シン・ゴジラ対カンムス ゴ級消滅作戦   作:鳥頭堂正太郎

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潜水艦娘って、どんだけ潜れるんすかね?
水圧ってどうなんだろ?

この章は海底軍艦が主軸である、海洋冒険小説です。
伊403と海底軍艦・轟天号が登場します。
時間軸の関係上、シン・ゴジラがはじまるより早く始まりますが、最後は相模湾あたりで終わります。


1章(カリ) 海底軍艦編
海底に消えた妹からの救難信号


潜水艦は軍事機密の塊である。

いつ、どこに出撃しているかを誰にも知られてはいけない。

親しい他種艦娘であっても、行き先や任務を教えてはならないのである。

知っているのは提督と秘書艦娘だけだ。

 

だから、潜水艦娘用に、港から姿を見せないまま直接潜水艦娘寮へと繋がる、秘密の水路がある。

その水路を通って、寮へ入り、鎮守府内の施設へ行く。

 

無論、他の艦娘との交流が禁じられている訳では無いから、鎮守府内においては自由に他の艦娘たちと交流している。

というよりも、潜水艦の活用状態ゆえに、潜水艦娘たちは個別の単独隠密行動を取る事が多く、それゆえに寂しいのか、鎮守府では人懐っこく、誰彼かまわずにつきまとうし、見学に来た一般人(鎮守府では、世間の理解を求める故に、一般人の見学を歓迎している。ただし、機密部署は厳重警戒され、立ち入り禁止になっているが)にも手を振ったり、敬礼したりするし、中には投げキッスをしたり、チラ見せしたりと、他の艦娘たちよりサービス精神が豊富である。

 

だから、暇な時の姿は鎮守府内ではちょくちょく見かけるが、実際の活動については、ほとんど艦娘達は知らないというのが、潜水艦娘達の実態である。

 

その日、潜水艦娘達のうち、伊号とよばれる潜水艦種の艦娘たちが、提督の執務室に呼ばれた。

提督の執務室は艦娘達のコーディネートによって、提督の執務室なのか、艦娘達の休憩所なのかわからない有様で、用もないのに、執務室にやって来て、ティーパーティーをしたり、床に落書き(流石に落書きしてもよいのは水性ペンと決まっている。かつて、油性ペンで落書きした艦娘がいて、消えなくて大問題になった事があるのだ)して遊んでいる艦娘も珍しくない。

潜水艦娘もちょくちょくやって来ては、桐箪笥の上に置かれている、ナノマテリアルで作られた霧の伊401の模型を寂しそうに眺めている事がある。

おそらく、かつて、一時的に艦隊に所属し、艦娘達と行動を共にし、任務を遂行し、霧の彼方へ帰って行った霧の伊401ことイオナの事を思い出しているのであろう。

 

だが、任務の話になると、さすがに遊びに来ている艦娘達は、秘書艦娘に追い出され、真面目な雰囲気で話が行われる。

そんな訳で執務室に集められたのは潜水母艦の大鯨、伊号潜水艦海大型 伊168、伊号潜水艦巡潜型 伊8 伊13 伊14 伊19 伊26 伊58、伊号潜水艦潜特型 伊401、呂号潜水艦譲受艦 呂500の10人である。

いつもなら、リラックスして緩んだ表情をしているのだが、さすがに任務の話とあって、皆、緊張している。

 

「皆、ご苦労さま。ちょっと不思議な案件があって、今回、ここに潜水艦娘の皆に集まってもらった。」

提督は真面目な顔をして、皆の顔を見渡してそう言った。

「南方の海底から、救難信号が出ているんだ。それだけなら珍しくないんだが、発信元がありえないんだ。」

そこで、いったん、提督は言葉を切り、潜水艦娘伊号401、通称しおいの方を向くと、

「発信元は伊号潜水艦403。しおいの妹艦にあたる。

当人を目の前にして言うのもなんだが、知っているとは思うが、しおい達伊号潜水艦400型は400、401、402の三隻のみ建造され。

403は戦時建造補充計画にて建造が決定。

特型潜水艦第5234号艦として、呉工廠で起工するも直後の空襲で損傷し建造中止。

伊号潜水艦403という名前さえ与えられないまま、終戦を迎え、未完成状態のまま解体されたはずだ。

そして、403の艦娘が見つかったという報告も無い。

にも関わらず、救難信号の発信元は伊号403だというんだ。わけがわからんよ。

 

というかな。伊403は資料がほとんど無い。

大体は、

起工直後に空襲により損傷し、建造中止となった。

だ。

起工した年月日も分らないというのはどういうことだ?

前後の伊402が1943年(昭和18年)10月20日起工。伊404が1943年(昭和18年)11月8日起工だ。

それが、わかってるのに、なぜ403だけわからん。

 

となると、常識的に1943年11月頃のはずだろう。

だが、資料によれば、起工直後に空襲により損傷、建造中止とあるが、呉工廠が空襲を受けたのは1945年3月の米機動部隊による西日本空襲まで、広島・呉地区の空襲の記録はない。

以降5月5日、10日、6月28日、7月1日、24日、28日・・・そして原爆。

 

辻褄があわないだろう。

どこが起工直後なんだ?

本当に起工したのか?

本当は伊403関連の予算、資材、人員等を他に転用・流用したのではないかと疑いたくなる程の資料の無さだ。

 

それとも、あるいは、実際には建造されたが、公式資料には残せない何かがあった。かだ。

404は95%まで完成していたんだ。403が完成していてもおかしくはない。

しおい、お前は建造こそ佐世保だけれど、呉に配属されていたな。

何か知ってはいないか?」

 

提督がそこまで言うと、しおいを除く、全艦娘達はそろってしおいの方を向いた。

 

しおいは俯き唇を噛み締めていたが、しばらくして、口を開いた。

「提督。伊403については公式情報の通りのはずです。

「では、この伊403から放たれている救難信号はなんだ。

進水しグラーフ・ツェッペリンと命名されていたグラ子のようなケースなら艦に魂も宿るだろうし、艦娘として転生もできる。

だが、起工直後に空襲に損傷し、建造中止し、名前も無いのでは、魂は宿らないし、艦娘として転生は出来ない。

すなわち、伊403号として救難信号なぞ出せない筈だ。

 

では、考えられる答は一つしかない。

伊403号は無事に建造された。

だが、なんらかの理由で建造された事を無かった事にされた。

おそらく、軍から逃亡したのだろう。

そして、伊403号は艦娘として転生し、南方の海底に囚われている。

それが真実じゃないのか?」

 

しおいは顔を上げ、何かを決意したような顔をして、提督の顔を見つめて、口を開いた。

「やっぱり、提督には隠し事はできませんね。

はい、伊403は完成していました。

呉にいました。

でも、終戦時に私は呉に居なかったから、どうなったのかはわかりません。」

と言った。

「やっぱりか。

実は終戦時に呉にいた鳳翔さんにも聞いてみたんだが、降伏を是としない轟天隊という一派がいたらしい。

そいつらは、降伏など論外、徹底抗戦すべしと語っていたそうだ。

だが、降伏勧告を受諾して後に、いつの間にか居なくなっていた。と言っていた。

俺が思うに、その轟天隊が伊403を使って逃亡した。

艦数が合わない事で、占領軍から取り調べを受け、事によっては、搜索隊か出される可能性がある。

それならば、最初から無かった事にした。

 

そして、轟天隊は途中で403を破棄したか、撃沈され、403は艦娘に転生した。

と、俺は思っているんだ。」

 

と、提督が言うと、艦娘達は静まり返った。

 

「とはいえ、すべては俺の想像からの仮定の話にすぎない。

さて、ここでお前たちに相談がある。」

提督は並んでいる潜水艦娘たちをずらりと一瞥すると、

「この救難信号が出ているのは、南方の沖ノ鳥島沖の海底だ。

おそらく、途中には深海棲艦がうじゃうじゃいるはずだし、もしかしたら、伊403が深海棲艦に捕えられていて、奴らは君たちが来るのを罠をはって待ち構えているかもしれん。

 

本来存在しないはずの伊403からの救難信号なんだ。

無かった事にして、もみ潰せなくもない。

しかも、場所は200メートル以上の深い海の底だ。潜水艦娘といえども、潜るのはとても危険だ。

だが、できれば、俺としては真実を明らかにして、伊403という艦娘がいるなら、艦隊に迎えたい。

さて、どうする?

行くか、行かないかは君たちに任せる。」

潜水艦娘たちは顔を見合わせると、にっこり笑って、

「行きます。そこに仲間が待っているんだから。」

と合わせたように、言った。

「すまない。危険だが、よろしく頼む。

そこは奥ノ鳥島沖の海底2000メートルにある、ガメラ・メガムリオン。現地の言葉でガメラの墓場と言われている場所だ。」

と、提督は卓上に広げられた地図の海上を刺しながら、そう言った。

潜水艦娘たちの危険に満ちた冒険がはじまる。




軍用潜水艦って、深奥までは潜れないらしいですね。
200メートルいくか、いかないからしい、
深海探索が目的じゃなく、水上艦に攻撃し、海中へ逃亡するのが目的だったから、すんごい海底まで行く必要が無いらしいから。

さて、嘘だよ。
実際に、あるのはゴジラ・メガムリオン。
海底に露出した巨大なマントルが、怪獣が横たわっているように見えるからなんだってさ。
沖ノ鳥島沖ならガメラだったらバッチリだったのにと思ったから、嘘書いた。w
ついでに島の名前も変えたし、意味も変えた。
いいんだよ、この世界は江戸城天守が現存する、別の世界線の世界なんだから。

次は、「俺と由紀とコーヒーと」の2話を書くよ。
次はモーニングコーヒーがテーマです。
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