八幡side
新入生入学から1週間が過ぎた。あれから何事もなく授業と稽古の毎日で、俺も《鳳凰星武祭》に出場するために鍛錬を重ねていて、パートナーは陽乃さんである。
理由としては、陽乃さんのスタイルは合気道を中心とした接近戦であり、その中に俺の武術を取り入れている。陽乃さんは接近戦で、俺はそのアシストというスタイルでいくから、陽乃さんがちょうどいいのだ。
陽乃さんも快諾してくれて、毎日の鍛錬がタッグなので、中々新鮮だ。
1度互いの実力を測るために模擬戦をしてみたが、陽乃さんの合気道では俺の武術にはついていけなかったみたいだったが、あれくらいの腕なら本選は普通だろうな。
陽乃「それでどう?私としてはさ、身体強化の呪符や属性付与の呪符も取り入れたら良いと思ってるんだけど。」
八幡「そうですね、陽乃さんならそれくらい簡単に扱えますしね。『稲妻蛟』や『
陽乃「へぇ〜まだ色んなのがあるねぇ。八幡くん、もしかして私たちの知らない呪法とか知ってるんじゃないの?」
八幡「知ってはいますけど、そんなの教える気はありません。危険ですからね。」
陽乃「
八幡「えぇ、星仙術に長けている沈雲や沈華でも危険ですね。そういう俺も使ってないんですけどね。」
例えるなら、暁彗が使った雷呪法最高峰の技とかな。威力もデケェ上に星辰力もかなり持ってかれる。アレは使いたくない技だよな、奥の手に取っておくんだったらアリだけど。
陽乃「じゃあ今はこれくらいがちょうどいいかもね。八幡くん、私でも使えそうな呪法があったら教えてね!」
八幡「はい。」
陽乃「よぉ〜し!セシリー!もう一回頼める〜?」
セシリー「はーい、いいですよー!今度こそ勝ってやるんですからねー!」
陽乃「私も負けないぞ〜?」
………あの2人ってなんか似てるよな。
さて、他のペアは……ん?あいつらが一緒なんて珍しいな。
沈雲「じゃあ相手から離れる時はこの動きが良いというわけですか?」
宋「あぁ。その動きなら、武術の苦手な水派でも上手く躱せるはずだ。」
沈雲「成る程、参考になりました。」
羅「この術なら、俺でも可能だと?」
沈華「はい。羅師兄なら、この術を唱えて棍につけるだけで属性が付与されると思われますよ。」
羅「そうか……すまない、時間を取らせてしまったな。おかしな話ではあるが、《鳳凰星武祭》では健闘を祈る。」
沈華「そうですわね。ですがそこはお互いに健闘を、の方がしっくりきますわよ。」
他の木派と水派もそうだが、あいつらの仲が一番悪かったからな。
そのあいつらが相談し合っている光景を見ると、なんか違和感があるな。
八幡「お前らがそんな風にしてると、なんか違和感あるな。なんかあったのか?」
宋「おぉ、尊師!」
羅「えぇ、《鳳凰星武祭》に向けて自分たちの戦術確認をしていたのですが、黎兄妹に回避動作を教える代わりに我らでも扱えるくらいの呪法を教えてもらっていたのです。」
沈雲「宋師兄たちなら、僕たちでもすぐに使えそうな技を知ってそうだからね。趙師兄に習ってもよかったのですが、彼ではきっと説明から何から何まで長くなるからね。」
沈華「それで宋師兄たちに教え、習っていたというわけよ。」
八幡「そうか……こりゃ俺たちもうかうかしてられないな。お前ら2人も序列上がってるし、本選出場は楽勝だろうしな。」
そう。
八幡「まぁ俺とお前たちのブロックは全く違うからな。本選でお前たちと当たるのが今から楽しみになってくるな。」
羅「俺たちも、尊師の服に傷でも付けられるように頑張りますよ。」
沈華「決勝で戦うのが楽しみね。」
宋「聞き捨てならないな。我らが尊師と決勝で戦うのだよ。君たちは私たちの土台になってくれたまえ。」
沈雲「ほう、良い度胸だね。比企谷くんと雪ノ下師姉の前に君たちで小手調べをしておくのも悪くなさそうだね。」
4人「…………」
仲が悪かったのは知っていたが、今では少し改善はされてるみたいだな。
しかし、決まったわけではないが、界龍の奴らと戦うのが楽しみになってきたな。
ドォーーンッ!!
セシリー「いやーやっぱり陽姐強いですねー!また負けちゃったー!」
陽乃「いやいや、セシリーも中々だったぞ〜?またお願いね!」
八幡「終わったみたいですね。術の方はどうでした?」
陽乃「うん、私にピッタリだね!」
八幡「それは何よりです。それじゃあ俺は先に戻りますね。鍛錬はこの時間までって決めてるんで。」
陽乃「そう?じゃあまたね〜!」
後で気になるペアでもチェックするか。
急激なレベルアップをした2人。
鳳凰星武祭が楽しみですね。