ガールズ&パンツァー 俺の戦   作:アレク

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5話目です。今回でアニメシリーズ2話前半という事実。亀過ぎワロス。


今回で自動車部が初登場。口調がよくわからないので、誰が誰だか……というところは各自脳内で変換してください。


ザ・自動車部DASH

西住の勧誘に成功し、いよいよ戦車道の授業が始まった。

 

初日は校庭の大きな倉庫の前でスタート。

 

戦車道を選択したのは1年と2年の18人。

 

生徒会4人を入れても22人…少ないがこれでやってくしかない。

 

 

「これより、戦車道の授業を開始する。」

 

 

集まった生徒達の前に俺ら生徒会が向かい合い、桃が仕切り始める。

 

 

「あ、あのっ戦車はティーガーですか?それとも…」

 

 

生徒の中の一人が興味津々に聞いてくる。

 

そういえば俺も大洗に現存する戦車の事は聞いてない。

 

 

「えーと…なんだったけな?」

 

 

杏も知らないんかい。

 

 

 

 

 

 

 

 

ギッ ギギギギ…… ガコンッ

 

 

 

いかにも重たそうに倉庫のドアが開かれ、その戦車が姿を表す。

 

 

「なにこれ……」

 

「ボロボロ……」

 

「ありえなーい……」

 

 

そんな感想が聞こえてきた。

 

中にあったのは履帯を外され、鉄錆びだらけ、何年も整備されてないと一目でわかる戦車が一両。

 

 

だが、俺と西住はそんな戦車に歩み寄っていく。

 

 

「ドイツのⅣ号戦車…そのD型か。」

 

「……装甲も転輪も大丈夫そう。これでいけるかも。」

 

 

生徒達から聞こえる『おおー』という声。やはり頼りになるな。

 

 

「イクサ先輩!」

 

 

武部が俺を呼ぶ。そういや、電話番号を交換したときから妙に絡んでくるな。

 

 

「なんだ?」

 

「こんなボロボロで大丈夫なんですか?」

 

「今はダメだな。だがこれをどうにかするのが整備屋の仕事だ。」

 

「おぉー…格好いいです!」

 

「ははっ…ありがとな。」

 

 

お世辞だろうが女子にそう言われるのは悪い気はしな…

 

 

(ジー……)

 

 

待て杏。そんな目で俺を見るな。風紀委員に通報するのはまだ早い。

 

 

「でも一両しかないですよ?」

 

「あ…ああ、この人数だと……」

 

「全部で5両必要だ。」

 

 

武部の質問に桃が代わりに答える。助かった。

 

 

「じゃあ皆で、戦車探そっか!」

 

 

杏が全員に向かって言い放つ。

 

買ったりするのではなく、探す。この言葉に全員が困惑した。

 

予算もなく、譲ってくれるアテもない。

 

だったら探すしかない。

 

これが様々な方法を模索し、俺達が出した最も可能性の高い答え。

 

ざわつく皆の前で桃が説明する。

 

 

「この学園では何年も前に戦車道は廃止になっている。だが当時使用していた戦車がどこかにあるはずだ。いや必ずある。」

 

 

こうやって聞くと改めて無茶な話だと思うよ。

 

 

「そして明後日、戦車道の教官がお見えになる。それまでに残り4両を見つけ出すこと。」

 

 

こうして、戦車捜索作戦が開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

皆が戦車を探してる頃。俺は一人、自動車部の所に向かっていた。

 

皆が戦車を探し出せれば、明日から整備が始まる。

 

今日の俺の仕事は、その自動車部に戦車整備のいろはを教えることだ。

 

そして杏に教えてもらった部屋のドアを開けた。

 

 

「失礼しまーす」

 

「あえっ?」

 

 

俺が最初に目にしたのは今まさにタンクトップを脱ごうとしていた女の子のきれいな背中。

 

だがそれは直ぐに隠され、代わりに鉄のなにかが俺のみぞおちめがけて飛んできた。

 

 

ズンッ

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

「ゲホッゴホッ……」

 

「いやーごめんねぇ?ホシノって女子校だからってどこでも着替えるからさぁ。」

 

「ほんとごめんなさい……」

 

「いや、ノックもせずに入った俺が悪いし…」

 

「だからってスパナぶん投げるかなー?」

 

「反省してるって……」

 

「いやもういいよ。ちょっと痛いぐらいだし。」

 

 

どうやら俺は、ホシノと呼ばれた子が着替えようとしてるとこにちょうど入ってきてしまったらしい。

 

 

「イクサさんのことは会長から聞いてるよ。戦車を整備できるとは思ってもいなかったから、わくわくしてたんだよねー!」

 

「そうか。でも俺にさん付けはしなくていいぞ。」

 

「そう?じゃあイクサ。私はナカジマ。わたしのことも呼び捨てでいいからねー。」

 

 

自動車部には4人居て、その中で一番小柄なナカジマから自己紹介をされた。

 

 

「同じくスズキです。よろしく!」

 

「ああ、よろしく」

 

 

次に褐色肌で癖っ毛のスズキ。

 

 

「私はツチヤ~。ここでは私だけ2年なんだけど、敬語使わなくていいですよね?」

 

「かまわないよ。整備で忙しいと敬語なんて使ってられんよなー」

 

「そうそう!いやー器が大きくてよかったー!」

 

 

ナカジマと同じぐらい小柄で茶髪のショートヘアー。

そして常に笑顔絶やさないツチヤに挨拶された。

 

 

そして……

 

 

「…………です」

 

「えっ?」

 

「いや気持ちはわかるけど、もうちょい声張ろうよー」

 

「わ、わかってるよナカジマ……えっと、ホシノです。……あんな最初だったけど、よろしくね。」

 

 

俺が着替えを見てしまった、さらっとした黒髪のホシノに自己紹介された。

 

そういえば4人ともお揃いのオレンジ色のツナギだが、ホシノだけツナギの上を縛って、タンクトップ姿で俺の隣に座っていた。

 

 

「気にしてないさ。これからよろしくな。」

 

 

と、俺はホシノに手を出し、握手を求めた。

 

 

「え……あ…うん……よろしく。」

 

 

そしてホシノはおずおずと俺の手を握ってくれた。

 

 

「「「…………」」」

 

 

そんなホシノを他の3人が物珍しそうに見ている。

 

 

「な……何?」

 

「いやぁ~そんな乙女してるホシノなんて初めて見たからさぁ…」

 

「な゛っ」

 

「以外な弱点発見?」

 

「え゛っ」

 

「センパイっ!今メッチャ可愛かったッス!」

 

「う……うるさいぃぃー!」

 

「あっはは…」

 

 

賑やかでいいな。これから一年、俺が生徒会の次に多くの時間を過ごすであろう場所がここでよかったよ。

 

 

 

 

 

ブーッ ブーッ

 

 

「おっ…」

 

 

俺の携帯が震えた。……杏からか。

 

 

ピッ

 

「もしもし?」

 

『あぁイクサ。今自動車部?』

 

「そうだ。」

 

『戦車が見つかった。すぐに回収頼むよ。』

 

「わかった。場所は?」

 

『えっと座標で言うと……

 

 

 

……てところだね。わかった?』

 

「……ずいぶん面倒臭いとこにばっかあるな…」

 

『まぁなんとかして貰うしかないよねぇ』

 

「オーケー……何とかしてみるさ。」

 

ピッ

 

 

「よっしゃ!初仕事だ。戦車を回収しにいくぞ!」

 

「「「「おうっ!!」」」」

 

 

 

 

_____________________

 

 

翌日……

 

 

「いやー久々に疲れたねぇ……沼の底とか崖の洞窟の中とか…どうやって回収したっけ……」

 

「覚えてないけど、ウチのクレーンが大泣きしてたのは覚えてるよ……」

 

「あと、森の中はまだマシだっけど、ウサギ小屋とか何を考えてあんなとこに隠したんだろうなー…」

 

「お陰でウサギを逃がさないように小屋を解体して、戦車を回収した後にもう一回小屋を建てる羽目になったからねぇ……」

 

「あー…腰いてえ…皆お疲れ様。」

 

 

満身創痍とはこの事か。やっとの思いでⅣ号があった倉庫の前まで4両の戦車を運んでくる。

 

 

「イクサも自動車部もご苦労だった。」

 

「イクサ君大丈夫?」

 

「いやー本当に大変だったねぇ。」

 

 

 

そんな俺らを生徒会の3人が労う。

 

 

 

「でも、これで洗車をしたらいよいよ私達の本領だね!」

 

「うん!これの中身がどうなってるか今から楽しみだ!」

 

「燃えるねぇ~」

 

「そうだな!」

 

 

と、やる気を燃やす自動車部。

好きこそ物の上手なれというが、まさにそれだな。

 

 

「いやー頼もしいよ。」

 

「ああ、俺もだ。」

 

 

杏も全面的に信頼しているようだし、俺も楽しみになってきた。

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

そしてその日の夕方。

 

 

 

「おぉー綺麗になってるー!」

 

「洗車とは聞いてたけど外側の整備もやってくれたみたいだね。」

 

「そうだ。俺らの仕事は主にエンジンとか、中身の整備になるな。」

 

「むしろ気になるのはそっちの方だし、助かったよ。」

 

「よし、じゃあ整備開始だ!」

 

 

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

生徒会室……

 

 

 

「はぁ~あ…」

 

「会長?ため息なんてどうしたんですか?」

 

「あ、ああ小山ぁ……いや整備ちゃんとできてるかなー……なんてね?」

 

「?それなら会長がさっき『自動車部にイクサが入ったら鬼に金棒どころじゃないよねー』って言ってたじゃないですか。」

 

「そ、そうだっけ?」

 

「……もしかして……」

 

「な、なにかな?」

 

「イクサ君が女の子4人と一晩過ごすのが心配なんじゃ?」

 

「!!」

 

「……図星ですか?」

 

「……まぁ、変なことにはならないと分かってるけど。どうしてもねぇ……」

 

「大丈夫ですよ。彼、そこら辺は真面目だと思いますし。」

 

「それも分かってるんだけどねぇ……あいつに盗聴機でも仕掛けてやろうかなぁ?」

 

「それはだめです。」

 

 

 

 

_____________________

 

 

 

 

 

ブロロロロ…… キキーッ

 

 

「ふう……」

 

 

M3リーの試運転が終わり一息つく。

 

 

「いい感じじゃない?!」

 

「あぁ。何とかなるもんだな。」

 

 

戦車から降り、同乗していたツチヤが興奮気味に言う。

 

 

「イクサー!次Ⅳ号ねー!」

 

 

そしてⅣ号の整備を終えたナカジマが手を振りながら叫ぶ。

 

 

「あいよー!……ツチヤ。因みに今何時?」

 

「草木も眠る丑三つ時~。」

 

「わかんないっす。」

 

「2時半ぐらい?」

 

「うわーお……皆テンション高えなー。」

 

「この時間は大体こんなもんだよー?」

 

 

メカニック系女子恐るべし。

 

因みにこのM3リーで4両目。あのⅣ号に問題が無ければ今日の整備は終了だ。

 

 

「よっしゃ!じゃあ次は誰が乗るんだ?」

 

 

試運転自体は俺がすべて担当していたが、その他にエンジンの調子を見るために自動車部の一人が同乗していた。

 

運転していると細かい音までは聞こえないからな。

 

 

「じゃあホシノ乗ったら?」

 

「わ、私?」

 

 

そういえば他の3人は乗ったが、ホシノはまだだった。

 

 

「私はいいかな~……」

 

「いや、この子のエンジンはホシノがやったんだし、自分で乗るべきじゃない?」

 

「う……わかったよ。」

 

 

ナカジマに言われ、しぶしぶといった感じでホシノが折れる。

 

やっぱこの前のことを気にしてるのかな?

 

 

「よし、じゃあとっと終わらしちゃうか。」

 

「う…うん。」

 

 

 

_______________

 

 

 

 

 

「どうだ…?」

 

「まだわからないな……」

 

 

そして今俺たちは森に囲まれた道で沈黙しているⅣ号相手に格闘していた。

 

突然のエンスト。これ自体は予想していたので一通りの工具とライトは戦車に乗せてある。

 

 

「はぁ……この前からごめんね?」

 

「だから気にして無ぇって。」

 

 

『あの事』と、そして自ら担当したエンジンでエンスト。まぁ、落ち込むなってのが難しいか。

 

……励ますってのは苦手なんだがな。

 

 

「……ありがとな」

 

「えっ?」

 

「突然戦車を整備しろって言われて、なのにこんな時間まで親身になってやってくれてさ。」

 

「そ、そんなの!皆楽しんでやってるし、私も楽んでるし、さ…」

 

「いや、楽しんでやってて、ここまでの技術を持てるのは本当に尊敬するよ。」

 

「うぅ……」

 

 

手を動かしながらも言葉を詰まらせてしまうホシノ。逆効果だったか?

 

 

「あっ……あれ?…ここどうなってるの?」

 

「うん?ああこれは……」

 

 

戦車特有の箇所を教えるため、ホシノに密着する形になる。

 

 

「……ってところだな。わかったか?」

 

「う、うん……とと、とりあえず、離れて……」

 

「おっ……す、すまない。」

 

 

うーん。もしかしたら、男にまだ慣れてないのかもなぁ。

 

 

 

 

 

 

「よし……エンジンかけてみて。」

 

「よっしゃ。」

 

 

そして景気のいい音を上げながらエンジンが始動する。

 

うん、問題は無いな。確認して一度エンジンを切る。

 

 

 

「大丈夫だろう。早く片付けて戻ろう。」

 

「うん……あのさ。」

 

「うん?」

 

 

片付けしながらホシノが話しかけてくる。

 

 

「詳しいことは聞いてないけど、事情があるんでしょ?」

 

「……ああ。今は話せないがな。」

 

「だったら、私達が力になるから。頑張るから。だから……」

 

 

そして手を差し出してくる。最初の時とは逆だ。

 

俺はその手をしっかり握り返す。

 

これからの新たな仲間に。

 

 

「……よろしくね。イクサ。」

 

「ああ。」

 

 

 

 

 

そんなやり取りのあと、人影が3つホシノの後ろに並んでるのに気づいた。

 

 

「あら~見ましたスズキさん?」

 

「わたくしも見ましたわぁ~ナカジマさん。ツチヤさんは~?」

 

「見ました見ました~!まさかイクサさんとホシノさんがこんな所で密会なんて~!」

 

 

その声にホシノが固まる。

 

 

まぁ来るよな。エンジン音もなくなってしばらく経ったんだから探しに来るよな。

 

そしてさっきのエンジンをかけたときの音でここを探し出したのだろう。

 

 

「なっ……なっ……」

 

「戦車デートとか最先端突っ走ってるっすね~!」

 

「ツッ!ツチヤァァァ!」

 

「照れるなよぉ~可愛かったぜ!」

 

「スズキもぉ!」

 

 

3人が騒いでる所で、ナカジマが近づいてくる。

 

 

「あっはは!あんなホシノは本当に初めてだよ。……まあどんな事情があるのかはわからないけど、私達自動車部はいつでも力になるからね!」

 

「あぁ……ありがとう」

 

 

その言葉に俺は新たな絆が生まれるのを確かに感じていた。

 

 

「それに……ウチのホシノを末長くよろしくねぇー?」

 

「ナカジマもぉ!変なこと言わないでぇ!」

 

 

そんな騒ぎが収まったあと、Ⅳ号で全員倉庫まで戻り、長かった整備はやっと終わりを告げた。

 

 

 

 

そしてその日、同じ部屋で5人で寝ているのを杏に目撃され、風紀委員に突き出されそうになるのは別の話。





エンジニア系タンクトップ女子、つまりホシノいいよね。

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