ミッドチルダのカンピオーネ!   作:海豚

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かれこれ三か月ぶりの投稿。
ちょっとデバイスの英語で怪しい所がありますがご容赦を。


Memory;15 “かなわぬ”思い/開戦の咆哮

 結果は最初から運命づけられたものだ。

 

 

 彼女たちは人間で。

 

 

 彼は『神』であるから。

 

 

 結果なんて決まっている。

 

 

 彼女たちの行動がどれほどの正義であって。

 

 

 待ち受ける現実に抗う彼女たちの感情が、何より尊く、何より貴いものであったとして。

 

 

 果たしてそこに意味はあるのだろうか?

 

 

 

 

       ✟

 

 

 

 

 ミッドチルダ北部、廃都市区画。

 数年ほど前に起きた大規模火災によって、臨海空港が閉鎖されると同時に廃棄された市街地跡。

 かつては多くの人々の生活で賑わっていた住宅地や商業ビル群も、動力となる人間の活気が無くなった今では、たった数年の月日で見る影もないほど朽ちている。

 さらに管理局による想定訓練(シュミレーション)の実地として使用され、犯罪者との大規模な戦闘によって様々な建物が倒壊していくことによって、その老朽化の勢いにはさらなる拍車がかかっていた。

 散乱した瓦礫は撤去もされず放置され、人々の行動の結果に生まれた数多くの傷を残す大地の姿は、正しく“廃都市”と言う言葉を表しているように思える。

 そして今ここに、再び新たな傷が生まれ、大地に深く刻みこまれれていた

 

「ぐっ……はっ……」

 

 断続的に襲いくる、突き刺すような痛みに歯をくいしばり耐えながら金髪の女性――フェイト・T・ハラオウンは横たえていた身体を無理やり立ち上がらせた。

 

「痛ッ……」

 

 身に纏った黒い軍服風のバリアジャケットは既にボロボロの様相だった。破れた防護服の下から覗く肌は露出し、大小様々な傷口から血が滴るように流れ、所々内出血を起こして浅黒く変色していた。

 誰から見ても満身創痍と言えるような状態だ。体の至る所から発せられる痛みに膝の力が抜けるが、それでも彼女は倒れそうになるところを大剣状態の愛機(バルディッシュ)を地面に突き刺して、凭れ掛かりながらも何とか立ち上がった状態を保つ。

 どうにか荒んだ気息を整え、ある人物を探そうと俯けていた顔を上げて目を開く。

 

「……っ」

 

 映し出された姿に、思わず息を詰まらせる。

 わかっていたはずだ。意識を飛ばされていたとはいえわずかな時でしかない。

 衝撃によって根元から崩された高層ビル。抉り取る様に大地に空いた百を超えるクレーター群。

 目の前の光景は途切れていた記憶のまま、変わらない姿を見せていた。

 見渡す眼界に広がっているのは、もはや廃都市とすらも言えない、都市であったという残滓すら残っていないほどに破壊しつくされたもの。

 確認するように動かしていたフェイトの視線が、ある者を視界に入れた瞬間、それを中心に縫い付けられるように止められる。

 遥か遠方。沈みゆく夕日を背後に携えた影。照らされていて輪郭しかはっきりとしないが、フェイトは目前の人影が間違いなく自身が探していた者だという確信した。

 

 

 一歩、また一歩。

 

 

 大地を踏み締める足音は小さく、歩幅もゆったりとしたもの。だがそれは遠く離れたフェイトの鼓膜を震わすほどに力強く澄んだ音色を響かせ、ただ“歩く”と言う人として極普遍的な所作にさえ優美さを感じさせる。

 しかし認識を改めたフェイトにとってそれは、自分の命を軽々と弾きとばす“暴君”のものにしか感じられなかった。

 これだけ距離を取っていても感じられる異質な魔力の波動。目を逸らすことが許されないほどに叩き付けられる存在感。暗く重たい赤色に照らされる荒れ果てた世界で、ただ一つの影が不気味なまでに存在を主張している。

 ゆっくりと近づいてくる人影。夕日の紅光に慣れ、その姿からようやく影が取り除かれていく。

 荒れ果てた廃墟にはあまりにも不釣り合いな、汚れひとつないダークスーツに身を包んだ長身の男性。サングラスをかけているため目元は窺えないが、鼻筋や輪郭は非常に整っているのが見て取れ、覗く肌にも傷一つ見受けられない。

 何より、夕日が深紅に染め上げる世界でも一片も染まることのないその髪は、気を失う前にフェイトに深く印象付けられた色だった。

 

「……まだ立ち上がれる力が残っているか」

 

 サングラス越しに男の瞳と視線が交わる。元からなのかは判断できないが、涼やかな声色で告げられた男の言葉からは、何の感情も読み取ることができない。

 ただ言葉にしただけなのだろう。男からすればその言葉にさした意味など無いのだろう。

 

「――ッ!?」

 

 疲弊したフェイトに、更なる重圧がのしかかった。

 ただ視線を交わしただけ、ただ言葉を耳にしただけ。

 たったそれだけのことで、呼吸は荒み、心臓は張り裂けんばかりに鼓動を急速に重ねていく。

 息苦しさから顔を下に向け息を吸い、デバイスを握る手に力を入れようとするが、果たしてちゃんと力は籠っているのだろうか。

 脳から命令が己の肉体に届いているのかどうか。もはや両手の感覚すら曖昧で、地面につけた両脚の感覚も徐々に薄くなっているようにすら感じてしまう。

 

「君を含めて後三人。闇の騎士……ああ、今は夜天の騎士だったか。騎士は既に戦える状態にはない。それは君たちも同じはずだが……」

 

 語られた内容に、渦巻く怒りを滲ませながら男を睨む。

 男の態度は、どこまでもこちらを下に見た物言いだが、それも当然だ。

 現状、フェイトの命は間違いなく目の前の男に握られていると言っていい。男の行動一つで、男の関心一つで確実に自分の命は摘み取られるだろう。

 今すぐにでも戦線を離脱するべきだ。肉体的にも戦える状態ではない以上、単身では勝ち目があるはずもない。撤退に集中すれば、あるいは男の気まぐれで逃げ切れるかもしれない。

 それでもフェイトは、男を前にして引くことはできない。

 管理局員としての責務と矜恃があるというのも間違いではない。倒れて未だ戦場に残る仲間を見捨てられないというのも正しいだろう。

 だがそれだけじゃない。

 度重なる身体の痛みが強く意識を覚醒させ、胸に宿した一つの想いが折れかけていた心を立ち上がらせる。

 

「目的は……」

 

 顔を上げ、再び真っ直ぐと男を見据える。

 全身を絶え間なく襲う痛みに顔を歪めながらも、そこに畏怖の念は見られなかった。

 

「……」

 

 だからだろうか。

 男は初めてフェイトに向けて確かな興味をもった。表面上は何も変わっていないように思える。しかし男は自らの思考を切り上げる形で、こちらの言葉に耳を傾けてきたのだ。

 相手の関心が自分に向いたことを理解し、男に問いかけた。

 

「あなたの目的は、本当に一人の少年を手にかけることなんですか……?」

「愚問だな」

 

 間を置くことなく男は切り返してきた。

 その表情に一切の変化も無く、言葉に乗る感情にも揺らぎは全く無かった。

 

「私がこうして存在している以上、彼の者と戦うのは至極当然のことだ。宿命づけられた運命、ある種の摂理と言ってもいい」

「でも彼は! まだ子どもなんですよッ!?」

「それがどうしたと言うんだ? たとえ幼くとも、彼の者は『神殺し』と言う奇跡を成し遂げた魔王。生きた年月など愚考の極み。一顧だにする価値も無い」

 

 男の言葉に初めて、感情が宿る。

 籠められたのは呆れ、或いは失望にも似た感情。彼にとってはフェイトの言葉など今更すぎる質問であり、同時にこの場に在るのならば問うまでも無い、最低限の認識事項だったのだから当然とも言えた。

 確かに子ども、無辜の民草の命を刈り取るのは元来男の性質からして心痛むことだ。それは認められる。

 しかしフェイトが語る()()においてはその認識は違う。

 男にとって件の少年は、力無き市民ではなく神殺しの魔王。凡そ敵うはずのない神話の存在を討ち倒し、神に準えられた比類なき力を振るう宿敵だ。

 フェイトと男。双方の認識は最初から致命的なまでに食い違っていた。

 

「そんな理屈が通るわけが……ッ!」

「理屈で語っている内はわからない。『まつろわぬ神』の存在すら正しく認識できない君たちでは尚更、な」

 

 サングラスの奥の瞳が一瞬だけ冷たくフェイトを射抜き、そして僅かでも乗せられていた感情が再びその色を失った。

 流れを作ろうとしても、既に無駄だとフェイトは悟った。相手の目的も考えも、自分には到底認められるものではない。折衷案なんてものは存在しない。男に止まる意志がない以上、力づくでも止めなければならない。

 例えそれが万に一つも可能性がない、絵空事だとしても。

 

『――フェイトちゃん、聞こえる?』

『なのは? 無事なの!?』

 

 わずかな活路を探るフェイトに、親友からの念話が届いた。

 男は興味を完全に無くしたようで、こちらに背を向けて離れていく。どこに行くつもりなのかはわからないが、少なくともこちらの念話に気づいた様子は見せてこない。

 

『さっき目が覚めたところ。あんまり無事とは言えないけど……まだ戦える。

 フェイトちゃんこそ、大丈夫なの?』

『……たぶん、似たようなものだと思うよ。あと、なのは』

『何?』

『周囲の魔力は?』

 

 このまま男を行かせてしまえばどうなるか。自分たちの望まぬ形になるのは解りきっている。

 ならば全力を以て、ここで勝負を決めなければならない。そのためには友の切り札が使えることが必要不可欠だ。

 

『――残留量も濃度も十分すぎるくらい。確実にいけるよ』

 

 なのはもフェイトの意図を察し、強い意志と共に言葉を返す。

 必殺の一撃は得た。後は男の足止めだけ。

 比類なき強力な威力を誇る彼女の魔法だが、その魔法の構造上どうしても発動までに時間がかかり、その間使用者は無防備な状態になる。

 本来であればバインドなどの拘束魔法を用いたり、仲間のアシストでその時間を稼げばいいのだが、今はそうもいかない。

 原理は解らないが、拘束魔法は男に接触した瞬間打ち消されてしまうため効果が望めない。そうなると自分が直接男と相対すればいいのだが、疲弊した今のフェイトでは足止めできても精々十秒が限界だろう。

 欲を言えば後三十秒。少なくとも二十秒は欲しいところだ。だが自分一人ではそれも敵わない。

 ……どうするべきか。

 徐々に離れていく男の背中を視界に収め、焦燥を掻き消すように必死に策を練るフェイトの元に、再び念話が届いた。

 

『話は聞かせてもらったで、フェイトちゃん!』

『はやて!? 無事だったの!?』

『今さっきなのはちゃんに起こしてもらったとこや。割と近くにおったみたいやね』

 

 男の言葉で言うなら夜天の主で、フェイトたちの親友――八神はやてはこの戦場に似つかわしくない、どこか軽い調子で言葉をかけてきた。自分のペースを保っていると言えば頼もしい限りだが、男の言なら彼女の家族同然の守護騎士は打ち倒されていることを考えると、無理していると見るのが妥当だろう。

 

『それでやフェイトちゃん。正直に言ってな? あの男何秒足止めできる?』

『……十秒は持たせてみせる、絶対に』

 

 親友の心中を思いながら、フェイトは言葉の通り正直な意見を伝える。

 下手な強がりも、今は邪魔になるだけだ。

 

『――十秒あれば充分、だよね。はやてちゃん?』

『せや。なのはちゃんの切り札発動までの時間およそ二十秒。残りの十秒は任せとき!』

『二人とも……』

 

 自分たちも既に疲弊しているのに、それでもなお希望を失わない二人の言葉がフェイトに更なる活力を与えてくれる。

 今まで戦ってきたどの相手よりも強く異質な存在である男。

 こちらに興味すら向けなくなった男は、目立った外傷も疲労も無い。

 対してこちらは既に半数が削られ、残る自分たちも満身創痍。

 それでも自分たちの敗北は望まぬ未来へと、断じて認められない結末を意味する。

 ならばこそ。

 それを覆したいならば――

 

 

 

「……行くよ」

 

 

 

 ――逆転の一手を決め、勝利をもぎ取れ。

 

 

 

       ✟

 

 

 

 よりかけていた体を起こし、真っ直ぐ男の背中を見据え、大地に突き刺さる大剣をゆっくりと引き抜く。

 内から振り絞るように息を吐き、両手両腕に力を入れてデバイスを正眼に構える。

 

「行けるね、バルディッシュ」

『Yes sir. Full Drive mode, Get set.』

 

 唯一無二の主の言葉を受けた戦斧が、口数少なく、常の口調を崩すことなく応えた。

 手の内の大剣が光を纏いその姿を覆い隠すように広がっていき、そして雷が完全に覆い尽くした瞬間、周囲に雷光を解き放ってその姿を眼前に晒す。

 変化は劇的だった。

 身の丈を越える雷撃の刃はそのままに。見る者に無骨さと屈強さを抱かせるものから、流麗さと強かさを兼ね備えた印象へと。

 両の手で握る漆黒の柄から淀みなく伸びる魔力は、金色の色合いを以て刃を形成し、時折バチバチと雷鳴にも似た音を打ち鳴らしながらその身に紫電を帯電させている。

 漆黒の戦斧『バルディッシュ・アサルト』のフルドライブ形態。

 雷を宿す剣身は洋剣をモチーフとした巨大な両刃剣から、日本刀を連想させる細身の片刃長剣へと姿を変えた。

 

『Riot Blade, Complete.』

 

 機械的な電子音が流れ、金色の光がフェイトを包み一瞬強く輝いた。

 光が晴れ、傷だらけの軍服姿だったバリアジャケットも、限界まで無駄を削ぎ落とした薄手のレオタードを思わせるものへと変わった。

 防御を軽視し、自らの戦闘技術と戦闘スタイルを極限まで反映させることを目的とした、フェイトの奥の手。

 溢れ出す魔力は強大であり濃密。一般局員であれば戦意を喪失しかねないほどの気迫を伴って結界内に確固たる存在を作りだすが、それでも男はフェイトに見向きもせずにただ一方向に歩を進めている。

 たとえ距離が離れていようと、これだけの魔力の奔流を気が付かない筈はない。間違いなく男はこちらの魔力を察知しているはずなのだ。

 それでも男は無防備なその背中をフェイトに向けている。

 己が不退転の覚悟を以ての力ですら、男にとって歯牙にかける相手にすらならないと言うことなのか。

 ……それでも構わない。油断しているのなら、興味がないのならそのまま隙を晒していればいい。

 

「行くよ、バルディッシュ!」

 

 最早慣れてもきた痛みを片隅に追いやり、体勢を低くし、デバイスの切っ先と右足を男に向ける。

 力強く、一歩。

 内に押さえつけた激情と共に、踏み砕かんばかりの激烈さを籠めて大地を踏み締め、ただ一歩。

 雷鳴にも似た音が廃墟に轟き、瞬間――フェイトは男の背後で剣を振り上げていた。

 離れていた距離を一秒にも満たぬ刹那で走破、その勢いを殺すことなく男の背中に一閃を刻もうとし、同時に避けられることを悟る。

 剣を振り上げた時は間違いなく向けられていた背。しかし振り下ろしへと動作を移した瞬間には、男は身体を横にしてサングラス越しにフェイトを捉えていた。

 薄黒から僅かに見える瞳はフェイトの姿を移しているが、やはり彼女を見てはいない。身体を斬線上から逸らしつつ、左の掌を振り下ろされる剣身に向けている。雷を宿していようが関係ないと言わんばかりに、身に迫り来る剣を握り込もうとし――ピタリと、空中で左手が静止した。

 

「……読めているぞ」

 

 男はただ一言呟く。

 添えるように掲げられた男の手は何も掴むことなく空を切り、眼前からフェイトの姿が消えた。

 刹那の静寂。

 フェイトは再度回り込み、男の背に向け牙を立てる。

 雷の剣は更にその姿を変化させ、先ほど以上の速度を実現していた。

 フルドライブを経て発動される、フェイトとバルディッシュの最後の切り札(リミットブレイク)

 

『Limit Break, Riot Zamber Stinger』

 

 冷徹に響く電子の声。雷撃の勢いのままに、腰を屈めた形から右に上半身を捻り込み、両の手にそれぞれ握られた()()()()()を逆袈裟に切り上げる。

 

「――ッ!」

「言っただろう、読めていると」

 

 その言葉を認識した時、既に男はフェイトの方を向いていた。

 時間差で放った雷撃の二刀すらも、難なく男の素手で剣身を弾かれた。

 だがその行動もフェイトには織り込み済みだ。身を避ける動作をされてしまえばどうしようもなかったが、相手は回避よりも迎撃を優先してきた。

 わずかな逡巡の後、フェイトは行動に移す。

 

「弾けろ、轟雷!」

 

 再度、雷鳴が轟いた。

 剣と男の拳が接触した瞬間、フェイトは剣に籠められた魔力を男に向け解き放った。魔力変換資質によって放たれた魔力は雷撃と化し、無防備な男を襲撃する。

 手甲の類も着けていない、それどころかバリアジャケットすらも纏っていない。本来そのような相手に雷撃そのものを放つなど出来はしないが、フェイトも形振り構っていられなかった。

 相手の異常性を判断し、己の信念とを秤にかけた、苦肉の行動だった。

 雷を放ったと同時に距離をとり、油断なく再度男を見据える。

 やはり、と言うべきか。

 ダークスーツは汚れや裂傷が見て取れるようになり、雷撃がピンポイントで流れた両腕は帯電している。

 倒せたなどと、戯言を抜かすつもりは毛頭ない。しかし相手にとって多少なりとも痛手となったか。だが己が全身全霊を以てしてもこの程度のことしかできないのかと考えると、男の存在がどこまでも異質に、どこまでも遠く感じられる。

 

「さて、君はこれで終わりかな?」

「……ッ」

 

 ギリッ、と奥歯から鈍い音が聞こえてきた。

 やりきれない思いを紅い瞳に滲ませながらフェイトは尚も男に二刀を向ける。

 頭ではわかっていた、自分の持ちえる全てを出しきっても勝てはしないと。男の存在の何もかもがフェイトの遥か高みに在ること。

 それでも、例え敵わずとも一矢報いたかった、せめて一太刀傷を入れたかった。

 だが男はただフェイトの目の前に超然と存在している。自分が撃を与えた証拠は服装の傷だけ。それが紛れもない現実だった。

 

「……彼女の雷とは比べるのも愚かしいな」

 

 肉体に走っていた紫電を容易く振り払い、男はポツリと一言零した。

 その言葉は誰に届くこともなく宙に消えていった。

 そして、男は一つの意志を携え、フェイトの方へと歩み始めた。

 フェイトの首筋に冷たい感覚が蘇る。再び己の命が、男に握られたことを嫌が応でも理解させられた。

 男は表情を作ることなく、サングラスに遮られた瞳をこちらに向けてくる。

 ここに来て興味を抱いたのか? 否、向けられているのは興味の視線でも、殺意を宿したものでも無い。

 

「このまま君たちを残すのも……少々面倒なようだ」

 

 抑揚もなく、感情も灯さない。そんな必要などない。

 自分に付着した埃を払うことに。

 視界に入る邪魔なものを取り除くことに。

 周囲を五月蠅く飛び回る虫を潰すことに。

 そんなことに一々感情を出すこともない。そんなことは思考するまでもなかった。

 

「――眠れ」

 

 そうだ、興味を持たれてはいない。

 男が自分に興味を持っているのなら、真に自分を見ていたのなら気づいたはずなのだ。

 己の命を摘み取ろうとされているのに、彼女は死の恐怖に飲まれていなかった。

 男に仕掛ける前。

 彼女は当てられた圧に身を竦ませ、その存在に恐怖していたというのに。

 フェイトは瞳に宿す想いを消すことなく――静かに笑みを作る。

 

「あとは、任せたよ……」

『Sonic Move』

 

 残る力を振り絞り、使い慣れた移動魔法を発動させ、半ば地面を転がる形で一気に戦線を離脱する。

 時間にして凡そ十五秒。当初より充分時間は稼げただろう。

 加速した視界の中、男は動くことなくその場にいる。

 そのまま男の頭上、夕暮れの赤と夜の紺が作りだした境目に目を向ける。

 直後。

 天空に広がる宵闇が崩れ落ちた。

 

 

 

       ✟

 

 

 

 戦場から離れた廃ビル。

 辛うじて倒壊を免れていた屋上で、八神はやては敵の姿を強く睨みつける。

 フェイト同様騎士甲冑は傷だらけで、特に裂傷が酷い右肩は甲冑が吹き飛び、肌が露出している。

 融合機(リインフォース・ツヴァイ)とのユニゾンのよって、深い色合いの青眼は澄んだ空色に、茶色の髪は上質な絹を思わせる淡いクリーム色へと変色しているが、やはり身体の疲労は隠しきれないのか、気を抜くと融合が解除される感覚に陥ってしまう。

 眉間に強く皺を寄せ、傾きかける意識を保つ。

 遠く男を睨む双眸は鋭く吊り上がり、平時からは考えられないほどの怒りが表情に表れている。

 

「管理局員が私怨持ったらあかんねんけどな……」

 

 左手には表紙に金色の剣十字があしらわれた『夜天の魔導書』を。

 右手には先端に剣十字を備えた長錫杖『シュベルトクロイツ』を。

 どちらも強く握りしめ、足下に展開された逆三角の魔法陣に魔力を注ぎ続ける。

 

「それでも、家族を傷つけられて“はいそうですか”とはいかないんや……リイン!」

『はい! 座標計算は任せるですよ、はやてちゃん!』

 

 内側から伝わるリインフォースの思いに、はやては強い頼もしさを感じられた。

 彼女もまた家族を思い、自分に力を貸してくれる。

 魔法を発動できる限界まで魔力を注ぎ込まれた魔法陣は、その輝きを白から白銀へと変化していった。

 これで限界、許容限界まで注ぎ終えたところで、はやてはフェイトに念話を飛ばす。

 

『あんがとフェイトちゃん、直ぐに退避してや!』

 

 返事は無かった。

 念話を返す余裕も無いのだろう。念話から間髪入れずにフェイトが離脱したのをはやては確認した。

 そして――

 

「『 遠き地よ、永久の闇に染まれ 』」

 

 展開した術式に撃鉄を振り下ろす。

 足下に展開した魔法陣が一際眩い輝きで、夕闇に彩られた空を照らし出す。

 一瞬の煌き、その直後。

 遠く離れた男の頭上に、暗い夕闇の空を塗り潰さんばかりの漆黒の球体が出現した。

 球体の大きさは、離れたところから見ているはやてでも一目で巨大だと思えるほど。ならば真下にいる敵から見れば一体どれほどのものだろうか。

 これ程の規模の大魔法。本来人に向けて放っていい代物ではない。

 だが使わざるを得ないほどに、はやては男の存在を危険視した。確かに家族を傷つけられたという怒りもある。しかしそれ以上に、このまま男を野放しにするのが何よりも拙いと、培ってきた理性以上に原初の本能が告げていた。

 だからこそ、この魔法を選択した。

 純粋魔力による広域殲滅、さらにバリア発生阻害機能が組み込まれた『空間攻撃魔法』

 回避も、防御も、成させはしない。

 

(力をかして……『リインフォース』)

 

 

「闇に沈め――デアボリック・エミッション!!」

 

 

 躊躇うことなく、引き金を引き絞った。

 

 

 

 

       ✟

 

 

 

 

 夕闇と常闇の狭間。

 天を見上げれば星一つ見えぬ暗い群青、そして塗り潰さんとする漆黒が男の視界を覆う。

 サングラスは遮光の意味を成すことなく、その奥に隠された瞳がスゥっと細められる。

 攻撃範囲は酷く広大、それでいて魔力密度は巨大な規模に反し、低いところは見当たらない。

 知っている。いや、まだ覚えていた。

 視界に広がった既知を、男は思い出していた。この天を埋め尽くさんとする闇の魔法を。防御しようにもコレは防御魔法を容易く打ち破ってくる。

 知っている、覚えている、理解している。一度この身に受けた魔法、使い手は違えど、この身に受けた魔導の一撃だ。悠久の時が流れようと、忘却などありえなかった。

 あの時自分は未熟だった。肉体も、魔導も、技術も、心も、何もかもが未熟だった。

 故に自分は、自分たちは捨てざるを得なかったのだ。

 

「……今の“僕”に届くかどうか……」

 

 つい先ほどまで金髪の女性の命を摘もうとしていた男の意識は、既に上空の黒き球体に向けられていた。

 ここに来て初めて、男は構えをとり、拳を強く固く握りしめた。

 避けられないことはない。相手がどう考えているかは知れないが、男にとっては範囲外に行くことは容易だった。

 だが男はそれを理解した上で、あえて迎撃の構えを作る。

 今までの男の行動から考えれば非合理的、その『存在』を考えれば……やはり理解できない。薙ぎ払うつもりなら即座に行動に移せばいい。態々魔導の完成を待つ必要なんてないのだ。

 だからこの行動は、男の個人的な感傷に過ぎない。

 

「……来い、――――」

 

 黒き天が崩落する。

 暗黒の球体が男を中心にその巨体が投下された。

 流れるように男は右足を引き、迫りくる魔導を見据え、身体に宿る力を循環させていく。

 わずかな刹那で、力は身体に馴染んでいった。

 そして、目前にまで迫った黒き球体に向けて。

 己が拳を討ち放った。

 

「――――ッ」

 

 張りつめていた空気が、音も無く静かに断ち切られた。

 文字通り鋼の如き拳は狙いすました一点に寸分違うことなく穿つ。

 穿たれた瞬間、自分を消し去らんと目前まで迫っていた黒き破壊の権化は、風化するように虚空へと消え去った。

 予想外だった。

 魔導が呆気なく消え去ったが故の失望ではない。相対したときから片隅で理解はしていたのだ。今の自身の存在を鑑みれば、目の前の結果は至極当然のもの。しかしそれは自身の積み重ねた練武ではなく、自身を形作る存在故に打ち破れたということ風にも捉えられる。だから自分はこんな思いをしているのか。

 その考え方も男は違うと断じた。自らの武が届かなかったかのもしれないという可能性、頭ごなしにそれを否定したかったわけではない。仮にそうであったならば、自分は忸怩(じくじ)たる思いを抱くはずだからだ。

 だから――胸に去来する空虚さが男は不思議だった。

 

「こんなものだったのか……」

 

 果たして何に対してそう思ったのか。

 内心を吐露するように呟きを零した男自身にも、それを理解することはできなかった。

 一体何度目なのか。

 人の足音一つない静けさが辺り一帯を包み込む。

 繰り返し繰り返し、静寂の後に決まってあの魔導師たちは立ち向かってきた。

 彼我の実力差を知らない愚か者。簡単に言ってしまうならそれだけで済む。だが魔導師たちは十全に理解していなくとも、掛け離れた相手だと言うことは理解しているだろう怯えが見えた。

 それでも魔導師たちは立ち向かってきた。

 なら、今度はどうだ?

 魔導師にとって限界まで魔力が注がれた闇の魔法を片手間で打ち破った。何を意味するのか理解できないとは思えない。

 

「……やはり邪魔だな」

 

 男はサングラスに隠された瞳を、どこか苛立たしげに吊り上げ、再度上空を視界に移す。

 燦然と輝く、桜色の太陽がそこにはあった。

 

 

 

 

       ✟

 

 

 

 

『やっぱ、駄目みたいやな……悪いけどなのはちゃん。後は任せたで……』

「……任せて、はやてちゃん」

 

 気を失ったのか、はやてからの念話は返ってこなかった。

 高町なのはの眼下には、黒い天体と見紛うほどの漆黒の球体が撃ち落されていた。

 はやてとリインが全力をかけて放った大魔法。広域殲滅魔法の名に違わぬ攻撃範囲に加え、バリア阻害効果が付与されたそれは、如何なる魔導師であっても撃墜は必至。自分とて事前の察知ができなければ範囲外に退くのは不可能だろう。

 しかしはやては駄目だと言った。これでは男を倒すことはできないと。

 それはなのはも同様だった。先に評したことは決して誇張ではなかった。それでもなのはには、眼下の魔法で男が倒されるヴィジョンがどうしても浮かばなかった。

 故になのはは油断なくデバイスを構え、己が切り札の準備を整えていく。

 

「レイジングハート、目標は?」

『Traget――Still living.(目標……未だ健在)』

 

 愛機の返答からすぐに変化は見えた。

 極大の魔導のちょうど中心に、ぽっかりと穴が穿たれた。その穴から男の拳を振り上げた姿が見える。穿たれた魔導はその存在を維持できずに跡形も無く消え去った。

 

「っ……」

 

 予想はしていた。なのはもはやても、作戦の役目からこの魔法発動の時間稼ぎを全うしたフェイトも。しかしこうして自分の目で、それも真正面から打ち破られるのを見せられると、一瞬とは言え動揺は隠せなかった。

 漆黒が晴れ、地表が露になる。

 男は微動だにせずそこに佇んでいた。

 

「残留魔力……収束限界ギリギリまで……」

 

 自らの切り札。大気中の残留魔力を収束し撃ち出す収束魔法(ブレイカー)

 その性質上収束する残留魔力量が多ければ多いほど時間はかかるが、収束した魔力量が収束魔法の威力に直結する以上、その威力は破格のものとなる。

 結界内はここまでの男との戦闘で、かつてなのはが感じたことが無いほどの魔力が残留していた。

 フェイト、はやて、守護騎士の皆。そして――男の魔力がこの場に満ちている。

 

「いける……!」

 

 三叉の矛の形を模した杖の先端に集まる魔力が、巨大な桜色の球体を形作る。

 フェイトの捨て身の接近戦、そしてはやての極大魔法。

 フェイクを織り交ぜた、夜天の王たる彼女の作戦。

 彼女たちの起こした行動()()こそが現状唯一、男に対抗できる力を持つなのはへと繋ぐための時間稼ぎだった。

 最初は作戦に反対した。あまりにもフェイトとはやてに対する危険と負担が大きかったからだ。

 それでも自分たちの譲れない思いの為に、最後は自分も受け入れた。

 ただの子供たちが、無辜の民が戦の矢面に立たされる。

 それだけでなのはには、彼女たちに武器をとり、立ち上がる理由になる。それが自分の娘とその友達の少年、さらにその少年は自分の友人の息子だ。これで戦わない理由など存在しない。

 

 

 ――たとえ、男の存在がどのようなもので、少年とどんな因果があるのか、理解していても。

 

 

『Convergence limit,Master.(収束限界値です、マスター)』

 

 準備は整った。

 地表にいる男を見据え、極大の魔導の引き金を引くだけ――

 唐突に男が視線をこちらに向けた。

 直前までこちらに気づいた様子すらなかったのにも関わらず、突然。

 

「――ッ!?」

 

 視線が交錯する。

 サングラスに隠された男の目がこちらを射抜いた。

 たったそれだけで、寒気に怖気、心を掻き乱すどうしようもない何かをなのはは感じてしまった。

 それでもどうにか平静を取り戻し、収束された魔力を解き放とうとし――

 

「え――」

 

 できなかった。

 何が起きたのかわからなかった。

 目に飛び込んできたのは、収束した極光の魔力が掻き消されてく光景。

 莫大な密度の魔力の塊を()()()()()右手。

 

「――邪魔だな。特に君はあの中では最も邪魔だ」

 

 容赦なく、軽く握りつぶされた。

 指向性を失った魔力の塊が荒れ狂うこともなかった。仲間の手を借り、仲間の思いが籠った、思いを受け継いだ魔法――それすらも男は握りつぶした。

 

「そ、んな……」

 

 呆気なく、消え去った。

 理解していなかったわけじゃなかった。男の存在『まつろわぬ神』についてはおそらくこの場の誰よりも知識があった。

 だがそれは、あくまでもこの場に限った話。

 なのは……なのは達には『まつろわぬ神』についての理解が決定的に足りていなかった。実際に相対したこともなく、対峙した当事者の言葉と言えど少年少女のものだ。客観的に判断しようとしてもその脅威は簡単に推し量れることではなかった。

 簡単に勝てるような相手だなんて思うことは無かった。だが自分たちなら……不可能ではないと、無意識にそう思っていたのだ。

 この瞬間までは。

 理解した。明確に、明瞭に、判然たるものを、理解してしまった。

 所詮自分たちは盤上の上で躍らされただけだった。

 戦闘にすらなっていなかった。敵にすら見られていなかった。

 最初に結界に閉じ込められた時から。

 守護騎士も、フェイトも、はやても、自分も。

 自分たちの誇りと信念をかけて足掻いたことすら、男からすれば到底意味のない、不必要な行動だったのか。

 男の存在をようやく正しく理解した。『まつろわぬ神』という存在の本質を理解してしまった。

 

「なんだ。今更理解したのか」

 

 男のこちらをどこまでも見透かした言葉。

 その言葉すら今のなのはには届かなかった。

 感じるのは『まつろわぬ神』に対する恐怖の感情だけだった。

 言葉の後、男の右の拳が引かれ、放たれた。不思議とその拳の動きは緩慢に見えたが、その中で自分が動けるわけではなかった。例え動けたとしても、避けるという行動は頭から抜け落ちていた。

 敗者への幕引き。

 これで終わり。

 その筈だった。

 

 ピタリ、と。

 

 命を奪うのに十分な一撃がなのはに当たる寸前で静止する。

 男の視線はなのはから外れ、その後方を見やる。

 

「――来たか」

 

 一言。

 そう零しただけで、自分を取り巻いていた濃密な死の気配は霞に消え、気がつけば男の姿は消えていた。

 ありえないほどの静寂が肌に触れ、それが現実のものだと感じられるのにしばらくかかった。

 自分が生きているのを感じ、そして理解した。

 『まつろわぬ神』が自分の前から消えた理由を。そして、自分たちの信念は壊されたという事実を。

 

「……来ちゃったんだね――」

 

 小さく、少年の名を呟く。

 確信を以て振り返った。

 常闇に染まった夜空を、紅の光が切り裂いたのが見えてしまった。

 

 

 

 

       ✟

 

 

 

 

 ただ己が宿敵の元へと。

 『まつろわぬ神』は夜空を駆けていた。

 長かった。

 太陽が昇り、降る。月が満ち、欠ける。何度繰り返したか数えてはいないが、そんな人の長さでは自らの心は測れない。

 己が目的は、彼の者が真に戦えなければ達しえない。

 だからそのためだけに待った。そして、これで待つのは終わる。

 

「ようやくだ……」

 

 『まつろわぬ神』の本当の感情が声を上げる。唯の魔導師たちや、守護騎士たちと戯れていた時に僅かに乗ったものとは比べものにならない本物の声音が。

 前方から紅の光が飛来する。長剣を模った紅き剣弾。内包された魔力は先の魔導師たちとは比較にならない密度であるのが伝わってくる。

 誰のモノかなど、考えるまでも無かった。

 

「待ちわびた……」

 

 飛来する五つの剣弾を、避けることなくそのまま身に受ける。

 スーツに触れた瞬間、狙いすましたように剣弾が内包した魔力を爆発した。剣弾全てが爆発し、紅い噴煙が周囲に拡散する。

 噴煙が巻き起こる風によって晴らされる。

 『まつろわぬ神』は現代的な服装から、古代を思わせる防護服を身に纏い、常闇の空を飛翔する。

 視界に一つの存在が映る。

 黒く染まる夜空の中でも、決して飲まれることのない紅を。

 

「待ちわびた…………待ちわびたぞッ! 神殺しィ――!!」

「何フライングかまして関係ない人巻き込んでやがんだ、殺すぞテメェ……!!」

 

『まつろわぬ神』の手甲に覆われた右拳が。

『カンピオーネ』の握る奇怪な形状の銀色の剣が。

 特大の魔力と剥き出しの殺意を乗せた二つが真正面からぶつかり合う。

 

「獲物は問題無いようで安心したよ、神殺し――!」

 

 特大の歓喜と何らかの感情。

 撃ち合わされた手甲と剣が魔力を喰らい合い、至近距離で火花を散らし合う中で、『まつろわぬ神』は魔王に凄絶な笑みを向けながら告げる。

 紫と青の虹彩異色の瞳が、神殺しと呼ばれた少年の深く蒼い瞳と交わる。

 『まつろわぬ神』の言葉に魔王は激しい憤怒を浮かべ、身に似合わぬ力で強引に神の拳を打ち払う。

 

「関係ない人を巻き込みやがって……王の誇りも忘れたようだなテメェは! 歴史の中に消え失せろ『まつろわぬ神』!!」

 

 神殺しの魔王――アスト・フレアカードは溢れ出る激情に身を任せ言葉を吐き出し、紅蓮の双翼を羽ばたかせ『まつろわぬ神』に刃を向けた。

 




お久しぶりでした。
今回で一応なのはたち魔導師と『まつろわぬ神』の明確な差が示せたかなと思います。
次回からようやくカンピオーネ対まつろわぬ神となります。

主人公の権能も、まつろわぬ神の正体も明かされますので。
……まあ大体お察しかもしれませんがそこはご容赦を。
ではでは。
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