学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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いよいよ始まります!

さて、どんな風になるかな?
では、どうぞ!


初のお出かけ(デート)

 

 

八幡side

 

 

オーフェリアとの約束当日、俺は今待ち合わせ場所の花畑にいる。此処はオーフェリアと最初にあった場所でもあり、俺たちの出会いの場と言ってもいいだろう。

 

因みに俺は30分前にいる。シルヴィ曰く『女の子を待たせたらダメだよっ!』らしい。なんだかんだ言っときながら、こういうところは乙女なんだろう。

 

今日の俺は変装している。変装といっても、八代界人の姿ではない。俺の面影は少しだけ残しておいて、髪を少しだけ伸ばし、縛っている。いわばそっくりさんのような感じにしている。オーフェリアにもその事は事前に話してあるし、写真も送ってある。写真はわざわざシルヴィが撮ってくれた。

 

 

八幡「………そろそろ5分前か。にしても、人が多くなってきたな。」

 

 

此処は一応デートスポットでもあった。花畑だからその辺は当然だろう。

 

だが、こんなに集まるか?

 

 

オーフェリア「………ごめんなさい八幡、待ったかしら?」

 

 

後ろからオーフェリアの声が聞こえた。どうやらオーフェリアは時間丁度に来るタイプみたいだ。

 

 

八幡「いや、気にするな。俺も今来た……」

 

 

目の前にいたのはオーフェリアなのだが、格好が俺の想像を遥かに超えていた。

 

オーフェリアの半袖なんて初めて見るが、それ以前に見惚れている。いつも制服姿しか見ていないからだろうか、私服の彼女は新鮮だった。黒でコーディネートされている服装だが、何処か清純さを感じる。そしてオーフェリアは後ろで縛ってある髪を今日は下ろしていた。いつもつけている黒い角のようなものもつけておらず、代わりに前髪の方に紫の花の髪飾りをつけていた。

 

 

俺の知っているオーフェリアとは、全くの別人だった。

 

 

オーフェリア「………そんなに見つめられたら恥ずかしいわ八幡///」

 

八幡「え?あっ……すまない。いつものお前と違い過ぎて、つい……な。」

 

オーフェリア「………似合ってるかしら?私、昨日この服を買ってみたのだけど……」

 

八幡「昨日買ったのか……お前服のセンス良すぎだろ。俺なんてそういうファッションセンス皆無だからな。」

 

オーフェリア「………私が見る限り、そうには見えないけれど?」

 

八幡「今はな。けど昔はそういうのどうでもよかったからな。」

 

 

なんせ今着てる服みたいにオシャレなんてした事なかったしな。

 

 

今俺が着ている服装は、グレーのズボンに黒のシャツ、その上に白の長袖ブラウス。首には一応自分で作った黒が真ん中に1つ白が左右に1つずつの玉が入った首飾りをしている。

 

 

これでも少しは良いと思ってる。

 

 

八幡「……にしても、本当に印象が変わるな。ここまで雰囲気が違うとは……」

 

オーフェリア「………変えない方がよかったかしら?」

 

八幡「んなわけないだろ。こっちの方が良い。」

 

オーフェリア「………それは今の私の方が……その、可愛い、という事かしら?」

 

八幡「ま、まぁな。そりゃそうだろ。その服似合い過ぎてるしな。」

 

オーフェリア「………そ、そう///」

 

 

実際、似合い過ぎてるくらいじゃ収まらん。オーフェリアの為に作られたって感じもする。

 

 

 

………はっ!いやいやダメだ!俺にはシルヴィがいる!確かに今日はオーフェリアと出かける事を許してはもらえたが、俺の心の中はシルヴィだけだ!

 

 

八幡「取り敢えず行くか。何処か行きたい場所はないのか?」

 

オーフェリア「………一度行ってみたい場所があるの。そこに行ってもいいかしら?」

 

八幡「あぁ、構わない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーフェリア「………手を繋いでもいいかしら?」

 

八幡「……え?」

 

オーフェリア「………手を繋いでは駄目かしら?少しやってみたいわ。」

 

八幡「お、おぉ。大丈夫だ。」(スッ)

 

 

まぁ手を差し伸べるくらいならいいよな。後はオーフェリアが繋ぐだけだ。

 

 

 

 

 

キュッ

 

 

緊張していたのか、繋ぐのに10秒くらい時間を使ったが、問題なく手を繋げた。

 

 

オーフェリア「………なんだか気恥ずかしいわね。でも、安心するわ。」

 

八幡「……そうか。」

 

 

そして俺たちは話をしながら、オーフェリアの行きたかった場所へと赴くのだった。

 

 

ーーーフラワーハウスーーー

 

 

八幡「此処か?………花でアクセサリーや衣類、バッグ、ヒールとかに飾り付けを専門にする店か。それに花の鑑賞も出来るのか。」

 

オーフェリア「………少し街を歩いていたら気になったの。だから今日は此処に行こうって決めていたのよ。」

 

 

オーフェリアなら行きたいところだよな。花好きだし、その花を使った物が作れるんだからな。普通の人だと分からんだろうが、今のオーフェリア、メチャメチャ輝いてます。目だけではなく身体も。

 

 

オーフェリア「………此処に入ってもいいかしら?(八幡、早く入りましょう?)」

 

八幡「来たかったんだろ?俺にも断る理由なんてないから早く入るぞ。」

 

 

それと、本音と建て前が物凄いですよ?聞いてるのに心では確定になってるからね?

 

 

 

 

 

 

店員「いらっしゃいませ。」

 

オーフェリア「………」(キラキラ)

 

 

……………輝きが増した。

 

 

オーフェリア「………季節に合った花が沢山あるわ。それに、この密室の中で春夏秋冬の環境に合った育て方をしてる。」

 

 

え?そこまで分かるの?

 

 

オーフェリア「………花たちも喜んでいるわ。ここの店員さんたちはとても良い仕事をしているのね。」

 

店員「ありがとうございます。当店では四季毎に咲く花を1つの環境に合わせる事で咲かせる事を可能にしているのです。例えば、春はこのエリアですが、春から夏にかけてはこのエリア。という風に季節やその移り変わりなどにも合わせています。我々スタッフ一同も水やりや光合成、花に合わせた肥料などを与えていますので、当店の花たちは寿命が来ない限りは枯れないようにするのを心掛けています。」

 

 

だからこの店は、今ここにいる時でも少し涼しいって感じるのか。上に行ったら寒いのかもな。だって冬の設定だしな。

 

 

オーフェリア「………凄いわ。どの花たちも喜んでる。私が見る限り、不満を持ってる花はいなかったわ。それに環境の厳しい冬に咲く花も、あんなに力強く咲いてる。本当に良い仕事をしているわ。私には分かるもの。この仕事は根気だけでやっていけるようなところではないわ。こんなにも元気な花は初めて見たもの。」

 

店員「ふふふっ、彼女さんお花に夢中ですね。余程お花が好きなんですね。」

 

八幡「えぇ、無類の。」

 

 

でもこの人、オーフェリアの事知らないのか?平然と話してるが……

 

 

八幡「あの、聞いてもいいですか?」

 

店員「はい?」

 

八幡「こいつの事、どれくらい知ってます?なんか、あまり反応がなかったので、少し驚いて。」

 

店員「え?有名人でしたか?」

 

 

あっ、この人アレだ。星武祭見てない人だ。まぁ仕事柄仕方ないのかもな。

 

 

八幡「いえ、ただ聞いてみただけですよ。他意はありません。」

 

店員「?分かりました。」

 

 

有名どころか、この六花では知らない人って貴方くらいですよ。多分……ではなく絶対。

 

 

 

 

 

 

 

 





いや〜店員さんもなかなかやりますなー。

まさかオーフェリアを知らないとは!


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