八幡side
あの2人が立ち去った後、俺たちは控え室でゆっくりしていた。今日出ているペアの観戦をするためである。
陽乃「いや〜強いね〜。今のところ負けなしだよっ!余程八幡くんの鍛錬が効果的だったんだろうね〜!」
八幡「まぁあいつらも真剣にやってましたからね。1回戦で落ちた奴らも、相手が冒頭の十二人の場合が多かったですけど、渡り合えていましたからね。序列40位くらいで他学園の冒頭の十二人クラスと渡り合えるなら充分過ぎるくらいですよ。」
実際に今回出ている永成と銀梅、宋と羅が俺が六花に来た時の冒頭の十二人クラスに近かったからな。
陽乃「じゃあ私たち界龍の冒頭の十二人はどうなの?」
八幡「難しい質問ですね。俺と暁彗の敵はガラートワースの【聖騎士】とレヴォルフのオーフェリアくらいでしょうね。他は星導館の【叢雲】と良い勝負ってところですかね。」
陽乃「どうして?1回戦のあの試合はどう見ても圧倒的に感じたけど?」
八幡「まぁそうなんですけど、わざわざあんな見せつけるようなやり方、俺ならしません。普通なら何か欠点があるとしか思えないですから。特にあの鎖のパフォーマンスは天霧自身が魔術師でもないのにあんな物が出せる時点で不自然です。」
陽乃「………確かに彼が魔術師なんて情報なかったね。」
八幡「もしあれが何か意味のある事なら、俺だったらまず時間を稼ぎますね。知らずに攻める程怖いものはないですからね。」
陽乃「凄いね八幡くん。そこまで可能性の事を考えられるなんて……」
まぁ予想ですけどね。
pipipi…pipipi…
ん?界龍から?あぁ〜多分大型端末の方から掛けてんな。
八幡「おう、どうし………マジでどうしたんだ?そんな目輝かせてよ。後ろの連中皆そうじゃねぇか。」
虎峰『八幡八幡っ!先程八幡が刀を持って回転した技は一体何ですか?』キラキラ
セシリー『陽姐も八幡も今の試合凄かったよー!八幡もあの技教えてー!』
冬香『八幡さん、差し支え無ければ先程の技の原理を教えては頂けませんか?』
暁彗『……………比企谷八幡、私にもご教授願いたい。』
星露『八幡よっ!先の試合で出した技は見事じゃったぞ!!妾にあの技を教えてはくれぬか?』
『尊師っ!ご教授お願いします!!』
………どんだけ知りたいんだよ。そんな凄かったのか?
八幡「そんなに気になるのか?ただ前に飛んで回転しただけなんだが?」
虎峰『それだけの筈がありません!あれだけの威力なのにそれだけで出せるなんて到底思えません!!』
セシリー『勿体ぶらずに教えてよー。』
うーん、んな事言われてもなー。他にないからなー。
暁彗『……………比企谷八幡、本当にそれだけでやっているのか?』
冬香『八幡さん、正直にお答えになってくださいな?』
八幡「暁彗も冬香さんもそう言ってますけど、本当にこれだけですって。大体隠す意味もないですから。」
他にあるなら俺も教えて欲しいくらいだ。
星露『八幡よ、それは嘘ではないのじゃな?本当にそれだけなんじゃな?』
八幡「なんで俺が嘘つかなきゃいけねぇんだよ。意味分からんぞ?」
星露『……皆よ、八幡は嘘をついとらん。こやつの言っている事は本当のようじゃ。すまぬな八幡、疑ってもうて。』
八幡「いや、分かってくれたならそれでいい。ついでだが、習得できる可能性があるとしたら暁彗か虎峰だな。この技は速さもなけりゃ無理だからな。習得出来るかどうかは別だがな。」
まぁこれだけでもいいだろ。
暁彗『……………私は得物は棍以外はあまり使わないが、先の回転は役に立ちそうだ。』
虎峰『僕もやってみます!』
八幡「おう、頑張れよ。」
冬香『では、私たちはこれで失礼しますね。まだ戦いの最中の方々もいらっしゃいますからね。微力ながら、その方たちの応援もしなければいけませんからね。』
八幡「じゃあお願いします。」
冬香『はい、では。』
んー、すげ〜知りたかったんだろうな。メチャメチャ聞かれたよ。
陽乃「まぁ不思議にも思うよ。あれだけの威力の技をたった回転しただけで出来るなんて信じられないからね。」
八幡「威力のポイントは別に速さや回転数だけではないんですよ。実は袮々切丸……というよりも日本刀にもあるんですよ。」
陽乃「え?どういう事?」
八幡「日本刀というのは切る瞬間に引かないと切れないといわれているんですよ。俺が回転したのはそれが理由です。後は回転することによってその切断力を倍加したというのもあります。」
陽乃「へぇ〜。」
陽乃さんは本当に感心したかのような声を出した。
陽乃「私じゃ使えないね。八幡くんみたいに速くないし、何より刀もないしね。」
八幡「俺のオリジナルなんでそう簡単にパクられても困るんですけどね。」
pipipi…pipipi…
2人「ん?」
今度は誰だ?………アレマさんだ。
陽乃「………なんて言うの?この人絶対ヤバい顔してるよ?」
八幡「言わないでくださいよ。俺もそう思ってたところなんですから。」
あー、なんて言われんだろうな。
アレマ【やーやー!八幡ちゃん!いや〜さっきの試合は凄かったねー!実に興味深いものが見られたよ!!それで?あれは一体なんだい?】
やっぱこの下りをしなきゃいけないのか。
その後も小苑さん、控え室を出た後で1人になった時にオーフェリアとウルサイズ姉妹、帰った時にはシルヴィとかなりの人数に聞かれる羽目になった。
八幡「俺もう簡単には大技使わねぇからな!」
最近ないからやっちゃおう!
本当はありえない話その7
『特撮っ!撮影後のオーフェリアちゃん』
75話『理由と予防線と【○○○】の撮影後
オーフェリア「……………」
オーフェリア「キャー!お兄さんが頼むって言ってくれたー!///」
オーフェリア「やっぱりお兄さんに頼られるって凄く良い気分になるなぁ〜。上手くいったらいっぱいナデナデしてもらえるし、やる気が出るんだよね〜!」
オーフェリア「うん!お兄さんの為にも頑張らなきゃ!」
監督「………あの、これは別に現実の話ではないんだけど?この話の内容なんだけどー」
オーフェリア「あ〜、早くお兄さんにナデナデしてもらいたいなぁ〜!」
監督「……聞こえてない。」
97話『カキツバタと鈴蘭水仙』の撮影後
ーー控え室ー
オーフェリア「わーいわーい!お兄さんに撫でられちゃったー!ふわぁ〜///」
オーフェリア「それに嬉しいなぁ、私にカキツバタかぁ。えへへ///」
オーフェリア「今まさに幸運のプレゼントを貰ったよ〜。」
※カキツバタの花言葉は【幸運は必ず来る】【幸せはあなたのもの】【贈り物】があります。
116話『偶然とイジり』の撮影後
八幡「………おい?撮影終わったぞ?」
オーフェリア「…………///」
八幡「おーい、オーフェリア?」
オーフェリア「あ、あと5分……ううん10分。じゃなくて30分くらいいいかな?お兄さん?」
八幡「おい、スゲー伸びたぞ?」
オーフェリア(しょ、しょうがないじゃん!お兄さんに抱き締めてもらう体験なんてこれを逃したらいつ巡り会えるか分からないんだよ!?今堪能しないでいつ堪能するのさっ!?)
八幡「とにかく離れろよ。」
オーフェリア「い〜や〜!!お兄さんと一緒にいるの〜!」
八幡「………はぁ、分かったよ。じゃあ10分な。」
オーフェリア「えへへぇ♪」
最後の最後まで八幡お兄さん大好きっ子でした。