八幡side
あれから飯を食い終わった後は、風呂に入って楽な服装(横浜で買った普通の服)に着替えて、ベッドの上で横になってくつろいでいた。ここんとこ慌しかったからな、こんな風にのんびりしたのは久しぶりかもしれない。
pipipi…pipipi…
ゆっくりのんびりしていたところ、突然呼び出し音が部屋に鳴り響いた。しかしこんな時間に誰だ?
八幡「はい、どちら様ですか?」
虎峰『八幡、虎峰です。少しお話したい事があって来たのですが、上がらせてもらってもいいでしょうか?』
………何か伝え忘れでもあったのか?授業の事なら後日書類で来るって聞いてるんだが、一体何の用なんだ?
八幡「おう、いいぞ。俺も話があったから丁度よかった。」
そして俺は扉のOPENボタンを押して、ロックを解除した。
虎峰『なら良かったです、失礼します。』
ガチャッ
入ってくると、虎峰はまだ制服姿のままだった。此処に来る時でも制服なのか、やっぱ真面目だなぁ。
八幡「まぁ、適当に座ってくれ。」
虎峰「はい、ありがとうございます。ところで、八幡のお話とは何なのですか?そちらから先に聞いておきます。」
と、座りながら俺に話してきた。
八幡「おう。明日の案内なんだが、雪ノ下さんがやりたいって言ってな。もしかしたらお前が頼みに来るかもしれないと思ってたから、行こうと思ってたんだ。」
まぁ、思ってただけで行くかどうかは分からなかったけど。思いついたのだって、今だし。
虎峰「雪ノ下師姉がですか?そういうことでしたら僕は構いませんよ、分かりました。」
八幡「ありがとな、後で雪ノ下さんに連絡しとく。俺の話ってのはこれだけだ。んで、そっちの話ってのは?」
虎峰「えぇ。実はその事について話そうと思ってたんですが、それはもう不要のようですね。」アハハ
そうだったのか……なんか悪いことしたな。
八幡「あー……なんか悪いな。晩飯の時に言おうとしてたんだが、濃い時間を過ごしたもんだから忘れてた。」
虎峰「いえ、大丈夫ですよ。僕も久し振りにあんなに楽しい夕食時間を過ごせましたので。」
この子、メッチャええ子や。こんなええ子はそんないないぞ?戸塚くらいええ子や。
………戸塚、か。今更思うことでも無いが、元気にしていると良いが………気にすることはあるまい。
虎峰「それに、僕からの話はもう1つあるんですよ。」
え、そうなの?なんかあったっけ?そう思ってると虎峰の目がキラキラ輝いていた。何でそんな目で俺を見てくるんだ?
八幡「それで、お前の言うもう1つの話ってのは?」
虎峰「車ではあれくらいしか話せなかったので、八幡の学んだ武術をもっと教えていただけませんか!?僕、あれから聞きたくて聞きたくて仕方なかったんです!!食堂では師父とセシリーと雪ノ下師姉がからかってくるから聞けなかったので、今この時間で是非教えていただきたいと思っていました!」キラキラ
この子……キャラブレすぎじゃね?武術の話になるとこうなるのか?なんかスゲェな。
八幡「ま、まぁそれくらい構わないぞ?別に秘密って訳でもねーしな。」
虎峰「はい、お願いしますっ!!」
八幡「
こんな感じの会話が約1時間くらい続いた。しかも虎峰の奴、色々聞いてくるから全然逃がしてくれねぇんだ。
虎峰「成る程……とても勉強になりました。八幡は説明上手なのですね、聞いてて凄く分かりやすかったです。」
八幡「そ、そうか?俺は普通に説明しているだけなんだが………」
虎峰「いえ、この界龍の中でも八幡のように説明できるのは殆どいないですよ。精々、雪ノ下師姉くらいですよ。」
八幡「まぁ、確かにあの人は教えるの上手そうだしな。」
虎峰「僕にも剣術や
棍術かぁ……俺も小苑さんに教え込まれてやってたなー。刀術とか双刀とか。そういやこの学院には棍とか刀ってあんのかな……」
虎峰「八幡、今の話も本当ですか?」ギラギラ
八幡「………え?な、何がだ?」
虎峰「武術だけではなく、剣術や棍術にも精通しているのですか!?詳しく教えて下さい!!」ズイッ!!
………この子、武術の事になると人変わりずきでしょ……しかも近いし。ていうか俺も口に出てたのかよ……それよりも近い近い。
八幡「分かった分かった、説明するから落ち着け。そんな嬉々として迫って来られても困る。」
虎峰「あっ!す、すみません……つい興奮してしまって……っ!!という事は、聞かせてくれるのですね!?」
八幡「あぁ、俺が理解してて説明出来る範囲でな。」
その後も1時間くらい続いたところでお開きとなった。まさかこんなに長引くとは思っても無かった………そう思って俺はベッドに入った瞬間にこう思った。
虎峰とは夜中に武術の話は絶対にしない、と。夜更かし確定だから。
なんか虎峰のキャラがブレてますが、いいですよね?