学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回は甘さ控えめで後半はデートではないです。


2人の休日 その③

 

ーーーーーー

 

 

2人はカラオケを出た後、シルヴィアのオススメ料理店に向かっていた。それ程知れ渡っているわけではないらしく、謂わば隠れた名店という所である。

 

そんな2人だが、相変わらずのバカップルぶりに周りの人々は2人に嫉妬や羨望の眼差しを向けていた。

 

 

彼女の方は彼氏の腕に抱きついて幸せそうな雰囲気を全開にしており、

彼氏の方は彼女のしている事には無反応だが、時折微笑みかけている。

 

 

この場にいる人々にとっては、この彼氏彼女のやり取りは理想そのものであろう。

 

 

だが、人々は知らない。ここにいるのが、

 

世界の歌姫にして六花最強の魔女とも呼び声高い、シルヴィア・リューネハイムなのだという事を。

 

 

八幡「んで?その店ってのはこの辺りなのか?」

 

シルヴィア「うん、もう着くよ。」

 

八幡「そうか。」

 

 

何気ない会話だが、そこにも雰囲気があった。シルヴィアの方にも目を惹かれる人もいるが、八幡の素っ気ない返答にも羨ましく思う人もいた。

 

 

八幡「因みにそこには何があるんだ?お前のオススメって言うんなら、良い店なんだろうけどな。」

 

シルヴィア「一言で言うならチーズフォンデュのお店だよ。具材も豊富だから、初めて行った時に気に入っちゃったんだ。」

 

八幡「ほう、チーズフォンデュか……美味そうだな。少し楽しみになってきた。」

 

シルヴィア「あははっ♪私が食べさせてあげよっか?」

 

八幡「もしかしたら頼むかもな。」ナデナデ

 

シルヴィア「ふふ〜っ♪」

 

 

最早バカップルでは生温いくらいのイチャラブ激甘な2人である。それを見た周りの人々は、自動販売機に行って無糖のコーヒーを購入する程であった。

 

 

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八幡side

 

 

ーーーFromage Completーーー

 

 

シルヴィア「着いたよ!此処が私のオススメ、チーズフォンデュ専門店だよ!因みにあの店名を和訳すると、『チーズいっぱい』って言うんだって!」

 

 

うん、凄く伝わったよ。看板も匂いもチーズでいっぱいだ。ここの店主どんだけチーズ好きなの?

 

 

八幡「それはいいが、この店のフォンデュって選べるのか?俺ってワイン入ったのって食えない事はないんだが、あんまり好きじゃないんだが……」

 

シルヴィア「大丈夫だよ、それは事前に店員さんから聞かれるから。」

 

 

よし、なら安心だ。

 

 

シルヴィア「よーし!早速店内へGO!」

 

 

ーーー店内ーーー

 

 

店内へと入ってから席まで案内され、お冷やをもらって今に至る。

 

 

八幡「いや〜………チーズだなぁ。」

 

シルヴィア「う〜ん………チーズだねぇ。」

 

 

チーズに溢れてんなぁ。なんていうか、匂いすらもチーズ。

 

 

シルヴィア「凄いチーズの匂いでしょ?」

 

八幡「匂いだけで満腹になるってこういう事なんだな……」

 

シルヴィア「まぁまぁ、そんな事言わないで早く注文しよっ?」

 

 

それからはシルヴィアが一度来た事があるからか、スムーズに進み、俺が予測していた時間よりも早く料理がきた。

 

 

まぁ、食事の時は決まってする事がある。それは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「はい八幡くん、あーん♡」

 

 

これだ。シルヴィは食事となると、何処でも構わずこうする癖がついてしまったのだ。家で何度もやってるからか、あまり視線も気にしなくなっているのだろう。

 

 

八幡「あーん。」

 

 

かく言う俺も今更恥ずかしいなんて感情は一切無いんだがな。だから店でも普通にこうして口を開けられる。

 

 

シルヴィア「どう?美味しい?」

 

八幡「あぁ、美味い。」

 

シルヴィア「そっかぁ〜それは良かった!ここのチーズフォンデュ、本当に美味しいでしょ!」

 

八幡「お前がオススメっていう理由が分かった気がする。チーズなのにしつこくないし、味が残ってるから食べやすいな。」

 

シルヴィア「気に入ってもらえたのなら何よりだよ。」

 

 

それからもシルヴィアとは何度か食べさせあいっこをしてからこの店を出た。

 

 

シルヴィア「さぁて〜お腹も膨れたし、今度は何しよっか?」

 

八幡「これといってする事もなくなったな。今やってる《鳳凰星武祭》の試合を見るっていったらリフレッシュやデートとは違ってくるからな。他のにしないとな。」

 

シルヴィア「えへへ、嬉しいなぁ。八幡くんからデートって言ってくれるなんて。」

 

八幡「ん?そうか?」

 

シルヴィア「うん、だって八幡くんってあんまり自分からそういうの言わないでしょ?」

 

 

確かにそういう単語は好んでは使わないな。

 

 

シルヴィア「八幡くんなら『お出かけ』とか『〜に行く』とかそういう言葉を使いそうだからさ。」

 

八幡「まぁ、確かにそうだな。」

 

シルヴィア「でも本当にどうしよっか?」

 

 

確かになぁ………他になんかあったっけなぁ?そう言われると、本当に無いなぁ。今は星武祭で何処もかしこも大賑わいだからなぁ………

 

 

???「…………比企谷くん?」

 

???「…………マジ?」

 

???「…………八幡?」

 

???「なんと!?八幡だとっ!?」

 

 

振り向いた時にそこにいたのは、総武高での同級生で星導館の制服を着ている海老名、戸部、戸塚と、レヴォルフの制服を着てる材木座がいた。何でこいつらが?

 

 

 

 

 

 




変な再会。しかもデート中に。

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