八幡side
陽乃「おっ!着いた着いた。ここが私のお気に入り!はやく入ろっ。」
ここに来るまでは、六学園の事と
簡単に説明すると、
行政エリア…
商業エリア…色々な飲食店、雑貨屋がある。商店街と言ってもいい。
外縁居住区…大雑把に言うと、
ステージ…メインステージでは毎年
新開発エリア…不良生徒が根城にしていて暗黒街とも呼ばれている。
まぁ大体こんなもんだ。後は過ごしていくうちに覚えていくから大丈夫だろう。確信は無いけど。
陽乃「何してるの?ほーらっ!」グイグイッ!
八幡「じ、自分で歩けますって。」
まぁ、こんな説明を受けながらも、
皆さんなら意味分かりますよね?『カ』から始まって『ザ』で終わるとこですよ。
中に入り席まで案内してもらう。なかなか雰囲気良いし、落ち着けるな。うん、この店なら俺1人でも入れそうだ。
そう思っているうちに席に着いたようで、座席に座ってメニューを受け取ると、店員は行った。
陽乃「比企谷くん、ここのオススメはガーリックトーストだよ。上にのっている野菜とマッチしていて凄く美味しいんだよ。」
八幡「は、はぁ……」
陽乃「さーて、何食べよっかなぁ~?」
さて、俺も何食うか選ぶか……
数分後、お互いメニューが決まったので呼び鈴を鳴らして店員を呼び注文を済ませると、雪ノ下さんが少し驚いた様子だった。
陽乃「驚きだなぁ。比企谷くんが私の言ったオススメを注文するなんて………」
八幡「以前なら疑ってましたが、もうそんな事しないでしょ?これでもちょっとは信用してるんで。」
陽乃「……うん、ありがとう。さて!それじゃあ続きするね。3つ学園残ってたね。次は〜、なんとクインヴェールだよ!」
八幡「なんか名前からして女子校だと思うんですけど。」
陽乃「おっ!鋭いね〜。クインヴェール女学園はその名の通り、女子校だよ!でぇ〜もぉ〜、だだの女子校じゃないんだな〜。」
八幡「……どういう事です?」
陽乃「この女学園はね………アイドルが多いんだよ〜!どう?そそる?興味ある?お近づきになりたい?」
八幡「いや全然全くこれっぽっちも。」
陽乃「えー!そんなの嘘だよー。1人くらいいるでしょ~?興味あるアイドルの1人くらい。」
いや、嘘ではない。本当にアイドルには興味ない。だって想像してみろよ。ペンライト持って
陽乃「まぁ比企谷くんだしね。」
八幡「ちょっと?それどういう意味?」
陽乃「別に〜。それじゃ次ね。次は星導館学園だよ〜。此処は他と比べてズバ抜けている所はあんまりないかなぁ。魔術師と魔女が比較的多いくらいかなー。」
八幡「まぁ言っちゃあ悪いですけど、学校名にもそれといった特徴的なものがなんもなかったですよね。」
陽乃「でも、初めの頃は凄かったみたいだよ。
八幡「純星煌式武装?」
陽乃「知らない?普通のは
八幡「そうなんすか……」
まだ知らねー事だらけだな。こっち来てからどんだけ勉強すりゃいいんだ俺?
陽乃「じゃあ最後ね。聖ガラードワース学園っていって今1番強い学園かな。総合優勝の数もトップで、規律と忠誠が規則で凄く厳しいみたい。
八幡「学校名もなんか正反対ですからね、聖と黒ですもんね。」
陽乃「ちなみついでだけど、ガラードワースの
八幡「………なんか厨二くさいですね。」
陽乃「言わないであげてよ。多分あっちは本気だから。」
でもなー……こっちから見たらちょっと痛いぞ。材木座程じゃないが、西洋の文化入れすぎだろ。
店員「お待たせしました。」
陽乃「おっ、ちょうど来たね〜。タイミング良い!」
店員「以上で宜しかったでしょうか?」
陽乃「はい、ありがとうございます。さー食べよっか比企谷く……どうかした?」
八幡「いや、あの…この店のオススメってこのガーリックトーストなんですよね?」
陽乃「?……そうだよ?どうして?」
八幡「俺………実を言うとトマト駄目なんですよ。」
陽乃「……………………え?」
しばらく沈黙が続いた………
八幡sideout
陽乃side
陽乃「はい、ありがとうございます。さー食べよっか比企谷く……どうかした?」
なんか顔青いけど、どうしたんだろう?具合悪いのかな?
八幡「いや、あの…この店のオススメってこのガーリックトーストなんですよね?」
陽乃「?……そうだよ?どうして?」
八幡「俺………実を言うとトマト駄目なんですよ。」
陽乃「……………………え?」
え!?比企谷くん、トマトが嫌いなの!?どうしよう?オススメした料理がまさか嫌いな食べ物があったなんて……
陽乃「えっと……ごめんね。まさか嫌いな食べ物があるなんて思わなかったからさ。私が食べるよ。」
八幡「いえ、いい機会です。」
陽乃「え?」
八幡「ちょっと好き嫌い多いって思ってたんスよ。これ食べてみようと思います。」
陽乃「ム、ムリしなくていいよ?好きじゃないんでしょトマト?」
八幡「嫌いですけど、克服したい気もあったんすよ。これならちょうどいいです。ダメだったらお願いしてもいいっスか?」
………本当にいいのかな?
陽乃「別にいいけど……本当に大丈夫?」
八幡「…出来れば、骨は拾って頂けると嬉しいです。」
陽乃「良い事言ってるだろうけど、あんまりカッコよくないからね?トマトじゃ死なないよ?」
八幡「……じゃあ、逝きます。」
うん……なんか『行く』の字が違ったような気がするけど、私はツッコまないからね。
八幡「………」ガプッ!
あっ……食べちゃった………
八幡「………」
八幡「…………………」
八幡「……………………………………」
八幡「……………………美味い。」ボソッ
陽乃「…え?なに?」
八幡「美味いです!こんな美味いトマト初めてです。これなら食べられます!」
陽乃「そ、そう……良かったね。」
こうして比企谷くんはトマト嫌いを克服した。けど、この食べっぷりは本当にトマトが嫌いだったのか疑いたくなるなー。
自分でも思いました。案内というよりも学校紹介の方が近いですよね。