「よいしょ!もういつまで寝てるつもりなの?茜ー、光ー!」
布団を干しながら妹達を起こす、よくある日課です
「もうみんな起きてるわよ!」
そう告げると同時に三女の
「まったくもうーー」
二人が起きたのを確認すると私はリビングに降りて朝食の用意をしているお母さんの手伝いを始めます
これもまた私の日課です
我が家の朝は毎日戦争です
なにしろ家族が多く、毎朝洗面所もトイレも取り合いです
料理が盛り付けられたお皿をテーブルの上に並べているとだんだんと家族がリビングに集まってきました
「はい、お待たせ」
「ありがとう、葵」
最後のお皿を起き自分の席に着きます
「今日はママ特製野菜オムレツでーす!みんな残さず食べるように!」
「「「いただきまーす!!」」」
お母さんの一言と共にみんな各々食事を取り出します
「パパ、食事中ですよ」
「わ、わかってます」
お母さんに叱られながらも、新聞を読むのを止めないお父さん
「うげ、やっぱりグリンピース入ってる!」
「好き嫌い言ってると身長伸びないわよ」
五女の光、次女の
「母上、僕は好き嫌いないから大きくなれますよね?」
「ええ、そうね!栞、よく噛んでね」
「うん」
四男の
「あ、そういえば、もうトイレットペーパーストックがないけど」
「今週の買い物当番誰だっけ?」
三男の
「修ちゃんでしょ?」
「ああ俺か、帰りにでも買ってくるよ」
三女の
「修くんお願いね」
そして長女私、
「親孝行な子達で助かるわー」
「いえいえー」
お母さんの言葉に岬が反応します
我が家は家族が多いのでお母さんの負担を減らすため中学生から上の弟妹たちで家事を分担して家のお手伝いをしるのがルールです
という感じで、色々大変なことも多いですが十人兄弟仲良く毎日頑張っています
これだけならただの大家族ですが、我が家は少し特殊で
「パパ、早く食べて!また迎えを待たせちゃうから!」
そう言っていい加減お母さんがお父さんの新聞を取り上げると
「…なんで王冠してんの?」
「あ、いやー間違って持って帰っちゃったから、せっかくなんで」
「パパなんか王様みたい!」
「あの、一応本物だから」
そうなんです
家のお父さんはこの国の国王なんです
「ねーそんなことより翔にいはいつ帰ってくるの?お父さんか葵ねえなんか聞いてないの?」
岬が急に立ち上がりそう言います
「さあ?先週電話があってから連絡きてないけど」
「電車でゆっくり観光しながら帰ってきてるってきいたぞ?」
「ってことはお土産もあるかな!?」
「光…」
岬の問いに答える私とお父さんを横目に
光に呆れている遥
「そもそも、なんで姉さんにしか電話寄越さないのよお兄ちゃんは!」
「そんなこと言われても、奏、お姉ちゃん困っちゃうよ」
そして少し機嫌を損ねる奏
そうなんです
先程紹介した中にはいなかったのですが
我が家にはもう一人の兄弟
私の双子の兄にしてこの家の第一子の長男
“
11歳の時に家族に何も言わず突然旅に出てしまってから早6年が経ち先日その兄から近々帰ると連絡があったのです
兄が旅に出た日はそれはもう大変でした
独断で送り出したお父さんにお母さんは激怒
妹弟の中でも特にお兄ちゃん子だった岬と奏はそれぞれ1週間と3日寝込む始末
あげく原因のお父さんと1ヶ月間口を聞かなかったりと
なだめるのが大変でした
ちなみに兄が旅立つ前に私と修くんだけは会っていたのですが妹達が拗ねるのがわかっていたので修くんと二人で黙ってることにしました
(もう、人の気も知らないでどこでなにしてるのよ翔くん)
「兄上!翔兄様は修行の旅に出ているんですよね!」
「ああそうだぞ輝、兄さんは強くてカッコいいんだぞ!」
「輝、栞、翔ちゃんはね!ヒーローなんだよ!」
「そうなの?茜お姉さま」
下の子二人に力説する修くんと茜
あの二人はヒーローの様に尊敬の眼差しで慕ってたっけ
兄は輝と栞が産まれる前にはこの家にいなかったので
二人は兄の事を知りません
「あ、そうだ遥の能力でいつ帰ってくるか調べてよ!」
岬が遥に言います
そう、私たち家族はそれぞれ特殊能力を持っており
それが王族の証ともなっています
遥の場合は確率を予知する能力です
「そんなこと言われなくてもすでに予知済みさ
僕の予知によると今日帰ってくる確率が95%でている」
「遥!それ本当でしょうね!?」
「う、うん…いえ、はい。」
遥の結果に奏が遥に掴みかかります
(奏やめてあげて、奏の気迫に圧されて遥の顔色悪くなってるから)
なにを隠そう私も含めて妹弟全員、兄の事が大好きで慕っているんですよね
「はいはい、みんな話は一旦そこまではやく学校に行きなさい!ほらパパも」
「「「はーい」」」
お母さんの言葉でみんな一斉に学校へ行く準備を
私はお母さんと栞と玄関でお父さんの見送りをします
「あ、そうだ、今日は晩御飯までに帰りますから」
「おーけー」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
そしてお父さんが乗った迎えのリムジンは走り出します
「みなさん、毎朝騒々しくてすいません」
「すいません」
私の言葉に合わせておんぶした栞もそう言います
(そっか、やっと帰ってくるんだ)
そう思いながらふと空を見上げます
うん!今日の天気は快晴です!