イコセニ   作:中原 千

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誤字報告ありがとうございました。

これからは投稿前のチェックを強化し、ミス防止にいっそう努めます。

それでは 、第17話をどうぞ。


第17話

不良連中を制裁しデートを再開したが、何かどっと疲れてしまった僕達である。

 

近くの公園で飲み物を飲みながら休憩している。

桐崎さんはジュースを選んだ。

あっぶね、買っといて良かった。

 

ベンチに座ってのんびりしているとなんだか眠たくなってくる。

僕はそんな風に穏やかな心持ちだが隣の桐崎さんはそうじゃない。

プルプルと小刻みに震えている。

あれー、今日頑張ったんだけどなあと軽くショックを受けていると、やがて、桐崎さんが意を決したように口を開いた。

 

 

 

「……トイレ……」ボソッ

 

 

 

……そっちでしたか。

そうだよね、ジュース飲んだもんね……

 

 

それにしても、今日の僕は割りといい線行ってた気がする。

関係修復は間近なのではないだろうか。

 

デレデレになった桐崎さんはどんな感じだろうか。

きっと元気一杯愛情を示してくれるだろう。

ワンコ二号の登場か。

プライド高そうだし、素直になれないツンデレちゃんかもしれない。

夢が広がりんぐ。

 

そんな風に妄想していると、周囲に人の気配を感じた。

女子ってこんなにトイレはやかったっけ?

妄想して時間を忘れるなんて情けない、今の僕は誰もが憧れるクラスのマドンナ的な立ち位置だ。

よしっ、キラキラマシマシで行こう。

 

さあ、輝く笑顔を装備して顔を上げる。

 

 

 

「あれっ?どうしたの一条君?ご機嫌だねっ!」

 

 

 

……なるほどなるほど、このパターンね。

うん、あるあるこういうこと。結構近場だもんねココ。

それにハーレムを目指すのならこういうことの擦り合わせはマストであることは理解も自覚もしている。

 

 

でも早くないッ?!

もうちょっとこう、いろんなイベントあってからのこれじゃない?!

いや、冷静になるんだ、僕。

よく考えると僕達には疚しいことなんて家柄以外なにもない。

最悪バレたとしても他の人の攻略難易度が多少上がるくらいで実害はあまりない。

何よりも僕には戦争を止めるための偽の恋人だという免罪符がある。

あれっ?完璧じゃね?死角なくね?

よし、勝ったな!風呂にでもはいるか。

 

 

「うん!小野寺さんに会えたからね!」

 

 

「もう~、そんな調子の良いこと言って、本気にしちゃうよ。」

 

 

「小野寺さんはどうしてここに?」

 

 

「私?友達と買い物に来てその帰り。

……でも驚いたよ~。

声かけて驚かそうと思ったのに、急に顔を上げるんだもん。」

 

 

「フッフッフ。僕を驚かすなら山で十年は修行しないとねっ!」

 

 

割りと事実である。

 

そんな感じで暫く話していると、

 

 

 

「ダ~リ~ン!!お待たせ~!!

ゴメンね~!

思ったよりずっと時間掛かっちゃ……て……」

 

 

「……えっ?……」

 

 

 

えぇぇぇぇぇ?!

何で修羅場感出ちゃってるの?!

何で言葉を無くして立ち尽くしてるの?!

僕達、今まで大分ギクシャクしてたよね、何でそのノリで登場すんの?!

何で浮気相手とのやり取りがバレた現場みたいになってんの?!

そういや、風呂試合って負けフラグだったわ、何やってんだ、僕。

 

 

……まあ、何があったかは大体分かるよ。

組員達の様子見て焦ったんだよね。

桐崎さん頑張り屋だもんね。

そのノリで来るの大変だったよね。

桐崎さんマジ努力家。

 

 

でも、それとこれとは話が別だよッ!!!

どうすんのさこの空気、凄え気まずいんだけど!!!

 

 

 

 

ええいッ!落ち着け僕!

今こそ僕の実力を見せる時だ!

ギャルゲやエロゲで数多のヒロインを落としてきて、さらには数多くのハーレムエンドを迎えてきた僕の実績は伊達じゃないッ!!!

って、不安材料増えてんじゃないですか!やだー

 

「……え~と、その……

ダーリンってことはつまり……

二人はその……

付き合って……?」

 

 

来やがった!

 

 

 

流石の覚醒小野寺さんも目をグルグルさせて動揺している。

 

 

嬉しい!ついに覚醒小野寺さんの牙城を崩した。

けど、やっぱり今じゃない!

 

 

 

……どうする?

誤解は解きたい、だが組員達に怪しまれてはいけない。

どうする?どうする?

 

 

「そっ……そーなのよ~!!」

 

 

行ったァーーー!!!

桐崎さん!あんたやっぱ凄ぇよ!

尊敬するよ!!!

 

ウムウム、確かに小野寺さんなら学校でいくらでも会えるから後で誤解を解くチャンスもたくさんある。

それに対して組員達はバレてしまえば即戦争だ。

重要度が違う。

ナイス判断力である。

保身を考えて判断を鈍らせた自分が恥ずかしい。

頼りになるぜ桐崎さん!

僕も乗るしかない!

 

 

「エヘヘー。そうなんだ。僕もついにリア充の仲間入りだよ~。」ニコニコ

 

 

「そっ……そうなんだ、一条君……

おめでとう!私も嬉しいよっ!」

 

 

 

カハッ(喀血)

 

止めてくれ、小野寺さん。

そんなに悲しそうにしないでくれ……

その表情は僕に効く、今の桐崎さんと接し続けて自信を無くした僕には破壊力バツグンだ。

罪悪感に押し潰されそうになる……

 

何か、何かないか今日中に誤解を解く方法……

学校で会うまで待っていたら僕の胃がドレーク海峡並みに大荒れになってしまう。

 

 

 

「じゃあ……

私もう行くね。」

 

 

ああ、小野寺さんが行ってしまう……

小野寺さんの優しさが今は歯痒い。

 

何かないか、何かないか。

 

 

 

……あっ!思いついた!!!




気に病んで胃を痛めてしまいそうになるという意外と繊細なオリ主です。
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