狗の長兄が行くD×D   作:始まりの0

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 まず始めに……本当にすいませんでした!!!

 本当に御待たせしました! 

 此方を更新するのはかなり久しぶりになります、活動報告からかなり遅れましたがやっと修正を終える事ができました!


第27巻 話し合い

 ~龍王神社~

 

 

「成程、事情は分かった」

 

 龍牙王は堕天使レイナーレ達から今回の事件を起こした理由を聞いた。

 

 自分達は堕天使の中でも下級の存在故に何時も他の堕天使達に虐げられていた。その時に助けてくれたのが、堕天使の総督アザゼルとその補佐シェムハザだった。

 

 そしてアザゼルが神器(セイグリッド・ギア)を研究していると知り、神器(セイグリッド・ギア)を手に入れる為に動いたと言う。

 

 この地の教会に用意した装置でアーシアから癒しの神器(セイグリッド・ギア)聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)を抜く予定だった。神器(セイグリット・ギア)は魂と密接な関係の為に、神器(セイグリット・ギア)を抜かれれば持ち主は死んでしまう。

 

 

「つまりは……アザゼルの所為か」

 

 龍牙王は鉄砕牙を引き抜くとアザゼルの首を刎ねようとする。

 

 

「元々、お前が堕天使共をちゃんと管理してればこうならなかっただろうが!」

 

 

「面目ない……総ては俺の責任だ。だが頼む、他の奴等と……此奴等だけは見逃してやってくれ!」

 

 

「現に犠牲は出た……故に我はこの地の神として氏子等を害した輩に断罪せねばならない。例え友人であるお前の頼みでもそれは出来ない」

 

 龍牙王は土地神だ……土地神には自分を信仰する氏子達を護る義務がある。土地に、氏子に害がある者が居ればそれ等を排除しなければならない、そこに私情は挟む事は許されない。

 

 

「龍牙王様」

 

 

「アイリ……」

 

 龍牙王が座していた神座の横に居たアイリが声を掛けた。

 

 

「御待ちを………レイナーレさん達の事情がございます、どうか慈悲の御心を持ちまして御対応を」

 

 

「慈悲を与えよと?」

 

 

「私が再びこの地に足を運ぶ切っ掛けとなったのも彼女達在ってのこと………それに」

 

 アイリが光に包まれ、やがてアーシアの姿になる。

 

 

「「「「アーシア!?」」」」

 

 

「はい………今の私は巫女・アイリであり、アーシア・アルジェントでもあります」

 

 

 巫女・アイリ……そしてアーシア・アルジェント、この2人は同一人物である。

 

 アイリはアーシア・アルジェントとして転生した。しかし本来魂が転生する際には前世の記憶はリセットされるのが普通だ。だがアイリの様な特殊な存在は記憶を残す可能性もある。

 

 今回の転生の場合は、記憶が封じられていた事でアーシア・アルジェントとしての人格が形成され、その人生を過していた。しかし魂の記憶はそう簡単に封じれる物ではない、前世の記憶が夢と言う形でアーシアは見ていた。そして段々と記憶に見る事で前世のアイリと接触する機会が触れ、2つの人格の統合が始まった。人格の完全な統合はこの神社に来てからなったのだろう。

 

 今の彼女は、アイリとアーシアの記憶を両方保持し、2つの人格が融合した状態だ。別々の存在が1つになったのではなく、元は1つの魂から発生したからこそ実現できたのだろう。

 

 アイリとしての姿をしていたのは龍牙王の元へ向かう為だ。これはかつての習得した術……一時的に他の者の姿になる【転身の術】を使えば簡単な事だった。

 

 

アーシア()の願いでもあるんです。龍牙王様、どうかお願いできないでしょうか?」

 

 アーシア(アイリ)に涙目+上目使いでお願いされた龍牙王。

 

 

「ぐっ!いやしかし……これは土地の」

 

 

「ダメですか?」

 

 

「………はぁ。分かった、しかし完全に見逃す訳にはいかん……アザゼル!」

 

 どうやら龍牙王も女には弱い様だ。

 

 

「おっおう!」

 

 

「お前やそっちの堕天使共に対して判決を降す………アザゼルには向こう500年、我の手と成り足となって貰う」

 

 

「つまり俺が500年間、お前の下僕になると?」

 

 

「そう…………堕天使総督のお前であればそれなりに能力を持っているしな。我の……ひいてはこの土地の役に立って貰う、まぁ主に外交でな……。

 

 1人に対して100年、お前、その他4人……計500年。後、そっちの奴等はこれから人間を害する事を禁ずる。それとこの地から出て行ってもらう。我が眷族達は血の気が多い……特に古くから居る者達にとって、この地に生きる者達は我が子の様な物だ………子等を傷付けられて黙っている親はいない」

 

 彼は「我もそうだがな」と言う言葉を付けたした。

 

 彼が出した判決は「アザゼルが500年間、己の手駒となる事」「レイナーレ達がこれから人間を傷付ける事を禁じる」と言う2つを提示した。

 

 

「これでも破格の条件だろう?たかが500年だ、我や貴様にとっては一刻の話だ」

 

 

「あっあぁ……でも本当にいいのか?お前さんが言った様に俺達は滅ぼされても文句は言えねぇんだぞ?」

 

 

「なんだ、気に喰わぬか?ならば、今後のことも考え堕天使を滅ぼすというのも」

 

 

「いや!とても気にいりました!」

 

 

「そうか、ならば一先ずは連れて帰れと言いたい所だが……一誠に謝って貰わないとな目的の為にとは言え少年を騙したんだ、けじめとして謝罪せよ、小娘」

 

 

「はっはい」

 

 レイナーレを含めた他の堕天使達も龍牙王の正体を知ると完全に縮こまってしまっていた。

 

 

「一誠」

 

 一誠は護るため、一時的に神社に居た。龍牙王の声で一誠はレイナーレに向かい合う。

 

 

「はっはい……えっとその……やっぱり好きでもないのに、あぁ言う事をするのはいけないと思う」

 

 

「っ!」

 

 

「あの告白してくれた時、本当に嬉しかったんだ……でもあれが嘘だって分かって凄くショックだった」

 

 一誠にとっては産まれて始めての告白だったので、ショックなのは言うまでもない。

 

 

「ごめんなさい……謝ってすむことではないのは分かってる。でも本当にごめんなさい!」

 

 レイナーレは頭を下げて謝った。

 

 

「ぁ~坊主、本当に悪かった。こいつのしたことは許される事じゃねぇ……だがこいつ等もそれだけ追い込まれてた。俺の所為だ、殴って気が済むなら俺を好きなだけ殴れ」

 

 

「あっアザゼル様!?」

 

 

「お前等の事をしっかり見れてばこんな事にはならなかった。だからこれは俺なりのけじめだ」

 

 

「いぇ……今回の事は確かにあれでしたけど、夕麻ちゃんのお陰で龍王様に会えた訳ですし……人生の勉強の1つとして受け止めます」

 

 

「そっそうか。何か在ったら、何時でも俺に相談してくれ。力になる」

 

 一誠は騙された事を哀しんだが、何より龍牙王に出会えた事を喜んだ様だ。アザゼルはそれでは気が晴れないので、彼の力になる事を誓った。

 

 

「マジっすか?!じゃ、ハーレムを作るにはどうすればいいですか?!」

 

 

「なんだ、今回の赤龍帝はハーレムが希望か。俺がアドバイスするよりも、龍牙王に聞いた方がいいぞ」

 

 

「えっ?」

 

 

「なんせ、大陽神に月の神、月の姫、外宇宙の神姫……色々な女を落としてるんだ。俺よりプレイボーイだ」

 

 

「アザゼル……」

 

 余計な事を言ったなとアザゼルを睨む龍牙王。一誠はアザゼルの話を聞いて、眼を輝かせている。

 

 

「ほっ本当なんですか?リアルハーレムって」

 

 

「一誠、止めとけ。アレはハーレムなんて生易しいもんじゃない」

 

 龍牙王に聞こうとしていた一誠に黙っていた夜叉は耳打ちする。

 

 

「どういう事?」

 

 

「受け売りだが、女神ってプライド高いんだ」

 

 

「うっうん」

 

 

「そんなのが、何人も居て1人の男を取り合うのを想像してみろ」

 

 一誠は夜叉に言われて少し想像してみた。誰も一歩も退かず、1人を取り合う図……最終的には血を見る事になる。

 

 

「こっ怖い」

 

 

「実際はお前が考えているよりもっと怖いから安心しろ」

 

 想像して身体を震わせる一誠にそう呟く、夜叉。

 

 

「一誠、1人の男として言っておく。ハーレムやらに憧れるのはいい………女の嫉妬と怨みは神罰より恐ろしいぞ。我もそれを身をもって知った……特にプライドが高くて、孤高な女には注意しろ。そう言う女はな、独占欲が強くて……病む可能性が大きい」

 

 

「はっはい、肝に命じておきます」

 

 信仰する神様からこんな生々しい男女の問題を聞かされるとは全く思っていなかったが、一応神様の言う事なのでそう答える。

 

 そして桔梗から「もう少し神らしくして下さい」と言う様な視線を向けられる。なので咳払いすると、話を打ち切った。

 

 

「それで……あっ」

 

 アーシア(アイリ)の方を見てそう言えば、彼女の事を夜叉達に説明してなかったなと思い出した龍牙王は彼女の事を夜叉と桔梗達に説明した。2人は成程と納得した様だ、因みに桔梗に至っては何故か彼女を見る眼には畏敬の念が含まれていた。

 

 

「お話は龍牙王様から聞いております。貴女の巫女としての御力も心意気も、素晴らしい物です。是非とも私にもご指導頂きたい」

 

 

「ぇ…はぁ……龍牙王様、一体何をいったんですか?」

 

 

「事実だけを言ったぞ。因みに我が神社の歴代の巫女達は皆、お前の話を聞いて育ったのだ。巫女達にとってお前は憧れの的だ、ハハハ」

 

 

「そっそんな私なんて大したことないです!結局最後は無様に死んでしまいましたし」

 

 

「そんな事はありません!貴女様の生き様は、巫女としても、女としても、憧れです!」

 

 桔梗や、この神社の歴代の巫女達にとってアイリは憧れの存在の様だ。それもこれも龍牙王が話したのが原因だろう。因みにその話の内容は幾分か美化されている部分もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 完全に空気になっている、ミカエル、アザゼルとレイナーレ達。

 

 

「まさか彼にあの様な事があったとは……」

 

 

「あぁ、驚きだ……道理で悪魔を憎悪してる筈だ。愛した女を殺されりゃ誰だってそうなる」

 

 

「えぇ……彼のあの様な表情、あまり見ないので少し新鮮ですね」

 

 

「そうか?……それにしてもあの嬢ちゃんも大変だな、何処かの大天使に見放されて、追放されたそうじゃねぇか」

 

 

「ぅ……それは」

 

 そう……アーシア・アルジェントは魔女の刻印を押され、教会より追放された。ミカエルやガブリエルと言った天使達は彼女を救おうと思えば救えただろう、だがとある事情により見て見ぬ振りをしたのだ。

 

 

「そう言えば……アーシアを追放されたんだったか。ミカエル、アーシアを魔女だ、なんだと言って追放した輩は何処のどいつだ?」

 

 彼女から追放された話を聞いていた龍牙王………今にも叢雲牙を引き抜きそうな勢いでミカエルに詰め寄った。

 

 

「えっと龍牙王、落ち着いて下さい」

 

 

「そうです、龍牙王さま!落ち着いて下さい!私は気にしていませんから!」

 

 

「お前がそう言うなら止めよう………だが何か在れば直ぐに言え、我が手ずからOHANASHIをする、ハハハ」

 

 

「絶対になにかする気でしょう?」

 

 

「さてな……ワハハハハ」

 

 こうして、巫女は時を越えて帰還した。

 

 彼の龍神は今度こそ、巫女も、民も、全てを護り通すだろう。その為には己が力を行使する事も、己が手を血で染める事も、矜持を捨てる事も厭わないだろう。




~まとめ~

・アーシアはアイリが輪廻転生した存在。転生の際に記憶は封印されていたので【アーシア】としての人格と【アイリ】としての人格が個々に1つの身体に存在していた。記憶を封印されていた時は【アイリ】の人格も封印されていた。

・神器が発現した際に記憶と共に【アイリ】の人格も目覚めていたが、アーシアの人格を塗潰す事になるので自ら自身を封じていた。しかし本来1つの魂から生まれた存在なので時間と共に徐々に1つに戻ろうとしていたので、アーシアは夢と言う形で【アイリ】の記憶を体験した。

・存在が1つになるにつれて【アイリ】との会話も可能になった。そして駒王街に来た時に人格と記憶の統合は殆ど終わっており、龍牙王が激怒した事を気付いた際に完全に統合された。

・現在のアーシアは【アイリ】でもある、勿論両者の記憶も在る。人格の方は元々似たものなので特に変わりはない。優しさ、ドジっぷり、天然は原作と殆ど変らないが、巫女としての術や土地の力を扱う事も出来る様になっている。
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