魔法画家テトラの戦闘スタイルは自由形。
魔法の筆『ノクティルカ』の毛先をあやつって攻撃or防御する。
エーテル製の柔毛は、生物の血液から魔力を吸収する。
その能力は奇しくも幻魔ポルカの性質と似ている。
魔女ニーキスの戦闘スタイルは前衛タイプ・魔法攻撃型。
火・氷の属性攻撃だけでなく、光の屈折や音の振動もあやつる。
精霊ルナは万能タイプ。 光・闇属性。
性格的に多用はできないが、性質上は精神攻撃等も可能である。
月の明かりは心をあやつり、月の引力は体をあやつる。
:テトラ
「攻撃をっ…やめろ!!」
テトラが筆を激しく振り上げると、魔力のインクが枝葉となって萌え広がる!
デンドリティドリッパー…破壊的ドリップ画法が魔獣ポルカを守護した。
それと同時に魔力色のつるが絡みつき、聖女の殺人刀を封じた。
:精霊ルナ
「止まって…!!」
ルナが結晶剣を地面に突き立てると、人形兵の足元に月の魔法陣が光る!
ムーングラビティがヘビー級の人工身体に重くのしかかり、二足歩行の自由を奪った。
そしてすぐに結晶剣を拾うと、人形兵の反撃行動を牽制した。
:魔女ニーキス
「よく見ろ、ヘルレイオス…」
ニーキスがタクトをふるうと、闇の炎が彼女自身を飲み込んで消した!
浄破滅焼闇…だがそれはただの錯覚。 闇の炎は、実は氷晶を含んだ煙だった。
背後から忍び寄ると、彼女はヘルレイオスの首元に魔氷のトゲを突きつけた。
:ニーキス
「ヤツには、…ポルカには攻撃の意思は無い。
以前はどうだったか知らないが。今、ヤツに敵意は感じられないぞ。」
:ヘルレイオス
「意思とは関係なく魔力を消失させている、という話だろう?
そして魔力消失はこの星を破滅させる。 なんとしても止めなくてはならない!」
:テトラ
「殺すしかないの!?
…なにか別の方法はないのかな?
ポルカはどうしてこんな体になっちゃったの?」
素朴で単純だが当然のギモンである。
ズタズタに傷つけられたはずの魔獣ポルカの体は、瞬く間に再生。
もとどおり無傷の状態となっていた。
ポルカの幻魔の肉体は、どんな攻撃も…自殺行為も受けつけないのだ。
:ポルカ
「どうした、人間ども。 わたしを殺してみろ……!!」
一見、不遜な態度で悪魔的言語を発している。
死を寄せつけない自己再生力は悪魔そのものである。
しかしテトラたちは、ポルカに人間らしさを感じてしまっていた。
:妖魔ヴェルディ
「オレは知ってるぞ。 嫌われて、行く当てのない虚しさを。」
:精霊ルナ
「私にはわかります。 孤独の日々の静けさが。」
:魔女ニーキス
「思うようにいかないと逃げ出したくもなる。」
:画家テトラ
「ゼンブ丸めて捨てたくなるよね。」
:人形レジンキッド
「何のために生まれたかなど⋯考えても答えは見つからないものだ。」
:剣士ナラシノ
「ミシュラ様。 あなたにもわかるはずだ!彼の気持ちが。」
:聖女ミシュラ
「あなたたちは何を言っているんですか? 馬鹿馬鹿しい⋯」
彼の気持ち?
けものの気持ちなど…
:テトラ
「助けてあげられないかな?」
…助ける?
アレは…ポルカは助けを求めている……
「私が、魔物を救う?」
打ち倒すべき怪物を。殺すべき仇敵を、救う?
聖女の価値観はグニャグニャとゆがんで、ザワザワとノイズがこだまする。
ふと、過去の自分。少女ミシュラの幻影が浮かぶ。
両親を亡くして途方に暮れる、幼いミシュラ。
その冷たいまなざしはポルカと似ていた。
教会の人たちや街の人たちが幼い私に手を差し伸べたように、
今度は私が彼に手を差し伸べる…
でも、なにができるというの?
「私にできるのは、多少の傷を癒すのと、魔物を追い払うことくらいです…」
:太陽神エンテラス
「いや。ワラワと精霊たちが力を合わせれば、
…あるいは助けてやれるかもしれん。」
◆◆
:太陽神エンテラス
「人間を構成する要素はおおまかに、四つ。
ひとつは体。 骨や筋肉・内臓・血液などじゃ。
ふたつめは精神。 こころ。感情。喜怒哀楽じゃな。
みっつめはキオク。 昨日どこでどうしたか。思い出アルバム。バックログじゃ。
よっつめは命。 これが肉体を心臓をこころを動かす。 森羅万象の原動機。」
端的な説明。一同は黙って聞き入る。
「と。いうわけじゃが、…
ワレら精霊が力を行使すれば、おそらく 【代わりの体】 を用意してやれる。」
:聖女ミシュラ
「代わりとはすなわち、今の魔物の体は捨て去るということですか?」
:太陽神エンテラス
「そうじゃな。
魔物の体から精神を取り出し、ヒトの体へと移してやる。
精神の移植じゃ。
そうして空っぽになった魔物の体には、もはや野性も敵意もなにも無い。
魔力を飲み込む力も無くなるはずじゃ。」
…精神の移植。
精霊たちにはそんなこともできるのか…
:テオリア
「ポルカは、ヒトになれるってこと!?」
:太陽神エンテラス
「ま…上手くいけばの。」
:ポルカ
「本当に、そんなことが……」
幻魔ポルカは喜ぶというよりは、驚き、動揺している様子。
:太陽神エンテラス
「さて。それに必要なのはモトとなる 【材料】 とオヌシらの 【決意】 のみ。
人体の生成は無論、生命倫理に反する。やるならよく考えるのじゃな。」