学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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開会式は大事ですからね、何事にも。


開会式と尊師の鼓舞

 

ーーーーーー

 

 

ーーー開会式直前ーーー

 

 

八幡「なぁ?俺後ろの方がいいんだけどさ、やっぱダメか?」

 

全員『ダメですっ!!』

 

沈華「比企谷、いい加減諦めなさいよ。私も含めて全員がそんな意見聞かないわよ。」

 

陽乃「そうだよ、いいじゃん!序列2位の威厳を見せるには良い機会だよ!」

 

八幡「別に威厳なんて見せるものでもないでしょう……」

 

 

現在、ペアで並ぶ際の位置どりを決めているのだが、八幡以外満場一致で八幡&陽乃ペアが先頭ということになっているのだ。

 

 

「尊師!お願いします!!」

 

「今くらいしか、こんな事出来ないんですから!お願いします!」

 

 

界龍の待機場では尊師尊師の連呼。

 

 

八幡「……あー、もう分かった!分かったからその尊師を連呼するのやめろ!呼ぶのは許可したが小っ恥ずかしいんだよ!」

 

全員『ありがとうございます、尊師!』

 

八幡「人の話を聞けっ!」

 

陽乃「あっはは!これで決まりだね。それに皆の緊張も良い感じに解けたみたいだし、そろそろ配置についてねー。」

 

八幡「はぁ………」

 

沈雲「気にする事なんてないさ比企谷くん、開会式くらいすぐに終わるから問題ないよ。」

 

沈華「なんなら私が貴方の肩でも揉んであげるわよ?雷付与がついた手で。」

 

八幡「そうか?なら頼むわ。」

 

沈華「………冗談なのだけど、真に受けるところが凄いわね。」

 

 

八幡(はぁ、早く終わってくれよ?)

 

 

ーーー開会式ーーー

 

 

八幡(いてぇ………視線が超いてぇ……今更だが、俺だけ服の色違うんだった。野郎共は紫とピンクだが、俺は黒一色に白少しだったな。ホントあのチビやってくれたな。)

 

 

八幡がそう思っている最中、最後の運営委員長の言葉が始まった。

 

 

マディアス「諸君、おはよう。星武祭(フェスタ)運営委員会委員長のマディアス・メサだ。」

 

 

八幡(うん、どうでもいいから早く終わらせて?いい加減目線がウザいから。)

 

 

自己紹介からマディアス・メサ委員長の話は続き………

 

 

マディアス「これから諸君に重要なレギュレーション変更を伝える。」

 

マディアス「従来煌式武装に制限を設けていなかったのだが、色々不都合が出てきた。具体的にいうと、自律機動する武器をどう扱うか。」

 

マディアス「武器の数に制限を設けるのは論外だ。自立起動兵器の使用を禁止すれば、この大会の衰退を招くことになるだろう。」

 

マディアス「そこで!今回に限っては代理出場という形を取ることにした。」

 

 

突然の事に辺りは騒然とする。当然八幡もこの言葉には耳を傾けざるを得なかった。

 

 

陽乃「ねぇ八幡くん?これって……」

 

八幡「はい、星露が言っていたのと関係があるかもしれないですね。それに、持ちかけてきたのはアルルカントみたいですからね、証拠としては充分ですね。これは少し警戒した方がいいですね。」

 

陽乃「私たちの次の対戦相手がその自立式擬形体(パペット)になる可能性が高いからね。」

 

 

八幡(流石陽乃さんだ、説明しなくても要領は分かっているみたいだな。)

 

 

マディアス「賢明なる諸君には、これが特定の学園を有利にするものではなく、むしろ近い将来の平等性を確固するためだと分かってもらえると思う。」

 

マディアス「そして星武祭を愛し、応援してくださっている皆さんには、これがより進化した、新たな星武祭へ繋がるものであるとご期待願いたい。」

 

 

一斉に観客から歓声が湧き上がった。あれだけの大演説、歓声がおきない方がおかしく見えるだろう。

 

 

ーーーーーー

 

八幡side

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

八幡「よう、お前ら。」

 

永成「あっ、尊師!」

 

銀梅「いらしてくれたんですね!」

 

八幡「まぁな、どうだ調子は?」

 

永成「万全です、これ以上ないくらい。」

 

銀梅「尊師、私たちやってきます!尊師をバカにしたあの2人を見事打ち倒してきますので、見ていてください!」

 

 

心意気は認めるが、これじゃあ………ダメだな。

 

 

八幡「お前ら、俺を中心に考えるな。お前らは俺の為にこの星武祭に出場したのか?」

 

銀梅「い、いえ……」

 

永成「違います……」

 

八幡「ならお前らのしたいようにやれ。今のお前らはこの1回戦を勝てばどうでもいいって顔してるぞ?」

 

2人「……………」

 

 

後はこれだな。

 

 

八幡「本選の準々決勝まで勝ち登ってこい、そこでお前たちの相手をしてやる。」

 

2人「……え?」

 

八幡「お前らの実力なら、これくらい出来るはずだ。それとも何か?お前らはそれも出来ないくらい弱っちかったか?俺の見込み違いか?」

 

銀梅「た、確かに尊師に比べたら微々たる実力ですが、私たちにだって意地があります!言われっぱなしでは終われません!」

 

永成「その勝負受けて立ちます!必ず本選に残って尊師を驚かせてみせますからね!」

 

八幡「………その意気だ。それを忘れるな。楽しみにしているからな?」

 

2人「はいっ!!」

 

 

あいつらも吹っ切れたみたいだな。さて、俺も移動しないとな。

 

Hブロックの2回戦だから……カノープスドームだったな。やれやれ移動が辛い、まぁ〜た視線を気にしながら移動しなくちゃならねぇじゃねぇか………影に潜ろっかなぁ。

 

 

 

 




フルボッコは次、もしくはその次ですかね。

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