学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

145 / 609
準々決勝前です!



※抜ける緊張感

 

綺凛side

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

私は今、かなり不安になっています。その理由は相手が強いからではなく、私の剣があの人に通用するのかという事なのですが………おそらくは全く歯が立たないと思います。

 

比企谷八幡さん、あの人が使った剣術は古武剣術の1つの一刀流。その中でも北辰一刀流に近いものでしたが、歩法や剣捌きが明らかに滑らかかつ強力なものでした。

 

そして一番の疑問が、比企谷さんの使う一刀流には一刀流の祖、鐘捲流(かねまきりゅう)の動きが加わっていたのです。鐘捲流はほぼ死滅した剣術で現在は抜刀術しか残されていない程の極めて珍しい剣術。

 

つまり、比企谷さんは一刀流の免許皆伝にして北辰一刀流と鐘捲流の3つの動きを混合させた剣術を使うという事になります。しかもこの剣術は開祖が鐘捲流、2代目に一刀流、3代目に北辰一刀流と他流派はあれど、相性がとても良いのです。

 

しかもそれをあの人はとても上手に使いこなせている上に、アレンジまで加えています。今の私の刀藤流が通じるかどうか……

 

 

紗夜「……綺凛?」

 

綺凛「わぁっ!?え、えぇっと、はい!?何ですか?」

 

紗夜「もしかしなくても緊張してる?」

 

綺凛「………は、はい。」

 

紗夜「私も。相手は界龍の序列2位と4位、あんなの見せられたら勝てるとは思えない。まさかあの擬形体を切るなんて………私が戦うはずだった相手だったのに、なんて事をしてくれる。」

 

綺凛「あ、あはは……」

 

 

紗夜さんは凄いなぁ。私と違って平常心を保ってる。私なんてどうやって対応するかで頭がいっぱいなのに。

 

 

紗夜「あまり考え過ぎるな。相手は強いけど、いつも通りやれば何とかなる。」

 

綺凛「紗夜さん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗夜「でもかなり不安。」

 

 

紗夜さん………台無しです………

 

 

綺凛sideout

 

陽乃side

 

 

陽乃「それでぇ〜?八幡くんどうするぅ〜?やっぱりロリ巨乳の銀髪剣士っ子?」

 

八幡「……あの、陽乃さん?刀藤に恨みでもあるんですか?」

 

陽乃「ん?なんでそう思うの?」

 

八幡「いやいや、今の台詞思い出してくださいよ。悪意が凄いこもってましたよね?」

 

陽乃「まぁそれはいいとして、八幡くんはどっちとやる?」

 

八幡「いいんですか………俺はどっちでもいいですけど、じゃあ剣で打ち合いたいので刀藤の方で。」

 

陽乃「八幡くん……やっぱり小さい子が好きなの?」

 

八幡「おいポンコツはるちゃん先輩、何おバカな事言ってんだよ。頭切り替えろ。」

 

 

ポ、ポンコツ!?はるちゃん!?

 

 

陽乃「ちょっと!?今の何!?ポンコツはるちゃんって何さ!?」

 

八幡「そのまんまですが?」

 

陽乃「私先輩だよね!?」

 

八幡「先輩ってつけたじゃないですか。」

 

 

それよりもなんでポンコツ!?

 

 

陽乃「なんでポンコツなのさ!?」

 

八幡「結構バカっぽい事言ってたので。」

 

陽乃「はるちゃんはいいよ?可愛いから推奨。でもポンコツはないよ?」

 

八幡「じゃあ俺への変態発言とか取り消してくれませんかね?俺はロリコンじゃないですから。」

 

 

ま、まぁそれは確かに。

 

 

陽乃「確かにそうだね。ゴメンね八幡くん、八幡くんはノーマルだよね!」

 

八幡「当たり前ですよ。」

 

陽乃「じゃあさ!私はなんて呼ぶの?陽乃?それともはるちゃん?」

 

八幡「………これまで通りのさん付けダメなんですか?」

 

陽乃「別にいいけど、暁彗はさん無しでタメ口でしょ?私も別にそれでいいよって言ってるつもりなんだけど?」

 

八幡「かなり遠回しな言い方ですね。」

 

陽乃「いいでしょ別に!それで?どうするの!?」

 

八幡「陽乃さんはどうなんです?俺にそう呼ばれたいとかってのはあるんですか?」

 

 

っ!……確かに考えた事はあるけど、呼ばれたいとは思った事なかったなー。実際どっちなんだろう?

 

 

陽乃「分かんないからとりあえず呼び捨てとタメ口やってみてよ!」

 

八幡「……まぁ少し気が引けるが、少しだけだぞ、陽乃。」

 

 

………え?なんか始まってる?もうやってるの?

 

 

陽乃「よ、よし!じゃあさ八幡くん、今回はどんな戦術で行こうか?」

 

八幡「そうだな……俺は刀藤と剣術勝負したいからな、沙々宮は陽乃に任せる事になるが、陽乃はどうしたい?」

 

陽乃「ま、まぁ足止めくらいなら出来るよ?別にそのまま相手してもいいし。」

 

 

お、おぉ〜………な、なんか凄い違和感だね〜///

 

 

八幡「じゃあ1対1でいいか?」

 

陽乃「い、いいんじゃない?あと八幡くん、もうストップで!」

 

八幡「……割と早かったですね。それでどうでした?タメ口で普通の名前呼びされた感想は?」

 

陽乃「うん、このままでいいよ。違和感凄いから慣れないよ。」

 

八幡「まぁそれは俺も同じですよ。」

 

 

うん、やっぱりこっちの方がいい。八幡くんに敬語無し、さん付け無しで会話されたらなんか照れ臭い………

 

 

八幡「それと陽乃?沙々宮の攻撃はちゃんと防いでくれよ?」

 

陽乃「だからもういいってばー!!」

 

八幡「………あっ、はるちゃんの方?」

 

陽乃「そういう意味でもなぁ〜い!!」

 

 

もうっ!!準々決勝だってのに緊張感無いなぁ、ホントにもうっ!!

 

 

 

 

 

 




本当はありえない話その8
『夏休み』






オーフェリア「あーーーーー」

八幡「……オーフェリアちゃんや?扇風機の前を陣取るのは卑怯だぜ?」

オーフェリア「だって暑いんだも〜ん。」

八幡「気持ちは分かるがそれだと俺に風が来ないだけど?」

オーフェリア「いいも〜ん!私の言う事を聞いてくれないお兄さんが悪いんだも〜ん!」

八幡「はぁ……まぁいい。オーフェリア、アイス食べるか?」

オーフェリア「私と仲直りするにはまだ足りないのですっ!」

八幡「今なら俺によしかかりながらアイスを食べさせてもらうオプション付きだがどうする?」

オーフェリア「ゴメンねお兄さん。私ヤケになり過ぎちゃったよ。許してあげるから私にそれやって?」

八幡「はいはい、俺が悪かったから一緒にアイス食べような?」

オーフェリア「うんっ!!♪」


このコーナー、もうオーフェリアのためだけに存在してますね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。