学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回は八幡とシルヴィア、アンチ達の物語です。内容は少し薄いかもですけど。




視線と因縁

 

 

シルヴィアside

 

 

「ねぇ!やっぱりシルヴィアだよね!?」

 

「うん!間違いないよ!しかも隣にいる界龍の【夢幻月影】と腕組んでるよ!もしかしてそういう関係?」

 

「えぇー嘘っ!?でも【夢幻月影】って結構カッコいいよね。」

 

「うん、それ分かるー!少しでいいから話してみたいよね!」

 

「行っちゃう?邪魔しちゃう?良い雰囲気ぶち壊しちゃう?」

 

「ちょ、やめてよ!私そんなに無粋な子じゃありません!」

 

 

 

 

 

 

「おい、あれって……」

 

「あぁ、間違いない。【戦律の魔女】と【夢幻月影】だ。しかもなんだよあの距離感、くっつき過ぎだろ。」

 

「付き合ってんじゃね?普通に考えて。」

 

「はぁ?ねぇって。いくら比企谷八幡が強えーからってそれはねぇだろ。一緒に決勝の会場に向かってるだけだろ。」

 

「だからってあんなくっつくか?」

 

「どうせ比企谷八幡がやらせてんだろ。ああいう奴って大抵ゲスなこと考えてそうだからな。」

 

 

………やっぱり予想通り。皆こっち見てる。私がこうやって八幡くんの腕に抱きついてるのも理由に入ってると思うけど、流石に少し居心地悪いなぁ。

 

でも、覚悟の上だからね。別に今更どうこうしたって変わるわけじゃない。それなら堂々と見せつけてやればいい!

 

 

シルヴィア「八幡くん、私はVIPルームで見るよ。多分ネットの方でも凄いスピードで私たちの事が出回ってると思う。確信は無いけど、マスコミも来る可能性があるから、私はそれの相手をする。。ペトラさんも協力するって言って来てくれてるから何とかなると思う。」

 

八幡「平気か?ペトラさんがいたとしても、マスコミとかはうるさいんだろ?」

 

シルヴィア「もう覚悟は出来てるよ。外に出た時点でもう決めてるんだから!八幡くんの彼女を甘く見ないでよ、これでも王竜星武祭の優勝者なんだから!」

 

八幡「………そうだな。ならそっちの方は頼んだ。俺も本気を出してくる。」

 

シルヴィア「うん、任されました♪」

 

 

この時の2人のやりとりは聞こえてはいなかったものの、羨望、嫉妬、憧憬、その他様々な感情を含んだ視線が集中していた。

 

 

ーーーシリウスドーム・VIPルームーーー

 

 

とうとうここまで来た。中にはまだペトラさんくらいしかいないと思うけど、緊張が凄い。どうしても動悸が早くなっちゃう。

 

 

八幡「………大丈夫か?」

 

シルヴィア「ゴメンね?やっぱり怖いみたい。覚悟を決めてたのにね。」

 

八幡「そんなもんだろ。普段しない事をする時は緊張するもんだ。特に今回のケースは特殊だからな。」

 

シルヴィア「………ねぇ八幡くん、抱き締めてもらっていい?」

 

八幡「………あぁ、お互いに準備が必要だろうからな。明鏡止水。」

 

 

そして八幡くんは私を抱き寄せて程よい力で私を抱き締めてくれた。横からは人が行き来するけど、八幡くんの能力で私たちは見えていない。つまり、キスをしても今の状態では誰にも見えないということになる。

 

 

シルヴィア「………もういいよ。ありがとう、力が湧いてきたよ。」

 

八幡「俺も気合がさらに上がった。この決勝、必ず勝つ。」

 

シルヴィア「うん、信じてるからね。私の彼氏がとんでもなく凄いところを皆に見せつけてあげて。」

 

八幡「あぁ……行ってくる。」

 

シルヴィア「うん、行ってらっしゃい。」

 

 

……さてっ!私も頑張らなきゃ!まだ来るかどうか分からないけど、準備しておいて損はないよね!

 

 

シルヴィアsideout

 

八幡side

 

 

ーーー選手控え室前ーーー

 

 

………決勝……か。シルヴィア、俺もお前と同じ舞台にようやく立てた。後は優勝するだけだ。

 

 

意を決めて中に入ると、そこには既に陽乃さんが座って待っていた。

 

 

陽乃「おはよっ、八幡くん。それともこんにちはかな?」

 

八幡「おはようでいいですよ。調子はどうですか?」

 

陽乃「ん、バッチリ♪」

 

 

この人らしい答えだな。

 

 

陽乃「それと、一応連絡は入れておいたからね、八幡君のタイミングでやっていいって。やっぱりお母さんも雪乃ちゃんの事は大体予想してたみたい。」

 

八幡「そうですか……自分の娘を陥れるのは気分としても最悪でしょうね。」

 

陽乃「そうだね。私はもう割り切ってるけど、お母さんからしてみれば、お腹を痛めて産んだ子供だからね、気分が良くなるわけないよ。」

 

 

俺のせいでこんな事になったんだよな……いつか会って謝らないとな。それで済むとは思えないが。

 

 

陽乃「八幡くん、君が気にすることじゃないよ。そもそもこれは君が受けた痛みが雪乃ちゃんに返ってきただけなんだから。」

 

八幡「……すみません。」

 

陽乃「謝らないでよ。これは雪乃ちゃんを正せてあげられなかった私たち雪ノ下家の責任でもあるんだから。」

 

 

………この人は仮面を取ったら本当にあり得ないくらい優しいな。あの時の貴女が嘘みたいですよ、陽乃さん。

 

 

それに………そろそろだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

pipipi…piripi…

 

 

噂をすれば……だな。

 

 

陽乃「八幡くん……」

 

八幡「えぇ、分かってますよ。普段通りにやりますよ。」

 

 

2度と見たくねぇ面だが、これも俺の因縁だ。さっさと終わらせるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





こんな時でもラブラブっぷりを見せつけてくれる2人、そして次回はいよいよ奉仕部との会話が約半年ぶりに!

そしてこれはただの余談ですが、八幡の服装でドラクエ8の竜神王の服が似合う気がしました。

以上、余談でした。


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