学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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しつもん(尋問)と師からの感謝

 

 

シルヴィアside

 

 

昼食を食べ終わった後、ペトラさんは少し休憩してからクインヴェールに帰ったけど、私は八幡君と家に帰る予定だからこのまま残っているんだ。でも、目の前の虎峰君がちょっと怖い(それでも睨んでるようにしか見えない……)顔をして私と八幡君を見ている。雰囲気でいうと、なんか親に説教されてるみたいな感じかな?

 

 

虎峰「………それで、八幡。あの会見で言っていた事は本当なのですか?」

 

八幡「言っていた事が多過ぎて分からん。どれの事だ?」

 

虎峰「貴方が八代界人さんだという事です!流石に僕も驚きましたよ!!」

 

八幡「その事か。あぁ、本当だぞ。」

 

虎峰「サラッとそんな事平然言わないでください!こっちは真剣なんですよ!?」

 

 

でもそれってそれ虎峰君の視点だよね?八幡君は変装してただけだし。

 

あっ、八幡君が八代界人の姿になった。

 

 

八幡「どうだ?」

 

虎峰「………歌声はどうなのです?」

 

シルヴィア「意外に厳しいんだね……」

 

虎峰「幾ら八幡であっても嘘の可能性もありますので。」

 

 

根が真面目なんだね。

 

 

八幡「んんっ!♪〜♪〜」

 

 

八幡君が1曲歌って終わる頃には、既に納得したような顔をしていた。

 

 

虎峰「どうやら本物のようですね。」

 

八幡「さっきもそう言っただろ。」

 

シルヴィア「あはは……」

 

 

いちゃもんではないんだろうけど、気になる事全部聞くつもりなんだろうね。

 

 

虎峰「次です。」

 

八幡「なんか此処でも会見させられてる感じだな。」

 

シルヴィア「特撮版的な?」

 

八幡「そんな特撮いらねぇよ。」

 

 

取材の特撮かぁ………確かにやだなぁ。

 

 

虎峰「私語は慎んでくださいっ!」

 

八幡「コイツめんどくせぇ……」

 

シルヴィア「ま、まぁまぁ……」

 

 

ーーー質問応答中ーーー

 

 

虎峰「………最後です。」

 

八幡「や、やっと最後か……」

 

シルヴィア「け、結構あったね……」

 

 

聞いてるだけの私でも、少し疲れちゃったよ……それにしても、会見から今の質問が始まるまで、この内容を考えていたなんて……凄過ぎるよ。

 

30個くらいあったのに……全部覚えてたのかな?

 

 

虎峰「八幡、貴方はシルヴィアさんの事を愛していますか?」

 

 

えっ!!?

 

 

シルヴィア「ち、ちょっと虎峰君!?」

 

虎峰「八幡、どうなのですか?」

 

 

八幡「随分とナメた質問だな?俺がシルヴィで遊んでるように見えるのかお前は?だとしたら容赦しねぇぞ?」

 

 

っ!!!この感じ……八幡君相当怒ってるのかな?

 

虎峰「……そうではありません。ただ僕が聞きたかっただけです。他意はありません。」

 

八幡「そんな当たり前な事聞くんじゃねぇよ。答えは、生涯を通して愛し続けてやるだ。」

 

虎峰「……僕は嘘が嫌いですよ?」

 

八幡「俺はそれ以上に大嫌いだ。嘘が付くものは全部嫌いだと思えるくらいな。」

 

 

………気のせいかな?八幡君の背中から虎が見えるような……

 

 

虎峰「……そうですか……そうですよね。そうでなければ、あの会見の前であんな事言ったりしませんよね。」

 

八幡「当たり前だ。」

 

虎峰「すみません、こんな事聞いたりして。でも安心しました。」

 

 

段々八幡君から怒気が薄れていた。あぁ……良かったぁ。

 

 

小苑「良い気じゃったのう、八幡よ。」

 

八幡「小苑さん……戻ってたんですか?」

 

小苑「今戻ったのじゃ。するとどうじゃ、お主が今までにないくらい怒気を晒しておったではないか。お主がここまで怒りを露わにするのは初めてではないか?」

 

八幡「そうですね、それは断言出来ます。」

 

 

それじゃあ誰も八幡君の本気で怒ったところを見た事が無いって事だよね。

 

 

八幡「俺が本気で怒る日なんて、来ない事を祈りますよ。」

 

小苑「ほっほ、そうじゃのう。」

 

 

私も来て欲しくないなぁ。

 

 

小苑「それにしても、シルヴィアとやら。お主も愛されておるのう。八幡にこれ程言わせた女子(おなご)はおらんぞ?」

 

シルヴィア「は、はうぅ〜……///」

 

八幡「あの時は別ですよ。あの時の俺は人自体信じてませんでしたから。小苑さんは信じてましたけど。」

 

小苑「当然じゃ、儂の息子なんじゃからな。信用無くして何が師じゃ。」

 

シルヴィア「息子?八幡君の母親ってまさか………」

 

八幡「真に受けるなよ。師と弟子の関係だ。まぁ俺の代理母って事にもなってるがな。」

 

 

え!?それってどういう………ううん、そうだったね。八幡君の過去を辿れば自然に分かる事だよね。

 

 

小苑「分かってくれたようじゃのう、シルヴィアとやら。そうじゃ、八幡はあの時誰も信じてはおらんかった。それは肉親も例外では無い。」

 

小苑「あんな状態まで放っておいた親の顔を見てみたいものじゃ。儂も初めて見たわい、お主の顔がまるで死人のようになっておったんじゃからな。」

 

八幡「そこまで酷かったんですか?」

 

小苑「うむ。じゃから儂はこの学院の者達、そして何よりもお主には大きく感謝しておるのじゃ、シルヴィアとやら。」

 

シルヴィア「えっ、私……ですか?」

 

小苑「儂に出来たのは、精々武術や星仙術の使い方と、一緒に過ごす事だけじゃった。無論これだけでは此奴の闇など取り除ける訳なんぞどこにも無い。じゃが儂が此奴の公式序列戦で見た時、明らかに闇が大きく無くなっておったのじゃ。此奴の目と同じでな。」

 

シルヴィア「………」

 

小苑「八幡の最初を知っておる儂だからこそ言える事じゃが、今はその闇が殆ど無くなっておる。小さいのは、まだ残っておるがの。そうだとしても、界龍の皆、シルヴィアには多大に感謝しておる。じゃからシルヴィアよ、儂から言わせておくれ。息子を助けてくれて、本当に感謝する。これからも儂の八幡をよろしく頼むぞ。」

 

 

………そんなに酷かったんだ、小苑さんが八幡君と出会った時って。

 

 

シルヴィア「………勿論です。これからも任せてください!」

 

小苑「頼んだぞ、義娘よ。」

 

 

今、なんか字が違ったような……

 

 

小苑「八幡よ、お主の女がここまで言うてくれたのじゃ。お主も負けんようにするんじゃぞ?」

 

八幡「……はい。」

 

小苑「うむ。さて、儂はもう行く事にする。またいつかの。」

 

八幡「……模擬戦の事は?」

 

小苑「そんな話もあったのう。じゃがそれは、お主がもっと強くなってからで良い……それと、そこの(おのこ)よ。」

 

虎峰「は、はいっ!」

 

小苑「八幡の事をこれからも頼むぞ。何せお主が八幡の最初の友であろう?」

 

虎峰「は、拝命致しますっ!!」

 

小苑「うむ、ではの。」

 

 

そして小苑さんは部屋を出た。あの人から八幡君が凄く大切だってオーラを凄く感じた。師匠は親、弟子は息子、かぁ。

 

 

八幡「……全く、お節介焼きな義母ちゃんだな。」

 

 

そう言いながらも、嬉しそうだよ?

 

 

 

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