第19巻 変わる日常
~駒王学園 放課後 運動場~
駒王学園……小中高一貫の進学校で元々は女子高だが現在は男女共学の学園だ。
そしてこの学園の三馬鹿……もとい変態、兵藤一誠、松田、元浜は夜叉に拘束され地面に伏していた。その周りには竹刀やらテニスラケット、バット等を持っている女子生徒達。
現在、どうしてこうなっているかというと……
放課後になる
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三馬鹿は部活の女子生徒を覗く為にダッシュ
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着替えを覗く
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勿論バレる
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女子生徒達が一丸となって一誠達を追い掛ける
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夜叉がそれに気付き一緒になって追い掛ける
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夜叉の人外染みた身体能力で捕まる
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その後、女子達に囲まれる
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現在に至る
要するに全面的に一誠達が悪いのである。
何故、夜叉が追い掛けたのかと言うと理由は凄く簡単、桔梗は弓道部所属だからだ。
「お前等、またやったのか」
そこに人間に化け、此処に通っている龍牙王が呆れた様子でやって来た。因みに彼が此処に通っているのには理由があるが、それは後々明かされるだろう。
「天龍!」
「お前等みたいなイケメンには決して分からないんだ!」
「お前等にモテない俺達の気持ちがわかるかぁー!!」
天龍と言うのは、夜叉の苗字であり、龍牙王もそれを名乗っている。この学園での名前は「天龍 龍牙」だ。
「年頃だから気持ちは分からんでもないけど………覗きは警察沙汰だぞ?」
「「「うぐっ!」」」
龍牙王にそう言われて押し黙ってしまう三馬鹿。
「皆、此奴等には我がきつく言っておくから、部活に戻りなさい」
龍牙王がそう言うと、女子生徒達は顔を赤く染め「「「はぁ~い」」」と返事をすると各自の場所に戻って行った。
「全くお前達は……覗きなどして恥ずかしくないのか?」
「「「俺達は女体の神秘を見るまでは止まる事はできない!」」」
どうやら何がなんでも覗きをしたい様だ。
「覗きなんてしても面白くないだろうに」
「イケメンに何がわかる!」
「イケメンなんて頼めば幾らでも見せて貰えるだろう!」
「阿呆、そんな訳がないだろうが………大体、そんなにモテたいなら自分達の日ごろの行いを正せ。一誠なんて、顔は中々のものなのに………そのスケベ心をもう少しなんとかしろ、松田と元浜もだ。
お前等は女に夢を見過ぎだ。いいか、女はな外では聖母の様に優しくても、心の中では嫉妬やら憎しみが渦巻いているんだ。特にプライドの高い女ほどな……まぁお前等にも女が出来ればわk…!」
驚いた様な表情で、空を見上げる。すると、夜叉もそれを見て何かを感じた様だ。
「今日は勘弁してやるから、真っ直ぐ家に帰るんだぞ。夜叉、戻るぞ!」
「あぁ!これに懲りたらもうすんじゃねぇぞ!」
彼等はそう言うと走り去ってしまった。
「何だったんだ?」
「「さぁ?」」
残された3人は良くわからなかったが、一先ず帰路に着くことにした。
~一誠side~
俺の名前は兵藤一誠。駒王学園に通う高校生だ。
俺は小さい頃からこの土地で暮らしているのだが、1つだけ不満がある。
それは………この町にイケメンが多すぎることだぁぁぁー!
同じクラスの天龍達にしろ、噂のイケメン王子木場にしろ、全体的にレベルが高すぎる!あいつらがいるから、俺の様な男はモテないんだ!
【それは貴方が覗きをするからでしょう】
あっなんか声が聞こえてきたけど気のせいだろう。故に俺達は覗きや妄想で欲求を満たすしかなかった!
何故過去形なのか?
ふふふ……よくぞ、聞いてくれた!
兵藤一誠、ついさっき彼女が出来ました!違う学校の娘だったんだけど、告白されて付き合う事になりました!いぇーい!
松田と元浜には悪いが大人の階段を先に登らてもらうぜ!あっそうだ、帰りに神社に寄ってお礼を言わないと。
誰にかって?勿論、神社の神様……龍王様だ!見たことはないけど、きっといる!そう断言できる……その話はまた今度にしよう。
俺は毎日、神社に参拝して彼女が出来るようにお願いしていたんだけと……漸く願いが通じたんだ!きっとそうに違いない!
彼女の名前?天野夕麻ちゃんだ、かなり胸もデカい、何時の日かあの胸に触れると考えると……おっと鼻血が……さぁて!今度の日曜はデートだ、頑張るぞぉー!
まずは明日、松田達に自慢だな。そう言えば、龍牙の奴、最近見てないな。この間から来てない、夜叉に聞いても体調崩してるって言うし……今度見舞いにでも行くか。