ですが、この閑話自体は最後ではありません!
では、どうぞ!
八幡side
あの花屋は正解だったな。世界中の色々な花があって、珍しい花もある。それに手作り教室もやってたからな。オーフェリアが行ってみたいと言っていた店はマジで当たりだったな。
俺達は今、あの店から出て落ち着いた雰囲気の喫茶店でゆっくりしていた。花を見るといっても、立ちっぱなしで居ると疲れてくるのが普通だからな。
オーフェリア「………そういえば八幡はあの創作教室で何を作ったのかしら?」
八幡「あー……少し言えないな。」
オーフェリア「………何故?」
八幡「画面の向こうの皆さんが目を皿にして見てるから。」
オーフェリア「………?」
うん、君はそれでいいの。純粋なままがいいの。裏事情やメタいのは気にしなくていいの。
八幡「とにかく言えないんだ、済まんな。」
オーフェリア「………いえ、別に無理して聞こうだなんて思ってないわ。ただ気になっただけだから、気にしないで。」
ホントこの子良い子だわ。
八幡「そういうお前は花買ってたけど、さっき言ってた故郷にお土産か?」
オーフェリア「………えぇ。リーゼルタニアには帰る事はあるけど、私が育った孤児院には行きたくても行けなかったの。」
八幡「どうし……いや、愚問だな。」
そうだよな。オーフェリアは自分の身体から出る瘴気を抑える事が出来なかったんだったな。
オーフェリア「………そういう事よ。でも、今回は帰れそうなの。貴方のおかげで。」
八幡「それは……良かったな。」
オーフェリア「………えぇ。貴方が私に力を抑え込む力の宿ったアクセサリーをくれて、彼から私を解放してくれた。感謝の言葉しか出てこないわ。」
八幡「や、やめてくれ。お礼ならさっき受け取った。」
オーフェリア「………そうね。でも、このお礼は両方を合わせたお礼よ。」
くっ……言葉では勝てそうにないな。
オーフェリア「………それに、本来ならこうする事も出来ない立場にあったのよ。今までの私は。」
………【悪辣の王】の所有物って事になってたからな、無理もない。
オーフェリア「………でも、今はこうして自由になれたわ。貴方のおかげよ。それに、私が必要になったら、遠慮なく連絡して頂戴。自由になったと言っても、実質的には貴方の所有物なのだから。」
八幡「いや、まぁそうなんだろうが……俺は別にそんな気更々無いからな?お前の自由にしたらいい。束縛なんてしねぇよ。」
オーフェリア「………ありがとう。」
そしてケーキを一口……おっ、美味い。
ーーー5時少し前ーーー
そろそろ時間になるな。あれからお互いの服を見繕ったり、雑貨屋に行ったりして楽しんだ。シルヴィとデートする時もこんな感じだが、今回はオーフェリアだったから、違う視点で楽しめたな。
オーフェリア「………八幡、今日は本当にありがとう。とても楽しかったわ。」
八幡「気にするな、俺も楽しかった。」
オーフェリア「………そう言ってくれると嬉しいわ。それじゃあ、此処まででいいわ。」
八幡「いいのか?まだもう少し先なんだろ?」
オーフェリア「………えぇ、1人で余韻を楽しみたいもの。」
八幡「そうか……なら、最後に俺から贈り物だ。」
そして俺は、午前中に花屋で作った首飾りと髪留めを取り出した。
オーフェリア「………それは?」
八幡「この2つは、お前が花を見てるのに夢中になってる時に偶々店員さんに声掛けられてな、その間に作ったんだ。アザレアで作った首飾りに紫チューリップを丸の形に結晶化した髪留めだ。2つとも、俺的には良い出来だと思ってるんだが、受け取ってくれるか?」
オーフェリア「………」
一応手には持ってくれたが、まだ分からんな。
するとオーフェリアは、首飾りを首につけ、髪留めをいつも結んでいる位置で結んでいた。
オーフェリア「………ど、どうかしら?」
八幡「………あぁ、よく似合ってる。」
嘘なんてついてない。赤色のアザレアは黒い服の上からでも分かるくらい鮮やかだし、正面からでは分からないが、横から髪を結んだところを見ると、紫色の丸い玉が白い髪の中で輝いて見えた。
八幡「それで、受け取ってくれるのか?オーフェリア。」
オーフェリア「………勿論よ、八幡。凄く嬉しいわ。」
………はぁ〜〜良かった!
オーフェリア「………でも、私からは何も用意してないわ。」
八幡「気にするなって。俺がしたかったからしたんだ。お前の解放祝いだと思ってくれ。」
オーフェリア「………えぇ。」
よし、んじゃ帰りますか。家には姫が待ってるこ「………八幡。」と……ん?
八幡「どうした?オーフェ……」チュッ
オーフェリアが呼んだから振り返ろうとしたら、俺の右頬に柔らかい物体が触れた。そして横を見ると、至近距離にオーフェリアの顔があった。
え?これってまさか………
オーフェリア「………私なりのお礼よ///これくらいしか思いつかなかったから………唇じゃないから、まだセーフよね?」
……………キスだった。
しかもオーフェリア自身も頬を赤く染めながらしたもんだから、余計に可愛く見えた。
オーフェリア「………ダメだった……かしら?八幡。」シュン…
八幡「え?いや、そんな事は、無い。」
オーフェリア「っ!良かったわ。」
落ち込んだと思ったら、俺が大丈夫だと言った途端、今度は分かりやすいくらい喜びの表情が出ていた。
オーフェリア「………じゃあ、私はもう行くわね。八幡、今日は本当にありがとう。」
そしてオーフェリアは反対方向に向き、静かに歩き出した。
だが、少しして立ち止まった。
オーフェリア「………八幡。」
八幡「お、おう、どうした?」
オーフェリア「………私、また貴方と出掛けたいわ。【戦律の魔女】の関係は分かってるけど、それでも私は貴方とこんなひと時を過ごしたいわ………機会が出来たら、またお出かけしましょう。」ニコッ
八幡「っ!!」
オーフェリア「………それじゃ、また今度会いましょう。」
そして今度は立ち止まる事も振り返る事も無く、行ってしまった。
俺はこの時思った。
さっき見たオーフェリアの笑顔ほど、今までで1番幸せそうな彼女は絶対に居ないと。
オーフェリア、渾身のキス!!
これには八幡も驚きを隠せていませんでしたね!!ていうか隠す自体無理ですよね。
いや〜、中々に思い切りましたな。