学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回はこんな感じです。


発覚と容赦の無い警告

 

 

雪乃side

 

 

雪乃「…………」グググ

 

由比ヶ浜「ゆきのん頑張って!」

 

小町「後もう少しで3分です!」

 

 

ブーーッ!!

 

 

雪乃「っ!はぁ……はぁ……」

 

小町「凄いですよ雪乃さん!星辰力で氷の維持、3分クリアです!」

 

雪乃「はぁ……なんとか出来たわね。」

 

 

………けれど、本当になんとかね。

 

 

由比ヶ浜「凄いよ!これなら本選に出られるかもね!」

 

由比ヶ浜「私もやっと剣に慣れてきたし、これならいけるよ!」

 

 

私たちは今、《鳳凰星武祭》に向けての練習をしているところ。小町さんはウチの序列1位【疾風迅雷(しっぷうじんらい)】の刀藤綺凛さんを誘っていたのだけど、断られてしまったので今回は不参加の形になったから、私たちのサポートに回る事になったわ。

 

 

小町「雪乃さん、次の序列戦で、40位辺りとかとやってみたらどうです?」

 

雪乃「……少し低いわね。25位辺りとやろうと思っているわ。」

 

由比ヶ浜「そんなに上げて大丈夫?」

 

雪乃「えぇ、大丈夫よ。」

 

 

こんなところで躓いてなんていられないのだから。それに早く逃げ腰谷くんの腐った顔を地面に擦り付けたいし。

 

 

小町「結衣さんはどうします?」

 

由比ヶ浜「私っ!?うーんどうしよっかな?ゆきのんくらいの力は無いから、私は60位くらいの人と戦ってみるよ。」

 

 

由比ヶ浜さん、公式序列戦は別に全員強制じゃないのだから出たくなければ出なくてもいいのよ?

 

彼女がそう言うならいいのだけど。

 

 

小町「あっ!そいえばお2人に見せたい特集があったんですよ!小町もまだ見てなくて、これなんですけど」

 

 

ネットのページは《鳳凰星武祭》についてだった。今年の優勝候補はどのペアかという予想のコーナーね。

 

 

小町「この記事なんですけど、界龍の【夢幻月影】って人が凄いらしいですよ!そういえば陽乃さんのペアがその人でしたよ。どうです?見てみませんか?」

 

由比ヶ浜「見てみようよゆきのん!」

 

雪乃「そうね、敵を知るのは当然の事だし、小町さん、いいかしら?」

 

小町「了解です!」

 

 

そう言ってから、私たちは記事の内容が載っているページを隈なく見ていた。すると最後のページに………

 

 

今年の大本命は界龍か!?彗星の如く現れた超新星!!

 

界龍第七学院序列2位

【夢幻月影】比企谷八幡

 

 

序列は譲っても威厳は負けない!界龍一の超絶美人も参戦!

 

界龍第七学院序列4位

【魔将天閣】雪ノ下陽乃

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?どういうこと?

 

 

雪乃「比企谷くんが………序列2位?」

 

由比ヶ浜「…………ヒッキー?」

 

小町「おにぃ………ちゃん?」

 

 

考えが纏まらなかった。彼が序列2位?嘘よ。何かの間違いに決まってるわ。あんな目の腐って生きているのかも分からない人が序列2位なワケないわ!何か卑怯な手でも使ったのよ!

 

 

3人全員が放心しているなかで、雪乃は姉の陽乃に通信をしようとしていた。

 

 

そして繋がった。

 

 

陽乃『ひゃっはろー!どうしたの雪乃ちゃん?そんな怖い顔して?』

 

雪乃「惚けないでちょうだい。姉さん、一体どういう事なの?」

 

陽乃『んん〜?何が?』

 

雪乃「惚けないでって言ってるでしょ!!彼が、比企谷くんが姉さんと同じ学院に居るじゃない!!どういう事なの!?」

 

 

怒鳴っているが、そんな事はどうでもよかった。姉さんは私に嘘をついていた。それも私の今1番会いたくも、憎んでいる相手を匿うような真似をして。

 

 

陽乃『あぁ、八幡くんの事?気付くの遅くない?此処に来てから1週間も経ってるのに気付かないなんて。』

 

雪乃「そんな事どうでもいいのよ。いいから答えなさい!何故比企谷くんが貴方の通っている学院にいるのよ!?」

 

陽乃『そんなの彼が界龍に転校してきたからに決まってるじゃない。』

 

雪乃「姉さん、ふざけているのかしら?」

 

陽乃『あのさ、そろそろその姉さんってやめてくれない?正直気持ち悪いから。』

 

 

姉さんの声が一瞬にして冷たくなった。それもゴミを見るような目で私を見ていた。

 

 

雪乃「ねえ………さん?」

 

陽乃『聞こえなかったの?姉さんって呼ぶのやめてって言ったんだけどな。それともこれくらいの事も理解出来ない程、頭おかしくなっちゃったのかな?まぁ別にいいや。で?八幡くんが何で界龍にいるのを黙っていたか?それが聞きたかったんだよね?』

 

雪乃「え、えぇ………そうよ。」

 

陽乃『正直に言うけど、貴方達に八幡くんを会わせたくなかったからだよ。見学の時の電話でよぉーく分かったよ。君たちは八幡くんを恨んでるってね。そんな相手に、私がわざわざ教えると思う?雪乃ちゃんも、そろそろ敵味方の区別をつけた方がいいと思うよ?』

 

雪乃「敵?味方?何を言ってるの?」

 

陽乃『雪乃ちゃんは本当になーんにも変わんないんだね。すっごくつまんない。』

 

 

姉さんの声は酷く冷たくて、私も聞いた事がなかった。

 

 

陽乃『それで?八幡くんは界龍にいるけど?用件はそれだけ?じゃあ切るよ?』

 

雪乃「っ!待ちなさい!もう1つ聞いておくわ!姉さんは知ってるの?」

 

陽乃『彼の事?知らないわけないじゃない。もう私自身うんざりするくらい知ってるよ。八幡くんには凄く悪い事をしたと思ってる。でも彼はそんな私を許してくれたよ。彼って本当に優しいよね。』

 

雪乃「姉さん、貴方は比企谷くんに騙されているのよ。比企谷くんが優しい?そんなわけないじゃない。人を簡単に陥れるような最低な人よ。だから『あのさぁ雪乃ちゃん。』………何かしら?」

 

 

陽乃『私が騙されているっていうなら、私は騙されたままでいいと思ってるよ。私はあんたに着いていくのなんて死んでもゴメンよ。そこにいる2人や隼人も八幡くんを潰そうとしているんだろうけど、それなら相当の覚悟をしといてね?私もたとえ妹だろうと容赦無しで潰すから。』

 

 

そう言われて通信が切れた。

 

 

正直生きた心地がしない。生きているのが不思議な気分だった。最後の一言、全く冗談に聞こえなかった。

 

 

由比ヶ浜「ゆ、ゆきのん……」

 

雪乃「…………」

 

 

まぁ姉さんの事だわ。私には手を出しはしないでしょう。それに、本当に節操がないのね、比企谷くんは。

 

本当にどうしてくれようかしら?

 

 

 




姉妹とは思えない会話ですね。

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