学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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原作とは大分違ってきますが、物語的には似せようかなっと思ってます。


影からの警告と食い意地

 

八幡side

 

 

………あいつら、メッチャ強くなってんじゃねぇか。1回も攻撃受けねぇなんてな。次の6回戦でも良い戦いするだろうな。

 

 

虎峰「僕も鼻が高いですね!彼らが此処までやってくれると気分が良いです!」

 

冬香「虎峰さんは拳士ですからね、喜びもひとしおでしょう。」

 

セシリー「いやー、皆ホント強くなったよねー。八幡、あたしたちもうかうかしてらんないよー?」

 

八幡「その前にお前ら2人はよぉ……何で当然のように居座ってるんだ?」

 

 

俺が注意したのは、セシリーと星露の事だ。虎峰と冬香さんは勝手に人の部屋入るような人じゃない。

 

 

星露「良いではないか!此処は居心地が良いのじゃ!」

 

セシリー「あたしも気に入ってるのー!」

 

 

ならせめてお邪魔しますくらい言え。

 

 

八幡「全く……あっ冬香さん、そこの揚げ皿取ってくれませんか?」

 

冬香「はい……これですよね?」

 

八幡「えぇ、ありがとうございます。」

 

 

今日は皆大好き唐揚げにした。元から作るつもりだったが、地獄耳の星露とセシリー、元から来るつもりだった虎峰と冬香さんとで計5人分の唐揚げを作っている。まぁ大体30個くらいだ。多めに作っても大丈夫だろうしな。

 

 

虎峰「………師父、何か手伝ってはどうなのです?セシリーもですが。」

 

師父「分かっとらんな虎峰よ、偉い者は大きく構えておくものじゃ!」

 

 

この部屋の中で1番偉いのって俺だよな?だってこの部屋一時的にとはいえ俺の部屋だぞ?

 

 

セシリー「あたしは手伝おうとしたら、八幡がドン引きしてたからもうやめたー。」

 

 

うん、あん時はマジで驚いた。明日槍じゃなくて落星雨が降るんじゃないかと思った。そんくらい驚いた。

 

 

冬香「ふふっ、八幡さんのお部屋もすっかり賑やかになりましたね。」

 

八幡「何処ぞのチビがうるさく弟子になれとうるさい頃からずっとですよ。今に始まった事じゃないです。まぁ今もうるさいけどな。」

 

星露「お主っ!!今言ってはならん事を言ったな!?」

 

 

えーなんの事ー?八幡分かんなーい。

 

 

虎峰「でも、師父が戦い以外で楽しそうにしてるのは今までにないですから、僕としては少し嬉しいです。」

 

セシリー「確かにねー。前までは入門希望者で殺到だったのに、今では閑古鳥が鳴いてるからねー。偶に来るくらいになっちゃったしねー。八幡?今からでも新しい派閥作ろうよー♪」

 

八幡「作らん。」

 

 

まだ言うかこいつは………

 

 

冬香「まぁ、八幡さんが全て掻っ攫っていったというのも、あまり間違ってはいませんしね。」

 

星露「おかげで妾は退屈じゃ。」

 

八幡「だからって俺に八つ当たりすんなよな。お前の蹴り割と痛てーんだぞ?」

 

星露「妾の攻撃を全て余裕で弾いておる奴がよう言うわ!あれでも8割出しておるのじゃぞ!」

 

 

あらやだ物騒。

 

 

冬香「八幡さん、全て揚げ終わりました。このお皿に盛りつけていいのですよね?」

 

八幡「あぁ、すみません。途中から放ったらかしにして。お願いします。」

 

 

盛り付けた後は、ご飯に味噌汁と付け合わせのサラダをテーブルの上に置き、晩飯が出来上がった。

 

 

星露「ほほ〜今日も美味そうじゃな〜。」

 

セシリー「流石八幡だねー!今日も美味しそうー!」

 

 

この2人は……もういい、慣れた。

 

 

pipipi…pipipi…

 

 

ん?戸塚?

 

 

八幡「悪い、先食べててくれ。ちょっと連絡が来た。」

 

虎峰「宋たちからですか?」

 

八幡「いや、知り合いからだ。」

 

 

ーーープライベートルームーーー

 

 

八幡「此処ならいいな。」

 

 

そして俺は戸塚に通信を掛けた。

 

 

戸塚『こんばんは八幡!』

 

八幡「よう戸塚、元気そうだな。」

 

戸塚『うん、こっちでも楽しく過ごせてるよ!あんまり八幡と会えないのは残念だけどね。』

 

八幡「そのうち会うか。」

 

戸塚『うんっ!あっ、そうそう!準々決勝進出おめでとう!!凄いよ八幡っ!!』

 

八幡「ありがとな、まぁこれくらいはやらなきゃな。それで今日は急にどうした?」

 

戸塚『あっ!そうだった!ごめんね脱線しちゃって!』

 

八幡「いや、大丈夫だ。」

 

戸塚『連絡したのは顔と声を聞きたかったのもあるけど、他にもあるんだ。』

 

 

それもあったんだな……

 

 

戸塚『……雪ノ下さんたちが動いたよ。最近通信する回数が増えてきてるんだ。』

 

八幡「………」

 

戸塚『何処に掛けてるかは分からないけど、八幡の名前は出してたよ。』

 

八幡「……お前、危ない事してないよな?戸部や海老名さんもだ。」

 

戸塚『大丈夫だよ。そこまでくっついているわけじゃないから。』

 

八幡「……ならいいが、ほどほどにな?集中し過ぎると包囲されるからな。」

 

戸塚『……分かった。戸部くんたちにも伝えておくよ。』

 

 

………本当に大丈夫か?

 

 

戸塚『続けるけど、今のところ通信をしてるのは雪ノ下さんだけで、由比ヶ浜さんと小町さんは何もしてないかな。外出する時も3人で出掛けてて南西の方に行ってるのが多いかな。』

 

 

南西………レヴォルフか。

 

 

八幡「おおよその予想は今つけたが、露骨に動き過ぎてるなあいつら。この星武祭開催中に動き回れば目立つだろうに。」

 

戸塚『僕はレヴォルフが怪しいかなって思うんだ。方向も一致してるし。』

 

八幡「だが、まだ分からんな。こっちも対策を練っておこう。すまんな。」

 

戸塚『ううん、気にしないでよ。』

 

八幡「それと戸塚、『猫』には気をつけろ。特に『黒猫』にはな。」

 

戸塚『黒猫?何で?』

 

八幡「分かんねぇか。今のうちに教えておく。レヴォルフには【黒猫機関(グルマルキン)】っていう工作機関がある。お前らでいう【影星】みたいな連中だ。奴らは情報の秘匿、収集が他学園に比べて突出している。何かあればすぐに【悪辣の王(タイラント)】へと情報がいく。奴らを尾行するなら黒猫に気をつけろ。いいな?」

 

戸塚『……うん、分かった。取り敢えず僕の部屋の窓とか外とか見渡してみたけど、猫はいなかったかな。』

 

八幡「そうか……まぁ、伝えてくれてありがとな。また今度な。」

 

戸塚『うん!八幡も星武祭頑張ってね!シルヴィアさんにもよろしくっ!』

 

 

そして通信が切れた。

 

相変わらず良い奴だな、お前は。

 

 

ーーー八幡ルームーーー

 

 

八幡「遅くな……一体何だこの状況?」

 

虎峰「八幡、戻りましたか!実は師父とセシリーが唐揚げを残さず食べようとしていたので止めていたところです!」

 

冬香「八幡さんだけおかず無しで食事をされては私たちが気まずくなってしまいますので。あぁセシリーさん、ダメですよ!」

 

八幡「なら一個ずつあげて下さい。それで最後です。」

 

冬香「よろしいのですか?」

 

八幡「えぇ、もう慣れましたから。」

 

 

それから俺は、平和に晩飯を食べることができた。

 

 

八幡「そんなに美味いかねぇ?」

 

 

 

 

 

 

 




今回は久しぶりに戸塚と食事編入れてみました。少しはこういうのも入れつつネタも考える!



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