ハチ「うぉぉぉ!」
俺は今、ソードスキルを身につけるために猛特訓中だった。だが、俺は未だにソードスキルを身につけられていない。
あっちではキリトがモカにソードスキルを教えていた。
そして俺の隣ではサヨがソードスキルを練習していた。
ハチ「やっぱり、後ちょっとで出来そうなんだがな...どうしたもんかね。」
サヨ「私はまだまだです。どうすればいいんでしょう...」
サヨはそう言って方を落とした。
ハチ「構えがしっかりしてればシステムアシストでソードスキルが発動してくれるらしいんだがな。」
サヨ「構え...ですか。」
ハチ「ああ、確かこんな構えなんだよ。」
そう言って俺は構えをとる、そうすると曲刀が青い光を放つ...が、その青い光は霧散した。
ハチ「くっそ、何がいけないのかねぇ...」
そう呟くとキリトが急いで近づいてくるのが見えた。
ハチ「どうしたキリト?」
キリト「ハチ、もう1回ソードスキルを放ってみて。」
と、キリトは真剣な顔で言う。
ハチ「でも、俺はまだ「いいから」...わかった。」
そう言って俺はソードスキルの構えをとる。そうすると曲刀がまたも青い光を放つ...がその光はすぐに霧散する。それを見たキリトは
キリト「やっぱり...」
と、呟いた。
ハチ「?どうしたんだ?」
キリト「ハチ、もしかしたらハチにはシステムアシストがついてないのかも。」
キリトはそう言った。
ハチ「システムアシストが...無い?いやいや、そんなこと有り得るのか?」
キリト「ナーヴギアに不具合があるのか、もしくは壊れてたりするのかも。」
まじか...俺はその話を聞いた時にそう思った。
ハチ「システムアシストがないってことは俺はソードスキルが使えないのか?」
キリト「そういう訳ではないと思う。多分構えから動きまで全て自分でやれば出来ると思うよ。でもそれは全ての動きを丸コピしないといけないから難しいかも...」
なるほど、丸コピか。難しいな。...いや、でも出来なくもないのか。
ハチ「サヨ、ソードスキルを放ってみてくれないか?」
俺はサヨにそう言う。
サヨ「えっ?でも、私は。」
ハチ「さっきの俺と同じ構えをとれば多分撃てるぞ。」
サヨ「...わかりました。」
そう言って俺と同じ構えをとる。そうすると
ズバッ!パリーン!
見事、ソードスキルを放ちモンスターを倒した。
サヨ「出来た!やりました!」
...なるほど、ああいう動きか。
俺はソードスキルの構えをとる。
キリト「ハチ?」
ハチ「確かこうやって...」
俺は曲刀が青い光を放つとすぐにさっきのサヨと同じ動きをした。
ハチ「こうだ!」ズバッ!パリーン!
俺は見事ソードスキルでモンスターを倒した。
ハチ「よし、出来た。でも、これはいちいち曲刀のソードスキルを1回見ないと出来ないな...どうするか。あ、ならば面倒いからソードスキルなしでも良くね?うん、そうしよう。」
俺はそう決めると全員に武器屋に行ってくる!と言って武器屋に向かった。そう言えばキリトが何か言いたそうだったな。
俺は武器屋に着くと曲刀をもう一本買った。
そしてみんなの元へと戻った。
そこにはさっきまでの5人ともう1人違う男の人がいた。
ハチ「あれは誰だ?」
ホノカにそう聞く。
ホノカ「あ、ハチ君。えっと、確かクラインさん。だったかな。ソードスキルを教えて貰いに来た人だよ。」
なるほど。
ホノカ「そう言えばハチ君は何を買いに行ってたの?」
ハチ「ん?ああ、これだよ。」
そう言って俺はもう一本の曲刀を出した。
ホノカ「曲刀?耐久値無くなっちゃったの?」
ハチ「いや、そうじゃなくて俺はシステムアシストがないらしいからもうソードスキルはいんないんじゃねぇかなと思ったんだよ。だったらリアルと同じ動きをしたいだろ?だからもう一本。」
モカ「ハチはリアルで何かやってたのー?ギターやってるのは知ってるけど...」
モカがそう聞いてくるアコも興味があるらしい。その後ろの3人もこっちによってくる。
ハチ「ん?ああ、うちは武術の道場だったから親に剣術やら色々と叩き込まれてな。んで、俺はリアルで刀を2本使うのがなんだよ。だからもう一本買っただけだ。」
アコ「ハチさん、凄いです!」
ん?何が?
キリト「へー、ハチは剣術習ってたんだね。わた、じゃなくて俺は剣道をやってたよ。」
ほうほう、なるほど。
サヨ「だから、あんな動きができるんですね...」
あんな動きとは体育祭の事なのか?
クライン「すっげぇなあんた!めちゃくちゃかっこいいじゃねぇか!」
あなたは誰?俺はまだ話してないんだが...
俺がそんな顔をしていると
クライン「おお、すまん。自己紹介がまだだったな。俺はクラインだ!よろしくな!」
ハチ「お、おう。ハチだ。よろしく。」
それから俺らはモンスターを狩りまくった。
キリト「よし、じゃあ今日はこの辺で終わらない?」
ハチ「そうだな。そろそろ5時になるし丁度いいか。」
そう言うとクラインが慌て始めた。
クライン「まじか!俺、5時にピザ予約してたんだよ。早くしねぇと!」
用意がいいな...
ハチ「んじゃあまた、いつか会ったらそんときはよろしくなキリト、クライン。」
ホノカ「私たちもよろしくねキリト君、クラインさん。
」
アコ「よろしくお願いします!」
サヨ「よろしくお願いします。」
モカ「よろしく〜」
クライン「おう!こっちからもよろしく頼むわ!」
キリト「うん、よろしく。」
そう言って俺らはログアウトしようとした。...が、
ハチ「あれ?ログアウトボタンが無くね?」
ホノカ「ほんとだ、無いね。」
良かった、俺一人じゃなかったようだ。
アコ「どう来たんでしょうか。」
クライン「バグか?」
キリト「GMコールしてみたら?」
クライン「今してる。」
サヨ「GMコール?」
アコ「ゲームマスターに連絡を取れるやつです。」
アコが簡単に説明を入れる。
モカ「じゃあ、今頃そのGMコールは鳴り響いてるだろうね〜」
モカがそう言うと突然俺らは青い光に包まれた。
キリト「これは、転移のひか...」
ハチ「ここは...始まりの街?」
ホノカ「ほんとだね...」
周りを見回すと大勢の人がいた。
キリト「なんで転移なんか...」
クライン「GMがログアウトの件の謝罪でもするんじゃねーのか?」
サヨ「それはあるかもしれませんね。」
アコ「まぁログアウト出来ないのはさすがにバグとしてはまずいですからね。」
アコがそう言うと突如赤いフードをかぶった巨大な人が現れた。
『プレイヤーの諸君私の世界へようこそ。』
いきなりその男が喋り出す。
私の世界?どういう事だ?
『私は茅場晶彦だ。プレイヤーの諸君は既にメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気づいていると思う。しかし、これはソードアート・オンライン本来の仕様である。』
クライン「本来の仕様だと?」
クラインがそう呟く。ホノカは俺の袖をつまんでいる。その手は震えていた。
『諸君らは自発的にログアウトすることは出来ない。また、外部の人間によるナーヴギアの停止または解除が行われた場合や諸君らのHPが0になった場合、諸君らの脳はナーヴギアによって破壊される。』
男がそう言うと周りはざわつき始めた。
クライン「お、おい、嘘だろ?そんなことねぇよな?」
ハチ「いや、できないことは無い。確か電子レンジと同じ原理で...」
クライン「嘘...だろ?」
ホノカ達4人は座り込んでいた。
『諸君らが開放される条件はこのゲームをくりあすることだ。』
周りからは
「それって100層までクリアしろってことか!?」
「無理だ!だってβではそこまで登れなかったって聞いたぞ!?」
などという声が聞こえた。
その声を聞き4人は涙を流していた。
ホノカ「ホノカ達帰れない...」ポロポロ
アコ「嘘...お姉ちゃん、みんな...」ポロポロ
モカ「...やだよ。みんなに会えないなんて...やだよ。」ポロポロ
サヨ「...こんなことになるなんて。日菜。」ポロポロ
クソが、こいつらを泣かせやがって...茅場晶彦、絶対に許さねぇ。
その前にこいつらを泣き止まらせねぇとな。
ハチ「ほら、みんな泣くな。絶対帰れないなんてそんなはずがないだろ?何かしらあるはずだ、ログアウトできる方法が。その方法を多分茅場晶彦は言うはずだ。だからその方法を聞いたらその方法でログアウトして、元の世界に戻ろうぜ?」
そう言うと何とか立ち直ったのか涙は無くなっていた。
『それでは最後に諸君らにプレゼントを用意した。確認してくれたまえ。では、これでソードアート・オンラインのチュートリアルを終了する。』
その言葉を境に周りは騒がしくなった。
俺はまず、4人にプレゼントを見るように言い、俺もプレゼントを見た。キリトとクラインも見ていた。
ハチ「鏡?」
その鏡を見ると光り出す。
そして光が収まってからまた鏡を見る。そこには
ハチ「俺の顔?」
ホノカ「ハチ君?」
サヨ「これは、私のリアルの顔?」
モカ「ほんとだ...」
アコ「なんでこんなことを...」
そうすると隣のクラインが騒ぎ始めた。
クライン「なんじゃこりゃあ!?お前はハチなのか!?」
ハチ「おう。お前がクラインか。んで?キリトは?」
キリト「こ、ここに、居ます。」
ん?
その声が聞こえた方を向くとそこには女の子が1人。
ハチ「ま、まままさか?お前が、キリト?」
キリト「う、うん。ごめんね。黙ってて。」
まじか...キリトがまさか女だったなんて。まぁたまに私って言いかけてるのには気づいてたけど普段の喋り方がそうなんだろって思うだろ...
ハチ「はぁ、まぁいっか。そんなことより今後のことだ。どうする?」
キリト「その事なんだけど私は次の街に行こうと思う。みんなも着いてきてくれないかな?」
クライン「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺、このゲームはダチと買ったんだ。だからそいつらを見捨てて次の街なんて行けねぇよ。」
なるほどな。それはしゃあないか。
ハチ「なら、俺らは先に行く。だから、さっさとダチってやつを見つけて追いついてこいよ。」
俺はそう言った。
クライン「...わかった!後からぜってぇ追いつくかんな!」
ハチ「おう!」
ホノカ「うん!」
モカ「待ってるよ〜」
サヨ「お気をつけて。」
アコ「あ、じゃあフレンド登録しちゃいましょうよ!」
キリト「じゃあ、追いついてきてね!」
クライン「...おうよ!」
そう言ってクラインは俺たちとフレンド登録をして走って行った。
ハチ「んじゃあ俺らも行くか。案内頼む。」
そう言ってキリト達と歩き始めるとホノカが
ホノカ「雪穂!?」
と叫んだ。
って、雪穂!?
ハチ「ホノカ、なんて言った?」
ホノカ「いま、雪穂と亜里沙ちゃんっぽい人が黒髪の女の子と一緒に街の外に出て行ったの」
まじかよ...
キリト「その、ゆきほ?って子は知り合い?あと、ありさって子も。」
ホノカ「雪穂は私の妹。亜里沙ちゃんはそのお友達。」
サヨ「妹さん...ですか。」
ハチ「なぁ、雪穂はSAOをやるって言ってたのか?」
ホノカ「わかんない。でも私はやるって言ってたから興味を持ってたのかも。前、お母さんと何か話してるのも見たし。亜里沙ちゃんもSAOに興味を持ってるって絵里ちゃんから聞いたから...」
それはまずいな。それだとほぼ確定で雪穂と亜里沙がここに居るだろう。そして街の外に出たってことはモンスターにやられる危険もある。
ホノカ「どうしようハチ君。雪穂が、雪穂が死んじゃったら!」
ハチ「...追いかけよう。」
キリト「なっ...無茶だよ!!この広いフィールドの中でフレンド登録していない人を探すなんて!ねぇ、どこかで会えるかもしれないしさ、先に次の街に行こ?」
ハチ「...それじゃダメなんだよ。俺にとっても大切なやつなんだ。昔っからホノカと俺らと一緒に過ごしてきた幼なじみだ。だから放ってはおけない。俺は無茶だろうがなんだろうが探しに行くぞ。それが兄貴分である俺の役目だから。」
ホノカ「私も行く。妹だもん!絶対に探し出すよ!」
キリト「なんで、そんな。死んじゃうかもしれないんだよ!?それにハチはシステムアシストだって...」
キリトは俺の心配をしてくれている。それは十分わかっている。だが、
ハチ「キリト、俺は必ず戻ってくる。絶対に。だからこの3人を頼む。この3人に戦闘を教えてやってくれ。」
俺はキリトにそういった。
キリト「わかった。でも、絶対に来てね。待ってるから。」
ハチ「おう。」
そう言って次はアコに向かう
ハチ「アコ」
アコ「は、はい。」
ハチ「お前はゲーマーだ。ゲームが得意なんだ。だからこの2人をお前も支えてやってくれ。それとキリトのこともお前が守ってやってくれ。な?」
アコ「わ、わかりました!その代わり。私からもお願いです。絶対に戻ってきてくださいね?」
ハチ「ああ、約束する。」
その次に俺はサヨとモカと向かい合う
ハチ「サヨ、モカ、2人はこんな所に来させちまってほんとに申し訳ないと思ってる。恨んでるなら俺を殺してくれても構わん。ただ、死のうとだけは思わないでくれ。そして、生きようと思ってるのならキリトについて行って、戦闘を学んでくれ。俺を殺したいなら後でしっかり時間を設けるからそれまで待っててくれ。」
俺がそう言うと2人に叩かれた。
サヨ「あなたは馬鹿ですか!私はあなたを恨んでなんかいません!」
モカ「私もだよ〜。これは私たちが自分で考えてこのゲームをやろうと思ったんだから自業自得だよ〜」
サヨ「そうです。それに私はこんな所で死のうなんて思いません!だって妹が、日菜が待っていますから。」
モカ「モカちゃんもこんなところで死ねないな〜。だって皆が待ってるし〜」
...こいつらは心配しなくても大丈夫だったな。心が強いからな。
ハチ「ああ、そうだったな。待ってる奴がいるから死ねない。そうだな。悪い、変な事言ったわ。じゃあ生きるために、キリトに戦闘を学んでくれ。」
サヨ、モカ「わかりました(わかった〜)」
ハチ「キリト、俺はホノカとさっき言っていた雪穂達を探しに行く。だから3人を頼んだ。」
キリト「うん。」
ハチ「よし、行くぞホノカ!」
ホノカ「うん!」
こうして俺とホノカは雪穂と亜里沙を探すためキリト達とは別行動となったのだった。