俺たちのギルドとキバオウたちのギルドが合併してから1週間が経った。
俺たちはこの一週間、リンドたちのギルドと話をしたり、全員のレベリングなどをして、25層攻略のための下準備をしていた。
そして、今日はその25層攻略の攻略会議の日である。
「あー、みんな集まったか? よし、とりあえず攻略会議を始めるか。
まず、はじめに、、、、」
と、俺の号令によって始まった。
そして、
「よし、じゃあパーティーを組んで「済まない、ちょっといいだろうか。」ん?」
と、パーティーを組もうとした時、誰かに声をかけられた。
「えっと、誰だ?」
「私はヒースクリフ。攻略会議の場所はここであっているだろうか」
「ああ、合っているが...」
「そうか、まず初めに、遅れてすまない。私のギルド『血盟騎士団』のメンバー30名もボス攻略へと参加させて頂きたい。」
と、ヒースクリフと名乗る男の後ろから同じような色合いの制服を着た奴らが後ろから出てきた。
「ふざけるな!遅れてきてお前たちも攻略に参加させろだと?」
と、リンドたち。
「落ち着けリンド。ヒースクリフとか言ったか?ボス攻略は遊びじゃない。命懸けだ。それをわかってここに来たんだろうな?」
「ああ、もちろん。」
「そうか、じゃあ聞かせてくれ。お前らレベルはいくつだ?俺たち攻略組は30後半がほとんどだ。それよりも低かったらただの足でまといにしかならない。」
「フッ、私たちのレベルか。私のギルド『血盟騎士団』の平均レベルは38だ。」
は?
ザワザワザワザワ
嘘だろ?38が平均だと?
「そんな馬鹿な!お前らは前回の攻略にいなかったはずだ、なのに一気にそんなにレベルが上がるはずがない!」
「ならば、私と手合わせするかい?」
と、ヒースクリフ。
「私の実力が君たちと同等かそれ以上なら信用してもらえるだろうか。」
実際、ヒースクリフも前回までの攻略にはいなかった。
なら、ヒースクリフが俺たちと同等かそれ以上の実力だったら、信じるしかないだろう。
「分かった、俺が相手をする。」
と、俺は前へ出る。
「ハチくん!?」
と、うちのギルドの奴らは驚いているが、ここでレベル最高の俺が出れば大体の実力は分かるはずだ。
「よろしくお願いしよう。OTFのリーダー。」
「ああ。」
こうして俺とヒースクリフの決闘が始まる。
「いくぜ朔夜。」
「了解です、マスター。」
そう言って刀へと変化するサクヤ。
「ほう、そんなものがあるのか。」
「驚かないんだな。」
「いや、内心は驚いているさ。」
こいつはどこか怪しい。
俺は警戒しつつ、構える。
ヒースクリフも盾を構えた。
そして、決闘スタートの合図がなる。
俺はそれと同時に走り出した。
「速い!」
と、観客は叫ぶが、ヒースクリフは動じていないように見える。
「はぁぁ!」
と、俺は刀を振るが、盾にとめられる。
それからは同じような攻防が続く。
俺が速さでヒースクリフの後ろをとるが、ヒースクリフはそれに反応し、縦で防ぐ。
それの繰り返しだった。
「ハァハァ」
「これで信じて貰えたかねハチ君。」
信じるしかないようだ。こいつの実力は本物だ。
だが、このデュエルは負けるわけには行かない!
「これで決めてやる、ヒースクリフ。 暁流 型付 拾ノ型 『天舞 朧夜』」
と、俺は今出せる全力のスピードでヒースクリフとの間合いを詰める。
そしてそのまま横凪に刀を振る。が、盾に防がれる
「その攻撃は見飽きたよハチ君。」
と、ヒースクリフは言う。
が、俺の攻撃はまだ終わりじゃない。
盾に防がれた時の反動を活かし、そのままヒースクリフの後ろへと回る。
「何!?」
そしてガラ空きの背中に一太刀を加え...!?
るはずだった。が、俺の刀は止められ、逆に俺は攻撃を食らっていた。
「は?」
おかしい、今のは俺の勝ちだったはずだ。
あそこからの方向変換で、俺の刀を止めるなんて人の動きでは無理だ。
...ヒースクリフ、こいつは怪しい。
何かを、重大な何かを隠してやがる。
と、俺は決闘に負け、ヒースクリフの怪しさを悟ったのであった。