城下町のダンデライオン~王の剣~   作:空音スチーマー。

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第14話【噂の編入生】

「それでは、合図したら入ってきてください」

「わかりました」

 

担任の先生に指示され教室の前で待機する

 

残り1年だけとはいえ、これから学校生活を共にするわけだからな、最初が肝心だな

 

 

「ーーそれでは、入ってきてださい」

「はい」

 

指示された通り入り、教壇に立ち教室内を見渡す

 

みんなこそこそと何やら会話をしたり

 

一部女子がキャーキャー言ってたりしている…なんだあれ?

 

まあ、そうだろうな…

 

すでに妹弟達王族がこの学校に通っているが、そりゃ警戒するわな

 

他の兄弟と違い俺は長い間この町にはいなかった、そんなどんな人間かわからない奴が急に同じクラスにやってきたんだから、みんなの気持ちもわからかくはない

 

 

…ん? 

 

しかしみんなとは別に、笑顔でこちらに手を降る4人を見つけた

 

なんだ、お前達も同じクラスかよ…

 

それを見てどこかほっとした俺は、一度深呼吸をしてから自己紹介を始めた

 

「…えっと、今日からこのクラスに混ぜていただきます、櫻田 翔です。1年間だけですけどよろしくお願いします!」

 

俺の自己紹介が終わると同時に教室内に歓声が上がる

 

ん?あれ?なにこれ?

 

さっきまでの空気はなんだったの?

 

 

そんな疑問を浮かべながらも先生に指示された席に座る

 

ちなみ、廊下側の一番後ろだ

 

それから一時間目の授業が何事もなく終了し、道具を片付けていると

 

!?

 

気がつくとクラス全員に囲まれていた

 

それだけでなく、座席の位置もあってか他のクラスの人達もやってきて完全に逃げ場がなくなっていた

 

 

何事!?はっ!もしや新手のいじめか!?新人いびりなのか!?恐るべし高校生活!だか俺は決して屈しないぞ!

 

 

そんことを考えていると…

 

なんて呼べば良いか、どんな旅をしていたのか、彼女はいるのかだの、質問攻めにあった

 

結婚してとも聞こえてきたけど…きっと気のせいだな、うん

 

 

てか俺はなんて的はずれな事を考えてたんだろ

 

これじゃあ逆にみんなに失礼だな…

 

 

そう思いそのお詫びも兼ねて、一人一人の質問全てに丁寧に答えることで敬意を払った

 

 

「ーーやっと昼…やっと解放された…」

 

机に突っ伏して安堵する

 

あの後も2、3と休み時間に入る度に質問攻めに合い

 

昼休み、みんなも昼食がある為、やっと解放されたのだ

 

一応、俺も王家の人間だし人目や質疑応答はメディア関連で馴れてたつもりだったんだけどな…

 

「翔人気者だなー」

「からかうなよ菜々」

 

現在は4人の女の子とテーブルを合わせている

 

妹の葵に、小学校からの馴染みの卯月、静流、菜々緒だ

 

卯月には帰ってきた日に会っているし

 

残りの2人とも別の日に葵経由で再開を果たしていた

 

「けど、みんなと同じクラスでよかったわ…なんか安心した」

「はい!また5人一緒ですね!」

「あぁ、みんなまたよろしくな!…にしても、最初クラスのみんなこそこそしてたからさ、怖がられてんのかの思ったよわ…一時はどうなるかと…」

「まぁ、そりゃそうでしょ、先週から既に校内は翔の噂で持ちきりだから」

「…は?どんな?」

 

静流の言葉に葵からもらったお茶を飲みながら疑問符を浮かべる

 

「国内最難関の我が校の編入試験に5科目中4科目満点で合格した奴が現れたって」

「あー…まあ、いい師に恵まれたからね、あれぐらいならまだ」

 

ここの高校、入学試験は他と変わらないのだが、編入試験となると国内一難しいとされている

 

「あと、むしろ残り1科目何があったんだとも噂されてる…」

「…」

「「「……」」」

 

俺も含め事情を知ってる全員が苦笑いを浮かべる

 

「…翔君、昔から英語だけは苦手だしね…」

「…最早苦手の域を超えてるけどな…」

 

そう、俺は英語だけどうしても出来ない

 

俺の文武の師である楠さんですら、お手上げで頭を抱える始末だ

 

だから俺は海外の会合は昔から苦手だ

 

「け、けど合格できたんですからよかったじゃないですか!」

「…ありがとう卯月…ギリギリだったけどね…」

「「「…」」」

「…さ、さぁ、そろそろご飯食べよっか!」

 

微妙な空気を変えようと葵が切り出した

 

「…うん…あ、俺、そういえば昼ない…」

 

終わった…今から購買に行っても間に合うかな?

 

「もう、やっぱり忘れてたんだ!朝お弁当箱置いてったでしょ…代わりに持ってきたよ!」

 

俺の分の弁当を取り出す葵

 

「うおぉぉぉ!葵!俺の妹よ!さすが俺とは出来が違うな!ありがとう!愛してるよ!いまは葵が女神に見えるよ!」

「もう、大袈裟なんだから!次から忘れないでね?」

「はいよー!」

 

そう言って弁当を食べ出す

 

「本当に仲良しですねお2人は」

「こればっかりは昔から変わらないな」

「これが翔だからな」

 

そんな俺たちを3人が微笑ましそうに見ていた

 

 

 

その5人の姿は、昔、小学校生活を共に過ごした5人と何も変わらず重って見えた

 

 

 




次回は明日です!
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