最近リリースされて崩壊3ndのクオリティーの高さにビックリしました。
では、どーぞー♪
「本日付で着任しました電なのです。」
「同じく鳳翔です。」
「ああ、楽にしろ。」
電と鳳翔は樹の時と同じように待っていた大淀に執務室に案内されて挨拶を終えた。
「大淀。」
「はい。」
「皆に紹介したい。時間は作れるか?」
「少しお待ちください。そうですね…30分程で夕食ですのでその場でいかがでしょう。」
「もうそんな時間か。では、そうしよう。先に行って皆に伝達を頼む。」
「かしこまりました。」
大淀は樹に敬礼した後二人の艦娘を心配そうに見つめていたが執務室から退室する。
それを見届けた樹は頭にかぶっている帽子を脱いで二人の前に立つ。
その顔は俯いており、顔色を伺えない。
「…」
「司令官?」
「ふふっ♪」
なにも言わない樹に電は首を傾げて鳳翔は優しく微笑みを浮かべるだけで樹の出方を待っている。
「……ぐずっ…電ぁぁ!おかーさーん!!」
「あわわ!?」
「あらあら♪」
樹は顔をあげると先程までの鋭い目付きはなくその目には沢山の涙が溢れんばかりに浮かんでおり、二人に凭れるように抱き付いて溜まりに溜まった涙が決壊してその頬を濡らす。
今では周りの人からは【女帝】と呼ばれている樹は元々は引っ込み思案で泣き虫な女の子だった。
しかし、樹は変わり一時期は無理がたたって過労で倒れるなどを繰り返すが樹の初期艦である電と初めての建造で出会った鳳翔に諭されて二人の前だけは本来の自分をさらけ出せるようになった。
そんな樹に抱き付かれた二人は樹をしっかりと抱き止めて電は頭に鳳翔は背中にと手を回して樹をなだめる。
その顔には慈愛に満ちた笑みを浮かべており、樹は二人の腕の中で泣き続ける。
「いーちゃん。どうしたのですか?」
「そうですね。ゆっくりでいいから話してください、ね?」
「ん…ぐずっ、えっとね…わかってたけど、ね…皆ね…怒ってて、恐くて、恐くて、それに……不安で、いっぱいいっぱいで、でも頑張らないとね、いけないから…。」
「そうですか…樹ちゃんは沢山頑張って偉いですね。」
「そうなのです。いーちゃんは偉いのです♪」
「うぇ、うわぁぁぁん!」
二人が優しく諭すと樹は更に泣くので二人とも少し困った様な顔をする。
「よしよしなのです。」
「致し方ありませんね。少しだけこのままにしてあげましょうか。」
「なのです。」
二人は泣き続ける樹を暫くの間宥め続けた。
「ぐずっ、スンッ…ん、もう大丈夫。いつもごめんなさい。」
「お気になさらなくていいですよ。」
「そうなのです。」
「ありがとう。」
10分程で樹は泣き止み二人から離れて頭を下げる。
二人はそれに笑顔で答えて樹を見つめる。
それに対して樹も笑顔で返事をする。
「それにしても今回は男装までして困った人なのです。」
「ごめんなさい。でも、あの日から無理してでも頑張るって決めたから。」
「あの日…あの子が沈んだ日ですね。」
「うん。」
三人の間に気不味い空気が流れる。
「電…。」
「いいのです。お姉ちゃん…雷お姉ちゃんの事は仕方なかったのです…だから謝らないで欲しいのです。」
「……うん…わかった。」
パンパン
「では、そろそろお時間ですから食堂に向かいませんか?」
しんみりとした空気を打ち消す様に鳳翔が手を叩いて提案する。
「んっんん!わかった…では、案内しよう。」
「「はい(なのです)」」
――――――――――
「暁型四番艦電、本日付で着任したのです。よろしくなのです。」
「同じく鳳翔型一番艦鳳翔着任しました。よろしくお願いします。」
樹の時とは違って二人が自己紹介をすると至る所から拍手が起こり皆歓迎している様だ。
樹は仕方ないとはわかってはいたものの余りの違いに少し悲しくなるがそれを顔には出さない様に努める。
「二人は元々は私のいた所にいた艦娘だ。仲良くしてくれ。それと、鳳翔も料理が出来るから間宮を加えて二人を軸にしてローテーションで皆にも参加をしてもらう。まあ、最初は日替わりしか無理だがゆくゆくはある程度のレパートリーから選べるようにするつもりだ。以上だ。」
二人の紹介が終わり、それぞれ行動をし始める。
その中でも二人を取り巻くように集まる艦娘達を横目にまだ食の改善がなされていないため仕出し屋から取り寄せた弁当を食べ始める。
味は悪くないが正直いつも二人の作るご飯を食べていた樹からすると物足りない。
しかし、樹と電に鳳翔を除く皆久しぶり…中には初めてまともな食事をしている艦娘達はある者は喜び、別の者は泣きながら一心不乱に弁当を食べる。
「良かった…。」
「嬉しそうですね。」
「鳳翔か。」
「はい。」
いつの間にか隣に腰掛けていた鳳翔が樹と同じ様に皆を眺めている。
その目は慈愛に満ちた眼差しでまるで娘をみる母親の様であった。
「ふぅ…やっと解放されたのです。」
「お疲れ様です。」
「だな。」
ヨロヨロと電も樹を挟むように鳳翔とは反対側に座る。
三人でご飯を食べていると駆逐艦に囲まれていた天龍が樹の前に歩いてくる。
「…提督。」
「む…どうした?何か問題があったか?」
「いや、ちげぇよ。なんだ…その、チビどもも喜んでてさ…なんつーかあれだ………あ…ありがとよ…。」
樹のことを初めて【提督】と呼び、天龍は顔を赤く染めて頭を下げてお礼を述べた。
その言葉に樹は嬉しくて自然と笑顔になって優しく下げられた天龍の頭を撫でる。
「ああ…。皆が喜んでくれるのは私も嬉しいからな。礼などいいさ。」
「くっ…恥ずぃぜ。」
「フッ…いつもは面倒をみてる側なんだ。たまにはこう言うのもいいだろう。」
その光景を見てる電と鳳翔も口を挟まずに優しく微笑みを浮かべて眺める。
「ちっ…そう言えばよ。自分で撃ち抜いた足だけどよ。なんか困った事があれば言えよ?」
「あ、ああ…ありがとう。」
天龍はやはり恥ずかしいのか頭を上げて樹の手を逃れてから思い出した様に樹を気遣いその場を後にする。
しかし、天龍は気付いていない。
天龍が樹にとって核爆弾をも凌駕する程の爆弾を放り投げたのを。
「「提督?」」
「………はい…。」
二人を横目で確認すると先程と同じ様な笑顔だが纏う気配が全く違っており、樹は逃れられないのを確信する。
「今夜お話がありますから…夜に伺いますからね?」
「そうなのです。とっても大切なお話なのです。」
「……はい。」
笑顔で細められて目から除く目にはハイライトは灯っておらず、かなり怒っているのは明白であり…樹は項垂れるのだった。
その夜に予告通りに樹の部屋に来た二人はまず樹を問いつめて叱り、笑顔のまま傷の確認と称して樹の衣服を全て剥ぎ取り体の隅々まで調べられて終わった頃には裸のまま布団の中でしくしくと泣く樹とつやつやの鳳翔にホクホクの電が満足そうに笑みを浮かべたまま三人で川の字で眠った。
「…もう、お嫁にいけない。」
―続く。
読んでいただきありがとうございました!!
さあ…ナニがあったんでしょーねー(笑)
おかーさんかわいーよー♪