学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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夜に出せるかどうか分からないので、この時間に出します。

あと、陽乃の使った呪符の効果は簡単にいうと、某海賊王の武装の覇気みたいなものです。


相性は大事

ーーーーーー

 

 

八幡「憑霊(ひょうれい)

 

 

八幡の周りからは、星辰力とは違う何か異質なオーラが漂っており、広がるわけでもなく、ただ八幡の周りに浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡(出番だ、お前も中に居たままで退屈していただろ?力を貸してくれ。)

 

???(主からのお呼びか……久々の現世であるな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると八幡の背中から烏が出てきた。だがその烏は普通よりも3倍くらい大きく足と目が1つずつ増えていて、3本の脚には緑色の宝玉のような玉を持っていた。

 

 

八咫烏である。

 

 

空中を飛び回り少ししてから八幡の場所に戻ったと思ったら、身体が消えた途端に黒い靄となって八幡の身体に纏わりついていたのだ。

 

 

八幡自身も驚いた様子は全くなかったが、八幡の格好がみるみる変わっていた。

 

 

銀梅(な、何!?尊師の姿が変わって………!?)

 

 

 

 

 

漆黒の長い黒羽織、その背中には『八咫』という文字が刻まれており、首からは3つの緑色をした勾玉をぶら下げていた。刀も刀身が淡い青色ではなく緑色に変化していて、腰には鎖分銅を巻いていた。

 

そして八幡の左の目も変わっていて、目は黒色、瞳は赤色に変わっていた。

 

 

八幡の周りに漂っていたオーラも消え、漸く落ち着いた雰囲気になったが、銀梅は今の八幡の姿に声も出なかった。

 

 

八幡「憑霊……夜宴(よるうたげ)大闇鴉(おおやみからす)っ!!

 

 

八幡がそう言った瞬間に、背中から黒い翼が出てきた。まるでカラスのような翼みたいであった。

 

 

いや、あれは正真正銘カラスの翼なのだろう。

 

 

銀梅「………尊師、そのお姿は?」

 

八幡「まぁ、簡単に言えば合体だな。見えていたと思うが、さっき飛んでた烏が俺に憑いてこの姿になった、とだけ言っておく。」

 

 

銀梅(………まだこんな芸を持っていたなんて………流石は尊師、全く追いつける気がしない。それに、あの姿がお飾りじゃない事くらい私にだって分かる。一気に重圧がのしかかったような気分になる。)

 

 

八幡「んじゃ、待たせるのも悪いし、そろそろやるか。」

 

銀梅「っ!」

 

 

 

 

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永成「ぐっ!はぁ……はぁ……」

 

陽乃「どうしたの?少し手を加えただけで苦戦し過ぎじゃないかな?」

 

 

一方で陽乃と永成はさっきまでの陽乃が不利な戦いとは変わり、永成が不利な状態になって進んでいた。

 

 

永成(まさかこんなに変わるなんて……あの術式、触れた箇所を鉄のようにする効果なのかな?だとしたら互角だった分、大きいディスアドバンテージだね。)

 

 

情勢が一気に陽乃に傾いていた。それもその筈、今の陽乃の手足は永成の武器である鉤爪と同じ鉄と言ってもいいのだ。永成の使っている鉤爪も金属ならば防がれるのは普通の事である。

 

 

陽乃「ふっ!」

 

永成「っ!」

 

 

突っ込んできた陽乃に対処するも鉤爪はことごとく防がれてしまい、自分には陽乃の攻撃が通ってしまう。その事から永成には徐々に焦りの色が出てしまい、ついには両腕を弾かれてしまう。

 

 

永成(っ!!しまっ)

 

 

陽乃「発空勁(はっくうけい)っ!」

 

 

ドォンッ!!!

 

 

永成「カハッ!!?」

 

 

陽乃の出した掌は永成の腹直筋辺りに僅かに当たっていたという感じだった。それなのに永成はまるで大砲を受けたかのように吹っ飛ばされてしまった。

 

 

永成「ぐっ……ゴホッ!ゴホッ!」

 

 

永成も肺から空気が全て抜け出てしまったからか咳が止まらず、手足に力も入らないので立ち上がる事も出来ないでいた。

 

 

陽乃「いや〜決勝まではとっておきたかったんだけどねー、この技は。剛鉄符だけじゃ無理そうだから使っちゃったよー。ホント、成長っていうのは恐ろしいものだよ全く。1番敵にしたくないかもね〜。」

 

永成「……し、師姉、今の……技は?」

 

陽乃「発空勁の事?あれは発勁を空気砲にしたようなものかな。私のオリジナルの技だよ♪」

 

 

永成(………私には、まだ師姉の声を真剣にさせる程の強さはなかったようだね。また、修行し直しだ。)

 

 

永成は重い身体を持ち上げるように立ち上がると、陽乃に向かって包拳礼をした。

 

 

永成「参りました、流石は雪ノ下師姉。私の完敗で御座います。まだまだだと痛感しました。」

 

陽乃「そんな事ないよ、私も実際追い込まれていたしね。うんうん、良い勝負だったよ!」

 

 

陽乃は包拳礼を解いた永成の校章めがけて正拳突きを放ち、校章を砕いた。

 

 

梁瀬『呂永成、校章破壊!!拳と拳(っぽいからいいよね?)の激闘を制したのは雪ノ下選手〜!!』

 

チャム『どちらもレベルの高い戦いだったスねー。こんな試合が見られるなんて本当に今年の界龍は凄いっス!!』

 

 

永成(さて……銀梅、僕は師姉に負けちゃったよ。良い状況には持ち込めたけど、それも一瞬だったよ。さて、君は尊師に………)

 

 

八幡の憑霊の姿を見る。あまりの姿に永成は静かにこう思った。

 

 

永成(………頑張って、とだけ言っておくよ。)

 

 

そして同じく八幡の憑霊した姿を見た陽乃も………

 

 

陽乃(比企谷くん………嘘でしょ?)

 

 

かなり唖然としていた………

 

 

 




後書きも技の豆知識になっちゃいましたが、陽乃の発空勁は簡単に表現すると、『武装少女マキャベリズム』納村不動の使う『魔弾』の手首を捻らないバージョンです。

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