城下町のダンデライオン~王の剣~   作:空音スチーマー。

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すいません!
 
金曜日にまとめて投稿すると言いたかったんですけど

いま見てたら今日投稿するってことになってましたね!

待ってくれていた人には本当に申し訳ないです。

とりあえずお詫びに1話だけですが載せておきます

ご迷惑お掛けしました。


第43話【狂犬】

あの山の事件から1ヶ月が過ぎたーー

 

 

「だぁぁあ!飽きた!!」

 

 

「うるさいんだけど“イフ”」

「うるさいですよ“イフ”さん」

「うるさいぞ“イフ”」

 

あの後、仲間になった一二三、通称イフ。

 

話し方も砕けた感じでいいと言われた。

 

「だってもう1ヶ月もほぼ何もしてねーじゃねえか!…つか、だいたいイフってなんだよ!」

「一二三って呼ばれるのは好きじゃないとか言うから、俺が良いあだ名をつけてやったんだろ?…わがままかよ」

「だからってどうしたらイフんだよ!」

「ひふみの、ひは、いちとも呼べるだろ?そっからだよ」

 

「良いじゃないですか畏怖(イフ)、短気な貴方にピッタリですよ、くす」

「おいこらメイド!笑ってんじゃねえよ!」

「男の癖に弱いものに食って掛かるなイフよ、情けないぞ」

「おっさんは黙ってろ!」

「な!?どこがおっさんだ!私はまだ27だぞ!」

「その髭だよバーカ!んだそりゃ?たわしか?」

「確かに、ラムさんはその無精髭のせいでフケて見えますよ」

「そんな!?」

 

そう言って言い合う3人。

 

うん、もう仲良くなったみたいで安心安心。

 

「ラムさんの髭はどうでもいいけどーー「主まで!?」この1ヶ月動きがないのは確かだな…」

「だろ?観光して写真撮って美味いもん食って温泉浸かって…って旅行か!?」

「ひゅー!いいねーイフ!今日もキレッキレだねえ!」

「…んな話してんじゃねえよ!」

 

イフに胸ぐらを掴まれ揺すられる。

 

やめて、揺れる。

 

「そんなこと言われても、伏竜王のとこだめだったしーー」

 

 

ーー先日俺達は伏竜王の墓に辿り着いたのだが…

 

いくら待っても姿を表してくれることはなく、声だけが聞こえてきたと思ったら、今のお前には足りない、認められないと追い返されてしまった。

 

何日か通ってみたが、毎度同じことを言われ無駄足に終わった。

 

いったい何が足りないのかわからないし、どうしようもなく、別に順番があるわけでもないので、先に他の所をまわり、ここは最後に訪れようという結論に至った。

 

しつこくして受け入れてもらえなくなったら元も子もないからな…。

 

「だからってこのまま何もしないでぼけぼけしてるのかよ!守る力を振るえる地位に上るそう言ったのはお前をだろ!」

「かっちーん!いまのは聞き捨てなんねえわ!あーあ!怒ったよ?怒っちゃったよ俺!」

 

イフの胸ぐらを掴み返す。

 

「やめんか2人共!」

「「いだっ!!」」

 

2人してラムさんに頭をどつかれる。

 

 

「ーーそれで、曽和さん情報は?」

「はい!この先に道場があって、その道場の師範の方が代々、王の墓の番人をしているようです!」

 

曽和さんに今朝調べてもらったその情報をもとに、その場所まで来たのだが…

 

「これ、のぼるの?」

「そうなりますね」

 

頂上があんなとこに…いったい何段あんだよ。

 

俺はラムさんは鍛えてるし、曽和さんもメイドとして体力はつけてる、イフも山育ちでなんともないだろうけど、

 

普通にめんどくさいな。

 

「めんどくさ!」

 

イフなんか口に出しちゃったよ。

 

「…はぁ。まあ、とりあえず行こうか」

 

 

「ーーやっと頂上!…って、なんだこれ!?」

 

やっとのこと上りきったと思ったら、目の前に転がる人達。

 

胴着を着てるから恐らく道場の人達だろう。

 

「ぅ…」

「!おい!あんたなにがあった!」

 

意識のある者を発見し駆け寄るイフ。

 

「…き、きょう…犬…が…」

 

そう言って意識を失う。

 

「は?犬?」

「恐らくあの方のことかと…」

「え?…!?」

 

首をかしげる俺達にそう言う曽和さんの言葉の直後、一人の男が道場の奥から師範らしき人を引きずりながら現れた。

 

「聞き込みをしている時に一緒に耳にしました。名前は羽原さん。ここら一帯の道場破りや集る不良達と対峙することで力を求め続けているそうです。いつもボロボロな格好で一人でいる事から、ついた名前が狂犬だそうです」

「なるほどね…」

 

「…せっかくこの町で最強の道場だっていうから来たってのに…期待はずれだ…ん?」

 

ようやく俺達に気づき敵意を向けてくる。

 

「…なんだあんたら。…そこのでかい人、面白そうなの背負ってるじゃんか。強いの?なら俺と闘ってくーー「おい!」…?」

 

ラムさんを指名する羽原の言葉を遮り、怒りを露にして立ち上がるイフ。

 

「こいつらをやったのはお前か?」

「…そうだけど?」

「ーー!?翔…こいつは俺にやらせろ…」

 

イフって普段は喧しいのに、怒ったり本気になって集中すると物静かになって人が変わるよなー。

 

「…止めても無駄だろうしな…なら満姫、あれを」

「はい。…こちらに」

 

俺の言葉に持っていたアタッシュケースをイフに向けて開ける曽和さん。

 

「これって!?」

 

中身を見て驚くイフ。

 

それは、燃えたイフの家に唯一残っていた、イフの祖父の形見。

 

戦時中に使っていたらしい、2丁の拳銃だ。

 

「改造が終わって今朝届いたんだ」

 

いずれ国を守るために力をつける俺の仲間になるからには、それなりに力をつけてもらわなくちゃ困る。

 

イフは元々射撃の腕は良い。

 

けど弓矢を持って歩くには効率が悪い。

 

なので、現代に合わせこの銃を持ってもらう。

 

けど、俺は人を殺すつもりはないし、殺してほしくもない。

 

例え、テロや強盗、どんな罪を犯した者が相手でも俺達に人をそこまで裁く権利はない。

 

だから俺達の目的はあくまで制圧。

 

相手を捕らえることに特化した部隊。

 

俺はそれを作りたい。

 

そこで、この銃は一旦回収し、国の技術で殺傷能力は無くしてもらい、しかしながら威力は弱くない、そんなギリギリのラインに改造してもらった。

 

「どうしてもやるってなら、これを使いな。…けど、それを取ったら最後、覚悟してほしい。…こっから先、甘くはない。俺の目指す者の為、俺の部下として尽力してもらう」

「…」

 

俺の言葉に少し間を開けて、

 

「言ったずだ。俺はあの時、お前の話に乗ったんだ。…だからお前は命令してくれりゃいい。俺はそれに答える…そんだけだ」

 

銃を手に取り、不敵に笑ってみせた。

 

「…よし。イフ、あいつを止めろ!これは命令だ!」

「は!」

 

そう言って銃を構えるイフ。

 

「…強いなら誰でもいい。…こい」

 

そう言って羽原は木刀を構えたーー

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