今年も憑依入間ちゃんをよろしくお願いします。
(ついで扱いでいいので、僕の方もよろしくお願いします)
それでは今年お初の話しをどーぞ!
昨日は気づいた時にはお外真っ暗。
午後をずっと研究教室で過ごして発明品造りに精を出していた。
貴重な親密度高める時間を、昨日のアタシは見事に自ら消してしまっていた。
ということで、サヨナラお月様おはよう6日目の朝日。
アタシの睡眠時間は0時間なので、おはようは間違いかもしれないけれど、挨拶って大事だから。
「……腹減ったなぁ」
意識した途端切なく音を鳴らしたお腹に手を宛てながら、フラフラとした足取りで食堂に向かった。
みんなへの挨拶を手短に済ませ、アタシは東条から手渡された本日の朝ご飯を受けると「どこに座るかな…」と空いている席を探す。
だけど、その間に食堂にいる人達の目線がずっとこちらを見ていたのに気づくと、その場で後ずさった。
「あの…入間さん。昨日は何をしていたんですか?ずっと研究教室にいたみたいですが…」
ご飯を食べる必要がなくても律儀に食堂に顔を出すキーボが、昨日アタシが研究教室に籠もって何をしていたのかと問いかけてくる。
それに同意するように、周りが頷いてきたので「発明品造ってたけど…」と答えながら空いていた端っこの席に座った。
えっ、何これ怖っ。
昨日の夕飯に食堂に行かなかっただけでこんなに見られるの?
おかしくない??
「ほ、ほら!やっぱり王馬さんの嘘たったんですよ!これだから男死はっ!!最原さんと入間さんが夜逃げしたなんて!」
「………………………………………………はぁっ!!??」
茶柱の口から告げられたとんでもない単語に、思わず大声をあげた。
えっ?誰と誰が夜逃げしたって?
してねーよ!?
「えー?でもやろうとしてたのは本当だよ?」
そしてサラリと追加される嘘。
お前ちょっと一度黙ろうか!?
「おはよー…あれ?みんなどうしたの?」
まだ眠たいのか、欠伸をかみ殺しながら食堂に入ってきた最原だったが、食堂の雰囲気がいつもと違う事に気づいたのか首を傾げていた。
「気にする事ねーぞ、終一!」
「え?うん…」
聞いてしまったアタシは気にするけどな。
×××××
朝食会を終え、特に目的地もなくブラブラする。
もう6日目という事もあってか、一緒に時間を過ごす人を既に決めて話し込むという早業をしている人がいるけれど、羨ましいなんて思っていない。
すれ違うたんびに恨めしそうに見てはいない。
……そんな事してない。
「カジノ行こうかな……」
ギャンブルでもして落ち着こう。
……本当はこんなストレス発散は駄目なんだけどさ。
カジノのコイン何枚残ってたっけ。
ゴソゴソとポケットを探って出てきたカジノコインは5枚。
全然ないじゃん…。
「…アンタ、またあそこ行くつもり?」
近くを通りかかった春川が、呆れたようにそう言ってため息を吐いた。
「文句あんのかよぉ…」
「別に……ただ…」
おずおずと差し出されたデートチケットに、思わずアタシは飛びついた。
「夜のトレーニングの時に聞いたんだけど、まだ相手すら決めてないんだって?どうするの?あと4日しかないけど」
中庭のベンチに座るなり、早速痛い所をつかれた。
最原め…昨日の研究教室での事、チクリやがったな?
トレーニングの時って事は、百田も知ってるな?
「だって、みんな最原にゾッコンだし…。それに比べてオレ様なんて……」
一部に好かれている程度だしなぁ…。
でも、早く決めないと記憶を一部消す発明品作ったとはいえ、赤松と卒業…なんて事になりそうだし。
「私は、アンタさえ良ければ……」
アタシを見向きもせずに、何か言い出した春川は多分…百田と卒業するんだろうなぁ。
「オレ様なんて誘って良かったのかよ?百田を誘った方が………いひゃい」
百田の名前を出した途端、なぜか頬を引っ張られた。
解せぬ。
「勝手に決めつけないで…」
「ひょうはいれふ…」
目が暗殺者の目になってるー…。
照れ隠しもここまで来たら、微笑ましい通り越して怖いだけ。