八幡side
昨日はとても壮絶な日だった。雪ノ下さんによる案内が終わったと思えば、その後に出会った美少女について帰って調べたら、世界的な歌姫でありながら、クインヴェール女学園の生徒会長にして序列1位、二つ名に【
……小町がテレビ見ながらワーキャー騒ぎながら言ってたな。まぁどうでもいいが。
そんな現在の俺はというと………
虎峰「そうです。最初は下から履いた方が上手く着られます。」
虎峰に制服の着方を教わっていた。何故かというと、俺は生まれてから今日まで中華服を着たことがないからだ。それに俺の制服着るのむずいんだよ!色でさえ違うのに、制服の原型まで弄りやがってあのチビっ子……
片方普通の袖なのに、もう片方は直裾ってどう言う事?着にくいにも程があるだろ。
八幡「悪りぃな虎峰、なんか付き合わしちまって。」
虎峰「いえ、気にしないでください。漢服を着た事がない人なら通る道ですから。」
八幡「それはここの制服と直裾が合わさったものであってもか?」
虎峰「……すみません、そう言われると何も言い返せないです。」
八幡「いや、別に責めてる訳じゃねーよ。多分あのチビっ子だろ?」
虎峰「間違ってはいないのですが、師父をチビっ子呼ばわりとは……」
いやいや、別にいいだろ。あれはどこからどう見たってチビっ子だ……
八幡「とにかく、早く着付けて飯食って職員室行きてーからよろしく頼むわ。」
虎峰「はい、分かりました。」
そう言って俺は着付けを済ませ、朝飯を済ませてから職員室に向かった。
なお、朝飯の時、多くの視線があったのは気のせいだと思いたい。
ーーー職員室ーーー
担任「君が比企谷くんかな?」
八幡「は、はい。」
担任「なるほど君が……小苑殿が言ってた子だね。うんうん、人の本性を見抜けるいい眼をしてるね。」
虎峰「先生、僕は教室に戻ってます。」
担任「うん、ご苦労様。」
担任「さて比企谷くん、今日から君はウチのクラスでやっていくけど、2つ言わせてね?」
八幡「はぁ……」
担任「黎兄妹には気をつけてね。あんまりクラスの子を悪くは言いたくないんだけど、あの子達は性格が捻くれてて、すぐ人を見下す傾向があるんだ。認めさせるには、やっぱり強さかな。ここは一応、実力主義の学院でもあるから。」
八幡「そんなに酷いんですか?」
担任「彼らの上にいる人達には行儀良いけどね。でも、普段はとても捻くれてるから警戒くらいはしといてね。」
同じクラスなのに警戒しないといけない程か。そんなにかよ……もういい加減なんとかしろよ……
担任「2つ目は、木派と水派の仲だね。これは聞いてる?」
八幡「はい、虎峰から。」
担任「なら説明は省くけど、どっちに入るかは考えておいてね?勧誘とか物凄く激しいから。偶に乱闘まで起きちゃうから。」ウンウン
八幡「あの……どっちにも入らないって選択肢はないんですか?」
担任「別にそれでもいいけど、後が大変だよ?
八幡「まぁ、決めた事なんで。」
担任「それなら止めないけど、頑張ってね。僕は担任だけど、何もしてあげられないから。」
そう言うと何処か同情したかのような表情をしていた。え?何されちゃうの俺?全員からリンチ受けたりしないよね?
担任「あ、それからもう1つ。今日の放課後に
八幡「俺、別に普通の煌式武装でもいいんですけど……」
担任「それがね。ルーちゃんがしてくれって、聞かないんだよ。訳は分からないけど、何かあるんじゃないかな?」
八幡「はぁ、分かりました。じゃあサインします。」
担任「うん、ありがとね。朝からこんなにバタついててゴメンね。ルーちゃんかなり自由な人だから。」
八幡「………因みに、ルーちゃんってあの会長(チビっ子)の事ですか?」
担任「(今何か余計なのも混ざっていたような……)うん、そうだよ。あ、これは僕がこう呼んでいるだけで他の皆は呼ばないからね。こんな呼び方するのは、僕と小苑殿くらいだよ。」
担任「それじゃあ時間もいい頃だし、そろそろ教室に行こうか。皆も待ってるだろうからね。」
ーーー教室前ーーー
担任「さてと、着いたけど比企谷くん。覚悟はしておいてね?木派と水派の勧誘は本当に凄いから。」
八幡「まぁ、それなりには覚悟してますけど、そんなに強烈なんですか?」
担任「うん。だから………
八幡「………え?」
担任「幸運を祈るって意味だよ。」
八幡「ここまで来てそんな事言わないで下さいよ。入りたくなくなって来ました。」
担任「そこはまぁ、頑張ろうよ。」
八幡「人をハメるのが上手いんですね。」
担任「じゃあ、僕が【入って来て】って言ったら教室に来てね?」
あ、行っちまった。しかもスルーして。
担任「みんな、おはよう。HRを始める前に、知ってる子もいるだろうけど、このクラスに転入生が入ります。」
ザワザワッ
うわーめっちゃザワザワしてるよ。俺今からこの中に入んのかよ……
担任「それじゃ、入って来て。」
さて、行きますか。
担任「紹介するね、今日からここのクラスメイトになった比企谷くんです。」
八幡「比企谷八幡です。日本の千葉から来ました。よ、よろしくお願いします。」
担任「それじゃあ質問をしたい子はいるかな?」
ほぼ全員「はーいっ!!」
殆ど全員じゃねぇか。虎峰……お前もか。
八幡「じ、じゃあ、廊下側の一番手前の人で……」
生徒「木派と水派、どちらに入る予定ですか!?因みに私は木派です!」
というよりお前ら、それしか聞く気ないだろ。こちとら予想してんだよ。
八幡「えーと、それに関してだが、俺はどちらにも入る気はないから。」
よし!言ってやったぞ!
………ていうか、静か過ぎね?
ほぼ全員「「「なんだってー(なんでー)(何故だー)(如何してですかー)!!!?」」」
………こうして俺の初めての顔合わせは、とてつもなく大きな音響(声)によって始まった。
…………鼓膜痛い。