憑依してしまった以上、救いたいと思った   作:まどろみ

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最近、友達がよくダンガンロンパの話しをします。

友達「ダンロンキャラのイラスト描こうぜ」
僕「今描いてるものとは、別物のものになるの?ねぇ、どんだけ描かせるの?」
友達「合作やろーよ」
僕「絵の雰囲気とかで、違和感凄い事になんぞ?」

友達「創作論破やってみよう!」
僕「別にいいけど…なんで?」
友達「おもしろそうだから!」
僕「手伝いぐらいは構わないけれど、書くのはキミね」
友達「マジか。頑張るわ」

僕「某テーマパークにV3のコスプレしてる人いないかな…」
友達「いないなら、自分がやるって選択もありやすぜ」
僕「言い出しっぺの法則か!?」
友達「そうそう。俺が最原君のコスプレやるから、そっちは…」
僕「あっ、なんとなく分かった。でも、やるなら秋ぐらいで。今の時期にやったら、暑すぎて死ぬ」

友達「イラストサイトで見つけたダンロンの画像を、良かれと思って送ってみました」
僕「送りすぎ。何コレ多っ……!?」

……一体、友達の身に何が起きたんだろうね?
ラインのトークまでもが、ダンガンロンパの話しばっかりなんだけど。
いや、コスプレうんぬんかんぬんは僕のせいなんだけどさ……。
それでも、なんでこうなった?


さよならダンガンロンパ②

みんなと別れると、アタシは中庭にある自分の研究教室に向かった。

エグイサルとキーボの乱闘に巻き込まれないように注意しながら、なんとか研究教室まで辿り着くと、真っ先に目当ての物を手に取った。

ゲーム時とは違って、完成されている虫取り掃除機。

 

「あれ?入間さん、それ何?」

 

付いて来てたらしい白銀が、アタシが持っている虫取り掃除機を見て首を傾げた。

完璧に1人だと思っていたから、盛大に驚いてしまった事には気づかれていないみたいだ。

……よかった。

 

「前に王馬に頼まれて造った虫取り掃除機だよ。まぁ、この通り作動させても虫なんていねーけどな」

 

「そういえば、前にゴン太君も虫を見たとか言ってたもんね…」

 

見た目は空っぽな虫取り掃除機を片手に持ちながら、アタシは目を凝らして中を見る。

うーん…ゲームのようにモノッチッチがいるとは思うけれど、やっぱり肉眼では見れそうにない。

落ち着いたら、キーボに確認してもらおう……。

 

「まっ、他の場所で使ったりしてみるか。オレ様はまた校舎の方に行こうと思ってんだけど、白銀はどーすんだよ?」

 

「うーん…わたしはみんなの研究教室を地味に見て回ってみようかな」

 

「…じゃ、またな」

 

みんなの研究教室を調べると言った白銀と別れて、アタシは再び校舎の方へと足を進めた。

 

 

ーーー虫取り掃除機をモノパッドに記録しましたーーー

 

 

×××××

 

 

校舎へと引き返し玄関ホールに戻ってくると、みんなと別れた時にはなかった大きな穴があった。

思わず「うわっ…」って言いながら穴を覗き込むと、地下へと続いているであろう階段がある。

段差を踏み外さないように降り、道に沿って歩いていくと大きな扉が目の前にあった。

ゲームの記憶では、ここは王馬の研究教室だったはずだ。

中に入ってみるとゲームで見た、いかにも悪の秘密結社という雰囲気を出す部屋だった。

 

「やっほー、入間ちゃん。秘密を知られたからには生きて帰れないよ?」

 

部屋に入るなり、真っ先に王馬にそんな事を言われた。

だったら、同じようにここにいる東条やアンジーはどうなんだ…って思ったけれど、深く考えない事にする。

 

「入間さんも来たのね。調度よかったわ。少し、これを見て貰っていいかしら?」

 

東条が差し出した本を受け取り、表紙を見る。

 

「希望ヶ峰学園…公式…資料集」

 

パラパラと中を見ていくと、希望ヶ峰学園や未来機関、絶望の残党という単語が何度も書かれており、ゲームやアニメで見た絵が写真として載っていた。

 

「およよ、アンジー達が取り戻した記憶と同じ事が書いてるよー」

 

「えぇ。私達が思い出しライトで思い出したのは、ここに書かれていた通りのものなの。だからこそ、聞かせてちょうだい。思い出しライトで思い出した事は、本当に作られた記憶なの?」

 

アタシは何も答えずに、東条達が思い出しライトで思い出したという記憶を聞く。

 

 

すべてのきっかけは、あの事件。

希望ヶ峰学園から始まった人類史上最大最悪絶望的事件。

人類にとって絶望とも言うべきその事件によって、世界は滅びる所まで追い込まれた。

そんな人類史上最大最悪絶望的事件を起こしたのは、たった1人の女子高生…超高校級の絶望、江ノ島盾子。

彼女は人類絶望化のクライマックスに、世界を絶望に叩き落とす為…希望ヶ峰学園78期生によるコロシアイを企んだ。

そして、超高校級の絶望によって閉じ込められた78期生は、そこでコロシアイを強要された。

でも、そのコロシアイの末に倒れたのは、すべての黒幕である江ノ島盾子の方だった。

彼女が死んだ事によって事件は収束し、世界は復興に向けて動き出した。

それでも彼女の意志を継ぐ絶望の残党は、世界に絶望を振り撒き続けた。

対抗すべく結成された未来機関も立ち向かい続けたが、その戦いは終焉を向かえる。

それが、隕石群の衝突…。

 

「なるほどな。所々、気になるのがあったけど…まぁ、今はいいか」

 

希望ヶ峰学園公式資料集と、東条が言ってくれた相違点を見比べた後、アタシは本を閉じた。

 

「気になる事?」

 

「アンジーは特に何もなかったよー?」

 

「もしかして、さっきの最原ちゃんと同じ事かなー?」

 

…周りがなんだか騒がしいけれど、別の場所に行かないと。

 

 

ーーー希望ヶ峰学園公式資料集をモノパッドに記録しましたーーー

 

 

 

×××××

 

5階にある天海の研究教室に行ってみると、最原・天海・夢野・茶柱の姿があった。

それだけなら良いんだけど、なんか…4人揃って巨大金庫と睨めっこしてるとか、なに?

実際にこの部屋に入ったのは初めてだけど……謎解き脱出ゲームにありそうな雰囲気だと思う。

いや、そう思っているのはアタシだけかもしれないけど。

 

「入間さん!良い所で来てくれましたね!転子達と一緒に考えてくれませんか!?」

 

「えっ、あっ…考えるって何を!?」

 

よく分からないけど、茶柱にグイグイ引っ張られて巨大金庫の前にまで連れて来られてしまった。

 

「ウチの魔法でも、開けることは不可能なんじゃ…。入間よ、ウチらの変わりに開けてくれんか?」

 

「それは難しいんじゃないっすか?」

 

苦笑いでそう言った天海に「開けれんぞ?」って告げると、最原から「えっ、分かったの?」と詰め寄られた。

 

「え?…まぁな!こ、これぐらいはなんともないんだぜ!」

 

期待の眼差しから逃げるように、金庫に向き合う。

右側のイと書かれたダイヤルには十二支を選ぶようになっていて、左側のロと書かれたダイヤルには十二星座を選ぶようになっている。

 

「この2つのダイヤルを、合わせればいいんだろ?だったら…」

 

そう言って、アタシはイのダイヤルを十二支の馬に合わせる。

すると、最原が「そうか!」と突然大声を上げた。

 

「この学園のどこかにヒントがあるって…そうか、あの文字の事だったのか!あの『いは うま』っていう文字は『イは 馬』っていう、この金庫を開けるヒントだったのか!」

 

「なんじゃと!?」

 

「それに気づくなんて…入間さん凄すぎです!」

 

ごめん茶柱。

これ、ただのゲーム知識だから。

褒めてくれるのは嬉しいんだけど、複雑だ。

 

「じゃあ、ロの方はどうなるんすか?それも、どこかにヒントがあるんすよね?」

 

「いいから、オレ様に任せとけって」

 

ロのダイヤルは双子座に合わせる。

実際に見た訳ではないけれど、ボイラー室に『ろは ふたご』と書かれていた記憶がある。

カチリと鍵が外れた音がし、金庫を開ける。

中は物が沢山入りそうなほどスペースがあったが、中に入っていたのは小さなUSBメモリだけだった。

 

とりあえず確認…ってことで、都合よく教室にあったノートパソコンに挿す。

すると、ノートパソコンの画面から映像ファイルが見つかった。

 

「…入間さん、この映像を再生してもらっていいかな?」

 

「言われなくても、そのつもりだっての!」

 

最原に言われるまでもなく、映像ファイルをクリックして再生させる。

すると、再生された映像には天海が映っていた。

驚きのあまり、誰も言葉を発さない。

そんな中で、映像の天海はゆっくりと話し出した。

 

『やぁ、どうも。今更、名乗る必要はないっすよね?……多分、この俺の姿を見て、ますます訳わかんなくなってるはずっす。だったら、まずはその説明をしておいた方がいいっすね…。まず、今この映像に映っている俺は、紛れもないキミ自身っす。この映像を録画した記憶がないのは、キミがこの時の記憶を失っているせいっす。要は、この映像って記憶を失う前の天海蘭太郎から…記憶を失った後の天海蘭太郎に向けたものなんすよ』

 

「ちょっと待ってほしいっす」

 

「んあー!なんで映像を止めるんじゃ!」

 

急に映像を一時停止させた天海に、夢野が抗議の声をあげる。

それを「いいじゃないっすか…」とあまり良いとは言えない顔色をしながら、天海は返した。

 

「混乱してるのは分かるけどよぉ…後にしねーか?一個一個考えてたって分かんねーだろ?」

 

「…そっすね」

 

なんとか同意も得たので、アタシは映像を再び再生させる。

 

『で、ここからが本題っす。どうして俺がこんな映像を録画したかって言うと…実は、このコロシアイをするにあたって、俺には特別にいくつかの特典が用意されてるんす。その特典の内の1つがこのビデオメッセージって訳なんすよ。ただし、このメッセージを見るには、モノクマが用意したパズルを解く必要があるんすけど…ま、これを見てるって事は、そのパズルは解いてるはずっすね。それと、この映像は仲間と共有できない決まりっす。近くにいた仲間がモノクマに追い出されたとしたら、その理由はそういう事なんすよ』

 

すみません、今はモノクマは多忙の為…アタシ達も見てます。

同じように映像を見ているメンバーも同じ事考えていたのか、なんとも言えない顔をしていた。

 

『ちなみに、特典はもう1つあって、それはコロシアイ開始時からキミが持っている物っす。あれを上手く使えば、そっこーでコロシアイが終わると思ってたんすけど…キミがこのメッセージを見ているって事は、オレの作戦は失敗だったみたいっすね。ま、この2つが俺に与えられた特典で、それ以外は他の参加者と同じ条件っす。今までの記憶を空っぽにして、コロシアイゲームに参加する…そういう事っすよ。ちなみに、モノクマからはとっくに説明を受けていると思うんすけど…この残酷なコロシアイは最後の2人になるまで続くっす。そのルールが何を意味するか…実は、それが一番重要な所なんすけど…』

 

その時、画面から警告音のような『ブブー!』と音が鳴り、映像に映った天海が苦笑いを浮かべた。

 

『ははっ、さすがにそれはNGワードだったみたいっすね。その先の謎はキミが解くしかないみたいっす。けど、頭のいいキミならきっと大丈夫っすよ。…あ、そうそう、それともう1つ言っておく事があったっす。実は、俺がコロシアイゲームに参加するのは、今回が初めてじゃないっす。俺は前回のコロシアイを生き残った[超高校級の生存者]なんすよ…。俺だけに特典が与えられているのはそういう事っす。あれは生存者特典なんすよ。けど、有利な事だけじゃないっすよ。キミの正体を知る者は、きっとキミを狙ってくるはずっす…要は、そいつに気をつけろって事っすね。あ、それと最後に、これだけは言っておきたいんすけど…これはキミが望んだコロシアイっす。だから、絶対に勝たないと駄目っすよ…絶対にね』

 

映像はそれで終わり、アタシに重い空気がのしかかってくる。

誰でもいい、何か喋れ。

 

「…こんな形で、自分の才能を知りたくなかったっす」

 

……余計、空気が重くなっただけだった。

 

 

ーーー天海のメッセージビデオをモノパッドに記録しましたーーー

 

 

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