入学式当日
俺、鑑 純次には年の離れた兄がいる。
兄は昔とある出来事で有名になった。
一部では強烈なファンができたほどだ。
兄の功績を知るものは未だに彼を自分達の陣営に引き込もうと手を尽くしている。
もっとも兄はちっとも興味がないと全て断っているが……。
「ん?
そろそろ着くな……」
俺は隣で寝ているあにを起こす為肩を揺らした。
「兄さん、起きて!!
もう着くよ?」
「う、う~ん……ハートマン兵長……後は任せた……」
「誰だよ、ハートマン兵長って!?」
「知らないの?
まだまだだな。
そんなことではディープなオタク武偵にはなれないぞ?」
「いや、別に武偵になる気さらさらなかったんだけど……」
「甘い、氷砂糖より甘い!!
武偵少女カガミンを知らないのか~!!
今巷で大人気の土曜午前アニメにして監督は―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――(省略)」
「兄さん、とりあえず降りよう?」
モノレールを降りた俺達兄弟は武偵高に向かった。
ここが武偵高か……。
目の前にある巨大な学校を目の辺りにして俺も兄さんも圧倒されていた。
「まずは……教務科に行くか……」
「ああ……誰か知ってそうな奴に聞くか?」
「うん、えっと……。
あっ」
ちょうど俺達の横を通り過ぎた女生徒に話しかけた。
「ごめん、ちょっといいかな?
教務科ってどこにあるの?」
そう聞くとその少女は手に持つ鞄を地面に落とした。
――ドサ「ま、マスターズ?
あ、あそこに行く気なの?
や、やめた方がいいよ?」
そういった彼女は何故か震えていた。
「嫌でも……兄さんが用事があるから……」
「そう……わかったわ。
でも……死なないでね?」
となんだか不吉な言葉を残して教務科の場所を話すとすぐに駆け出してしまった。
「何でたかだか職員室の場所を聞いただけであんなにビクついているんだ?」
「さぁ?
銃器を持った教師がいるのかもな?」
などと兄さんは冗談めかした口調で言った。
……それが冗談ではなく実際に迷惑教師が存在しているとは露知らずに。
教師科と書かれたプレートを見つけ、ノックをしてから戸を開けると。
「失礼し「ドゴォン」うわっ!?
ぎゃあ~撃たれた!!
死ぬ、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ~!!」
いきなり銃撃された。
「お、おいおい……ガンゲーか?」
「いや、リアルの銃撃だよ!?
生きてた……奇跡だ!」
「うん?
なんだ……お前達は?」
中からタバコを吹かした女教師が出てきた。
「あ、あの……今日からこの学校に入学する鑑 純次と兄の純一郎です。
兄は今日から臨時講師に着く予定です」
「ああ……そんじゃあ、お前らがあの鑑兄弟なのか?
まさか……本物が来るなんてな……まあ、いい……入れ!!」
中に入ると女教師の他にもう一人女教師がいた。
その教師の手には銃が握られている。
「で……こんなところに二人そろって何のようや?」
関西弁を話す女教師は銃をこっちに向けながらまるで何かを探るような視線を向けて話しかけてきた。
「蘭豹……脅すのはやめときな。
どうやら二人とも白よ!!」
「なんや~。
つまらんな……」
「それで二人そろって何故教師と武偵になりに来たんだ?
お前ら程ならもっといい職に着けるだろ?
二人そろってIQ230オーバーの超天才なんだから……」
そう俺達兄弟は昔は天才だと呼ばれていた。
兄さんと俺はそれぞれある秘密道具を二人そろって作りだしていたからだ。
「『どこでもドア理論』と『スモールライト理論』……二人が発表したこの理論のせいでどれだけ科学が進歩したか……。
それが何故この学校に?」
「いや~。
いろいろありまして……」
「ネイチャーとサイエンスに載った二人が来るなんてな……。
まぁいい……お前、弟はどの科だ?」
「はい……情報科に入ります。
たまに装備科に自由履修で出入りしようと思いますが……」
「ふ~ん……情報科ね……。
わかった……校長には私から伝えておく。
もうすぐ入学式が始まるから速く行け!!」
そうタバコを吹かした女教師に言われ俺は一人で入学式に向かうことにした。
◇
「さて、鑑先生にはまずここのルールを教えるか……」
そういい手に銃……グロック17を出した女教師。
「リアルサバゲーか?
待て待て……こっちに銃口を向けるな!!」
純一郎はすかさず教務科から飛び出して校内を逃げ回った。
背後から銃撃されたが『弾道予測』をし、被弾しないように逃げ回る。
屋上に来ると……何やらいい感じの歌声が聞こえてきた。