そういえば、このSS書き始めてもう半年経つんですね。早いものですなぁ〜。
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2人「参りますっ!!」
宋と羅は、待ってましたと言わんばかりの勢いで八幡たちに迫った。しかも、どちらも八幡の方に向かって攻めていた。
陽乃「あ〜あ、やっぱり尊師は人気者だなぁ〜。それじゃ、尊師が良いタイミングになったら呼んでよ。それまで私はのんびりしてるからさ。」
八幡「呑気ですね、相棒が2人同時に攻められているってのに……」
そんな愚痴をこぼしながらも、八幡は拳法の構えを取る。陽乃は既に壁際で壁に背をつけて静観していた。
宋「ムンッ!!」
八幡「フッ!」
宋が震脚(物凄い踏み込み)で八幡に迫り、肘を八幡の顔めがけて振り出した。八幡もそれに応じて肘を前に勢いよく突き出す。
ドゴォッ!
お互いに肘がぶつかり合った。普通に考えれば、この肘撃は宋の方が有利である。
理由としては、八極拳は近接型の拳法で蹴り膝蹴りなどの攻撃はあまりしない。主に拳に肘や肩などの腕による攻撃が主流の拳法である。そして近接型のため射程は短いが、その分繰り出される攻撃力は、破壊と言ってもいいくらい絶大である。
対して詠春拳は無駄のない動きで精密な動きが特徴だが、大振りな攻撃や一撃必殺のような技はこれといってない。それに八極拳に比べ攻撃力は無く怯ませるくらいで、そこから技を繋げていくのが詠春拳の基礎である。
2人の拳法の比較をしてみても、この時点で強弱は明らかだった
はずだった。
八幡は微動だにせず、そのまま肘を横に突き出したままだった。有利だったはずの宋はその場を離れ、脂汗を流しながら膝をついた。
宋「ぐっ!あぁ……」
羅「おい宋!大丈夫か!?」
宋「ぐぅ…あぁ、大丈夫だ。だが、もう右腕は使えそうにない。尊師との今の打ち合いで骨に罅が入ったかもしれん。」
羅「バカなっ!?たった一撃だぞ!?それだけでお前の肘の骨が!?」
宋「あぁ……だが、俺にこの拳を教えてくれたのはあの方だ。尊師の場合、俺の攻撃は見えていて当然。しかも、俺よりも硬く強靭で鋭い一撃を震脚すら使わずに出してきた。ふっ、今更ながら本当に未恐ろしい方だな。」
羅「なら前衛は俺に任せろ。お前は隙をついて尊師を攻撃しろ。タイミングは俺が2回目の攻撃をした時だ。」
羅は八幡に棍を構えると、八幡も剣を抜き、片手を剣の腹に添えて構えを取った。
羅(やはり……我々に隙を作らせない気か。それに尊師も人が悪い。今の貴方は……本当の本気ではないですか。)
そう思いながらも八幡に攻めていく2人。八幡もそれに反応して地を蹴った。
そしてそれからは剣、棍、拳による1対2の戦いだったが、八幡の方はなんの苦もなく対処していたが、宋と羅の方は押され始めていた。
その理由は八幡の攻撃の捌き方にもあった。八幡はわざと2人の攻撃を受け流したり、腕の筋肉を使わせるような捌きをしていた。そのため、連続で攻撃するにも体力が徐々に奪われ、少しずつ動きも鈍くなっていた。
八幡にも影響があると思われたが、八幡は自身の一刀流に詠春拳の歩法や動きを取り入れて、剣を持った状態でも動きを最小限に抑える事をしていた。だから疲労もそこまで溜まってはいなかった。
宋(くっ……右腕のせいで上手く攻撃が出せない。攻撃をしようにも少しの痛みで動きが鈍る。ここまで厄介とは……)
羅(……どうする?宋の方も満足に動ける状態じゃない。俺の棍術も尊師を倒す程には到底及ばない。だがこのままじゃ持久戦になるだけだ……どうする!?)
八幡(もうそろそろいい頃だな。陽乃さんをあんまり待たせたら文句言われかねないからな。)
そして、ここから戦いは大きく動く事になるだろう。
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シルヴィアside
ペトラ「彼、あんなに強かったのね。私も界龍の事は調べていたけど、今年は特に強かったわ。特に序列40位から20位にかけては驚異的な伸びだったわ。この戦いもそうだけど、準決勝で八幡くんと闘った徐銀梅と呂永成が良い例ね。」
シルヴィア「……しかもあの攻防の中で八幡くん、1回も攻撃受けてなかった。その中で相手に攻撃を入れていた。あんなのどうやって……」
私には出来ないよ……1対多数の状態で攻撃を捌きながら攻撃を与えるなんて……
でも、戦ってる時の八幡くんってやっぱりカッコイイ///
ペトラ「もう、なんて顔してるのよ。」
シルヴィア「ふぇ!?///」
ペトラ「ふふふっ、羨ましいわ貴方が。あんなにイケメンで強い彼氏がいて。少し私に貸してくれないかしら?」
シルヴィア「ダメです!八幡くんは私のものですし、私は八幡くんのものですから!誰にもあげません!」
ペトラ「少しくらいいいじゃない。まぁいいわ。それよりも彼の勇姿をしっかり刻み付けておきなさい。」
シルヴィア「はい!」
シルヴィア「八シルお悩み相談室〜!」
八幡「んじゃやるか。」
虎峰「………趙虎峰です。」
八幡「え?前もお前だったよな?どうしたんだ?」
シルヴィア「もしかして星露の相談ダメだった?」
虎峰「………八幡、正直に答えて下さい。シルヴィアさんと恋人なんですか?」
八幡「え?あー、えーと……はい。」
虎峰「………シルヴィアさん?八幡は良い人ですよね?」
シルヴィア「え?う、うん、そうだね。」
虎峰「………おめでとうございます。」
2人「え?」
虎峰「………僕はまだ稽古が残ってますので、では。」
八幡「えーと……」
シルヴィア「一件……落着?」
P.S.……これはネタですので、本編ではこんな簡単にはいきませんのでご安心を。