学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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そういえば、このSS書き始めてもう半年経つんですね。早いものですなぁ〜。




◎覇凰決戦①

 

 

ーーーーーー

 

 

2人「参りますっ!!」

 

 

宋と羅は、待ってましたと言わんばかりの勢いで八幡たちに迫った。しかも、どちらも八幡の方に向かって攻めていた。

 

 

陽乃「あ〜あ、やっぱり尊師は人気者だなぁ〜。それじゃ、尊師が良いタイミングになったら呼んでよ。それまで私はのんびりしてるからさ。」

 

八幡「呑気ですね、相棒が2人同時に攻められているってのに……」

 

 

そんな愚痴をこぼしながらも、八幡は拳法の構えを取る。陽乃は既に壁際で壁に背をつけて静観していた。

 

 

宋「ムンッ!!」

 

八幡「フッ!」

 

 

宋が震脚(物凄い踏み込み)で八幡に迫り、肘を八幡の顔めがけて振り出した。八幡もそれに応じて肘を前に勢いよく突き出す。

 

 

ドゴォッ!

 

 

お互いに肘がぶつかり合った。普通に考えれば、この肘撃は宋の方が有利である。

 

理由としては、八極拳は近接型の拳法で蹴り膝蹴りなどの攻撃はあまりしない。主に拳に肘や肩などの腕による攻撃が主流の拳法である。そして近接型のため射程は短いが、その分繰り出される攻撃力は、破壊と言ってもいいくらい絶大である。

対して詠春拳は無駄のない動きで精密な動きが特徴だが、大振りな攻撃や一撃必殺のような技はこれといってない。それに八極拳に比べ攻撃力は無く怯ませるくらいで、そこから技を繋げていくのが詠春拳の基礎である。

 

2人の拳法の比較をしてみても、この時点で強弱は明らかだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

 

八幡は微動だにせず、そのまま肘を横に突き出したままだった。有利だったはずの宋はその場を離れ、脂汗を流しながら膝をついた。

 

 

宋「ぐっ!あぁ……」

 

羅「おい宋!大丈夫か!?」

 

宋「ぐぅ…あぁ、大丈夫だ。だが、もう右腕は使えそうにない。尊師との今の打ち合いで骨に罅が入ったかもしれん。」

 

羅「バカなっ!?たった一撃だぞ!?それだけでお前の肘の骨が!?」

 

宋「あぁ……だが、俺にこの拳を教えてくれたのはあの方だ。尊師の場合、俺の攻撃は見えていて当然。しかも、俺よりも硬く強靭で鋭い一撃を震脚すら使わずに出してきた。ふっ、今更ながら本当に未恐ろしい方だな。」

 

羅「なら前衛は俺に任せろ。お前は隙をついて尊師を攻撃しろ。タイミングは俺が2回目の攻撃をした時だ。」

 

 

羅は八幡に棍を構えると、八幡も剣を抜き、片手を剣の腹に添えて構えを取った。

 

 

羅(やはり……我々に隙を作らせない気か。それに尊師も人が悪い。今の貴方は……本当の本気ではないですか。)

 

 

そう思いながらも八幡に攻めていく2人。八幡もそれに反応して地を蹴った。

 

そしてそれからは剣、棍、拳による1対2の戦いだったが、八幡の方はなんの苦もなく対処していたが、宋と羅の方は押され始めていた。

 

 

その理由は八幡の攻撃の捌き方にもあった。八幡はわざと2人の攻撃を受け流したり、腕の筋肉を使わせるような捌きをしていた。そのため、連続で攻撃するにも体力が徐々に奪われ、少しずつ動きも鈍くなっていた。

八幡にも影響があると思われたが、八幡は自身の一刀流に詠春拳の歩法や動きを取り入れて、剣を持った状態でも動きを最小限に抑える事をしていた。だから疲労もそこまで溜まってはいなかった。

 

 

宋(くっ……右腕のせいで上手く攻撃が出せない。攻撃をしようにも少しの痛みで動きが鈍る。ここまで厄介とは……)

 

羅(……どうする?宋の方も満足に動ける状態じゃない。俺の棍術も尊師を倒す程には到底及ばない。だがこのままじゃ持久戦になるだけだ……どうする!?)

 

八幡(もうそろそろいい頃だな。陽乃さんをあんまり待たせたら文句言われかねないからな。)

 

 

そして、ここから戦いは大きく動く事になるだろう。

 

 

ーーーーーー

 

シルヴィアside

 

 

ペトラ「彼、あんなに強かったのね。私も界龍の事は調べていたけど、今年は特に強かったわ。特に序列40位から20位にかけては驚異的な伸びだったわ。この戦いもそうだけど、準決勝で八幡くんと闘った徐銀梅と呂永成が良い例ね。」

 

シルヴィア「……しかもあの攻防の中で八幡くん、1回も攻撃受けてなかった。その中で相手に攻撃を入れていた。あんなのどうやって……」

 

 

私には出来ないよ……1対多数の状態で攻撃を捌きながら攻撃を与えるなんて……

 

 

 

 

 

 

でも、戦ってる時の八幡くんってやっぱりカッコイイ///

 

 

ペトラ「もう、なんて顔してるのよ。」

 

シルヴィア「ふぇ!?///」

 

ペトラ「ふふふっ、羨ましいわ貴方が。あんなにイケメンで強い彼氏がいて。少し私に貸してくれないかしら?」

 

シルヴィア「ダメです!八幡くんは私のものですし、私は八幡くんのものですから!誰にもあげません!」

 

ペトラ「少しくらいいいじゃない。まぁいいわ。それよりも彼の勇姿をしっかり刻み付けておきなさい。」

 

シルヴィア「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 





シルヴィア「八シルお悩み相談室〜!」

八幡「んじゃやるか。」

虎峰「………趙虎峰です。」

八幡「え?前もお前だったよな?どうしたんだ?」

シルヴィア「もしかして星露の相談ダメだった?」

虎峰「………八幡、正直に答えて下さい。シルヴィアさんと恋人なんですか?」

八幡「え?あー、えーと……はい。」

虎峰「………シルヴィアさん?八幡は良い人ですよね?」

シルヴィア「え?う、うん、そうだね。」

虎峰「………おめでとうございます。」

2人「え?」

虎峰「………僕はまだ稽古が残ってますので、では。」

八幡「えーと……」

シルヴィア「一件……落着?」



P.S.……これはネタですので、本編ではこんな簡単にはいきませんのでご安心を。

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