ヨン様の元だけは嫌だった   作:野山林檎

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うーん……バレンタインデー関係ないね。

それでは、どうぞ!


バレンタイン02

 

 さて、どうしたもんかね。剣八は一護に取っておきたし………逃げる?でも、またどっかで会いそうだし……

 

『丁度良い。ちょっと闘っていけや』

 

『いや~そのぉ…………』

 

 ほんとに闘っちまうか?いやいや、絶対怪我するし……あっ!そうだっ!

 

『今度、卍解して闘ってやるから今回は見逃して!!』

 

『……』

 

『頼む!』

 

 ひたすらお願いする。頼む!戦闘馬鹿であってくれ!

 

『おもしれぇ!ぜってぇだぞ!』

 

 そういって、剣八は去って行きましたとさ……。剣八ってこんなキャラだったっけ?まぁ、いいや。おかげで助かった訳だし。

 

 さてさて、仕方が無いからルキアんとこ行くとしますかねぇ……。

 

『待てっ!』

 

『ん?』

 

 おやぁ……振り返った先には……砕蜂ではありませんか。やだなぁ。どうして、こう……隊長格のオンパレードなんだろ。

 

『はぁ……で?なに?』

 

『お前を殺すっ!!』

 

 はぁ、もうここまでくるとリアクションにも疲れてくるよね。

 

『黙りたまえ貧乳君』

 

『なっ……!?なにをいっておるのだ!!』

 

 腕を体の前で交差する砕蜂。もう、こいつは精神攻撃だ。

 

『うるさい貧乳』

 

『だっ……』

 

『貧乳』

 

『……』

 

 そろそろかな?

 

『ひ』

 

『わかった!わかったからもうやめてくれ……』

 

 うん。泣き出したね。仕方が無い。闘いたくないんだ。どんな卑劣な手段だったとしても仕方が無い。

 

……頭が痛い。まだ、空が夕焼け色に染まっている。あと、何時間耐えればいいのだろうか。

 

 

 

 今、俺の前にいるのは白哉。それも、卍解してる。ここが、俺の頑張りどころだ。時刻は多分朝の四時。こんな時間になってもしつこく襲ってくるのは白哉だけだ。

 

 多分、よっぽど嫌だったんだろう。闘わずに逃げられるのは。こいつもこんなキャラじゃなかったと思うんだけどなぁ……。

 

『兄よ。なぜこんな事をした』

 

『なぜって……』

 

 そんな話、昨日もしなかったっけ?

 

『今までに、誰も兄の斬魂刀によって傷つけられた者はおらぬ』

 

 そりゃそうだ。ここで全開戦闘したら今後のストーリーに響いちまう。

 

『ならば、なぜそのような心を持ち合わせながらこのような行為に及んだ?』

 

 俺のそんな理由を白哉に話すわけにはいかない。けど、説明しないわけにも……なぁ。

 

『俺は、俺の信じることをするまでなので』

 

 かっこよく決めてみたけど……実際には白哉とは闘わざるを得ない。せめて、怪我を少なく済ませよう。そんな自信を持てるくらいに俺の卍解は強いのだ。そして、修行によって俺の技術も向上中だ。

 

『そうか……』

 

サァァァ

 

 と、まるで白哉の心を移しているかの如く桜の花弁が渦巻く。

 

 それに対して、俺は既に限界を迎えつつある。卍解を維持しているのもそろそろ無理だろう。せめて、一撃で気絶させる。

 

チャキン

 

 刀を鞘に収める。抜刀術の構え。

 

『行くぜ』

 

 刀を鞘ごと腰の後ろに持ってくる。

 

『シッ!!』

 

 全力で地を蹴り、気合と共に一閃する。だが、

 

『甘い』

 

 白哉の体に一切のダメージはない。普通なら、失敗だと思われる一撃だ。

 

 俺に向けて、桜の花弁が放たれる。それらは俺へと迫り……その身を切り刻む…………

 

『……なに?』

 

 ……ことは無かった。

 

『なぜ斬れぬ』

 

『よくよく、花弁を見て見ろよ』

 

『……』

 

 警戒しながらも、見てみる。すると……

 

『……っ!?』

 

 やっと気づいたみたいだ。

 

『……霜……だと?』

 

 そう、俺は白哉自身を狙ったんじゃない。花弁だけを狙ったんだ。すれ違う時に、全ての花弁を柔らかくて、弾力のある霜で覆った。これで、攻撃力は一切無くすことが出来るというわけだ。

 

聖霜刃(せいそうじん)

 

 同様に、俺の刀も霜に覆われている。そんで……

 

『すみません』

 

 白哉が霜に気をとられている間に首元を一閃。無論、霜で覆われているからダメージはなし。だけど、意識を奪う位のことは出来る。

 

 これで今は早朝だ。あと何時間……

 

ズキッ

 

『うっ……』

 

 やべぇ……今の聖霜刃で限界だったかもしれない。視界が……歪む……。

 

ここで、俺の意識は途切れてしまった。

 

 

~浮竹~

 

 俊弥くんの霊圧が高まった地点へ来てみると、そこでは朽木隊長と俊弥くんが倒れていた。相打ちかと思えば、朽木隊長の体には一切の外傷はない。恐らく、俊弥くんが気絶させたのだろう。俊弥くんは……前言っていた卍解の副作用ではないかと思われる。

 

 取りあえず、俊弥くんを京楽の元へ運んだ。その後、朽木隊長を四番隊隊舎へと運んだ。理由は……戦闘によるものだと説明した。

 

 未だに、俊弥くんの意識は戻らない。恐らくは、薬かなにかが必要なのだろう。

 

 

 

『やぁ浮竹。待ってたよ』

 

『悪い。遅くなった……どうした?顔色が悪いぞ?』

 

 いつもよりも心なしか顔色が悪い。

 

『あと少しで、朽木副隊長の処刑が始まるそうだ。けど……』

 

『けど?』

 

『先程、遂にやってきたよ。俊弥くんのお仲間達が』

 

『それは本当かっ?』

 

 それならば、話ははやい。

 

『あぁ。真っ直ぐ双極に向かっているそうだ。やっと出番だね』

 

『そう……だな』

 

 しかし、本当に双極に辿り着けるのか。

 

『彼らが双極にたどり着く前に倒されてしまう可能性は?』

 

『いや、どうやら俊弥くんがかなりの数を減らしてくれたみたいだね。なにをしたのかは知らんが、砕蜂隊長、市丸隊長、東仙隊長、雛森副隊長。皆、俊弥くんしか眼中にないみたいだ。朽木隊長はそもそも気絶してるしね』

 

『あぁ……』

 

 一体、俊弥くんはなにをしたのだろうか。ともかく、自分達、味方の日番谷隊長を除いて、5人の隊長格が俊弥くんの仲間を襲う心配が無いのならば無事にたどり着けるのだろう。

 

『んじゃ、僕達も行くか。浮竹、“あれ”頼んだぞ』

 

『任せろ』

 

 俺達も、双極破壊に向けて動き出した。

 

 

 

~京楽~

 

 俊弥くんが消えたことにより、問題なく処刑が実施されることになった。取りあえず、いざこざがあった隊長格も皆集まっている。

 

『あなたの影は 密やかに 行くあての無い 毒針のように 私の歩みを縫いつける あなたの光は しなやかに 給水塔を打つ落雷のように 私の命の源を断つ』

 

 ……始まった……山じいの掛け声で双極の矛が火の鳥へと変わる。

 

 このままではまずい。まだ、俊弥くんの仲間が来ない。

 

 こうなったら僕が……と斬魂刀に手を賭けたところで、“彼”は現れた。

 

(おいおい……)

 

 どこからかやってきた“彼”はこともあろうか片手で握った大振りの斬魂刀で止めた。斬魂刀100本にも値する双極を、だ。オレンジ色のツンツンした髪。俊弥くんから聞いた特徴に正しく当てはまる。

 

 恐らくは、2発目は耐えられないだろう。だけど、双極が二回目の攻撃態勢に入ったところで浮竹が間に合った。ここらは、僕の出番だ。

 

『よう、色男。随分待たせてくれるじゃないの--』

 

 浮竹が持ってきたか“それ”で双極を破壊する。その隙に、オレンジの彼が朽木副隊長を縛り付けていた磔架を破壊する。

 

『お久しぶりっスね。京楽隊長に浮竹隊長』

 

 僕達の横から出てきたのは……何百年も前に追放された元十二番隊隊長、浦原喜助だった。

 

『浦原隊長……』

 

『“元”っスよ。……浮竹隊長、これを』

 

 そういって、差し出してきたのは二つの小瓶だった。

 

『これは?』

 

『一つは、頭痛薬っス。痛みを和らげてくれます。もう一つは、簡単に言えば頭痛を可能な範囲で未然に防いでくれるものです。……アタシには今の俊弥サンの状況が分かりません。なので、必要に応じて使い分けてください』

 

『……分かった……が』

 

『……?』

 

 そう、薬を貰っても今は使い分ける事が出来ないのだ。なんせ……

 

『まずはこっちの相手をしなきゃ……ね』

 

 僕が見ている方向を浦原元隊長も向く。そして、理解したようだった。

 

『そうっスね……』

 

 卯の花隊長と山じい。どちらも、恐ろしく強い。なら、することは一つ。

 

『浮竹……お前は行け』 

 

『……なっ?なにを言ってるんだ!』

 

 しかたがない。そうするしかない。

 

『そうっスね。行って下さい、浮竹隊長。……京楽隊長、アタシが卯の花隊長を……』

 

『んじゃ、僕が山じいか……。早めに戻ってきてくれよ?』

 

 勝つことは出来ない。でも、浮竹が俊弥くんに薬を飲ませて戻ってくる時間だけなら……。

 

『……わかった』

 

 悩んだ様子だったが、ちゃんと言ってくれた。さて、それならまずは山じいと卯の花隊長を分断しなきゃ。

 

『よぉし。んじゃ、逃げますか!』

 

 瞬歩で可能な限り遠くへ逃げる。ちゃんと、山じいも着いてきてくれるようだ。周囲に被害が及ばない場所まで来ると、山じいも見事な速さで着いてきた。

 

『ここからが本番だね』

 

 遂に、僕は山じいと直接対峙した---。

 

 

 

 

 

 

 




もはやバレンタインデーでもない日に投稿して、なおかつ内容すらバレンタインデーじゃない。タイトル詐欺やね。

読んで下さりありがとうございました。
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