狗の長兄が行くD×D   作:始まりの0

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今回は少し短めです


第39巻 久しぶりの登校

 ~龍王神社 神殿~

 

「と言う訳だ。お前達も忙しいかも知れんが、1つ頼むぞ」

 

 龍牙王は神無に対してそう言った。神無は黙ったまま、鏡を龍牙王に向けている。

 

『大丈夫だ、此方は何時でも受け入れ可能だ。貴方に比べれば此方はそれほど忙しくはない』

 

 神無ではない声が神殿内に響く。良く見れば、神無の持っている鏡に1人の男が映し出されていた。

 

「ならば良かった。我も一度、そちらに行くからな」

 

 

『あぁ、子供達も喜ぶ』

 

 

「そう言えば……娘も大きくなったんじゃないか?そろそろ、男でも連れてくる年頃だろう?」

 

 

『あっあの子ははそんな事はしない!』

 

 

「ククク………そうか。まぁいずれは通る道だ、覚悟しておけ。結構キツイぞ」

 

 

『貴方には子は居なかった筈だが?』

 

 

「我からすると姪っ子になる……赤ん坊の頃から見てるから我が子も同然でな。あの子が男を連れてきた時は凄く大変だったな………(まぁ我以上に犬夜叉がだが)」

 

 

『そっそうか………ではまた満月の時に』

 

 鏡の中の男がそう言うと消え、普通の鏡に戻った。

 

「ご苦労だったな神無」

 

 龍牙王の言葉に頷いて返事を返す。

 

「門………開く?」

 

 

「あぁ。そう言えば………一応、連絡しておくか」

 

 龍牙王はそう言うと、袖の下からスマートフォンを取り出すと何処かに電話を掛ける。

 

「よぉ、久しぶりだなドM………耳元で騒ぐな。お前等に見本として貸した服に鞭が入っていて、桔梗に変な目で見られたんだぞ………こっちだって忙しいのにわざわざ電話かけてやってんだぞ。5日後に蓬莱郷に行く、その時にお前の娘にも誘いをかけるつもりだ…………それよりもアイツの事を伝えてないのか………なに、言われた言葉がショックで言えなかった?駄目父が………泣くな、気持ち悪い。伝えたからな、来るも来ないもお前次第だ」

 

 彼はそう言い終えると、通話を切った。

 

「あの子?」

 

 

「一応な。悪魔になったとは言え、あの子は向こうで産まれた子だ。それに……」

 

 

「分かった………誘っておく」

 

 

「頼む…………いや、久しく我も登校するとしよう」

 

 

「?」

 

 

「一先ずは状況も落ち着いたしな………あそこの状況も確認しておかないとな」

 

 

「………ならっ今日はお酒ダメ」

 

 

「えっ?」

 

 

「高校生はお酒ダメ」

 

 

「未だ一口も飲んでない………ちょw神無?!待って、それ年代物で高いんだってば!花にやっちゃだめぇ!」

 

 

「御神酒だから御利益ある………元気になる」

 

 

「Noooooooo!!」

 

 氏子から奉納された高級な年代物の酒………龍牙王の神気に当てられ神酒となった。それが今、花の肥料となってしまった。

 

 

 

 

 

 

 ~翌日 龍王神社前~

 

 昨日の酒の件で落ち込んでいる龍牙王(人間Ver)。

 

「なぁ、神無。兄貴、どうしたんだ?」

 

 

「気にしない………偶には休みも必要」

 

 

「最近は飲み過ぎだから良い薬だろう」

 

 

「「「?」」」

 

 神無と桔梗の言葉に疑問を持つ、夜叉、白音、黒歌。

 

「ほらっ行くぞ、兄貴」

 

 

「………あぁ」

 

 こうして龍牙王は天龍 龍牙として久しぶりに登校する事になった。


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