うぇーい…画力ないのにorz
リクエスト消費してる時に気づいたんだけど…周りに王馬君の事が好きな人が多い。
お陰で、資料見なくても大雑把に描けるようになったよ…。
そんでもって、今回はお兄ちゃん暴走させちゃった(笑)
別に後悔はないよ。
ほら、いつもの僕のおふざけだから。
「はーなーれーろー!」
ぐぎぎぎっ…と腕に力を込めて、腰に纏わりついた腕を離そうとアタシは必死になっていた。
理由?
本能が、なんとなく逃げろって言ってるからかな。
「入間ちゃんが『うん』って言ったら、ちゃんと離すって!」
そう言って、アタシの後ろから更に腕に力を込めて抱きついてくる王馬。
ホントに止めろ。今すぐ離れろ。
さっきから、頭の中で警報がガンガン鳴ってるから。
ていうか、なんで校舎の廊下でこんなやり取りをしないといけないんだ。
「いいから、離れろって…!」
少しでも抜け出そうと抵抗するも、王馬の方が力が強くて中々抜け出せない。
もし、こんな所を茶柱に見つかったらどうなると思ってるんだ。
確実にアタシごと、投げ飛ばされるぞ。
それに、今いる廊下が食堂の前というのもマズイ。
誰かに目撃されてみろ…絶対に苦笑いされる。
…どっちも嫌な結末だ。
なんでこうなった…と、アタシはこれまでの記憶を辿る。
まずは朝食会。
いつも通り、東条が作ったご飯を食べた。
朝食後、キーボのメンテナンスをした。
まぁ…その時も王馬が騒いでた気がするけれど、キーボの研究教室にあった強化パーツとかを取り付けてたりして聞いてなかった。
そしてメンテナンスを終わらせると、アタシは購買部のガチャを回しに行った。
その時は…うん。王馬はキーボに夢中だったな。
だから、勝手にキーボに用があったんだろうと思ってた。
思い込んでたわ。
それがさ…ガチャを回し終えて満足しながら購買部を出て、コンピュータールームでみんなをゲームに誘う準備しようって計画してる時に、遭遇した王馬から「もう!勝手にどっか行かないでよねー!」となぜか怒られたうえに、逃げられないようにホールドされた。
……で、文頭の出来事である今に至るんだけど。
アタシは新手の嫌がらせでも受けているのか?
「いいから、『やります』って言えよっ!」
「なんで、オレ様が命令されてるのぉ…?」
これは、絶対に頷いたりしたら駄目なやつだ。
この状態から解放されるかもしれないけれど、後が怖いやつだ。
だったらアタシは……
諦めたように「はぁーあ…」と溜め息を吐いて、アタシは離そうと必死に力を入れていた腕を下ろした。
後ろから見上げてくる王馬と一瞬だけ目を合わせると、何もなかったようにアタシは歩き出した。
あれだ、無視ってやつだ。
そんなアタシに反抗するかのように王馬が後ろに体重をかけるから、実際にはズルズルと王馬を引きずりながら壁伝いに歩いているだけだけれど。
正直…すっっっっっごく、歩き辛い。
なんなの、まともに30㎝も歩けないとか。
亀よりも歩くの遅くない?
「ちょっ、入間ちゃん酷いよ…オレを引きずりながら歩くなんて!うわああああぁぁぁあああぁん!酷いよー!入間ちゃんが苛めるー!」
「へ、変な事言うな!勝手に引っ付いてるお前が悪いんだろ!」
大声で嘘泣きしだした王馬の声を聞いてなのか、食堂の方から茶柱とアンジーが出てきた。
…わぁ、茶柱がいるー(棒)
「何やってるんですか、王馬さん!今すぐ離れないと転子のネオ合気道がでますよ!?」
ジリジリと構えながら、茶柱が距離を詰めてくる。
これ、アタシもやられるわ。
巻き添えのパターンだな。
「あれ?茶柱ちゃんこんな所にいたの?さっき夢野ちゃんが探してたんだけどー…」
「夢野さーーん!今、行きますよー!」
今にも投げられると諦めていたアタシだったけれど、王馬のお得意の嘘で無駄に終わった。
こっちを見向きもしないで、走り去る茶柱の背を見送るアタシに、アンジーも「みんな仲良しだって、神様も言ってるよー」って笑ってその後ろ姿を見送ると、また食堂に引っ込んだ。
えっ、待って。
まさか今の仲良しって台詞には、アタシ達も含められてたのか?
アンジー、カムバック。
よく見て。
アタシ嫌がってるから。
「危なかったー…茶柱ちゃんに投げられる所だったよ」
「………」
むしろ、投げられた方が良かったのかもしれない。
心のどこかでそんな事を思い、再びまだ離れようとしない王馬を引きずりながらゆっくり歩く。
「ねー、入間ちゃん。諦めたら?」
後ろから、ニヤニヤと笑みを浮かべる王馬に「だからっ、何を!?」と思わず叫んだ。
まだ昼前なのに、すごい疲れてくる。
「何って…『やります』か『うん』って言えばいいだけだって」
「なんでぇ!?」
「ほら、早く言えって!」
どこのガキ大将だよ。
理由くらい教えてくれたっていいじゃん。
それとも、アタシに知られたくない理由なんじゃ…。
「まさか…お前っ!」
ハッ…と気づいて、アタシは顔を青ざめた。
こいつ、無理矢理アレをさせるつもりか!?
今後の事を考えると、確かに王馬には必要不可欠かもしれない。
ニヤリと王馬の口元が三日月型になったのを見て、アタシは自分の考えが間違いではないと確信した。
こいつ…アタシに追加のエレクトボムとエグイサルを操縦するリモコンを造らせる気だ。
嫌だぞ。
アタシは決めてるんだから。
ボムはこれ以上造らない、エグイサルのリモコンはアタシが隠し持っておくって。
……うん、気づかなかった事にしよう。
無理矢理だけど、適当な事を言ってこの場を凌ぐ。
そして、誰かに助けてもらう。
ニコニコ…ではなく、ニヤニヤと笑う王馬を見下ろす。
よしっ、言ってやれアタシ!
「お前っ…オレ様の発明品使っても、身長は伸びねーぞ!?」
「…ゴメン、入間ちゃん。今なんて?」
真顔になったと思ったら、腕の締め付ける力が強く…って、キブギブギブ!
ふざけたのは謝るから、止めて…って、声を出す余裕もない。
どんだけ力あるの!?
参りましたとばかりに王馬の腕を叩いたけれど、それでも力が緩む事はなかった。
うわー…マジで怒ってるじゃん。
ホントごめんって。
悪気はなか……あったわ。
ていうか、これどうするの?
このままじゃホントやばい。
誰でもいいから助けて…という願いが届いたのか「何してるの…?」と明らかに困惑した声がした。
虚ろな目で声がした方を見ると、目の前に最原と天海がアタシ達を見て引きつった笑みを浮かべていた。
おい、どん引きじゃねーか。
「やっほー!最原ちゃん、天海ちゃん。見ての通り、入間ちゃんと遊んでるんだよー」
違うとばかりに、アタシは首を振って否定する。
遊んでない。
むしろ、嫌がらせされてる。
「えっと…一回離れてあげたらどうかな?」
「大好きな最原ちゃんのお願いなら、仕方ないなー」
あれだけ何を言っても離れなかった王馬がパッと手を離した事で、やっと解放されたアタシは壁にもたれた。
あー…辛かった。
「入間さん、大丈…夫じゃないっすね」
「王馬君…何したの?」
「だから、遊んでただけだってー」
可愛らしく「ねー」なんて言って王馬がアタシに同意を求めてくるけれど、それから目を逸らして「どこが?」って素っ気なく答えた。
仮に遊んでたとしても、アタシからしたら遊ばれていたって事になる。
「あれって、遊んでたの…?」
「うん。逃げようとするのを邪魔する遊びだよ」
それは遊びじゃない。
そんな嫌な遊びがあってたまるか。
「入間さんは王馬君から逃げようとしてたんすね…」
「酷いと思わない?オレから逃げようとするんだよ?さすがのオレも、これには傷つくよ…」
「むしろ、オレ様の方が傷ついたわ」
なんで…こんな目に合わないといけないの。
ただ頼まれた発明品は造らないって言っただけなのに。
……うん。
ちょっと王馬には悪いけれど、嫌がらせには嫌がらせで対応してやろう。
別に、アタシが見てみたいとかいう欲は混ざっていない。
これホントダヨー。
「なぁ、蘭太郎お兄ちゃん」
アタシが天海に声をかけると、驚いたように最原と王馬が固まった。
自分が何を口走ったのかに気づき「ち、違っ!今のは間違えただけで…!」と慌てて訂正をいれる。
今のは本気で間違えた!
「大丈夫っすよ。何も間違えてないっす」
真顔で言うな。
なんか、心配になってくるから。
「えっと…さっき、王馬が天海の事を『お兄ちゃんって呼んでみたいなー』って言っててな…」
「入間ちゃん…つまんない嘘は止めてよ」
呆れたような顔でそう言った王馬だったけれど、天海が「一回、呼んでもらっていいっすか?」って言うと、口元を引きつらせた。
だけど、すぐにいつものように笑顔になると「おにーちゃん」と語尾にハートが付きそうな猫なで声で言った。
「…無駄にあざといっすね。35点。もう一回っすよ」
何その点数。
でも、王馬は天海が本気だと感じたのか「またね、入間ちゃん!最原ちゃん!」という捨て台詞を残して逃走した。
その後を、天海は何も言わずに追いかける。
「王馬君…大丈夫かな」
「大丈夫だろ」
アタシがやられた事と比べると、まだマシだって。
多分…。
×××××
コンピュータールームの設備を1つ1つ確認していく。
1人掛けソファ、よーし。
装置、よーし。
プログラム、特に異常なーし。
後は、みんなを呼びに行くだけ。
軽い足取りで校舎内を駆ける。
あぁ、みんなどんな反応するかな?
喜んでくれるかな?
それとも、原作ゲームみたいにうざがられる?
どっちでもいいけどな。
昔よくやったピンポンダッシュをしながら、1人ずつコンピュータールームに来るように声をかけていく。
時々「なんで?」って言われたけれど、「ゲームして遊ぶぞ!」って言ったら食いついてくれた。
みんな、ゲーム好きだよね。
なんとか全員誘い終えると、アタシは楽しみで仕方ないとばかりに鼻歌をしながらコンピュータールームに戻って行った。
「早く集まらないかな~」
思わず緩んでしまう頬を両手で隠しながら、アタシはみんなが来るのをソファに座って待った。