城下町のダンデライオン~王の剣~   作:空音スチーマー。

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第28話【体育祭 午前】

「それではみなさん!今日は優勝目指して頑張りましょー!」

 

「相変わらず気の抜けた挨拶だなー。」 

「あれはあれで卯月ちゃんの良いところでもあるからね!」

 

今日は体育祭。

 

年ごとにクラスをくじで分けて組まれた3チームで競い合う。

 

俺と葵のクラス、修と奏のクラス、茜のクラスは綺麗にわかれた。

 

青、白、赤の3チームだ。

 

もちろん俺達王族は能力の使用は禁止だ。

 

 

着々と競技が進行されていき、

 

『続いての競技は二人三脚です!』

 

本日最初の俺の参加する競技が回ってきた。

 

もちろん俺のペアは葵だ。

 

「うし、行くか葵!」

「うん!」

 

お互いの足を結び立ち上がると、修と佐藤さんが仲良く足を結んでいるのが目にはいった。

 

ほほーう、さては瞳ちゃん辺りの根回しかな?

 

「修。イチャイチャしているとこ悪いけど、いくらお前と佐藤さんのペアでも俺と葵には勝てねえよ!」

「兄さん!?それに姉さんまで!?さすがにそのペアはずるくないですか!?」

「なに言ってんだ?俺と葵は一心同体なんだから当然だろ!」

 

「お互い頑張ろうね!花ちゃん!」

「はい!葵さん!」

 

ちなみに葵と佐藤さんも既に下の名前で呼び合う仲で葵も二人の事情をしっている。

 

ていうか隠してたのバレて俺が話した。

 

ほんと、葵に隠し事は出来ない。

 

 

まあ、結果はもちろん俺と葵のペアはぶっちぎりのトップ。

 

修と佐藤さんのペアは2位となった。

 

「まだまだだな!その程度じゃ夫婦にはなれんぞ!!」

「「ふ、夫婦って!?」」

 

二人して顔を赤くして顔をそらす修と佐藤さん。

 

「翔君、大人げないよ…。」

 

葵に怒られました。

 

 

『続いての競技は借り物競争です!』

 

お、そういえば茜と奏が参加すると言っていたな。

 

って二人して同じ番かよ。

 

スタートの合図がなり一斉に走り出し、それぞれ借りてくるものが書かれた紙を拾う。

 

校内だからか、茜も生き生きしてるなー。

 

にしても…

 

「…なんか二人してこっち向かってきてない?」

「う、うん…。」

 

横に座って見ていた葵とそんな話をしていると、

 

「しょうちゃん!来て!」

「お兄様!私と来てください!」

 

俺の腕をそれぞれ掴み同時にそういう茜と奏。

 

「ちょっと茜?私の方が先よ!」

「かなちゃんこそ!その手離してよ!」

 

やめろ、こんなとこで喧嘩すんなよ…。

 

それからしばらく睨み合う二人?

 

互いに譲ろうとしない。

 

そろそろ俺も腕痛いんだけど?

 

「…茜、奏。もう他のみんなゴールしちゃったよ?」

 

そこで葵からの助け船。

 

遅すぎて茜と奏は失格となった。

 

「それで?結局のとこ二人ともなんて書いてあったの?」

 

「「な、なんでもない!!/////」」

 

そう言って二人は去っていった。

 

「なんだったんだよ…。」

 

奏の紙には頼れる人、茜の紙には壁とそれぞれ書かれていた事を俺が知ることはなかったーー。

 

 

『続いての競技は棒倒しです!』

 

我が校の棒倒しは男子のみで行われ、危険を避けるため棒の先に刺さった旗を先に取った方の勝ちとなる。

 

あと服を引っ張るやつも出てくると危ないから上半身は裸だ。

 

「んじゃ、行ってくるわー。」

 

そう言って自分の席から立ち上がりその場で上着を脱ぐ。

 

「ちょ!ここで脱ぐの!?」

「え、だって上脱がなきゃだめなんだろ?」

「諦めな葵。翔は昔からこういう奴なんだから…。」

 

驚く葵と呆れる静流と菜々。

 

え?なに?なんで俺呆れられてんの?

 

ちなみに卯月は生徒会長の仕事で本部の生徒会テントから動けない。

 

 

とりあえず集合場所へ向かう。

 

…あ、ここで脱ぐんだ。

 

俺1人だけ上裸でここまで来たじゃんか恥ずかしいな!

 

 

スタートの合図がなり両チームの攻めが一斉に駆け出す。

 

俺も一応攻め担当なので、その後ろ小走りで追いかける。

 

どちらも譲らぬ攻防戦。

 

さて、いい加減終わらせるかな…。

 

そう思いながら相手の守備の中で手頃な人物を見つける。

 

「やあ、武田、だっけか?いつも茜がお世話になってるよで…。」

「!?櫻田さん!?」

「ついでなんで今回は俺の事もよろしく頼むわ!」

 

そう言って自軍の棒を支える武田の肩によじ登る。

 

がたいの良い3年生の武田、たしか茜ファンクラブの副会長だったはず。

 

武田には悪いけど、肩を蹴り上げ一気に旗を掴み着地する。

 

 

「いやーでかいのいて助かったー!」

 

座席に戻り上着を着直す。

 

「翔ってたまに冷静に酷な判断下すときあるよねー…。」

「まぁ、それもまた王族として必要な事なのかもしれないけど…。」

「翔君、あまり無茶はしないでね…。」

 

菜々、静流、葵は相変わらず呆れていた。

 

それと終始周りから何やら熱い視線を感じ続けてた気がするんだけど…気のせいかな?

 

 

『これにて午前の部は終了となります!午後の最初の種目は王家の方々によるエキシビションとなります!』

 

「「「はあ!?」」」

 

この体育祭、ただでは終わらなさそうだーー

 




次回は明日です!
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