でも今回は一味違うかもです。
では、どうぞ。
小苑side
ほっほっほ、八幡も大分落ち着きを取り戻したようじゃのう。昨日のあやつは、儂から見ると違和感があったからのう。物思いに耽っておるような顔つきをしておったからのう。まぁ実際にしておったのじゃが。
朝食も食べ終え、時間まで隣で瞑想をしておるが、玄武から何も言うてこんという事は大丈夫なんじゃろうな。しかし、大した成長じゃのう。暁彗でも、ここまでは伸びんかったというのに。
小苑「にしても、お主も見んうちに女まで誑し込んでおったとはのう。驚きじゃわい。六花に行く目的は、自分がどれだけ通用するのかやら、自分を試したいと言っておった奴が、良い男になったものじゃ。」
小苑「星露やアレマも言うておったぞ?自分の弟子にしたいとな。儂は別にお主が他の師を持とうが構わんが、お主のことじゃ、断っておるんじゃろ?」
八幡「………」
小苑「……?八幡、寝てお……っ!何じゃ……この凄まじく強大な気は?」
八幡からとてつもない気を感じるわい。それも普通のではない。人間では出し得ないような強大過ぎる気じゃ。それも大きいだけではない。神々しさも感じるのう。
小苑「まさか……
???『ほう、余の事をこの短時間で見破るか。中々鋭い目をしているようだな。』
小苑「まぁのう……じゃがお主が誰なのかは分からん。ただ、八幡の中におったどの霊とも違うのう。儂が予想した神霊かのう?』
???『鋭いな、女よ。如何にもその通りだ。余はこの者が従えている守護霊とは違う。神が憑いておるのだ。当然であろう?』
成る程のう……道理で1つの魂だけ凄まじい気を放っているわけじゃ。しかし、神が宿っておるといっても、そう簡単に人の依り代に神が宿るとは思えん。悪魔ならまだ納得は出来るが、神が宿っておるとはのう。
???『女よ。分かっているとは思うが、此奴に明かすではないぞ。余の力はまだこの者では使いこなせんからな。』
小苑「分かっておるわい。じゃが、何故急に出てきたのじゃ?」
???『何、数百万年振りに表に出ようと思っただけだ。まぁ、余の名前を言ったところでお前には分かるまい。日本神話の中でも表には出てこんくらいだからな。此奴が儂を目覚めさせたら、改めて名乗るとする。』
小苑「………少なくとも、今は害を出さないという事でいいんじゃな?」
???『その辺りは保証しよう。余にとっても此奴は逸材だからな。我が目に狂いなど無いわ。』
日本神話に出てくる神……うぅむ、分からん。
???『ではな。』
そして八幡の身体から出ていた凄まじい気は無くなり、八幡はそのまま横になってしもうた。
八幡「………ん……あれ?俺寝ていたのか?」
小苑「もうすぐ時間だというのに呑気や奴じゃな。まぁ、それくらいが良いのかもしれんがの。」
八幡「返す言葉も無いっス。」
小苑「まぁよいわ。流石にもう寝られんからな?もう2時間を切っておる。」
八幡「分かってますよ。顔洗ってきますね。」
小苑「うむ。」
そして八幡は洗面台の方へと行ってしもうたが、儂としても、胸の内にしまっておかねばのう。まさか神が宿っておるとは……神霊と予想はしていたものの、本当におったとは……
本当に驚いたわい。
本当はあり得ない話その19
『出たくない……』
八幡「……オーフェリア、いい加減に出てきてくれ。」
オーフェリア「………やー。」
八幡「あのなぁ、早くしないと撮影始まっちまうだろ。」
オーフェリア「まだダメなの。」
八幡「布団から出るのにやだもダメもねぇだろ。」
オーフェリア「やぁ〜だ!まだお兄さん成分が満タンじゃないんだもん!」
八幡「その不可解な成分って何なんだよ?俺か?俺なんだよな?」
オーフェリア「そうだよ。お兄さん抱き着かせてくれないから、こうやってお兄さんのお布団で補充してるんだもん!」
八幡「……頼むからやめてくれ。楽屋行ったら抱き着いてもいいから。」
オーフェリア「やー!いまがいいんだもん!」
八幡「勘弁してくれ……」
その後、八幡が布団を引っぺがしてオーフェリアを撮影現場まで連れて行ったのだが、その際におんぶしていたのはここだけの話。