Fate/Magicalwars   作:ディルーン

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幕間の物語 1【ねむりん&ロビンフッド】

ねむりん「あ、おかえりアーチャー。」

緑茶「ただいまっと。そうだ、今日はお土産があるぞ。ほら、菓子だ。」

ねむりん「うわ〜飴にチョコにお菓子がいっぱいだね。どこでこんなに集めたの?」

緑茶「何、人助けしてたらそのお礼にさ。特に近所のおば様方は俺によく飴とかチョコとかくれんのよ。マスターにもおすそ分けだ。」

ねむりん「ありがとう〜。えへへ、アーチャーはねむりんのお兄ちゃんみたい。」

緑茶「よしてくれよ。柄じゃないからさ。」

緑茶(できればこんな平和な日が長く続けばいいんだが…どうなんだろうな…)




第3話 魔法少女と英霊

「あーあ、何でうちのマスターはサーヴァント使いが荒いかな。人助けは新鮮な気分だがそろそろ飽きてきたねぇ。」

 

そうやって河川敷に寝転がってボヤくのはねむりんのサーヴァント、ロビンフッド。彼はねむりんが家から出ないため1人でマジカルキャンディーを集めている。マスターが近くにいなくても自由に行動できるのはロビンフッドが持つ単独行動のスキルのおかげである。

 

「まあ、とりあえず今日はここまでにして帰るか。」

 

今日もロビンフッドは重い荷物を運ぶ主婦を手伝ったり、散歩中に逃げた犬を連れ戻したり、迷子の子供の親を探したりと人助けをこなすがこの街が不案内なためねむりんの家の近所までしか活動範囲を広げることができてなかった。そこだけではさすがにキャンディーの集まりが悪い。

 

「はあ、せめてマスターがこの街の地図でもくれたらいいんだけどなぁ。」

 

そんなつぶやきを風に乗せ、ロビンフッドはねむりんの家に戻っていった。

 

 

 

 

ビルを破壊し、街で暴れ回る巨大な怪獣。そして、その街に1人の男の子が泣き叫び逃げ回っていた。

 

「助けてー!誰かー!」

 

「まっかせなさーい!」

 

今にも怪獣に踏み潰されそうな男の子を助けたのはねむりんだった。怪獣をパンチ一発で張り倒し、次に尻尾を掴んでぐるぐると回り、そのまま放り投げた。

 

「ねむりんビーム!びびびび〜!」

 

極め付けにねむりんはどこかのヒーローのようなポーズで光線を発射し、怪獣をトカゲのような大きさに縮めてしまった。

 

「貴方の中の悪い心を浄化したよ。さあ、南の島へお帰り。」

 

トカゲになった怪獣はねむりんの指示通りにその場から立ち去った。男の子はねむりんに礼を言い、ねむりんも笑顔で答えるのであった。

 

 

 

 

 

「さっきの怪獣退治ですごい数になっちゃったね。」

 

夢の世界の雲の上で寝転がり、マジカルフォンを開くねむりん。彼女のマジカルフォンにはマジカルキャンディーの総数が表示されていた。その数は何と7兆個を超えている。ねむりんは先ほどの怪獣退治など夢の世界でおよそ人知を超えた数多くの救済を行ってきた。これだけ溜まるのも当然であろう。

 

「これってカンストとかあるのかな〜?」

 

すると、ねむりんの頭上にファヴが現れる。

 

「カウンターストップのことぽん?さあ?ある程度の上限は設定されてるとは思うけど、そこまでキャンディーを到達させた魔法少女はいないぽん。でも、夢の中で集めたキャンディーは夢の世界でしか通用しないぽん。だから、ファヴとしては現実の世界でキャンディーを集めてほしいぽん。」

 

「現実で頑張ったら疲れるもーん。そこは他の皆に任せて、ねむりんは夢の世界で頑張るよ。」

 

「やる気ないぽん。ん?空間がたたまれていくぽん。」

 

ファヴは夢の世界が歪み始めたのを感じ消えた。どうやらねむりんが誰かに起こされたようである。ねむりんは目を覚ました。やがて夢の世界は一変してどこにでもあるような部屋になった。

 

「おい、起きなよマスター。」

 

まだ眠そうな顔でむくりと身体を起こすねむりん。彼女の目の前にいるのはキャンディー集めから帰ってきたロビンフッドであった。

 

「あ、おかえりアーチャー。ねえ、今日はどんなことしてきたの〜?」

 

「まあ、いろいろと人助けしてな…だがマスター、そろそろ外に出ちゃくれませんかね。いい加減あんたの家の周りだけじゃ集まるキャンディーにも限界がありますよ。俺はできればあんたを脱落させたくないんだ。サーヴァントとしてな。俺はサボり癖はあるけどここまで仕事させてもらえないとなると逆に心配になってくるんだよ。」

 

ロビンフッドはファヴと同じくねむりんに現実で魔法少女になってほしいと頼むが当の本人は考えを変える気はないようだ。

 

「大丈夫だよ〜、脱落したって。それに私はそろそろ魔法少女辞めようかなって思ってたもん。その後はいつまでもニートじゃいられないから就職活動でもしよっかなって。」

 

「あー、そうですか。まあ、オタクがそういうなら仕方ない。なら俺も大人しく身を引くよ。久しぶりに現界できたけど、また長い休暇をいただくとしますかね。」

 

ロビンフッドは頭を掻き、やれやれといった表情で相槌を打つ。

 

「でも、私もちょっと残念かな。アーチャーとせっかくお友達になれたのにお別れなんて。ねえねえ、アーチャーは私がいなくなると寂しい?」

 

突然のねむりんの質問にロビンフッド面食らうがが少し考えてこう答えた。

 

「まあな。でも、その場限りの縁なんて生前の俺は山ほどあった。また会おうって言ってたのに後生の別れになっちまったりさ。後腐れなく別れられんのも悪い話じゃないんだが、割り切れない自分もどこかにいるわけよ。寂しくないって言っちゃ嘘になるけど、これも運命だから仕方ないって思ってるかな。」

 

するとさっきまで微笑んでいたねむりんが急に真顔になる。

 

「私、アーチャーに無理させてないかな…」

 

「いや、別に苦にはなってないから安心してくれ。だけど、俺は最後まで足掻いてみるつもりさ。マスターを勝ち残らせなきゃ駄目だ。サーヴァントとしての建前は守らきゃな。」

 

「そう。でも、無理だけはしないでね。辛かったらいつでも私に言ってね〜。」

 

再びいつもの調子に戻るねむりん。ロビンフッドはまるで幼い子供にするようにねむりんの頭をそっと撫でた。

 

「えへへ〜くすぐったいよ。」

 

(はあ、こうしてられんのも何か起きない限り明日までか。)

 

ロビンフッドの心境は早くも諦めムードであった。

 

 

 

 

 

 

 

さて、時間は少し戻り午後20時頃のことであった。一般家庭で言えば夕食時のこの時間にある事件が起きた。N市のある住宅が炎上していた。消防車が急いでその火災現場へ向かうがそれよりも早く動く者達がいた。

 

「スノーホワイト、聞こえるかい?」

 

「うん。助けを呼ぶ声が聞こえる。まだあの家には中に人がいるわ!」

 

スノーホワイトとコンビを組むラピュセルが現場に急行する。2人が到着すると窓から泣き叫ぶ子供と倒れている老人の姿が見えた。

 

「早く僕達で助けに…ん?」

 

ラピュセルの後ろを足早に去っていく男が1人。すると、スノーホワイトが声をあげる。

 

「待って、ラピュセル!聞こえた…!あの人、警察から逃げようとしてる…きっと放火したのかも!」

 

「なんだって!?でも、中の人達も救助しなきゃ…そうだ、サーヴァントを呼ぼう!セイバー、出てきてくれ!」

 

ラピュセルの呼びかけで現れたのは何とアルトリアに瓜二つの少女騎士であった。しかし、彼女は鎧が赤い。

 

「おう、何の用だマスター?」

 

そう彼女の名はモードレッド、アーサー王の息子にして、円卓の英雄譚に終止符を打った伝説の騎士である。状況を見るにラピュセルのサーヴァントのようだ。

 

「セイバー、あのさっき逃げた黒い服の男を追いかけてくれ!」

 

「何?まあ、しばらく待機ばかりで退屈してたからなぁ。いっちょひっ捕らえてくるか!」

 

モードレッドは鎧から機動力のあるタンクトップ姿になると猛ダッシュで放火魔を追いかける。

 

「私も手伝うよ!お願い、セイバー!」

 

「あれ?君もセイバーだったのかい?」

 

ラピュセルの反応の直後、エプロンドレスのような服を着たアルトリアが現れた。

 

「話は聞かせてもらいました。今から追跡します!」

 

アルトリアも瞬時にダッシュし、風のように消えていった。

 

「さあ、僕達は救助に向かおう!」

 

「うん、ラピュセルも気をつけてね!」

 

スノーホワイトとラピュセルは燃え盛る家に飛び込む。スノーホワイトは子供を、ラピュセルは老人を抱き抱えて炎から脱出する。

 

「よし、ここでいいかな。誰か来てくださーい!怪我人がいまーす!」

 

「救急車を呼んでくださーい!」

 

気絶している子供と老人の保護を呼びかけるとすぐに救急隊員がやってきた。それを見計らい、スノーホワイトとラピュセルはその場を離れた。

 

 

 

 

一方その頃、モードレッドは放火魔を追い詰めていた。

 

「この野郎、大人しくしろ!」

 

しかし、放火魔はナイフを取り出しモードレッドの顔面に振りかぶる。

 

「何しやがる!人間の分際で!」

 

頭にきたのかモードレッドはナイフをかわして放火魔の腹部に拳を叩き込んだ。放火魔は意識が飛んだのかそのまま卒倒する。

 

「こいつ、首を刎ね飛ばしてやろうか…」

 

「待ちなさい、モードレッド!」

 

剣を抜こうとするモードレッドを後から来たアルトリアが制止する。

 

「ち、父上!?なぜここに?」

 

「はあ、貴方も現界していたのですか。モードレッド、マスターから殺せとの命令は出ていないでしょう?だから、無闇にここの人間の命を奪ってはいけません。」

 

「わかったよ。父上がそう言うなら仕方ねえ。おい、命拾いしたなお前。」

 

モードレッドは倒れている放火魔を足で小突いた。その後、放火魔はアルトリアが警察に突き出し、逮捕されたのであった。

 

「2人とも大丈夫かい?」

 

一仕事終えたアルトリアとモードレッドの前にラピュセルとスノーホワイトが戻ってきた。

 

「まさか颯ちゃんのサーヴァントもセイバーだったなんて。しかも、私のセイバーそっくり。」

 

「マスター、このサーヴァントは私の息子です。」

 

「「え!?」」

 

アルトリアの一言にスノーホワイトもラピュセルも耳を疑っていた。

 

「えーと、そもそもサーヴァントに家族がいるとか、女性なのに息子とか…」

 

しかし、困惑するラピュセルをモードレッドはニヤリと笑い皮肉る。

 

「でもよー、マスターも魔法少女のくせに男じゃねぇか。人のこと言えねえよ。なあ、父上。」

 

「父上!?」

 

再びスノーホワイトが驚愕した声をあげる。

 

「えっと、どちらかというと母上じゃ…」

 

「もう考えるのはやめよう、スノーホワイト…」

 

ラピュセルはスノーホワイトの肩にポンと手を置く。その様子にアルトリアはただ首を傾げるだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

そんな一悶着があった日の深夜、トップスピードはどこかに急いでいた。理由はスイムスイムから「助けてほしい」というメールがマジカルフォンに来たからだ。

 

「しかし、スイムスイムから助けてくれってか。あいつとは初めて本格的に関わるな。…てか、どうでもいいけどライダー。お前、サンタクロースみたいだな。」

 

神威の車輪に乗るイスカンダルを見てトップスピードが冗談交じりに話しかける。

 

「む、サンタクロースとは聖夜に子供達へ贈り物を配る得体の知れん人物のことだな。ガハハ、余の馬と赤い装束を見て連想したか?しかし、余は贈り物を配るより奪う方であるからな。サンタクロースなんぞとは程遠い存在よ。」

 

ちなみにイスカンダルは今、トップスピードと共に神威の車輪で並走している。

 

「あはは、そうかい。んで、話は変わるけど今からスイムスイムを迎えに行くんだ。ついて来いよライダー。」

 

「ほう、新たな出会いか。強き者なら余の配下にしてやっても良いぞ。」

 

そんな話をしているとコンビニの屋根の上に立つ白スク水姿の少女、スイムスイムを見つけた。

 

「おーい、スイムスイム!一体俺に何の用だ?」

 

空からトップスピードが舞い降り、スイムスイムに話しかける。一方、イスカンダルは空から2人のやり取りを見下ろしている。

 

「私を今から明将山に連れて行って。」

 

「はあ?明将山?そこへ何しに行くんだよ?」

 

「紅葉狩り。」

 

「紅葉狩りにしては季節外れじゃないか?」

 

しかし、スイムスイムはそれ以上は語らなかった。このままでは拉致が明かないと踏んだのかトップスピードはスイムスイムを箒の後ろに乗せる。

 

「まあいっか。そこまで連れて行ってやんよ。」

 

トップスピードはスイムスイムを乗せて浮かび上がる。そして、イスカンダルと共に明将山へ向かう。

 

「ライダー!紹介するぜ。こいつはスイムスイム。こいつも魔法少女なんだ。」

 

「ほうほう、扇情的な身なりだがか弱そうだな。これでは配下に加えたとて荷物運びもままならんだろう。だが、なぜかこやつからは何かを感じるな。まるで死を恐れぬような…」

 

「何かすごい話だな。何でそんなことがわかるんだ?」

 

「目を見ればわかるとも。余の見立ては外れたことはない。この少女は何かを内に隠し持っておるのだ。確実な証拠はまだ掴めんがな。」

 

そんな話をしている内に明将山の中腹に着いた。スイムスイムは終始無言でジッとトップスピードとイスカンダルの会話に耳を傾けていただけだった。トップスピードは待っていたルーラ達のもとへスイムスイムを降ろす。

 

「遅い!遅刻するな、お馬鹿!しかもなんでこいつまで一緒なのよ…」

 

怒り、そして呆れるルーラ。しかし、トップスピードはそんな悪態も気にせず喋る。

 

「まあまあ、友達じゃないか。仲良くやろうぜ。」

 

「はあ!?誰と誰が?」

 

「俺と、ルーラが。」

 

ルーラは今にもトップスピードに突っかかりそうなったがそこへピーキーエンジェルズのサーヴァントであるアンが仲裁に入る。

 

「まあまあ、ルーラさん。落ち着きましょう。それより早く始めた方がいいんじゃなくて?」

 

アンの介入で我に返って咳払いをし、ルーラはトップスピードに言い捨てる。

 

「いいからさっさと帰れ馬鹿。私達はやらきゃいけないことがあるんだから。」

 

「ああ、紅葉狩りね。じゃあ、弁当がいるな。ほい!」

 

トップスピードはリップルのために用意していた弁当をルーラに手渡す。

 

「ふざけるな!」

 

ルーラは弁当をたまに投げ渡した。

 

「じゃあな、ルーラ。」

 

それだけ言うとトップスピードはイスカンダルの待つ上空へ帰って行った。イスカンダルが大人しく待機していたのはおそらくルーラ陣営を観察するためであろう。

 

 

 

「ところで、何であんな奴と一緒に来たのよ?」

 

「使えるものは何でも使え。ルーラが言ってたこと。」

 

「ふむ、それは私のことも含まれるのですかな?」

 

スイムスイムの横からルーラのサーヴァントであるジルがぬっと姿を現した。

 

「あんたは関係ないから引っ込んでて。で、紅葉狩りって理由を付けてあいつに送ってもらったわけ?」

 

スイムスイムは首を縦に振る。その後、ルーラはため息混じりにつぶやいた。

 

「もっとマシな言い訳考えろ、馬鹿。」

 

 

 

 

 

ルーラ達は山の中腹の奥地にやってきた。そこには不法投棄されたゴミが山のように積まれ、その周りにもたくさんのゴミが散乱していた。

 

「ありゃー、すごいゴミの山。」

 

「これをあたしらで片付けんの?」

 

ピーキーエンジェルズの2人が驚きの声をあげる。

 

「これを片せばかなりのキャンディーが手に入るはずよ。さあ、さっさと始めるわよ。」

 

ルーラはスイムスイムにたま、ピーキーエンジェルズを整列させる。ピーキーエンジェルズの後ろにはアンとメアリーもいる。そして、ルーラの背後には浮かない表情のジルもいた。

 

「しかし、マスター…私にはこのゴミ処理が意義のあることだとは思われませんが…」

 

「おだまり!口答えは許さないわよ。まったく、貴方は私が管理してないと何をやらかすかわからないんだから。」

 

異議を申し立てるジルを一喝して黙らせる、ルーラ。ルーラがここまで上下関係を意識するのには理由があった。

 

 

 

 

ジルはルーラと契約した翌日、あろうことかN市に住む子供を誘拐しようとしたのである。幸い、ルーラが見つけて止めたため未遂に終わり大事には至らなかったがこれにはルーラも「チームの和を乱すな」と激怒した。しかし、ジルは一切聞く耳を持たなかった。そして、ついにルーラは業を煮やして…

 

「そう…そこまで強情ならこうするしかないわね。マスター、ルーラが令呪を持って命ずる。貴方が現界している間、私の近くから離れることを永久に禁ずる!」

 

「な、なんとぉ!?正気ですかマスター!この私から自由を奪うのですか!私はそれほどの罪は犯してはいない!」

 

「うるさいわね。人助けする魔法少女が世間に迷惑かけてどうすんのよ!貴方の行動が私の評判も一緒に落とすことになるのよ。その自覚がないなら貴方に自由はないの、馬鹿!」

 

「ぐぬぬ…しかし、令呪の命令である以上は従わなくてはならない…世知辛いものですね。」

 

その後、ジルはルーラのそばを離れることができなくなってしまったのである。海魔を使おうにもルーラを刺激すればさらに自由が奪われることこの上ない。しかも、厄介なことにサーヴァントの宝具は魔法少女には無効なためルーラを殺すこともできない。ゆえにジルは泣く泣くルーラに従うしかないのである。

 

 

 

 

「じゃあ、まずはたま。貴女が穴を掘りなさい。」

 

「は、はい。」

 

犬耳のパーカーのような服に首輪を付けた少女、たまはゴミを埋めるために穴を地面に空けた。すると、足を滑らして自分の空けた穴に落ちてしまった。

 

「ひゃあっ!?」

 

しかし、そんなたまを素早く救出したサーヴァントがいた。そのサーヴァントは白い肌に白い髪、黄金の鎧と真っ赤に燃える翼を携えていた。

 

「無事かマスター?」

 

たまを抱き抱えて飛び、地上に優しく降ろした。彼はインドにおける古代叙事詩「マハーバーラタ」の大英雄であり、アルジュナのライバル、カルナである。実はたまはかなり最上級のサーヴァントを引き当てていた。

 

「ごめんね、カルナ。助けてくれてありがとう。」

 

「オレはマスターが何ともないならそれでいい。」

 

「ふん、あんたは穴を空けるしか能がないんだから。ああ、でも無駄に強運よね。たった1回の召喚で化け物みたいな性能のサーヴァント引き当てたんだから。」

 

嫉妬も交えた悪態を吐くルーラ。それもそのはず、たまは召喚の際200個しかキャンディーを所持しておらず、しかも全部使うのは嫌だという理由で1回しか召喚を行なっていなかった。それなのに、幸運なことに1回で超級のサーヴァント、カルナを手に入れたのである。これはカルナのピックアップ召喚のキャンペーン中だったのだろうか。しかし、たまの性格ゆえカルナの力を持て余すのは確実であろうが。

 

「ねえ、アン。ここにお宝はあるかな?」

 

「ガラクタしか見当たりませんけどもしかしたら…」

 

(ゴミ拾い楽しんでる人初めて見た…)

 

現時点でマスターであるユナエルが楽しそうにゴミを運ぶアンとメアリーを見た心境であった。その後はミナエルとユナエルとカルナが空を飛びながらゴミを運んだり、ジルが海魔の溶解液で鉄くずを溶かしたり、アンとメアリーがゴミを運びつつ宝探しをしていたり、たまとスイムスイムが2人で粗大ゴミを担いだりとゴミ処理は順調に進み何とか終了した。

 

「ふん、まあ働きぶりはそこそこと言ったところかしらね。さあ、後は皆で木とか石とかで埋めて目立たなくしておきなさい。行くわよ、キャスター。」

 

「はあ、私がこの束縛から解放される日はいつ来るのでしょうか。」

 

ルーラはスイムスイムとジルを引き連れ、ピーキーエンジェルズとアンとメアリー、たまとカルナを残して去っていった。

 

 

 

 

「うーん、どうしよっかな?」

 

「何とかしてスノーホワイトに勝ちたいよねお姉ちゃん。」

 

木や岩でゴミの穴を埋めたピーキーエンジェルズの2人とたま、アンとメアリー、カルナはレジャーシートの上でトップスピードにもらった弁当を食べていた。

 

「自演とかもやってみたけど、あたしらIDも同じだったしー!」

 

「セットかっつーの!」

 

「あら、私達みたいですわねメアリー。」

 

「本当だね。君達には不思議な縁を感じるよ。」

 

ピーキーエンジェルズの2人の愚痴にアンとメアリーが相槌を打つ。

 

「腹いせに掲示板荒らしてやろうかなー」

 

「おー、お姉ちゃんマジクール。」

 

(ネット…掲示板…荒らし…うっ、頭が…)

 

ミナエルの発言にカルナは別世界の記憶を思い出しそうになる。きっと、某引きこもりゲーマーのことだろう。

 

「というわけで、何か人気を上げる方法を皆で考えようってわけ。何かない?」

 

ミナエルの質問にまずはカルナが口を開く。

 

「そんなことか。やはり、たくさんの善行を積むべきだな。魔法少女は人助けをすることによって飴を得るのだろう?ならば、人々から感謝されるような善行を今以上にやるべきだ。そうすれば人助けで飴も集まって一石二鳥…」

 

「長いし、却下。」

 

「だよね。人助けならいっぱいやってるつーの!それ以外だよ、それ以外!」

 

「な…すまん。」

 

ピーキーエンジェルズに自分の提案を全否定されて軽く落ち込むカルナの隣で次に発言したのはアンとメアリーだ。

 

「他の魔法少女が持つマジカルフォンを片っ端から破壊するのはいかがでしょう?」

 

「なるほど。他の魔法少女がキャンディー集められなくなったら人助けする意味もないか。さすがアン。冴えてるね。」

 

「駄目だって!そんなのカラミティ・メアリとかに仕掛けるのが無理ゲーじゃん!」

 

「ルーラもおそらく無理だしねー。」

 

やはり、却下されてしまった。今後はたまが挙手する。

 

「じゃあ…プロモーションビデオを作るのはどうかな…?」

 

「「それだ!」」

 

翌日、ミナエルとユナエルは早速動画制作を開始した。たまとアン、メアリー、カルナ協力のもと完成したPVを動画サイトにアップしたところそれがかなりの話題になった。結果、人気投票はスノーホワイトに次ぐ2位にランクインしたのである。なお、このPVにはアンとメアリーもカメオ出演し、女性ファンのみならず「あの一瞬出てた可愛い娘達は誰だ!?」と男性ファンを獲得することも叶ったのである。

 

「「やったー!やったー!やったったー!」」

 

「うふふ、嬉しそうですわね。」

 

「でも、大丈夫かな。僕達の顔を晒しちゃって。」

 

歓喜に舞うピーキーエンジェルズをアンとメアリーは優しい目で見守るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




現在確認された組み合わせ

ラ・ピュセル×モードレッド(セイバー)

たま×カルナ(ランサー)
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