あの3人とひとまずOHANASHIが終わったあと、僕はある喫茶店に呼び出された。
その人物とは…
「ひゃっはろー、戸塚君!」
「こんにちは、雪ノ下さんのお姉さん」
そう、雪ノ下さんの姉である雪ノ下陽乃さんだ。
「で、僕になにか…」
「もう、とぼけちゃって〜」
「?」
「昼間の雪乃ちゃんたちに言っていたことについてだよ」
そう言葉を発した瞬間、雰囲気が変わった。
今まで見たいな適当なかんじではなく、僕に対しての一瞬敵意も感じられた。
なるほど、さすがは雪ノ下さんのお姉さんだけはある。僕は簡潔にそれまでのことを話した。
「ただ僕は、言っただけですよ。真実を」
「真実ねぇ…」
何なら考える素振りを見せているが、僕はこの人が何を考えているのかが検討もつかない。八幡曰く、仮面を被っていると言っていた。けれど僕は八幡ほど観察眼に優れていないからわからない。
あと、この人の行動には不可解な点が多い。
というか、雪ノ下さんたちへのことをどこで聞いていたのかわからない。他の人の迷惑をかからないように貸切にしていたはずだが…
「そういえば雪ノ下さんのお姉さんに聞きたいことがあります」
この際だ、聞けること聞いておく。
「ん…何かな?」
「あなたは、八幡、いや他の奉仕部メンバーに色々とちょっかいを出していのはなぜですか?」
そう、文化祭をはじめとする様々なことに首をつっこんで場をかき乱している。妹がいるとはいえ、やりすぎた。何をしたいのかがわからない。
「あれはちょっかいじゃないよ。言うならば試験かな?」
「試験?」
「そう、まぁ結果はあれだけれどもね…」
「文化祭の件は雪乃ちゃんがどう行動するのかが見たかった。私の後ろをずっと歩いてきているあの子があの状況で何ができるのか知りたかった」
「でも、結果的に解決したのは比企谷君」
「隼人はもともと期待していなかったからしょうがないけど、予想通りすぎて笑えなかったけどね」
「雪乃ちゃんは私に対抗していたのか知らないけど無理をして体調を崩した」
「2人とも解決はできず、比企谷君があの状況を打破した」
たしかに文化祭をなんとかしたのは八幡だ。
しかし、それが彼女にとって意味があるものなのか?
「あれは雪乃ちゃんや隼人を試す形でやったことだけど、あれは予想外だったよ。考えることはできても実行できる人なんて普通はいないからね。だから、それからは私は試していたの彼を…」
「事故のときもそう、漫画やアニメならまだしも現実にいるとは思わなかった。それから比企谷君に興味を持った」
「それに彼はいつからか外れなくなった、彼の言葉で言うと『仮面』を見破ってくれた。私の本当の姿を見ることができるから…」
雪ノ下さん、あなたは…
「なんてね♪今のはほんの作り話、騙されたでしょ?」
そういうと、彼女は伝票を持ってレジに向かいて歩き出した。
「じゃあね戸塚君、今日はこれでお終いね。またお姉さんとお茶しようね〜♪」
いや、もうしたくはないけど…。
でも、1つ聞きたいことがある。
「雪ノ下さん、あなたはもし八幡ともっと前に出会っていたら今とは変わって思いますか?」
「…さあ?でも、そうだね…小学生のときにでも会っていたら今とは違っていたのかもしれないね」
そう言って彼女は店から出ていった。
「はーちゃん、はーちゃん!いっしょにおふろ!」
「お、おう?それはちょっとあれだから、さーちゃんと一緒に入ってこような?」
「えー!?けーかは、はーちゃんといっしょがいいの!」
「けーちゃん、はーちゃんが困っているから…。それに男女で一緒に入ったらダメだから…」
「えー?でもパパとママいつもいっしょにはいってるのに?」
「それは夫婦だから…」
「??」
「だめ?」
「あー、もう!はーちゃん行くよ///」
「え、ちょっ、まって、ねえ、あ…、あー!?」
「たーちゃんなにしてるの?」
「ブラックコーヒーを飲んでる」
「??」