魔法使いとチート八幡の日常   作:しろ@「 」

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魔法使いとチート八幡の日常~SAO編~9

ハチ「ふぁ、あああ。朝か?」

 

今日は遂に第1層ボス攻略だ。12時にトールバーナに集合し、迷宮に入ることになっている。

 

ハチ「今何時だ...?」

 

『12:03』

 

...あれれー?おかしいぞー?俺には時計が12時3分って書いてあるように見えるなぁ。

ヤヴァイ...マジでヤヴァイ。殺され...ドンドンドンドン!!

 

そんなことを考えているとドアを叩く音がする。

 

ホノカ「ハチ君!!早く起きて!みんなもう集合してるよ!今、キリトちゃんにディアベルさんに言って待っててもらってるから!」

 

oh......

 

 

俺はさっさと支度をしてドアを開ける。

 

ハチ「すまん!急ぐぞ!」

 

俺はホノカと一緒に全速で走る。まぁ俺の方が速いからホノカに合わせてるんだが...

 

ホノカ「もう、ハチ君が寝坊するなんて思ってなかったよ。」

 

ハチ「俺も思ってなかったわ。マジですまん。」

 

走りながらそんな話をする。

そして俺は一応持ち物のチェックもした。

大丈夫、荷物は忘れてないな。

 

そして10分位でトールバーナに着いた。

俺はディアベルの所へ向かう。

 

ハチ「すまん、遅れた。」

 

ディアベル「いや、大丈夫。次からはこんなことないようにしてくれよ。」

 

そう言って笑う。なんかこいつって葉山に似てるよな?

 

キリト「はぁ、まさかハチが遅刻するなんて...」

 

モカ「ハチは寝坊助さんだもんね〜」

 

サヨ「全く、しっかりしてください。」

 

アコ「遅刻だけはダメですよって昨日自分で言ってたのに...」

 

うわぁ、散々な言われようだァw

はぁ...

 

 

俺達が迷宮に入ってから10分、危なげなく進んでいる。

ハチ「いい感じだな。」

 

ホノカ「そうだね、皆気合が入ってるよ、誰かさんとは違って」

 

そう言って俺をジト目で見てくる。

 

ハチ「いや、マジで悪かったって、反省してるから。」

 

ホノカ「次やったら...」

 

次やったら何!?怖いんだけど...ってかホノカってそんなキャラじゃねぇだろ!?

 

 

そんな雑談をするくらいに余裕はあった。

 

それから10分、ついにボス部屋の前に来た。

 

ディアベル「俺からは一言、勝とうぜ!」

 

皆『おお!!!』

 

そう言ってディアベルはドアを開ける。

 

中は暗い...全員が入り終わると灯がつく。そしてそこに奴はいた、そう《イルファング・ザ・コボルドロード》だ。

 

ディアベル「全員!配置に着いてくれ!」

 

ディアベルが声を上げるとともに全員、自分の配置に着いた。

 

俺もヨウ達と配置につき、取り巻きの《ルイン・コボルド・センチネル》を相手していく。

 

ヨウ「ハチ、スイッチだ。」

 

ハチ「OK。」

 

そう言って俺は曲刀で危なげなく倒す。ちなみに俺は今は二刀流じゃない。

まぁ、一刀でも倒せるだろうと思ったからな。

案の定、倒せているし何とかなんだろ。

それに、ヨウ達には俺がソードスキルを使えないことは言ってあるから俺に負担を掛けないようにしてくれてるんだよな。

 

タケ「ハチ、スイッチだ。」

 

ハチ「了解。」

 

俺達はそうやって一体一体確実に倒していく。

 

そうするとボスのHPバーが残り1本になったらしい。

 

ディアベル「よし、皆は下がってくれ!俺が行く!」

 

は?何言ってんのアイツ、ここは全員でやる所でしょうが...

 

そんなことを思ってると、キリトが「避けてー!」と、叫んでいるのが聞こえる。

ってかボスの持ってる武器がタルワールじゃなくね?

 

そんなことを思っているとディアベルがソードスキルを食らった。

 

あ、やばくねぇか?俺は咄嗟に足が動いていた。

 

ここからディアベルまでの距離はそこまで遠くない。だが、ただ走ったところで間に合わない。どうする?あ、そう言えばあのスキルは使えるかな?確か、初速が速くなるはず...一か八かやってみっか。

 

ハチ「ヨウ!ここよろしく!」

 

俺はそう言ってディアベルの方へ走る。

 

そして俺はエクストラスキル《居合い》を使った。

《居合い》は、使用者の走り出し、まぁ初速を最高10倍まで上げることが出来る。熟練度がカンストすれば10倍だったか?

 

まぁそんなことを考えている暇はない。今の俺では熟練度的にも2倍がギリギリだな。

 

そんなことを思いながら走る。走る。走る。走る。

 

そしてディアベルに向かって打たれているソードスキルに合わせて俺は腰にしまっていた曲刀を振り抜く。

 

ガキィィィィィンッ!!

 

ハチ「うぉ!?」

 

俺は相手のソードスキルを止めた。曲刀1本で...

 

だが、その反動で後ろへと飛ばされる。

 

相手も俺にソードスキルを止められたため動きが止まっている。叩くなら今のうちか。

 

俺はすぐさま立ち上がるとボスへと立ち向かう。その途中でディアベルが「助かった。」と言ってきたため俺は

「言いたいことは色々あるが、また後でだ。今は大人しく回復してろ。」と言ってボスの元へと向かう。

 

ハチ「さてと、やりますか。」

 

ヨウ「俺らも行くぜ!」

 

キリト「私たちだって!」

 

イッキ「僕達も行くよ。」

 

俺も横にはヨウ達が、そして後ろにはキリトとイッキ達がいた。

 

ハチ「...助かる。さてと、行くぜ!」

 

15人『おう(うん)!!』

 

そして俺達は《イルファング・ザ・コボルドロード》の殲滅を開始する。

 

ハチ「キリト達は右から、イッキ達は左から攻撃、ヨウ達は敵のソードスキルの対処だ。あと10分で終わらせるぞ!」

 

15人『了解!』

 

俺の指揮の元、15人全員が動き出す。

 

ハチ「攻撃をくらったらしっかりと回復しろよ、回復してる奴の援護も忘れんな。」

 

今、敵のHPは半分くらいだ。この調子ならあと5分で終わるだろう。

 

ハチ「よっしゃ、全員!畳み掛けるぞ!」

 

15人『おう!』

 

そう言って全員がソードスキルを放つ中、俺は曲刀を二刀流にして徐々にHPを削る。

その時だ、ボスは最後の力を振り絞ったのか、俺へと攻撃をかける。俺は2つの曲刀で受け止めるが吹き飛ばされた。

 

アスナ「キャッ!」

 

そして吹き飛ばされた先にはアスナがいたため、一緒に吹き飛ばされる。

そしてそのままボスは、野太刀を俺らに向かって投げた。

 

キリト「まずい!」

 

ホノカ「ハチ君!アスナ!」

 

やばい、どうする...ここは、アスナだけでも。そう思い俺はアスナに覆いかぶさり、俺が盾となろうとする。

ガキィィィン!!

 

だが、いつまで経っても俺への衝撃は来なかった。

 

「よう、大丈夫か?」

 

そこには肌の黒い外人のような男の人が俺らの前に立ちはだかり、斧で野太刀を止めていた。

 

ハチ「お、おう。サンキューだ。」

 

「へっ、いいってことよ!俺だってボス攻略に来てんだ、ちっとは役に立たねぇとな!という訳で、俺にもなにか手伝わせてくれ!」

 

ハチ「おう、助かる!じゃあ俺らと同じようにソードスキルの対処を頼む。」

 

そう言うと、おう!と返事をして行ってしまった。

あ、そうだ!

 

ハチ「アスナ!大丈夫か!?」

 

アスナ「う、うん。」

 

ハチ「悪い、俺の不注意だった。お前を危ない目に合わせて「違う!ハチ君のせいじゃない!」...」

 

アスナ「ハチ君のせいじゃないから、自分を責めないで?」

 

ハチ「...わかった。」

 

アスナ「よし!私は大丈夫だから、速くボスを倒しちゃおう!」

 

そう言ってアスナは走って行く。

そうだな...俺もしっかりしなきゃな。よし!行くか!

 

俺は曲刀を持ち直し走り出す。

 

 

それから7分くらいが経過。ボスの残りHPはもう少ない。

そこにキリト達がソードスキルを叩き込む。

だが、まだ死なない。

 

ハチ「ヨウ!そこに屈んでくれ!」

 

俺はそう言うと、居合いの構えを取る。そしてすぐに走り出した。

 

ヨウ「なんだかよく分からんが了解!」

 

ヨウもそう言って屈む。

俺は屈んでいるヨウの背中を踏み台にして飛び上がる、そしてボスの目を斬り裂いた。

 

パリィン

 

《Congratulation!》

 

空中に浮かぶ文字、ポリゴンとなって消えるボス。

 

俺達は...勝ったのだ。

 

全員『...うぉぉぉぉぉおお!!!!!』

 

ハチ「ふぅ、なんとか勝てたか。ん?ラストアタックボーナス?なんだこりゃ。...キリトにやるか。俺は似合わなさそうだし。」

 

俺はキリトにラストアタックボーナスのコートオブミッドナイトを渡した。

 

キリト「これは?」

 

ハチ「なんか、ラストアタックボーナスってやつで貰ったけど、俺は要らんからお前にやるよ。」

 

キリト「えっ、でも...」

 

ハチ「いいから。俺じゃ似合わん。」

 

俺がそう言うと、渋々だが貰ってくれた。

 

と、その時だった。

 

キバオウ「なんでや!なんでボスの武器が情報と違ったんや!」

 

なんか言ってやがるぞあいつ...

 

ヨウ「はぁ、またあんたか。あんたはしっかりとガイドブックを見たのか?βテストの時と違う点がある可能性があるってここに書いてあんだろ?今回はβテストと違う点があったってことだろ?そんなのもわかんねぇのか?」

 

キバオウ「だったらそこの女はボスの武器をなんで知っとったんや!知ってるってことはβテストの時も同じだったんとちゃうか!?だから知っとった。それなのにワイらには何も言わんかった。言っておけばディアベルはんが危険な目に会うこともなかったんや!」

 

キバオウ?がそう言うと周りの奴らも便乗し始めた。

 

キリト「ち、違う。ほんとにβテストとは違ったよ!野太刀はβテストの時にもっと上の階層で見たから知ってただけで...」

 

キバオウ「はっ!そんなん信じられるかい!お前には今もってる武器とコル、全部置いていって貰うかんな!」

 

キリト「そんな...」

 

まずいな。俺はβテスターじゃねぇから野太刀がどこで出てきたのかとかわかんねぇし、ほんとに1層の武器が野太刀じゃなかったなんてわかんねぇ...だが、キリトは俺達の大事な仲間だ。助けねぇと...どうする、どうすれば助けられる...

...待てよ?この方法なら...やってみるか。

 

ハチ「...クックック、ハッハッハッハッ。いやぁ、ほんとに無様だよなお前ら」

 

キバオウ「な、なんやて!?って、お前は会議ん時の」

 

ハチ「お前らは騙されてんのに気づかねぇのかよ。」

 

キバオウ「騙されてるって...どういうことや!」

 

ハチ「ディアベル、お前はβテスターだろ?だから最後1人でボスに突撃した。ラストアタックボーナスを取るために。だが、βテストで野太刀を見ていなかったお前はソードスキルを避けることが出来なかった。違うか?」

 

俺がそういうとディアベルはこっちを見る。

 

キバオウ「...そんなはずはない!ディアベルはんがβテスターだなんて...そんなはず...」

 

ハチ「なぁディアベル、βテストの時の1層のボスはタルワールを持っていたんだろ?だから余裕だと思って1人で突っ込んだんだろ?教えてくれよディアベル。」

 

俺はディアベルに問う。

 

ディアベル「......ああ、そうだ。」

 

よし、合ってたか。

 

キバオウ「う、嘘やろ...なぁディアベルはん。嘘やろ?ディアベルはんがβテスターだなんて...」

 

ディアベル「すまないキバオウさん。それにみんな。俺は、βテスターだ。さっきハチ君が言った通り、ラストアタックボーナスを狙っていたんだ。騙していてすまない。」

 

キバオウ「ふざけるな。アンタのことを信じてついてきたんやぞ!それを今更、騙してましたって、ワイらをラストアタックボーナスを取るための駒としか思ってなかったってことやないか!」

 

ディアベル「...」

 

ディアベルは言い返せないだろうな。まぁそれは自業自得だな。

だが...

 

キバオウ「あんた、今もってる武器とコル、ワイらによこせや。騙してたお詫びに!」

 

そう言ってキバオウはディアベルに詰め寄る。

 

キリト「ハチ...」

 

キリトはそれを見て俺を見る

その目は助けて上げろって事ですかね?

 

周りを見るとホノカ達も見ていた。...はぁ、まぁそうだな。しゃあねぇか。

 

ディアベルは武器をキバオウに渡そうとする。俺はそれを止めた。

 

ハチ「ちょっと待てよ。それはおかしいだろ?」

 

キバオウ「何がや。ワイらは騙されてた。そのお詫びに武器とコルを貰って何がおかしいんや。」

 

ハチ「いや、だってよ、お前らが勝手に騙されたんだろ?そして勝手に信用して着いてきた。ディアベルはお前にお願いでもしたのか?ついてきて下さいって、してねぇんだろ?だったらお前らが勝手についてきただけの事だ、裏切られようが何があろうがついてきたお前らが悪いだろ。」

 

キバオウ「それは!...」

 

キバオウは黙り込む。まぁ正論言われたらそうなるよな。俺もそうなるわ。

 

ハチ「...運が悪かったな、自業自得だ。んじゃ、アクティベートしてくっかね。」

 

そう言って俺は2層に歩き出す。その後ろを15人+エギル(黒人の斧使いの人)+ディアベルがついてくる。その後ろではまだキバオウ達は俯いていた。

まぁ、しゃあないな。自業自得だもの。

 

 

 


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