狗の長兄が行くD×D   作:始まりの0

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第46巻 眷族の力

 ~夜叉達がライザー眷属を倒している頃 校舎付近~

 

 ライザーの兵士(ポーン)であるシャリヤー、マリオン、ビュレントはアーシア陣営の陣地である校舎へと接近していた。

 

「ふっ、此処まで接近して罠の1つもないとは……」

 

 

「所詮は人間と妖怪か」

 

 

「全く……弱い者いじめは趣味じゃないんだけど」

 

 3人はそう言いながら校舎へと近づいていく。

 

「それはこっちの台詞だよ………私等の5分の1も生きてない小娘が行ってくれるじゃないか。なぁ、神無?」

 

 

「…………此処には近付けない」

 

 

「あっアンタたちは!?」

 

 校舎の前に立ちはだかったのは、神楽と神無だった。

 

「悪いけどここから先には行かせないよ」

 

 

「なんですって!?」

 

 

「まぁ一応自己紹介をしておくか。私は風使い神楽、それで此方は」

 

 

「……神無」

 

 そう自己紹介する2人。

 

「痛い目に合いたくなけりゃさっさと逃げるなり、リタイアするなりしな」

 

 

「黙れ、たかが妖怪如きに私達が止められるものか!」

 

 そう言うとシャリヤー、マリオン、ビュレントは2人に襲い掛かる。どうやら近接戦闘をしようというらしい。

 

「おいおい、これでも勘違いしないで欲しいねぇ。これでも神の身だよ」

 

 

「「「はっ?」」」

 

 3人はその言葉に驚いた。神楽はそんな3人を見ながら扇子を開く。

 

「この国には長年使われた物には魂が宿り、付喪神になるのさ。私等も元は神社に在った神鏡と儀式用の扇子だったのさ。

 

 今の主も、この土地も、此処での生活も気に入ってるんだ。だから土地でのゴタゴタは困るんだよ、アンタ等に恨みはないけど、やらせて貰うよ」

 

 神楽はそう言うと、向かってくる3人に対して扇子を振るった。3人は警戒するが何も起きていない。

 

「なにも…!」

 

 安堵した瞬間、彼女達は直ぐに足を止めた。気がつけば幾つもの竜巻のが3人は周りを竜巻に囲んでいた。

 

「くっ……何時の間に!」

 

 

「魔力なんて欠片も感じなかったのに!?」

 

 魔法等の使用の際、魔力や何らかの力を感じる。レーティングゲームの経験者である彼女等ならそれが分かってもおかしくはない筈……だと言うのに彼女達は何も分からなかった。

 

「私達は……この地が好き……護りたい……」

 

 神無がそう呟き、その手の中の鏡に龍の紋章が浮かび上がる。

 

「私達はかつて民を失った……そして私達は荒神になる筈だった」

 

 

「だけど何の因果か、アイツに助けられた。300年………私等はこの土地を見守ってきた。だから情も湧くのさ。アンタ等にゃ、理解できないだろうけどね」

 

 

「何だと!?」

 

 

「我等は誇り高きフェニックス眷族だ!」

 

 

「お前達の様な下等な者達と一緒にするな!」

 

 

「なら………貴女達は私達には勝てない」

 

 神無の言葉に竜巻の檻に捕らわれる3人は反応した。自分達は誇り高きフェニックス一族の眷族悪魔だ。日本の神々は彼らにとっては格下としか見ていないらしい。

 

「神技・龍光」

 

 神無の鏡に浮かんでいた龍の紋章がより一層強くなり、彼女の鏡から光の龍が出現した。

 

【オォォォォォォォ】

 

 光の龍は天高く昇ると竜巻の檻に囚われている3人に向かい落下した。

 

 3人は悲鳴も上げる間もなく退場となった。

 

「うわぁ……神無、アンタ、可愛い顔してやる事、えげつないねぇ」

 

 

「死んでないから……大丈夫……」

 

 神無はそう言うと校舎の方へと戻って行った。

 

「一番怒らしたら怖いのは神無の様な気がしてきた…………」

 

 

「私なんて………未だマシ…………一番怖いのは主様を囲っている時の女神達」

 

 

「‥……………ぁ~確かにあっちの方が万倍怖いな」

 

 神楽は龍牙王に好意を寄せている女神達が彼を挟んで牽制し合っている彼女達を思い出した。皆、目の笑っていない笑顔で互いに牽制しあっている様子………皆、神気全開で周囲の空間が歪んだり、熱気を放ったり、言葉に出来ない程、凄い事になっていた。1人1人が世界を簡単に壊したり、造り替えたりする事ができる存在なので性質が悪い。

 

 当の原因の龍牙王は彼女達の尻に敷かれているので、土地等の被害が出ない限り何も言わないのである。

 

「それにしても…………あの男も面倒な輩を惚れさせるのが得意だねぇ」

 

 

「神楽はきっと………クールで、普段はツンツンだけどふっとした時に優しくしてくれるイケメンに惚れると思う」

 

 

「はぁ?私は男には興味ないんだけど」

 

 

「そのわりにおしゃれの時は大胆……この間もミニs「さっ!早く仕事を終わらせ様じゃないか!」」

 

 そう言って神無を抱えて校舎の方に走っていく顔が真っ赤な神楽。

 

「普段は面倒だとか言ってるのに………そんな神楽も可愛い」

 

 

「何で今日に限ってそんなにお喋りなんだよ!?」

 

 普段は無口な姉が今日はよく喋っているのに突っ込みを入れる妹。

 

「何故でしょう?」

 

 

「もういいから黙ってな!」

 

 姉妹はそう話ながらアーシアの元に戻るのであった。

 

 

 

 

 

 ~校舎 アーシア陣営 拠点~

 

 アーシアは拠点に用意した祭壇の前に正座して座っていた。

 

「ぅう……まだ感覚が戻りません」

 

 彼女は大掛かりな術の準備をしているのだが、未だに巫女・アイリの頃の感覚が戻らず戸惑っていた。

 

「でも少しでも早く発動させないと………」

 

 彼女は記憶を取り戻した…………だが以前に培った勘等は身体が覚えている物だ。現在のアーシア・アルジェントの身体では簡単な術を行えても、高等な術を行うだけの勘が戻っていないのだ。

 

「ふぅ…………もう少し頑張りましょう」

 

 龍牙王の眷属、そして駒王を守る者達とフェニックス眷属の戦いももう少しで終わる事になるだろう。

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