テイルズオブノワール ー君を見届けるRPGー   作:ピコラス

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第19話 聖なる炎を灯せ!

魔法画家テトラの戦闘スタイルは自由形。

魔法の筆『ノクティルカ』の毛先をあやつって攻撃or防御する。

エーテル製の柔毛は、生物の血液から魔力を吸収する。

その能力は奇しくも幻魔ポルカの性質と似ている。

魔女ニーキスの戦闘スタイルは前衛タイプ・魔法攻撃型。

火・氷の属性攻撃だけでなく、光の屈折や音の振動もあやつる。

精霊ルナは万能タイプ。 光・闇属性。

性格的に多用はできないが、性質上は精神攻撃等も可能である。

月の明かりは心をあやつり、月の引力は体をあやつる。

 

:テトラ

「攻撃をっ…やめろ!!」

テトラが筆を激しく振り上げると、魔力のインクが枝葉となって萌え広がる!

デンドリティドリッパー…破壊的ドリップ画法が魔獣ポルカを守護した。

それと同時に魔力色のつるが絡みつき、聖女の殺人刀を封じた。

:精霊ルナ

「止まって…!!」

ルナが結晶剣を地面に突き立てると、人形兵の足元に月の魔法陣が光る!

ムーングラビティがヘビー級の人工身体に重くのしかかり、二足歩行の自由を奪った。

そしてすぐに結晶剣を拾うと、人形兵の反撃行動を牽制した。

:魔女ニーキス

「よく見ろ、ヘルレイオス…」

ニーキスがタクトをふるうと、闇の炎が彼女自身を飲み込んで消した!

浄破滅焼闇…だがそれはただの錯覚。 闇の炎は、実は氷晶を含んだ煙だった。

背後から忍び寄ると、彼女はヘルレイオスの首元に魔氷のトゲを突きつけた。

 

:ニーキス

「ヤツには、…ポルカには攻撃の意思は無い。

以前はどうだったか知らないが。今、ヤツに敵意は感じられないぞ。」

:ヘルレイオス

「意思とは関係なく魔力を消失させている、という話だろう?

そして魔力消失はこの星を破滅させる。 なんとしても止めなくてはならない!」

:テトラ

「殺すしかないの!?

…なにか別の方法はないのかな?

ポルカはどうしてこんな体になっちゃったの?」

素朴で単純だが当然のギモンである。

ズタズタに傷つけられたはずの魔獣ポルカの体は、瞬く間に再生。

もとどおり無傷の状態となっていた。

ポルカの幻魔の肉体は、どんな攻撃も…自殺行為も受けつけないのだ。

 

:ポルカ

「どうした、人間ども。 わたしを殺してみろ……!!」

 

一見、不遜な態度で悪魔的言語を発している。

死を寄せつけない自己再生力は悪魔そのものである。

しかしテトラたちは、ポルカに人間らしさを感じてしまっていた。

:妖魔ヴェルディ

「オレは知ってるぞ。 嫌われて、行く当てのない虚しさを。」

:精霊ルナ

「私にはわかります。 孤独の日々の静けさが。」

:魔女ニーキス

「思うようにいかないと逃げ出したくもなる。」

:画家テトラ

「ゼンブ丸めて捨てたくなるよね。」

:人形レジンキッド

「何のために生まれたかなど⋯考えても答えは見つからないものだ。」

:剣士ナラシノ

「ミシュラ様。 あなたにもわかるはずだ!彼の気持ちが。」

 

:聖女ミシュラ

「あなたたちは何を言っているんですか? 馬鹿馬鹿しい⋯」

彼の気持ち?

けものの気持ちなど…

:テトラ

「助けてあげられないかな?」

…助ける?

アレは…ポルカは助けを求めている……

「私が、魔物を救う?」

打ち倒すべき怪物を。殺すべき仇敵を、救う?

聖女の価値観はグニャグニャとゆがんで、ザワザワとノイズがこだまする。

ふと、過去の自分。少女ミシュラの幻影が浮かぶ。

両親を亡くして途方に暮れる、幼いミシュラ。

その冷たいまなざしはポルカと似ていた。

教会の人たちや街の人たちが幼い私に手を差し伸べたように、

今度は私が彼に手を差し伸べる…

でも、なにができるというの?

「私にできるのは、多少の傷を癒すのと、魔物を追い払うことくらいです…」

:太陽神エンテラス

「いや。ワラワと精霊たちが力を合わせれば、

…あるいは助けてやれるかもしれん。」

 

 

◆◆

 

 

:太陽神エンテラス

「人間を構成する要素はおおまかに、四つ。

ひとつは体。 骨や筋肉・内臓・血液などじゃ。

ふたつめは精神。 こころ。感情。喜怒哀楽じゃな。

みっつめはキオク。 昨日どこでどうしたか。思い出アルバム。バックログじゃ。

よっつめは命。 これが肉体を心臓をこころを動かす。 森羅万象の原動機。」

端的な説明。一同は黙って聞き入る。

「と。いうわけじゃが、…

ワレら精霊が力を行使すれば、おそらく 【代わりの体】 を用意してやれる。」

:聖女ミシュラ

「代わりとはすなわち、今の魔物の体は捨て去るということですか?」

:太陽神エンテラス

「そうじゃな。

魔物の体から精神を取り出し、ヒトの体へと移してやる。

精神の移植じゃ。

そうして空っぽになった魔物の体には、もはや野性も敵意もなにも無い。

魔力を飲み込む力も無くなるはずじゃ。」

 

…精神の移植。

精霊たちにはそんなこともできるのか…

:テオリア

「ポルカは、ヒトになれるってこと!?」

:太陽神エンテラス

「ま…上手くいけばの。」

:ポルカ

「本当に、そんなことが……」

幻魔ポルカは喜ぶというよりは、驚き、動揺している様子。

 

:太陽神エンテラス

「さて。それに必要なのはモトとなる 【材料】 とオヌシらの 【決意】 のみ。

人体の生成は無論、生命倫理に反する。やるならよく考えるのじゃな。」

 

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