学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回はほんわかではなく、ちょっとした前準備みたいな感じにしました。

割とコントっぽくなってるような?感じです。

では、どうぞ!


手作り教室とお花の魅力

八幡side

 

 

オーフェリアが花を見て回って、かれこれ30分くらい経っていた。俺としても眺めているのは飽きないが、何もせずにいると少しな……

 

 

店員「あの〜彼氏さん。」

 

八幡「……え、俺ですか?」

 

店員「はい。もし、彼女さんを待っているようでしたら、お花で装飾品を創作してプレゼントされては如何でしょう?」

 

 

創作?……そういやこの店はそういうサービスもあったな。オーフェリアも花鑑賞に夢中になってるから、サプライズ的には良いかもな。

 

 

八幡「じゃあ、やってみてもいいですか?」

 

店員「はい是非!彼女さんも喜ぶと思います!では、彼女さんに見つからないうちにこちらへどうぞ!」

 

 

別に見つかっちゃいけないことはないだろう……まぁ気持ちは分かるけど。

 

 

その頃、オーフェリアは……

 

 

 

 

 

オーフェリア「………素敵なところ。こんなにも花が輝かしく咲き誇っているのは初めて見たわ。夏の花たちも暑さに負けず、可憐に咲いてるわ。」

 

 

春の花に30分の鑑賞時間を使い、今度は夏に咲く花の方に夢中だった。まだまだ時間がかかりそうである。

 

 

 

 

 

ーーー創作教室ーーー

 

 

店員「では、これからお花を使って創作をしていきたいと思います。彼氏さん、何かこれという題材はありますか?」

 

八幡「………髪留めか首飾りですかね。」

 

店員「なるほど……彼女さん髪長いですからね。束ねる時も多々ありますよね。首飾りの方もいいチョイスですね。」

 

八幡「はぁ……」

 

店員「では、それに使うお花ですが……失礼ながら、彼氏さんはお花の知識はありますか?」

 

八幡「あいつが花好きなので、それなりには知ってます。だから自分の誕生花を使いたいと思ってます。もう1つの方は、似合いそうなのを選びます。」

 

 

まさかオーフェリアに花言葉の事でからかわれた知識がここで役立つとはな。

 

 

店員「流石彼氏さんですね!ならあまり心配は要りませんね!じゃあ、最初はどちらから作ります?私的には首飾りがオススメですよ。簡単な方なので。」

 

八幡「じゃあそれからお願いします。誕生日の花もそれに使う予定だったので。」

 

店員「分かりました!では、早速作っていきましょう!」

 

 

………この人、ヤケにテンション高いな。

 

 

 

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

八幡「……出来ました。こんな感じになりましたけど、どうですか?」

 

店員「……………彼氏さんって、手先器用なんですね。」

 

八幡「はい?まぁ……割と細かい作業は得意な方なので。」

 

 

バトルでも同じだ。大技を使う時は、その中により細かい技術が必要になってくるからな。

 

 

店員「まさかこれ程完成度が高いとは………何だか負けた気分です。」

 

 

いや、それはないから。プロには勝てないから。

 

 

店員「で、では気を取り直して……お次は髪留めですね。お花の方ですが……何か希望はありますか?」

 

 

それなんだよな……どうするかな……

 

 

店員「……あっ!言い忘れてました!この創作教室ですけど、何もお花をそのまま使うだけでなく、お花の色素を使って結晶化する事も出来るんですよ!専用の機械がありまして、それにお花を入れると、形に合わせた結晶が出てくるんです!凄いですよね!」

 

八幡「…………それって最初の段階で言う奴ですよね?」

 

店員「………さ、さ〜て!張り切って作っていきましょうか〜!」

 

 

あっ!逃げやがった!

 

 

 

 

 

 

その頃、オーフェリアは………

 

 

オーフェリア「………この花、ヒスイカズラだわ。こんなに珍しい花まであるなんて………この状態を維持するだけでも困難なのに……このお花屋さん、本当に凄いわ。」

 

 

世界でも一部の地域にしか咲かない珍しい花を目の当たりにして、改めてこの店の凄さを知ったオーフェリアだった。

 

 

 

 

ーーーさらに30分後ーーー

 

 

八幡「……出来ました。思いの外スムーズに出来ました。どうですか?」

 

店員「………彼氏さん、ウチで働きませんか?教室の先生になってくれませんか?私の完敗です、先生の席をお譲りします。」

 

 

………いや、何言ってんの?

 

 

八幡「それはお断りします。それで、どうですか?出来の方は?自分的にはまぁいいんじゃないかって思ってるんですけど。」

 

店員「これでまぁいいなら、私の作った作品って何なんです?」

 

八幡「いや、そんな事言われましても……」

 

店員「……私はとんでもない才能の持ち主を見つけてしまったようですね。」

 

八幡「才能も何も、手先が器用なだけですので。」

 

 

まぁそれは置いといて、取り敢えずは出来たな。

 

 

んじゃ、戻るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

店員「………本当に先生としてどうです?」

 

八幡「いえ、結構です。」

 

 

先生っぽいのは、もう間に合ってるんで。

 

 

 

 

 

 

さて、戻って来たはいいが、オーフェリアは何処だ?まだ見てるのか?

 

 

それならもうかれこれ2時間は見てる事になるぞ?

 

 

オーフェリア「………この花も冬の季節でも問題なさそうね。リーゼルタニアの孤児院にお土産として持って行っても大丈夫ね。」

 

 

………故郷のお土産に花を選んでるのか。オーフェリアも郷帰りするのか?あんまりそんなイメージ無かったが……

 

 

八幡「オーフェリア、どうだ?楽しんでるか?」

 

オーフェリア「っ!八幡……ごめんなさい、凄く夢中になってて忘れてたわ。」

 

 

夢中になるくらい花が好きなんだな。俺としては別に構わないが、そろそろ昼だからな。

 

それと店員さん、そんなキラキラした目で俺を見ないで下さい。それと安心して下さい。此処では渡さないので。

 

 

八幡「気にするな。後、そろそろ昼になる。キリの良いところで昼食にしないか?食べ終わったらまた来ればいい。」

 

オーフェリア「………そうね。じゃあもう少し見ていいかしら?」

 

八幡「おう。」

 

 

そしてオーフェリアも区切りがついたのか、正面の方に戻って来て、店を出た。俺も割と気に入った店だから、また来てみようと思う。

 

それと、店員さん。そんな露骨に残念そうな顔するのはやめて下さい。流石にあのムードでは渡しません、俺はもっと場所を選ぶ方です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




八幡の使った花とは一体?
オーフェリアも2時間ぶっ通しでお花鑑賞。

お次は昼食の予定ですが、どんな店、どんな会話にしようかな?


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