだぜ、分かったぜ」

 

「フフフ、ありがとう承太郎君、やはり君は聡明だ、感謝するよ。

じゃあ、転移を始めるね

........十数年ほど楽しんでおいで承太郎君」

 

「あぁッ!ちょい待ち「ばいば~い」」

 

そうして、承太郎は白い閃光の中に吸い込まれていった。

 

 

時は巻き戻る!!

 

 

「...やれやれだぜ」

 

承太郎は表情には出さないものの内心極わずかだが動揺の色を隠せないでいた。

彼の姿は、5~6歳程度の幼児に退行していた、だが、そんな承太郎の動揺を最小限に抑えられていたのはその背後にあった。

 

「スタープラチナは使えるみたいだが...やれやれ、こんなんじゃあまともにあるけもしねぇぜ。

全く気が利かねぇ野郎だあの神とかいう野郎も、今度あの面見たら一発叩き込んでやる」

 

そう、

承太郎はあの旅路で来ていたものとサイズ種類ともに完全一致したぶかぶかの制服を着ていた。ご丁寧に水中でも外さない愛用の帽子までつけて。

 

しばらく思考した後、承太郎は朽ちた協会の隙間から今が夜なのを確認すると、とりあえず外に出た。

現状自分の置かれている状況がわからない今動かない方がよいのだが、それよりも、先に地球でないことを確かめておくべきだと思ったのだ。

 

結果としては、いまいちだった。

とりあえず、場所のせいか時間のせいかわからないが周りには人気はなく静かだったが、海外の観光地にはありそうな中世的建物は見て取れた、だが、それでは地球との決定的な差は見つからず、仕方なく遠くに見える巨大な塔のに向け歩き始めたのだった。

 

歩き始めて、十数分。

承太郎はここにきて初めて地球ではないことの確信が得られていた。

理由は、横を過ぎてゆく見慣れない防具や武器など明らかに地球では持ち歩けないようなものを身にまとった者たちの存在である。

さらに数分後、ようやく目的の塔にたどり着いた承太郎だったが、それまでにもまじまじと色々なものを見せつけられていた。

頭の上に犬や猫の耳を生やした人々、耳だけが尖った人々、そして極めつけはスタンドさえ使っていないのに火や水を出現させていた人々である。

これには、さすがの承太郎もカルチャーショックを受けていた、否、受けずにはいられなかった。

そして、子供の体とぶかぶかの服、カルチャーショックも相まってか承太郎は道の端の方に座り込んだ。

 

「(DIOとの戦いよりもある意味じゃ疲れたかもしれねぇぜ、こいつは。

とりあえず、教会に戻って今夜は寝るとするか)」

 

そう承太郎が戻ろうとした時だった。

 

「なんやなんやぁ?お前迷子かなんかか坊主?」

 

「あん?」

 

そこにはいい具合に酒に酔い、女性メンバーにセクハラまがいの行為を働き酔いを醒ます目的で追い出されたロキの姿があった。

 

「失せな、俺は別に迷子じゃあないぜ」

 

「う、可愛げのないチビすけやのう」

 

「ち、び、、だと(人生で初めて言われたぜ、俺の自身ってやつが壊れちまいそうだ)」

 

「そうや、ええこと思いついたわ、迷子でもないんやら孤児やろ?見たところどっかのファミリアに入ってるわけやないんだったら、拾ったるわ!!!今日は久しぶりのソーマで気分もええしのう!!

ナハハハハハ!!!」

 

「よくわからんが、断るぜそのファミリアってのには興味はあるがな」

 

「ならええやん、ええやんほな行くでぇ~」

 

むんずと、首根っこをつかまれた承太郎は悲しいかな5歳児の体力ではなすがままにされ引きずられていくのであった、なお、スタープラチナはもはや面倒になり使うのはやめた模様である。

 

「....やれやれだぜ」

 

この日、何度目かさえわからない口癖が小さくこだまし、ロキの笑い声にかき消されていくのであった。

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