~レーティングゲーム 特別空間 校舎~
「それでは組み分けは事前の作戦通りに………夜叉さん、桔梗さん、一誠さんは校舎裏。黒歌さん、白音ちゃんは体育館周辺をお願いします」
現在ゲーム開始5分前、アーシア達は本校舎が陣地となっている。ライザー達の陣地はオカ研の部室のある旧校舎となっている。
そして、各人の配置をアーシアが説明した。
「それでは各人、時間まで宜しくお願いします」
「おう!」
「分かりました」
「OKにゃ」
「分かりました」
「分かりました!」
アーシアを残し、それぞれ支持された場所に向かった。
「御武運を…………私も準備を始めましょう」
アーシアは彼等を見送ると、何かの準備を始めた。
~夜叉、桔梗、一誠side~
「と言う訳だ。一誠は、死なない様に気を付けろ」
「分かってる」
夜叉が緊張している一誠にそう言った。
「無理をする必要はない。私達は、私達のするべき事をすればいいんだ」
巫女モードに入っている桔梗がそう言う。
「日暮さん………何時もと違う」
「アレは夜の仕事モードだ。あぁ、なったら敵に容赦ないからな。因みに昼の仕事モードの場合は分け隔てなく優しい」
「へっへぇ……!?」
「「?!」」
3人の足元に魔法陣が浮かび上がり、凄まじい爆発が起きた。
「フフフフフ!たかが、極東の島国の神に属する人間の分際でライザー様に刃向うからこういうことになるんです」
彼等の上空に1人の女性が浮いていた。ライザーの
「ユーベルーナ、もう終わりまして?」
「はい、レイヴェル様」
彼女は自分に声を掛けた少女の元へ降りた。
彼女の名はレイヴェル・フェニックス、名前から分かる様にライザーの妹であり彼の僧侶として此処に居る。彼女の後方には【騎士】カーラマイン、シーリス、【戦車】イザベラ、【僧侶】美南風が控えている。
「ミラ達は体育館の方でしたわね?」
「はい。彼女達の方も直ぐにおw『たかが、極東の島国の神?』なに!?」
レイヴェル達は先程、ユーベルーナが爆破を起こした場所を見た。未だにそこには煙で覆われているが、その中から光が漏れ始めていた。
「それはあの方の事ですか?」
「なっ!?アレを喰らって無傷とは」
「あの方をたかがと言いましたか?」
「だから何だと言うのだ!?日本の神等、悪魔からすれば雑魚に等しい!」
ユーベルーナはそう言い張った。そして、それは桔梗や夜叉の逆鱗に触れた。
前世より知る龍牙王、その力だけでなく、優しさを知る桔梗。忘れているとは言え、兄の強さと優しさを知る夜叉。その彼を「たかが」と言われたのだ、黙っていれる筈がない。
桔梗と夜叉の足元に罅が入る。
「『我等を古より見守りし、偉大なる龍神に願い奉る。我等を迫りくる悪しき闇を祓い給え、清め給え』」
レイヴェル達の足元に巨大な龍の紋様が浮かぶ。桔梗は破砕弓を両手で天に掲げた。
『『『我等は龍神と共に生き、歩む者』』』
桔梗の周囲に無数の光球が出現し、人の形へと変わる。そして、その姿がはっきりとしていく。年老いた者、男も、女も、幼い子供までいる。
「なっなんですのアレは!?」
現れた人達は何も言う事無く、桔梗の傍で祈る様に手を合わせている。
『今此処に魔を祓いし龍神の雷を此処に』
巫女とはその身に神を降ろし、その言葉を人々に伝え、時にその力で奇跡を起こす者。
この術はかつて、この地を護る1人の守護者が編み出した物だ。人の一生は
「【裁龍の雷】」
天より眩い光が、レイヴェル達に降り注いだ。
「すっすげぇ」
「桔梗、無事か?」
先程、光が落ちた場所には巨大なクレーターが出来ており、その端にはレイヴェルと満身創痍のユーベルーナが転がっていた。
「あぁ、だが霊力の殆どを使ってしまった」
―らっライザー様の【騎士】2名【戦車】1名【僧侶】1名、戦闘不能により退場―
アナウンスが流れ、先程までいた6名の内、4名が退場した事を伝えた。
「がっ………にっ人間が何故、これほどの力を?!」
ユーベルーナは『フェニックスの涙』を使い回復しながら、桔梗を睨む。
「我等が繋いできたのは血だけではない。その力、想い、愛を、私達人間は繋いできた。
お前達が相手をするのは、私達だけではない。私や夜叉を含めた、あの方を慕い、共に歩んで来た駒王の地の守護者全てだ」
と言う訳で早々に4人退場しました。